今回は前回執筆したキズナ牡馬ニックス論の続編です、よろしくお願いします!
<前段となる記事はこちら⇩まずこちらをご確認ください>
Level.2 君はサーアイヴァーを知っているか
ここからLevel2です。
Level1(上述の記事)でサーアイヴァーと連呼しましたが、サーアイヴァーがどんな馬か知らなければ次に進めません。
サーアイヴァーを簡単に説明します。
サーアイヴァー
1965年産まれのイギリスの2冠馬で、追込一気が武器の馬でした。
(現役当時などの詳細はネットで調べて下さい…)
サーアイヴァーとは (サーアイヴァーとは) [単語記事] – ニコニコ大百科サーアイヴァー(Sir Ivor)とは、1965年生まれのアメリカ生産・アイルランド調教の競走馬である。 概要 父Sirdic.nicovideo.jp
このキレは子孫にもよく受け継がれ、特に有名なのはディープインパクト(母父母父サーアイヴァー)でしょう。
現代では5代血統表からも姿を消しつつありますが、サーアイヴァーは日本競馬において素晴らしいアクセントであり続けています。
ここがすごい!サーアイヴァー!
・血統構成がヘイロー(サンデーの父)とかなり近い
▶サンデー系と組み合わせるとキレ馬が出やすい
(ディープインパクト・イクイノックスなど)
・父がナスキロ(ナスルーラ×プリンスキロ or ロイヤルチャージャー×プリンスキロ)を持っている
▶キレと柔らかさを出すので日本的なレースが合う
現代のサーアイヴァー
主に芝的な馬を多く輩出しました。
現代の日本競馬でも、多くのサーアイヴァー持ちの馬がいます。
ディープインパクト(母父母父)
イクイノックス (6×5)
タスティエーラ (5×5)
リバティアイランド(母母父母父)
シュネルマイスター(父父父母父)
芝のチャンピオンホースが多いですね。
そして、爆発的な瞬発力を持つが多いことにも気がつくでしょう。
世界に目を向けても、サートリストラムやグリーンデザートなどがサーアイヴァーを持つため、子孫にも引き継がれています。
ドバイミレニアム (10戦9勝 ドバイWC他)
シーザスターズ (英2冠馬・大種牡馬)
バーイード (21世紀欧州最強マイラー)
ステファニーズキトゥン (ブリーダーズカップ2勝)
レイチェルアレクサンドラ(ケンタッキーオークス20馬身勝利)
ゴールデンシックスティ (G1 10勝 獲得賞金世界最高の30億円)
ロンロ (35戦26勝 G1 11勝 重賞24勝)
…………………その他多数
*ロンロ以外は直系ではない
これらは4代前5代前に埋もれているため、サーアイヴァーだけの力とは言えませんが、各国のチャンピオンホースに受け継がれたサーアイヴァーの遺伝子は競馬が続く限り永遠に受け継がれるでしょう。
キズナから話がそれましたが
「サーアイヴァーを増させたキズナ産駒から芝のトップホースが出る」
に納得いただけたのではないでしょうか?
それを踏まえて、執筆時点(2024/4/22)の賞金順20位までを分類すると、このようになりました。
1,サーアイヴァー持ち
ディープボンド 芝長
ジャスティンミラノ 芝中
オールザワールド 芝中長
パラレルヴィジョン 芝㍄
バスラットレオン 芝ダ㍄
サヴォーナ 芝長
アサカラキング 芝短*
スパイラルノヴァ 芝中
ヴアーサ ダ短
リビアングラス 芝中2,カーリアン持ち
ハギノアレグリアス ダ中
アサカラキング 芝短*3,ボルキロ持ち(ブレンチデピュティ・セクレタリアト・シアトルスルーほか)
ダディーズビビッド 芝短
ハピ ダ中
オーヴァーネクサス ダ㍄
ルリアン 芝ダ中
ホウオウルバン ダ中
見るからに圧倒的サーアイヴァー率ですね。そうはならんやろと突っ込みたくなるレベルです。
しかも、他のグループは約半数がダートに出ているのに、サーアイヴァー群はほぼ全頭が芝馬になっています。
やはりサーアイヴァー持ち繁殖牝馬と組み合わせれば、キズナ牡馬でも芝馬になりやすいと言えるでしょう。
しかし、サーアイヴァーの直系はオセアニア以外断絶した血統。
サーアイヴァー持ちを探しても、気軽に見当たるものではありません。
そういう時はサーアイヴァーの代替になる血統を探すのも手です。
Level.3 サーアイヴァーとニアリーな血
サーアイヴァーの血統
まずはサーアイヴァーの血統表をご覧下さい。
この血統に近い馬を探していきましょう。
注目すべき点は、父サーゲイロード。
父父ロイヤルチャージャーと母父プリンスキロの組み合わせは、キレの出るナスキロ(ナスルーラ×プリンスキロ)と相当に近い組み合わせです。
このサーゲイロード(ナスキロ)を中心に、ポイントをまとめました。
キズナ牡馬の母に見つけたいポイント
①ナスキロ
②母にあるマームード、サーギャラハッド=ブルドッグ、ファラモンド、マンノウォーなど
カーリアン群
ハギノアレグリアス ダ中
アサカラキング 芝短*
カーリアンは父ニジンスキーの重厚さと、母のナスキロ(ロイヤルチャージャー×プリンスキロ)のキレが特徴ですね。
ブエナビスタの母父、フサイチコンコルドの父といえば解りやすいでしょうか。
多くの血統も共通しており、サーアイヴァーとカーリアンはかなり近い構成になっています。
ハギノアレグリアスはダート馬ですが、好意から抜け出す一瞬のキレはカーリアンの影響が見えますね。
ボルキロ群
・フレンチデピュティ持ち
ダディーズビビッド 芝短
ルリアン 芝ダ中
オーヴァーネクサス ダ㍄
・セクレタリアトorシアトルスルー持ち
ハピ ダ中
オーヴァーネクサス ダ㍄
・その他
ホウオウルバン ダ中
ボルキロとは、
ボールドルーラー×プリンスキロの組み合わせ。
*ボルキロの詳細はEXTRA(今後執筆予定の続編)参照
セクレタリアト・シアトルスルー・フレンチデピュティはボルキロの代表格で、ナスキロと同じくしなやかな走りとキレを生みます。
ただボルキロはややパワー型に出やすく、シュパッとキレるよりジワジワ伸びるイメージになります。
そのため、ナスキロよりダート型に出やすいですね。
サーアイヴァーorカーリアンorボルキロ
ということで、キズナ牡馬の上位20頭の内16頭が
サーアイヴァーorカーリアンorボルキロを持っていました。
より芝馬的な馬を狙いたいならサーアイヴァー
ダートに転んでも良ければカーリアンかボルキロを探してみましょう。
M石土井
ゴルシ産駒研究者
一口馬主を京都サラブレッド、YGG、広尾、DMM、ノルマンディーなどで楽しんでいる、ゴルシ産駒研究者。noteにてゴルシ産駒にまつわる投稿を行っている。血統分析に重きを置くスタイルで、代表出資馬はドライスタウトやグランベルナデット。ゴールドシップ産駒ではオルノアやブルーローズシップなどに出資している。
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