今回は話題となっている東サラさんの募集制度変更について取り上げていきます。
よろしくお願いします。
募集制度変更の概要
「2023年6月5日の深夜0時、一口馬主の間に激震が走った。」といっても言い過ぎではないのでしょうか?
発端となったのは、東京サラブレッドクラブ。
募集制度を今年から変更するというお知らせでした。
公式ツイートによると、2023年募集では、第一希望制度、抽選制度を廃止しWEBフォームによる先着順の受付とするとあります。
これは、会員と新規で同列の扱いだということで、申し込み後のキャンセルや口数などの変更はできないということでした。
※翌日に既存会員が1日先行して応募と変更されたようです。また口数も最初の24時間は1頭につき10口と制限が加えられました。
倍率2倍以上の抽選が去年も発生していた人気400口クラブで、抽選制が廃止され先着順が導入されるのは異例のことだといえると思います。
DMMバヌーシーや広尾TCなども先着順を導入していますが、東サラと比べて口数が多いことや募集制度の細かな違いがあります。
DMMであれば最初は口数制限が課されていて、なるべく多くの会員が出資できるような背策が施されていますし、広尾についてはグレード制が導入されて、段階的に出資できる会員が増えていくような仕組みになっています。
一方、母馬出資者優先制度は継続して設けられるということで、先に母馬に優先していた会員のみが口数上限なしで申し込みが可能だということです。
※200口上限でその後一般募集へと変更になりました
リストを確認すると今年の母優先対象馬は19頭いますね。
WEBカタログや募集馬の歩様動画は6月12日(月)に公開され、6月17日(土)正午~受付開始となるようです。
筆者の受けた印象
最初に断っておきますが、私は5クラブの一口馬主クラブ会員ではありますが、東サラ会員ではありません。
そのため、今回の記事は当事者である東サラ会員さんへの聞き取り取材、SNS上での会員さんの反響を集めてみました。
そのうえでまとめた私の見解を、僭越ながら述べていきたいと思います。
私が最も「これはマズいな」と感じたのは、制度変更のお知らせがあまりにも直前過ぎることです。
変更のお知らせが6月5日、募集受付開始まで2週間もありません。
なぜこのような突然の発表に至ったのか内情はわかりませんが、これは会員さんに対してあまりにも不誠実だと思います。
他クラブの話を引き合いに出して恐縮ですが、私が入会しているシルクHCクラブでは少なくとも去年の段階から今年の募集制度を変更する旨のアナウンスがされていました。
一口馬主という商品の性質上、事前周知は絶対に必要な対応だと思います。
なぜなら、無理やり権利放棄でもしない限り、基本的には一口馬主のクラブ退会は出資馬が全ていなくなってから行うからです。
「この制度に変わるとわかっていたら、クラブを退会するから去年も出資馬を増やさなかったのに」という声が散見されますが、これはごもっともな指摘だと思います。
そして決して安くない買い物だからこそ、ここはしっかりとしてほしかったなと思います。
また、これを一度前例として行ってしまうと、「来年も突然制度変更されるのではないか?」という疑心暗鬼が生じてしまいます。
募集制度変更は一口馬主会員にとってもクラブ選びの根幹にかかわることなので、この直前の変更がもたらす影響は、特にこのクラブをメインクラブとしていた人にとっては非常に大きいような気がします。
また、これはSNSの反応を見て即座に修正したと賞賛されるべきことなのかもしれませんが、募集が差し迫った状況で制度リリースから24時間も経たないうちに重大な変更を施すというのは、クラブ運営としてはお粗末だと酷評せざるを得ないと思います。
ユーザー視点に立ち、この制度にしたらどんなことが起きるのか?想像していた人は内部にいたのでしょうか?
また、個人的には先着順もさることながら、情報公開から募集開始までが5日ほどしかないというスケジュールが気になりました。
募集馬検討を行うメディア側の立場としてはこの期間が短いのはかなり辛いものがあります。
なにより会員さん同士で「ああでもない」「こうでもない」とお酒を飲みながら、ご飯を食べながら談笑するのも一口馬主の醍醐味です。
頭数が少ないクラブはさておき、東サラはある程度募集頭数が揃うクラブですから、ここの猶予期間が短いことはかなり会員さんとしても辛いものがあるのではないかと推察します。
クラブ側のメリットは?
SNS上で批判的な声がほとんどでしたので、ここで私なりにクラブ側の今回の制度変更のメリットを考えてみたいと思います。
根底として考えられるのは、抽選になったときに予想以上に出資できてしまい出資をキャンセル・放棄する会員の対策です。
キャンセル処理の事務処理がどれだけ煩雑なのか中の人間ではなのでわかりませんが、ここは抽選制度の大きなデメリットの1つだと思います。
先着順制度にした場合、こちらは解消することができますね。
先着順なので「必要以上に出資してしまった」は手元が狂わない限り起こらないので(笑)
また、他の人気クラブとの差別化がはかれるというポイントはありそうです。
現状、ほとんどの400口~500口の人気クラブは抽選制度を導入しています。
「抽選より先着順がいい」「クリック戦争の方が得意」などという新規会員の獲得に寄与する可能性があります。
東サラは、これまでも新規会員を優遇する形の抽選制度を導入していましたが、今回は母優先がない会員さんとまったく同じ土俵での先着順となります。
新規会員からすれば、あわよくば超人気馬に出資が叶う可能性があり、新規会員に厳しいシルクやキャロットへの入会をあきらめた層の受け皿になる可能性はありそうです。
会員さんの反応
ここからは主にSNS上で収集した会員さんの声をご紹介します。
・突然の変更で困惑している、不誠実に感じる
・先着順はサーバーが落ちそうで心配
・サーバーが落ちたらどうなるのか?電話を掛けたらいいのか?
・土曜日の12時は仕事で先着順に参加できない、土曜日仕事の人にも配慮してほしかった
・先着順は時代に逆行している、抗議の連絡を入れた
・募集馬情報解禁から締め切りまでの時間が短すぎる、検討会もできない
・なぜ突然この発表になったのか、決定のプロセスが気になる
・受付開始を社台ツアーの日に被せたのはなぜ?
・サイトに繋がるか?を抽選と思えばOK
また、東サラ会員でスペースを主催されているはなゆうさんから、「うちのアンケート使っていいよ」と言われたので、Twitterで行われたアンケート結果を引用します。
否定派・わからないが執筆時点で多数を占めています。
まとめ
今回の件は、私は会員ではないので部外者ではありますが、会員や新規入会検討者が他クラブに流出すればそこでの抽選がより厳しくなる可能性があり、ある意味一口馬主全員が当事者です。
400口の人気クラブで先着順を導入したらどうなるのか?逆に予想以上に混乱がなく満足度が高ければ、他クラブもこれを導入していく可能性もあります。
そういった意味で、非会員ではありますが今年の東サラ募集がどのようになっていくのか、私も注視していきたいと思います。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
3 Responses
[…] […]
[…] […]
[…] […]