今週ダイヤモンドSに出走するシルブロンは私の出資馬なのですが、500口募集で1口3万円という格安馬でした。私が競馬に染まった過程からシルブロンと出会うまで、出会ったからこそ語れる一口馬主の極意を僭越ながらお伝えします！
競馬と出会い、強い決意と痛恨のミス
2014年、大学2年生の時、ワンアンドオンリーが勝ったダービーで、サークルの先輩に誘われて人生初の東京競馬場に行き、見事に競馬にどハマりしました。
気が付いたら翌週のジャスタウェイが勝った安田記念にも足を運んでいるほど…
私は大学院にまで進んだのですが、学生の時から「社会人になったら絶対に一口馬主をやる」と志し、社会人になった2019年(18年産募集)、遂に念願の一口馬主になりました。
「社会人になったら絶対に一口馬主をやる」
そんな決意は堅かったものの、実際のところその為の知識は何もなかったです。
とにかく知識のある方と繋がりたい！
そんな思いで一口馬主のことをよく知る、仲良くさせていただいてる方々の掲示板や飲み会などに数多く参加し、知見を得ました。
始めようとした2019年は、アーモンドアイやブラストワンピースなどが競馬界を席巻していた時代でしたので、入会するクラブはすんなりとシルクホースクラブにしよう！と決まりました。
ところが、ここで事件が…
何と、僕の投函した書類が期日までに届いていなかったのです。
慌ててクラブに電話したところ、
「お客様の書類は届いていますが、期日までに届いていなかったので現在は1頭も所有していない状況です。ただし、個人情報は届いているので、余っているダストアンドダイヤモンズの18、もしくはカラフルブロッサムの18になら今から出資できます。」
という返答が。
ただ、長年の夢である一口馬主になるチャンスを絶対に逃したくない、そう思い余っている馬でも何かの縁だと考え、残り2頭から出資することにしました。
そしてこの電話がキングカメハメハが死去した1週間後くらいだったので、そういう縁も含めて、キングカメハメハ産駒のカラフルブロッサムの18にしようと決意し、出資申し込みをしました。
それが今の名をカラレーションとする馬です。
シルクで1頭しか出資できず、寂しいなと思い追加でキャロットクラブの入会を決意し、人気のなかった馬で走りそうな馬を厳選し2頭の出資が確定。
それでも満足しなかった私はキャンセル募集にも参加し、ここでとんでもない豪運を発揮！
なんとキャンセル募集でシルク、キャロットで各1頭ずつ追加で出資が確定しました。
このキャンセル募集で出会った馬が、自分に一口馬主初勝利をプレゼントしてくれたトゥルーアート(イグジビットワンの18)と、何を隠そう今週ダイヤモンドSに出走予定のシルブロン(グレイシアブルーの18)です。
結局一口馬主初年度は5頭に出資しカラレーション、トゥルーアート、シルブロンの3頭が勝ち上がり、1頭のオープン馬を輩出と出来すぎなくらいのスタートを切ることになりました。
ここまで順調なスタートを切ったのは何故かと言うと、
「社会人1年目だから高い馬には手が出せない。だから、安くても値段の割に面白そうな血統の馬に申し込みをした」
ただそれだけです。知識も血統以外何も無かったので、本当THE・ビギナーズラックという感じでした。
迷走、馬選びの厳しさ
社会人2年目、3年目となっていくにつれて一口馬主への興味は増します。Twitterや YouTube、一口馬主DB等を通じてありとあらゆる情報を集め、測尺や馬体の見方、厩舎の特徴など、どうすれば強い馬に出資できるかひたすら勉強しました。
そして迎えた2年目(19年産)の募集。
シルクでは2頭+追加募集1頭に出資が確定。
そしてキャロットでは一般申込9頭中7頭に当選するというこれまたとんでもない豪運を発揮し、世代で10頭出資とちょっとした大馬主になりました。
しかし、結果としては1年目と同様3頭しか未勝利期間中には勝ち上がることはできませんでした。(その後引退は免れた1頭が地方から出戻りしましたが)
3年目(20年産)の募集では、シルク2頭、キャロット1頭と前年と比較すると控えめな布陣でしたが、初めてシルクの「抽優」(※第1希望)が当選し、期待が持てる布陣ではありました。
しかし、何とこの年は2歳時に1頭もデビューすることができず、2022/2/14現在もサヴァリアという馬が1戦(7着)したのみで、2頭は未デビューです。
あまり知識がない状態だった初年度で成功したのに、知識がついて多角的に馬を見るようになってからこの迷走。
一口馬主の厳しさを痛感した2年間でした。特に20年産は堪えました。
他の一口友達の馬が続々とレースに勝ったり、大きなレースに出たりしている中、自分は勝つどころか出走すらせず指を咥えてみているだけの日々は正直辛かったです。
ビギナーズラックから学ぶ
1年目の成功と2,3年目の挫折を経て、自分は「欠点の見当たらない馬」を探していたことに気が付きました。
競馬を知っていれば知っているほどわかるとは思いますが、そんな馬はほぼいません。
また、私の現在の代表馬であるシルブロンは、前走グレイトフルSでは500kgの馬体重で出走しました。
ですが、実はこの馬、募集時は390kgだったのです。
そんな「常識では考えられないこと」が起こる、それが競馬なのです。
だから競馬に魅了されてきた、そうなんだと思います。
低迷していた時期は、まず募集馬リストから「測尺ダメ、繋ぎが立っている…」と、切っていく作業から始めておりました。
しかし、そのようなやり方では、少なくとも募集時390kgのシルブロンは選べないことに気付きました。
そこで、4年目の募集からは、カタログを1から順番に見ていき、「この配合は面白そう、この筋肉が凄い」と、魅力的な部分がある馬をピックアップしていく作業から始めました。
そこから測尺や馬体など、多角的な視点で考察し、魅力的な部分とマイナス要素とを天秤にかけ、それでも魅力が勝つ馬に出資する、というやり方にしました。
「安くても値段の割に面白そうな血統の馬に申し込みをした」1年目のように、面白い、魅力的に感じた部分から馬を選ぶ。
これで成果が出るかはまだわかりません。
ただ、この方が圧倒的に楽しいし、より自分の夢を託せると感じています。
勝利は関係者のおかげ、敗北は自分の責任
話は変わりますが、どうしても伝えたいことが一つありまして、一口馬主をしている上で私が大切にしていることがあります。
それは、「勝ったら騎手、厩舎関係者の皆様のおかげ。勝てなかったら、選んだ自分の責任。」ということです。
たまに重賞馬に出資している方で自分の相馬眼を自慢している方を見ますが、その方を否定する気はありません。
本当に相馬眼がある方もいらっしゃると思います。
ですが私の考えとしては、自分はその馬が若駒の時に良いと思い、大事なお金を出資している。
だけどそれ以上のことはしていない訳で、騎手や厩舎関係者の方々は自分の出資馬を勝たせる為に血の滲む努力をしてくださっている。
そこまでしていただいても勝てなかったということは、自分の見る目がなかっただけだと思うし、勝ったからといって、別に自分が凄いとは思いません。騎手や厩舎関係者の方々が凄いのです。
私は重賞をまだ勝ったことがないのですが、これから勝つことがあったとしても、このマインドを忘れないようにしていきたいと感じています。
一口馬主は人生を好転させる
私は好きなことでこんなに一喜一憂できる一口馬主という趣味が大好きです。
特に、出資馬が勝利した時の喜びは格別です。
人生で喜んだこと、嬉しかったこと、数多くありましたが、「瞬間最大風速」というか、たかが2分程度でこんなに喜びが爆発する経験って、人生でもなかなかないのではないでしょうか。
因みに私は昨年そういう経験をしたのは、
「出資馬の勝利」と、
「村上宗隆選手の第56号HRの現地観戦」
だけでした。笑
また、私事ですが仕事面では上司からのパワハラが原因で休職するなど、辛い想いも経験しました。
そんなどん底に近い時期にも、出資馬たちが頑張っている姿を見て、頑張って日々生きていく勇気をもらいました。
本当に愛馬たちが、私の人生を好転させてくれています。
昨年いっぱいで前職を退職し、現在は転職先での毎日、不安でいっぱいではありますが、現在は主に「シルブロンのダイヤモンドS」を全力で応援する為に毎日仕事を頑張っている、といっても過言ではありません。
ここ2ヶ月、シルブロンのお陰で毎日が楽しかったし、生きる糧になっていました。
できれば今週末勝利し、天皇賞春に駒を進め、このワクワクの毎日があと2ヶ月ほど続くと嬉しいなぁ、なんて夢を抱いております。
<ライタープロフィール>
競馬予想系YouTube「PON HORSE CLUB」を運営。
江分輪太の弟子。馬券は穴から。
極度の現地観戦主義者で、1年間で競馬場に72回行ったことも。
ヤクルトスワローズ・川崎フロンターレ・大相撲・お笑い芸人・酒を愛する男。
一口馬主はキャロット・シルクに入会中。代表馬はシルブロン・アンクロワなど。
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