どうも、オーストラリアで馬主をしているジェイです。今回は2022年10月2日(日)に予定される凱旋門賞のレース分析と、出走予定馬全頭解説やタイトルホルダーやドウデュースなど日本馬の勝算を予想する記事を書いていきます。凱旋門賞はグリーンチャンネルで無料放送が予定されているほか、日本馬が出走するため国内での馬券発売も行われます。
印
◎ヴァデニ
○オネスト
▲タイトルホルダー
△ルクセンブルク
△アルピニスタ
☆トルカータータッソ
☆ミシュリフ
注シリウェイ
凱旋門賞概要
G1凱旋門賞はフランスのパリロンシャン競馬場で行われる芝2400mのG1レースです。ドウデュースが挑戦した前哨戦のG2ニエル賞と同じ大コースを使用します。芝は洋芝です。
向こう正面の約1000mの直線の間に10mの勾配を駆け上がり、その後すぐに下りに切り替わる、高低差が大きいコースです。
この高低差は、中山競馬場の約2倍です。隊列が決まるのが早く、ポジション争いが熾烈なこともポイントです。
力の求められる洋芝に加え、直線の前には約250mの「フォルスストレート」も鬼門です。
下り坂でスピードがついた馬たちはこのフォルスストレートでスパートをかけてしまうこともあるといいます。しっかりと我慢をきかせる必要があります。
フォルスストレートを抜けた先の最後の直線は東京競馬場とほぼ同じ、約530mの長い直線になります。
凱旋門賞はオープンストレッチといって、最後の直線は内ラチ沿いが約6m広がる構造になっています。進路を広くして内外の差をなくすためのギミックと言われています。
当日まで保護されていた内側の芝が痛んでいないため伸びることが多く、多くの馬は広がったインに寄っていきます。
凱旋門賞の季節には気候的に雨が多く、渋った馬場での開催が多い印象があります。私が凱旋門賞を現地観戦した改修直後の2018年も小雨が降っていました。
※執筆時点のパリの天気予報を見ると今年も稍重〜重馬場での開催となりそうですね。
凱旋門賞制覇への大きな壁
凱旋門賞は日本のホースマンにとって悲願と言えるものですし、ある意味早く勝たなければ解けない呪いのようなものだと思います。
これまで数々の名馬が挑み跳ね返されてきたパリロンシャン競馬場。欧州の強豪馬たちが出走してくるのはもちろん、芝や高低差、フォルスストレートなど日本馬にとっては適性外な要素が多いことも要因にあると思います。
ただ、これらと同じくらい、またはそれ以上に日本馬にとって大きな壁になっていると私が考えているのは斤量です。
凱旋門賞は牡馬59.5キロ牝馬58キロと日本では滅多に背負うことがない斤量です。3歳馬は牡馬56.5キロ牝馬55キロと軽いのですが、今年のドウデュースのように3歳馬が凱旋門賞に向かうのは稀で、多くは古馬になってからの挑戦でした。
2021年〜2019年の3年間は牡馬の古馬が勝利していますが、2018年〜2008年までは3歳馬または牝馬が勝利していて、斤量が軽い馬が好走傾向にあります。(注2016年〜17年はシャンティイ競馬場)
参考までに、日本馬が躍動している海外レースの代表例
・ドバイWC
・サウジC
・香港カップ
などは全て牡馬57キロと日本とそこまで差のない斤量になっています。
過去着順
2021年
①トルカータータッソ(牡・4)110.5倍 12番ゲート
②タルナワ(牝・5) 4.6倍 3番ゲート
③ハリケーンレーン(牡・3)4.5倍 2番ゲート
↑重馬場発表だが日本では不良馬場レベルの馬場の渋り具合。
レース開始直後からしばらく外ポツンの後、2番手追走と果敢に勝ちに行く競馬をした日本馬クロノジェネシスは直線伸びを欠いて7着、ディープボンドは最下位に沈みました。
勝ち馬トルカータータッソは後方に控える競馬からオープンストレッチをそこまで使うことなく、タルナワとハリケーンレーンが前の内目でやり合っているのを横目に外から差し脚を伸ばしました。
人気薄のドイツ馬が頭で馬券的には波乱傾向になりましたが、2・3着には堅実な人気馬がきています。
2020年
①ソットサス(牡・4) 12.2倍 4番ゲート
②インスウープ(牡・3)10.8倍 1番ゲート
③ペルシアンキング(牡・4)8.6倍 7番ゲート
↑不良馬場のレース。3番手あたりで好位追走していたソットサスが伸びて勝利。ソットサスは前年3着馬でした。
2着のインスウープは道中ソットサスのすぐ後ろのポジションを確保し、最後の直線でオープンストレッチのインを利用しました。
圧倒的1番人気に支持されたエネイブルは6着に沈み、日本馬ディアドラは8着でした。
2019年
①ヴァルトガイスト(牡・5)34.4倍 3番ゲート
②エネイブル(牝・5)1.5倍 9番ゲート
③ソットサス(牡・3)8.4倍 1番ゲート
↑重馬場で行われたレース。エネイブルの3連覇がかかったレースでしたが、勝ったのは一旦中団に控えて差し脚を伸ばしたヴァルトガイストでした。
エネイブルは道中3−4番手を追走し最後の直線は早めに抜け出し先頭に、内ラチを使いながら走りましたが最後外から差してきたヴァルトガイストとは脚色が違いました。
日本馬はキセキ、ブラストワンピース、フィエールマンが挑みましたが、それぞれ7着、11着、12着に沈んでいます。
出走予定馬全頭解説
タイトルホルダー
父ドゥラメンテ、母父Motivaterの4歳牡馬。
4走前の有馬記念は5着も、その後日経賞、天皇賞・春、宝塚記念を3連勝しています。スタミナとパワーを求められる凱旋門賞にはマッチしているように思えます。
凱旋門賞は中団からの差しが届くこともありますが、全体的に見ると前目につけられる馬が馬券内にきていることが多く、先行力は魅力です。タイトルホルダーはハナを切れる能力がありますし、私は日本馬の中では勝利する確率が最も高い1頭だと思います。
血統的な部分を見ても、母父はモンジューを経由するサドラーズウェルズ系と欧州適性を持ちます。トニービンやミルリーフなども凱旋門賞とは相性の良い血統なので、かなり適性はあることが予想されます。
報道によると、カイバもよく食べているようですし、体調は良さそうですね。中山での勝利もありますから、坂が苦手ということはなさそうです。
レートは124とアダイヤーの127に次いで2番目です。パリロンシャンでは洋芝や2倍の高低差+斤量が重くなるなど、日本勢の悲願を達成してもらいたいと思います。
ドウデュース
父ハーツクライ母父ヴィンディケイションの3歳牡馬です。
ハーツクライ産駒はスタミナが豊富でパワーの必要な馬場を得意とし、芝中距離以上での活躍が多いです。
主な勝ち鞍は朝日FSや日本ダービー。皐月賞は3着に入っています。
当初は日本ダービー後、凱旋門賞直行を示唆していましたが、前哨戦であるニエル賞を使うプランに変更しました。馬主のキーファーズ(松島氏)は『武豊騎手と凱旋門賞制覇』を目標に掲げていて、斤量が軽い3歳のうちの挑戦は大きなプラスだと思います。
ニエル賞では武豊騎手が試走的な乗り方をしていましたが、それでも直線ではやや伸びを欠いていたように見えました。ただ、武豊騎手は皐月賞の時も似たような乗り方をしていて、ダービーを制覇しましたから、本番での前身に期待したいですね。
5代血統を見て見ると、ハーツクライ産駒の好走傾向である母系が米血で固められています。
欧州で主に活躍しているサドラー、ヌレイエフなどといったスペシャル牝系やダンジグ系の血は入っていません。
ものすごく欧州適性のありそうな血統には
見えません。今回も能力というよりはどれだけ適性外の競馬場にアジャストできるか?という戦いになりそうです。
ディープボンド
父キズナ母父キングヘイローの5歳牡馬です。去年も凱旋門賞に挑戦しています。
去年は前哨戦のG2フォワ賞で5番人気と低評価でしたが、勝利しました。しかし、本番の凱旋門賞では残念ながら14着と沈んでしまいました。
帰国後、有馬記念で2着、阪神大賞典勝利と上々の成績で、天皇賞・春はタイトルホルダーの7馬身差2着でした。
去年の結果を見ていても、前哨戦で勝利しているため全く適性がないということはないと思いますが、個人的には天皇賞・春でタイトルホルダーとの勝負付けは済んでいるかなと思います。
去年の遠征の経験を踏まえての挑戦ですのである程度勝算がある遠征だとは思います。去年は知っている経験を活かした走りをしてほしいですね。
ステイフーリッシュ
父ステイゴールド母父キングカメハメハの7歳牡馬です。僕はタイトルホルダーの次に勝算があると思うのはこの馬です。
日本での競争成績に関しては、他の日本馬3頭より劣ると思います。しかし、特筆すべきは海外成績です。そもそもステイゴールド産駒は海外遠征に強い特徴があります。
実際に凱旋門賞で日本馬最高着順タイを出したオルフェーヴルとナカヤマフェスタはどちらもステイゴールド産駒です。
今年8月のサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたG3レッドシーターフH・芝3000mで後続に0.8秒差をつけて完勝、その後ドバイのメイダン競馬場で行われたG2ドバイゴールドカップ・芝3200mも連勝しています。
前走のフランス、ドーヴィル競馬場で行われたG2ドーヴィル大賞・芝2500mはボタニクの0.2秒差2着でしたがしっかりハナを切って走ることができていましたし、内容は悲観するものではなかったと思います。
ここまで海外出走経験が多いのはプラスに働くでしょう、ヨーロッパではまだまだですが、海外遠征に非常に長けている矢作厩舎所属ということもプラスだと思います。
ルクセンブルク
父Camelot(サドラー系)母父Danehill Dancerの3歳牡馬です。現地ブックメーカーでは現在1番人気に支持されています。
名門オブライエン厩舎です。戦績は6戦5勝、3着1回と馬券内を外したことはありません。
前走のG1アイリッシュチャンピオンステークス・芝2000mでは後方3番手待機から最終コーナーで外から進出、2着のオネストと最後の直線で追い比べになりましたが、勝負根性を見せて勝ち切りました。
7頭立てと少頭数ながら歴戦の猛者ミシュリフや今回出走予定のヴァデニ、オネストなど強敵を抑えての勝利で価値ある1勝だと思います。
唯一の敗戦となった3走前のG1英2000ギニー・芝直線1600mではコロエバス、ネイティブトレイルに次ぐ3着でしたが、最初のポジションが後ろすぎた感もありました。もう2列前でもコロエバスには手応えでも負けていたように見えましたが。
晴れ予報ですが良馬場でも重馬場でも勝利していますし、しっかり折り合える操作性の高そうな馬に見えます。マイル〜2000mで走ってきた馬で初めての2400mになるので、距離は若干の懸念事項にはなりそうです。
走法的には、そこまで延長を苦にすることはないかな?と思います。3歳馬で斤量も軽いですし強敵の1頭だと思います。
アルピニスタ
父Frankel母父Hernandoの5歳の芦毛の牝馬です。
これまでの戦績は14戦9勝、取り消しを挟み目下7連勝中です。直近5レースは全てG1で勝利していて、今最も勢いのある怪物牝馬です。
去年行われたG1ベルリン大賞・芝2400mではのちの凱旋門賞馬トルカータータッソに2馬身差以上つけて快勝しています。
前前走フランスのG1サンクルー大賞・芝2400mでは、叩き2戦目で勝負気配があった1番人気ハリケーンレーンを下して勝利しています。(このレースはハリケーンレーンが不発に終わった感じもありましたが)
前走のG1ヨークシャーオークス・芝2370mでは、3番手あたり外目を追走し最後の直線ではジリジリと脚を伸ばしながら0.2秒差で勝利しました。ムチが入ってから反応まで少し時間がかかっていたようなので、直線が長い競馬場で2400mくらい距離があった方がいい馬なんだろうと思います。ビュッとキレる脚を使うというよりは、じわっじわっと伸びていくタイプです。
馬場は重馬場〜良馬場で勝ちがあり、不問です。
ヨークシャーオークスで2着だったチューズデーはその後パリロンシャンで行われたG1ヴェルメイユ賞・芝2400mでそこまで着差を離されずに4着に入っています。
かなりハイレベルで牝馬であることも凱旋門賞においてはプラス、パリロンシャンでの実績はありませんが、フランスの競馬場でも好走していて、本命候補だと思います。
個人的懸念点としては、これまでほとんどのレースが少頭数であることです。
基本好位追走するタイプですが、フルゲートのレースになりポジションが後ろになってしまった時に果たしてどうなるのか?という不安はあります。
ただ、血統的にもFrankel産駒とガリレオ父系でサドラー持ちという王道血統です。
あっさり勝利まであると思います。
トルカータータッソ
父Adlerflug母父Toylsomeの5歳牡馬です。
昨年の凱旋門賞では、13番人気と人気薄ながら末脚を伸ばし、ドイツ産馬としては3頭目となる優勝を飾りました。
父Adlerflug産駒としては初めての凱旋門賞制覇と、データ的には買える要素の少ない馬でしたが重馬場をものともせず強い競馬を見せました。
重厚感あるドイツ血統馬で重馬場適性は高そうです。去年の凱旋門賞に加え、これまでの戦績ではG1ベルリン大賞・芝2400mやG1バーデン大賞・芝2400mなどで稍重で勝利しています。
陣営も狙ってに馬場が渋ったタイミングで出走させているようです。
しかし、凱旋門賞勝利後は4戦して、G2ハンザ大賞・芝2400m稍重以外は勝ちを逃しており、取りこぼすレースが続いている印象があります。
前々走のアスコット競馬場で行われたG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス・芝2390m良馬場では、少頭数ながら後ろから差し脚を伸ばしましたが、前を行くパイルドライヴァーに2馬身差以上離され、捉えられませんでした。
しかしこのレースは今回出走するミシュリフやウエストオーバーなどが出走しレベルは高く、良馬場で2着に来ているということは力はあると思います。やはり凱旋門賞勝利はフロックではなかったんだと思います。
前走のG1バーデン大賞・芝2400m稍重は2着でしたがアタマ差で着差はほとんどありません。
今回も馬場が渋れば、馬券の中には入れておきたい1頭だと思います。
今回凱旋門賞に出走する騎手の中ではもっとも凱旋門賞の成績が良いデットーリ騎手が鞍上なのも心強いですね。
ヴァデニ
父Churchill母父Monsunの3歳牡馬です。地元フランス馬ですね。
父Churchillはガリレオ産駒の種牡馬で、父系は凱旋門賞の主流血統といえるサドラーズウェルズ系になります。
3走前のシャンティイ競馬場で行われたG1仏ダービー・芝2100mでは重馬場の中、道中5-6番あたりで折り合い、最後の直線では外に持ち出して進出、素晴らしい手ごたえで抜け出しアルハキーム、オネスト、ラッソーらを下して勝利しています。
着差も5馬身以上離れておりこのレースは完勝だったといえると思います。
前々走の英国のサンダウン競馬場で行われたG1エクリプスステークス・芝1990m良馬場をクビ差でしのいで勝利。このレースは斤量が軽かったものの、ミシュリフ、ネイティヴトレイル、ロードノース、ベイブリッジ、アレンカーと豪華メンバーでした。
イギリスの良馬場でも、フランスの重馬場でも勝利しているのは、この馬の能力の絶対値の高さを示していると思います。
前走のG1アイリッシュチャンピオンステークス・芝2000m重馬場では、ルクセンブルクとオネストに負けてしまったものの、直線で進路がなくなり内に切り返すロスがありましたし、それでも着差は大きく離れていません。
3歳馬は斤量軽く凱旋門賞との相性も良いですし、馬場が渋った時のマイナスを受けにくいです。
個人的には超高評価な1頭になります。日本プールではそこまで人気もありませんから、ぜひとも馬券に入れていただきたいと思います。私は絶対この馬は買います、現地本命馬です。
オネスト
父Frankel母父See The Starsの3歳牡馬です。凱旋門賞と相性の良い名牝、アーバンシーの3×3というキツメのクロスを持ちます。
See The Starsも父系サドラーズウェルズ系と凱旋門賞のための血統かと思ってしまうほどです。
これで日本プールだと40倍程度つく想定(執筆時点)ですから、めちゃくちゃお得な1頭だと思います。
前走G1アイリッシュチャンピオンステークス・芝2000m重馬場では現地1番人気想定のルクセンブルクに食らいつき1/2馬身差2着でした。
また、前々走はパリロンシャン競馬場のG1パリ大賞・芝2400m稍重では、馬場状態も含めて今回の舞台と非常に近い状態で走っていることになります。
このレースでシムカミルをわずかにではありますが抑えて勝利しているのは、評価すべきポイントだと思います。クビ差となっていますが、実際は一度抜け出しかけて再度2着のシムカミルに盛り返された形で、着差以上にオネストは余裕感がありました。
ルクセンブルクと大差ない競馬を前走していて、ルクセンブルクは経験していない2400mのパリロンシャンも本馬は経験しているとなれば、この馬を狙わない手はないと思います。対抗評価です。
メンドシーノ
父Adlerflug母父Pivotalの4歳牡馬です。トルカータータッソと父が同じですね。
父が同じところでも少しピンとくるところがあるかもしれませんが、この馬実はこれまで10戦していて、1度も良馬場で走ったことがありません。全て稍重か重馬場になっています。
ベースはドイツで、前走はG1バーデン大賞・芝2400m稍重でトルカータータッソに勝利しています。前前走から3戦はフランスのシャンティイ競馬場とパリロンシャン競馬場で出走しています。
しかし着順は決してハイレベルには見えない条件戦やG3のレースで直近から5着、3着、4着となっています。
極端な重馬場など、トルカータータッソが馬券内に来るだろう、と思われるタイミングではセットで馬券に組み込むことは有効だと思いますが、思ったより馬場が渋らなかった場合は軽視でもいいのではないか?と思います。
ウエストオーバー
父Frankel母父Lear Fanの3歳牡馬です。先行、逃げの脚質でハナを主張することも多い馬です。
前前走G1愛ダービー・芝2400mで勝利しています。前走G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス・芝2390m良馬場では、果敢にハナを切るも最後は完全に脚が止まり勝ち馬に3.2秒差と大敗しました。
このレースでは今回出走するミシュリフやトルカータータッソに先着を許していて、脚色もかなり鈍かったです。
しかし、このレースが行われたアスコット競馬場は高低差が20mほどあるとても極端な競馬場です。ロンシャンも高低差10mですがそれよりさらに倍なので、馬場適性で負けたと考えるのであればこのレースは度外視しても良いかもしれないですね。
斤量の軽く活躍傾向の3歳馬なので、前走を度外視するなら買い要素はあると思います。
アルハキーム
父Siyouni母父Galileoの3歳牡馬です。
6戦4勝でシャンティイ競馬場で3勝を上げています。前前走G1仏ダービー・芝2100m重馬場で1.0秒差の4着、前走G2ギヨームドルナノ賞・芝2000m稍重では2着馬と0.1秒差で初の重賞制覇を果たしています。
これまでの戦績を見ても、ものすごくハイレベルなレースには見えませんし、シャンティイ競馬場での出走歴がありますがパリロンシャンでの実績もありません。
穴馬として現状推せる要素は3歳馬で母父がGalileoであることくらいでしょうか?
バブルギフト
父Nathaniel母父GrandLodgeの4歳牡馬です。父はあの名牝エネイブルと同じですね。
去年の凱旋門賞にも出走し、8着でした。凱旋門賞出走以降4走していて、4着2着3着2着と勝ち星には恵まれないものの堅実に走っています。
前走は前哨戦のG2フォワ賞・芝2400m重馬場ではイレジーンの0.2秒差で2着でした。本番と同じパリロンシャン競馬場で、重馬場でも一定の適性を見せているのは評価すべきポイントだと思います。
また去年斤量が軽い中で通用しなかった馬が今年古馬になって通用するか?少し疑問はありますがここ4走は全て勝ち馬との着差が0.3秒差以内に収まっていて、大きく崩れたレースがありません。
頭まであるかと言われるとどうかな?と思いますが、相手なりに走るタイプなので、3着紐荒れを狙う時には加えてもいいかもしれません。
ミシュリフ
父Make Believe母父Raven’s Passの5歳牡馬です。
ドバイシーマクラシックやサウジCなど、日本馬が出走するレースで度々世界の壁として立ちはだかった1頭ですね。日本でも馴染みの方も多いと思います。
この馬は欧州の馬ですが、ちょっと日本馬っぽいところがあります。高低差がゴリゴリにある競馬場より、中東のように平坦コースでの成績がいいんです。
凱旋門賞と父系Dubawiは実はあまりデータ的には良くないのですが、名門ゴスデン厩舎はそれを承知の上でここに出してきたわけですから、勝算はあると踏んでいるんだと思います。
もう終わったと言っている人もいるようですが、僕はまだミシュリフのポテンシャルを信じています。
例えば今年7月のG1エクリプスS・芝1990m良馬場では、今回出走するヴァデニの2着でしたが、斤量は61キロでした。今回は59.5キロと斤量が軽くなります。ミシュリフは基本的に61キロを背負って走っているので、今回斤量軽くなることで復活することがあるんじゃないかな〜?と思ったりするわけです。というか、そもそも勝ち星からは遠ざかってますが、随所にいい走りはしています。
前走のG1愛チャンピオンS・芝2000mでは4着でしたがドンケツからの競馬でポジションが後ろすぎた感じはありました、前走着順で連帯している馬の成績がいい凱旋門賞ではありますが、必要以上に評価を落とす必要はないのではないかと思います。
英インターナショナルステークスは、バーイードという度外視すべきレベルの怪物がいなければ勝っていたわけですし。
今回、出走回避によりビュイック騎手を確保できたのも大きなプラスですね。馬券的にも面白い1頭だと思います。私はこの馬は絶対買います。というか、実は毎回この馬が走る時は買ってます(笑)
シリウェイ
父Galiway母父Kendargentの4歳牡馬、地元フランス馬ですね。
3走前のG1ガネー賞・芝2100m稍重ではステートオブレストの0.1秒差で3着とパリロンシャンでの適性は見せています。
去年凱旋門賞5着に来ていて、侮れない1頭です。200倍は流石に舐められすぎだと思います。
確かに去年3歳馬で今年は4歳馬、斤量は重くなりますし近走はパッとしない走りが続いていますが、リピーターレースが多い凱旋門賞です。
何より去年G1英チャンピオンS・芝2000mを勝っている馬ですから、ここで復活があってもおかしくないと思います。
アレンカー
父Adlerflug母父Areionの4歳牡馬です。
去年凱旋門賞9着です。3走前G1タタソールズGC・芝2100m良馬場、カラ競馬場で行われたこのレースではステートオブレストやロードノースを撃破し勝利をしています。
しかし、前走G1愛チャンピオンS・芝2000m稍重では今回出走するルクセンブルク、オネスト、ヴァデニ、ミシュリフなどに先着を許して6着。
G1エクリプスS・芝1990m良馬場でも勝ち馬ヴァデニとミシュリフに先着されていて、流石に今回出走する馬たちとの力関係ははっきりしているのではないかと思います。
グランドグローリー
父Olympic Glory母父Daylamiの6歳牝馬です。
去年ジャパンCに遠征し、5着に入るなど、日本馬場にも適性を示しました。その後引退予定を撤回し現役を続行、ロンシャン競馬場で連勝すると、シャフリヤールが出走したG1プリンスオヴウェールズS・芝1990m良馬場で3着に入るなど好走を続けています。
ただ凱旋門賞の6歳馬の成績はかなり低調です。前走のG1ヴェルメイユ賞・芝2400m重馬場はパリロンシャンの舞台で7着ですが、0.6秒差と大崩れしたわけではありませんが、流石にちょっと厳しい気がします。
モスターダフ
父Frankel母父Dubawiの4歳牡馬です。
11戦7勝で馬券外は2回と、安定感がありますが、G2以上では1度2着があるものの、それ以外では掲示板買に沈んでいます。
条件戦などでは安定して勝利しているため、優等生タイプですが、G2以上のレベルになってくると少し実力が足りないタイプなのではないかと思います。
今回凱旋門賞になり相手関係は大幅強化になりますから、これまでの戦績を鑑みると推奨はしずらいです。
ブルーム
父Australia母父Acclamationの6歳牡馬です。キーファーズがクールモアと半持ちしている馬で名門オブライエン厩舎です。
去年の凱旋門賞は前哨戦のフォワ賞2着から武豊騎手を背に臨みましたが結果は11着。その後BCターフで2着と激走し、筆者は馬券で大変お世話になりました。
その後何走かしたあとのG2ハードウィックステークス・芝2390mで久々の勝利となりました。しかしここ3戦は直近から7着4着4着と馬券内からは遠ざかっています。
6歳馬は成績が良くありませんし、去年11着から大幅な全身が見込めそうか?と言われると特に前進要素は見られないような気がします。
前走の愛チャンピオンSはルクセンブルク、オネスト、ヴァデニ、ミシュリフ、アレンカーなどに先着されて最下位に沈んでいます。
マレオーストラリス
父Australia母父Rainbow Questの5歳牡馬です。
前前走G2シャンティイ大賞芝・2400mでは逃げ・先行策で今回出走するバブルギフトに0.3秒差をつけて勝利しています。
基本的には前にいくタイプの馬なので、前が止まらない馬場だとチャンスが巡ってくる気がします。
しかし前走、G1サンクルー大賞・芝2400m稍重では、今回出走するアルピニスタに1.6秒差で7着としっかり完敗しています。去年パリロンシャンのG1ガネー賞・芝2100m稍重でモーグルなどに勝利もしていて、パリロンシャン競馬場への適性は一定示されていると思います。
3走前の今年のガネー賞は残念ながらこの回出走する3着のシリウェイに先着を許して4着です。そこまで着差はありませんでしたが。
いかがでしたでしょうか?2022年10月2日凱旋門賞当日の22時〜23時過ぎまで凱旋門賞同時視聴スペースをTwitterで開こうと思っています。
4頭の日本馬が出走する今回の凱旋門賞、歴史に残る快挙の1日になるかもしれません。ぜひワイワイやりながらその様子を見守りませんか?当日は弊サイトのメインライタージェンティルや一口馬主YouTuberで弊サイト準レギュラーライターのこもこもさんにもお越しいただく予定となっています!
Twitter→@j_keibayoutube
記事を書いた人 ジェイ
登録者4000人超え&累計再生200万回超えの元一口馬主YouTuber。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統の配合相性を重視していて代表馬はロードヴァレンチ、リレーションハート等。
3 Responses
ヴァデニ、馬券的にも妙味ありますね。
今年も日本馬には厳しいコンディションになりそうです。
ステイフーリッシュが、日本馬では最先着の予感がします。
では、また夜に~
コメントありがとうございます、そう思いますね〜!
ステイフーリッシュは、日本よりむしろ海外滞在の方が成績が良さそうですよね。
全馬無事に頑張ってもらいたいものです!
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