【血統分析】フェアエールングから見るゴールドシップ×マルゼンスキーのニックス論

M石土井
M石土井
みなさんこんにちは、M石土井です。
今回はゴールドシップに関する血統コラムを投稿していきます。よろしくお願いします。

雑記

皆様お久しぶりです。

いや、X(旧Twitter)では毎週出没しているのですが、記事執筆は数カ月ぶりです。

この間、異動があったり、手術したり、体調不良で倒れたり、異動があったりとバタバタしていました。

今は新部署で前とは比べ物にならないほど忙しくなったので、今後はどうしようかと思案中です。

で、今回推しが出走したに当たってちょっくら記事を書くか・・・と思い立ったのでアンケートを取った結果がこちら。

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思いの外白熱しましたね。

私ももう一度マルゼンスキーについて考えたかったので、ちょうどいい機会と思いフェアエールング(マルゼンスキー論)を書いてみようと思います。

では本題に入ります。

フェアエールングとは

ゴールドシップ産駒の現3歳牝馬。

デビュー戦で快勝したものの、気性面でのブレーキが続き、その後一時低迷。しかし、競馬を覚えたことで才能が開花したゴルシ牝馬です。

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この馬の最大の特徴はなんといってもマルゼンスキーでしょう。

マルゼンスキーの話をする前に、ぜひ以下の記事の「黄金ニックス ニジンスキーとバックパサー」を御覧ください。

時間がない人には要約(chatGPT)がこちら。

ゴルシ産駒の活躍馬には、ニジンスキーという種牡馬の血を持つ馬が多い。しかし、ニジンスキーだけではなく、バックパサーという種牡馬の血も重要である。バックパサーはアメリカの名馬で、小回りや荒れた馬場に強く、タフでスタミナがある。この血はゴールドシップの特徴を強化すると考えられる。ゴールドシップ論の根幹は、バックパサー的なオールドアメリカン血統をどれだけ持っているかということである。

バックパサーとニジンスキーの母(Flaming Page)の血統を並べたものがこちら。

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バックパサーとニジンスキーは多くの血統が共通している

ゴールドシップはニジンスキー・バックパサーとニックス関係にあるが、そもそもニジンスキーとパックパサーの血統構成が非常に似ているから、片方が相性が良いなら両方とも相性がいい必然性がある。

ということです。

マルゼンスキー

ではマルゼンスキーが何故良いのか説明していきます。

といっても、血統好きな人ならもう察していると思いますが、マルゼンスキーの血統表を見てください。

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説明する必要がなくなりました。

父ニジンスキー、母父バックパサー。こんなん、なんぼあってもいいですからね。

ニックスのよくばりハッピーセットで今ならおもちゃ2個もらえるレベル。

少し分解していきます。



ニジンスキー

英国三冠馬で、説明不要の大種牡馬。
抜群のスタイルの良さとその血統背景からくるスタミナが魅力。
ゴールドシップとは、シップ内のザミンストレルと3/4同血の存在であり、実はインブリード対象の馬。

ザミンストレルも英ダービー馬であり、このインブリードを持つゴルシ産駒の特徴は、芝で優雅な走りをする馬が多い印象。

代表産駒…プリュムドール、エドノフェリーチェ、ヴェローチェオロなど

バックパサー

アメリカの名馬であり名種牡馬。スタミナとパワーに優れ、父系よりも牝系に入って輝く血統。日本においては、キングカメハメハのパワーの源流(トライマイベストの母父)と言えば理解しやすい。

アメリカの超良血をバランスよく最大濃度で詰め込まれており、アメリカ的なスピードと機動力を生む。

バックパサー持ちゴルシ産駒の特徴は、先行して押し切るパワー型が多い印象。

代表産駒…ウインキートス、ウインマイティー(バックパサー自体は持っていないが近い血統を多く持つ)

アメリカ血統 メジロアサマ

ここを書き出すと長くなってしまうので簡単に割愛します。

ニジンスキーとバックパサーの血統がニックスであることはわかったが、なぜその血統が良いのか。

答えの1つはザミンストレルと両馬の血統が相似インブリードしていること。

そしてもう1つはメジロアサマがアメリカの影響が強い馬であるということ。

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メジロアサマの血統

実はアサマの母母の血統構成(ウォーアドミラル・ブルーラークスパー・テディの累代)は、バックパサーの母と全く同じ重ね方をしています。

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バックパサーの血統

また父もファラリスにサイリーンのインブリードと構成が似ており、非常に親和性が高い組み合わせです。

つまり、バックパサーが入ることによって、ゴールドシップ内のザミンストレルやメジロアサマなどのアメリカ血統が目覚め、ゴールドシップに足りない機動力やスピードを上げてくれる…と考えられます。

このように、ニックスとは「たまたま相性がいい」というものではなく、調べれば必ず裏付けがあるということがわかります。

同様に、あまり表立ってはいませんがコジーンも今後取り上げたいニックスとして考えています。



まとめ

つまりこんなニックス詰め放題なマルゼンスキーをインブリードしているフェアエールングが1勝クラスで終わるはずもなく、デビュー前からずっと追いかけていた馬でした。

戦法もアメリカ色の強さを見せ、先行して押し切っており、更にバックパサー的な機動力を武器に捲くっていくため、コーナー比率の高い札幌では1頭だけ加速し続ける別次元の競馬で2着1着1着とほぼパーフェクトな戦績でした。

昨年の札幌2歳Sでは精神面の若さを見せ惨敗しましたが、競馬さえ覚えられていたら当時から勝ち負けしていたと思います。

また本馬の特徴として、各牝系からプリメロ(ブランドフォード)の影響も強く、早熟性とスタミナ強化も期待されているため、今後は秋華賞を目指してほしいものの、除外されたら屈指のタフコースである新潟牝馬ステークスあたりが面白そうかと思います。

余談

これを書き始めたら多分終わらないのでやめましたが、

  • ゴールドシップはナスルーラの影響が強い馬であること
  • マルゼンスキーの牝系がプリンスキロとカウントフリートであること
  • バックパサーの牝系がラトロワンヌ牝系であること

つまり、ゴールドシップとマルゼンスキーが出会うことで、アメリカ血統インブリードに加えてナスキロ&ナスフリートの柔らかさを持ちつつも、適度なラトロワンヌで締められている。

まさに日本適性の低いゴールドシップに切れを与えてくれるベストパートナーだと思います。

その話はまた今度………

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