と、及び腰でしたがサンタアニア開催時の好走馬の血統を見ているとある程度共通点が見えてきましたので、加点方式で書いていきたいと思います。
好走馬の血統
サンタアニア開催時に好走した馬の血統を羅列します。
2013年
ムーチョマッチョマン
2014年
バイエルン
2016年
アロゲート
2019年
ヴイーノロッソ
見逃しもあるかもしれませんが、大きな特徴がいくつか見えてきました。
1,ミスプロ優位
アメリカ競馬なんだから当たり前だろ!
と言われそうですが、それにしても2014年バイエルン以外、勝ち馬はすべてミスプロクロス持ちです。
そのバイエルンもミスプロは持っていてレイズアネイティブクロス持ち。
やはりアメリカ競馬にはミスプロ的なスピードが必須。
2,3着まで広げても、このようにミスプロクロスがあるかないかは非常に重要だと思います。
2013年 3着デクラレーションオブウォー
2016年 2着カリフォルニアクローム
2019年 2着マッキンジー
2,デピュティミニスター&リボー
デピュティミニスターはカナダ的な豊富なパワーを持つ馬。
逆にストームキャットなど他のノーザンダンサーがあまり目立たない事から、純粋なパワー特化が良さそう。
デピュティミニスターを推す理由としては、サンタアニアの好相性。
他場開催時にデピュティミニスター持ちで3着以内に入ったのは
2018年 アクセラレイト
2020年 グローバルキャンペーン
この2頭のみ(2/18頭 9頭に1頭)
一方、サンタアニア開催時では
2013年 ウィルテイクチャージ
2016年 アロゲート・キーンアイス
2019年 ヴィーノロッソ
4頭が馬券内に入っています(4/12頭 3頭に1頭)
また、リボーもパワー増強型であり、好走馬に散見されます。
3,ブラッシンググルーム&ネヴァーベンド
この2頭は欧州型ナスルーラですが、ブラッシンググルームはトムフール的な米国的機動力、ネヴァーベンドはラトロワンヌ的な米国的機動力です。
この2頭の血を持っているのが…
2013年 ムーチョマッチョマン・ウィルテイクチャージ・デクラレーションオブウォー
2014年 バイエルン・トーストオブニューヨーク
2016年 キーンアイス
2019年 ヴィーノロッソ・マッキンジー・ハイヤーパワー
なんとこちらは8頭!(8/12頭 3頭に2頭)
かなり血統の奥に入っており、特段インブリードしているわけでもないですが、ここまで顕著に出るなら特異性があると注目したほうが良いでしょう。
4,父ミスプロ系
アメリカ競馬ですが、ストームキャット系やエーピーインディ系があまり好走していません。
サンタアニア開催時の1,2,3着馬の父馬を抜き出します。
2013年 マイナー ミスプロ ダンジグ
2014年 マイナー ミスプロ APインディ
2016年 ミスプロ APインディ ミスプロ
2019年 ミスプロ ミスプロ サドラー
2013年と2014年はマイナー系統の馬が勝ち、APインディ系はカリフォルニアクロームのみ。
その他1頭ずつダンジグ系・サドラー系がいますが、多数の6頭がミスプロ系です。
特にファピアノ系統が強いですね。
全頭診断
ということで、出走馬の血統を見ていきます。
ミスプロ ▶ ミスプロインブリード持ちか
デピュティ▶ デピュティミニスター持ちか(リボーの場合あり)
ブラグルネヴァ▶ ブラッシンググルーム・ネヴァーベンド持ちか
父系統 ▶ 父系ミスプロか
◎◯▲△✕の順で要素があるか診断します。
また、印を5,4,3,2,0点に変換し、総合点も20点満点で併記します。
ゼンダン 11点
ミスプロ ◯
デピュティ ▲
ブラグルネヴァ △
父系統 △ APインディ
柔軟性に富み、スピードの持続力がありそう。
ホワイトアバリオ 8点
ミスプロ ◯
デピュティ ✕
ブラグルネヴァ △
父系統 △ APインディ
良く言えば総合力、悪く言えばアウトブリード的で適性が見えない。
ミストザカット 8点
ミスプロ ◯
デピュティ ✕
ブラグルネヴァ ✕
父系統 ◯ ゴーンウエスト
総合点は低いものの、スピード性能は高そうな血統。
戦績通り芝向きな印象が強い。
デルマソトガケ 12点
ミスプロ ✕
デピュティ ◎
ブラグルネヴァ ▲
父系統 ◯ デピュティミニスター
ミスプロの本数こそ少ないものの、デピュティミニスターの濃さなら間違いなく有数。
UAEダービーで逃げて突き放したのはコース的にもかなりのアドバンテージ。
懸念点は牝系の欧州ステイヤー的な血統がどう作用するか。
サウジクラウン 9点
ミスプロ ◯
デピュティ ✕
ブラグルネヴァ ✕
父系統 ◎ ファピアノ
父系統はファピアノで良さそう。
ただAPインディやストームキャット要素が濃く、ベストではないイメージ。
クラプトン 12点
ミスプロ ◎
デピュティ △
ブラグルネヴァ ✕
父系統 ◎ フォーティナイナー
父父は突進血統のフォーティナイナー×ダンジグで好感。父の牝系もネヴァーベンドに近しいナンバードアカウント系。
それ以外は柔らかい要素を積み込んでおり、先行力あるなら買いたい。(ネットケイバの想定は追い込み…)
ウシュバテソーロ 0点
ミスプロ ✕
デピュティ ✕
ブラグルネヴァ ✕
父系統 ✕
日本総大将、いや世界のダートキング・ウシュバテソーロ。
脅威の0点を計上しました。
この馬の強さを否定する人はいないでしょうが、血統での点数は付きませんでした!
というのも当然で、日本で醸成されたノーザンテースト・メジロマックイーン・ステイゴールドの血がBCクラシックに挑戦するのも初めてですし、先行押切が鉄則のアメリカ競馬に後方一気で挑むなんてデータクラッシャーもいいところです。
ドバイWCはハイペースの先行壊滅を飲み込んだ感じもありますが、前走で先行した経験も生きるでしょうし、何よりこの馬のコーナリングは秀逸の一言。
極端に短い直線のため、差し届かずの可能性も十分ありますが、うまく中段より前につける事ができれば…
セニョールバスカドール 12点
ミスプロ ◎
デピュティ △
ブラグルネヴァ ◎
父系統 △ APインディ
父系こそAPインディ系ですが、全体感で言えばリボーも入っていい感じ。
母はファピアノ系でブラッシンググルームのインブリードを持つ。もう少し突進力はほしいものの、人気がないなら抑えたい。
ドリームライク 14点
ミスプロ ◯
デピュティ ✕
ブラグルネヴァ ◎
父系統 ◎ ファピアノ
父がブラッシンググルームを4×5で持つ。デピュティのパワーがなくともブラッシンググルームで先攻できそう。
母から適度に欧州系の血を入れているのも好感が持て、能力さえ足りるなら中心視したい血統。
能力足りますか?足りませんか?実績はないですがどうなんですか?
教えてください。
ブライトフューチャー 17点
ミスプロ ◯
デピュティ ◯
ブラグルネヴァ ◯
父系統 ◎ カーリン
父カーリンはヴィーノロッソやキーンアイスを排出しているミスプロ×デピュティミニスターのサンタアニア特効血統。
特にインブリードしていないものの母方にダンジグやブラッシンググルームも持っており、言う事ナシ。
11/2の想定オッズ80倍なら単勝と馬連ワイド流したい。
懸念点は能力が足りるかどうか。
能力足りますか?足りませんか?実績はないですがどうなんですか?
教えてください。
アレイビアンナイト 3点
ミスプロ ✕
デピュティ ✕
ブラグルネヴァ ✕
父系統 ▲ カロ(マイナー)
実質1番人気の馬にこんな評価をつけるのはなんともですが、機械的に採点してるので知りません!
アンクルモー譲りの突進力で逃げ、APインディの持続力で粘るザ・アメリカンな印象。
ミスプロは薄いですが、スピードの担保はあるでしょう。
懸念点は、突進力はありそうですが機動力は少し疑問符。
プロクシー 8点
ミスプロ ◯
デピュティ ✕
ブラグルネヴァ △
父系統 △ APインディ
全体的にまとまっており、母はリボーやナンバードアカウントを持っており、機動力もありそう。
全体的にまとまっている。
総評
疲れた…
こんなに書くつもりじゃなかったんですけどね。
ということで、私独自の4指標におけるトップ3と日本馬を並べて終わりとします。
トップ3
1,ブライトフューチャー 17点
2,ドリームライク 14点
3、セニョールバスカドール 12点
3,クラプトン 12点
3,デルマソトガケ 12点
サンタアニアのBCクラシックで抜群の結果を出しているカーリン産駒のブライトフューチャーが1位。
この馬は脚質とか戦績とか全く知りませんが、ここまで抜けて条件が合う上に人気がないなら、単勝とワイドは買います。
2位のドリームライクはガンランナー産駒。
ガンランナーはブラッシンググルームの影響が強い馬で、そこに持続性のあるタピットはある意味アメリカ的お手本。
能力が足りるならほんとに買いたい。人気もないし。
3番手は同率で3頭。
セニョールバスカドールは父APインディ系なもののミスプロとブラッシンググルームがかなり濃い。
クラプトンもかなりミスプロが濃い目で、血統面ではかなりの持続力型。小回りより長い直線でも見てみたい。先行できればかなり粘りそう。
デルマソトガケはマインドユアビスケッツの突進力を牝系のスタミナで伸ばしてる印象。ネオユニやトニービンという字面で見るから少し敬遠したくなるものの、ロージズインメイとカポーティと脳内変換したら勝てそうじゃないですか?
ロージズとカポーティがよくわからん場合はネオユニとトニービンで大丈夫です。
最下位
ウシュバテソーロ 0点
ある意味当然の結果です。
だってアメリカダート実績のない血統だもの…
この記事の目星を付けたときから
「ウシュバの扱いどうしよう…絶対血統から高得点付けられない…」
と悩みましたが、逆方向に振り切りまくってくれたおかげで良い扱いができました。
マジな検討をすると、サンタアニアのレースを見ましたが完全に先行有利。
後ろから行く馬はほぼ映像に映らないレベルで離されていました。
ウシュバのドバイでの豪脚は、前が崩れてくれたおかげもあり、あまりその期待のできない今回は中段より前につけることが必須だと思います。
ウシュバのコーナリングは現役でも有数なので、外を回されても問題無く、追走できるかどうかだけが問題だと思います。
能力値で言えば間違いなく上位ですし、(日本オッズが歪みすぎていますが)上位で馬券を構築したいと思います。
これから実績や脚質、展開の予想は行いますが、現在は上位5頭+ウシュバテソーロのワイドボックスを考えています。
人気薄が多いため、ウシュバ絡みだとしてもかなり跳ねるのではと期待しています((o(´∀`)o))
余談
父実績を✕にしましたが、一応、父オルフェは昨年マルシュロレーヌがBC勝ってますね。
ただ、デルマー開催でしたからね。
サンタアニアでは✕(実績なし)とさせていただきました。
ちなみにマルシュロレーヌの血統見たらたまげました。
マルシュロレーヌ 13点
ミスプロ ✕
デピュティ ◯
ブラグルネヴァ ◯
父系統 ◎(勝ったから◎)
今回デルマーじゃないのでウシュバに父系統で点数をつけることができませんでしたが、マルシュロレーヌは今年も出てたらいい勝負してたんじゃないかと思うくらいには買いたい血統でしたね。
余談でした。
おしまい。
M石土井
ゴルシ産駒研究者
一口馬主を京都サラブレッド、YGG、広尾、DMM、ノルマンディーなどで楽しんでいる、ゴルシ産駒研究者。noteにてゴルシ産駒にまつわる投稿を行っている。血統分析に重きを置くスタイルで、代表出資馬はドライスタウトやグランベルナデット。ゴールドシップ産駒ではオルノアやブルーローズシップなどに出資している。
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