
今回はオーストラリア馬主でもあるジェイが日本で馬券発売がある2025年4月12日に行われるオーストラリアンのクイーンエリザベスステークスについて記事にしていきます。
よろしくお願いいたします。
レース傾向
クイーンエリザベスステークス(G1)
2025年4月12日 (土) 14:55[現地時間 2025年4月12日 (土) 15:55]
オーストラリア ランドウィック競馬場
芝右2000m 3歳以上
負担重量:馬齢重量 4歳以上=牡・セン馬 59kg、牝馬 57kg 3歳=牡・セン馬 55.5kg、牝馬 53.5kg
賞金総額:500万豪ドル(約4億7500万円)
1着賞金:295万豪ドル(約2億8025万円)
※1豪ドル=95円で換算
オーストラリアの主要なメトロ競馬場であるロイヤルランドウィック競馬場で行われる芝2000m、中距離レースの最高峰を決める格式高いレースです。
コーナーが急な競馬場なので、コーナーリングの上手さも求められる舞台です。
日本馬は未勝利、2019年のクルーガー2着が最高着順ですが掲示板内に入っている馬は多数おり全く相性が悪いというレースでもないと思います。2000年以降ではイギリス馬のドバイオナーとアデイブの連覇があった3年以外は全て地元オーストラリア馬が勝利しています。
2017年から19年までの3年間はウィンクスが3連覇しています。
これまで枠順別に見ると、過去10年で9番ゲートや10番ゲートなど外目の枠から勝ち馬が出ているように見えますが、9番ゲートの1回と10番ゲートの1回は怪物ウィンクスの出走ゲートなので外枠でも勝てる、と捉えるよりは外れ値として考えた方が良さそう。基本的には内枠有利のレースです。
というのも、ゲートを出てからすぐにコーナーが始まるというかむしろコーナーの途中にゲートがあるような変則的な位置になるので、そりゃ内枠有利になるよな、という感じです。
こういった競馬場はオーストラリアに非常に多く、しばしば内枠有利のレースが出現するのでレースコースの形や枠順の複勝率の変化などは日本以上に要注意です。
また、この時期のNSW州は雨季で雨が多く、馬場が重くなるケースも多いので馬場状態は要確認ですね、日本よりHeavyになると馬場はかなり重くなり、日本馬は苦戦するケースが多いですので、良馬場から稍重くらいまでの馬場で走れるのが日本馬にはいいのではないかと思います。
年齢的には5〜6歳馬が好成績で若い馬は苦戦傾向。欧州や日本からの遠征馬は古馬が多いことや、豪州馬でも欧州からの移籍の場合は古馬が多いからか、やや偏った数値がでていますね。
性別的には牝馬が好成績、去年の勝ち馬プライドオブジェニも牝馬でしたね。
ローテ的には過去10年でジョージライダーステークス(豪・G1)組が4勝、ランヴェットステークス(豪・G1)組が3勝と中心的。このレースで好走してきた馬は重視していきたいです。
今年はジョージライダーS出走馬が皆着差が僅差だったため、ジョージライダー組の取り扱いは非常に難しそうな印象を受けます。
また、イギリス馬は出走数が少ないですが遠征してきた馬はしっかり結果を出しているケースが多いので、今年のイギリスからの遠征馬で一昨年勝ち馬のドバイオナーもしっかりチェックしていきましょう。
勝ち時計は良馬場で早い年だと2分1~2秒台。稍重〜重で2分5秒前後。不良馬場(Heavy10)だと2分10秒かかる年もあります。これだけの時計の差が出ることは日本ではあまりないですよね、いかに重馬場がタフであるかがこの数字にも表れていると思います。
過去3年結果
2024年
Revolution Jobと実況が叫ぶような、プライドオブジェニの爆逃げ大差逃げ切り勝ちのレースでした。このレースは衝撃的でしたね。2着馬はその後のコックスプレート勝ち馬のヴィアシスティーナですからレースレベルも高い中でのこのパフォーマンスですから驚きですよね。
2023年
ユニコーンライオンが挑戦した年です。逃げたユニコーンライオンは直線粘り込みを図り、あわや勝利か!?と期待感があったのですが、最終的には後続に飲み込まれながらも踏ん張り5着でした。勝ち馬のドバイオナーは中団やや後方に控え、4角から進出を開始し直線外目から前を飲み込み抜け出しました。
中団〜先行勢で掲示板内を固め、直線入り口で後方だと厳しそうな、オーストラリア競馬としてはよくあるパターンのレースだったと思います。
2022年
伏兵だったシンクイットオーバーが直線で外ラチ沿いにエスコートされ、実況に”This is Interesting”と言われるような奇妙なルートを通ったのですが結果、外ラチ沿いを走り始めてからギアが上がり前の馬を捉えて金星となりました。終わってみれば4角出口の前2頭がそのままワンツーフィニッシュでした。
前目有利の傾向が強くみられました。
印一覧
◎ヴィアシスティーナ
○ファンガール
○リンダーマン
▲バッカルー
△ドバイオナー
△ライトインファクトリーマン
△フォークナーパーク
☆チェオルウルフ
注ローシャムパーク
抑ジオグリフ
有力馬解説
◎ヴィアシスティーナ
本命は去年のプライドオブジェニに次ぐ2着馬だったヴィアシスティーナとします。
去年のコックスプレートで驚愕のパフォーマンスで勝利したヴィアシスティーナとします。この時の2着馬プログノーシスとの差は1.3秒差。圧倒的な競馬を見せ度肝を抜くパフォーマンスでした。
前走は過去10年で2番目に馬券内率が高いランヴェットS組で、やや追い出してからもたもたして7歳シーズンになってピークアウトはしているのかな?と思いつつも、今回最内枠を引いたことでスムーズに先行できれば、枠の利もあって馬券内率は高いのではないかと思っています。今回は有力馬が多数おり、勝ち切るかまでは自信がないですが。
近5走で取りこぼしているのは休み明けだったマイルG2アポロSだけ。この敗戦を持ってこの馬の評価を下げている人がいたらオーストラリア競馬を理解していないなと思います(笑)
オーストラリアでは、休み明けはジャンプアウトなどで調整しそのうえで1発目の実戦は適正距離より短めのレースで叩いてさらに調整し、叩き2戦目以降で仕上がったら適距離で勝ち負けを狙いに行くのが一般的です。
この馬の調整過程を見ていると、この休み明け1戦目は調整で出走している可能性が極めて高く、G2を取りこぼしたから能力が衰えているということにはならないと思います。
ただ、追ってからの伸びの反応が6歳シーズンより微妙になっている気もしますし勝ち切ってはいるものの2着馬との着順も離れていないので、絶対に頭で買いたいか?と言われるとそこまでの自信はないです、馬券内率は高いのではないか?というタイプの本命馬です。
○ファンガール(出走取り消し)
ヴィアシスティーナと同じ名門Cウォラー厩舎から、この馬はひょっとしたらそこそこ中穴になるのではないかと期待を込めてこの馬を2番手評価としていましたが、残念ながら取り消し。別レースに出走するようです。せっかく予想を書いたので以下、予想はそのまま残しておきます。
https://youtu.be/0qwlqtKtwG0?si=GUYtkIFyg8InB-sx
評価したのは、ローテ最上位のジョージライダーS組の中で自分の中では最も強い競馬をしていたと思ったからです。
ファンガールはこのレースで2着だったのですが、外枠発走で道中中団外外を回る展開。
最後は大外から強襲し、同着でもおかしくないと思えるほどの僅差で2着に入っていました。
勝馬はインベタで先行しスムーズに抜け出して伸びていたので、この馬の方が距離ロスや枠順のロスなどがあったことを考えると私は強い競馬をしていたのではないかと評価しています。
また前前走ベリーエレガントSでは本命としたヴィアシスティーナと着差のない2着に入っていて、ヴィアシスティーナを評価するのであればこのファンガールを評価しないと予想の整合性も取れません。
また3走前はヴィアシスティーナは叩きレースであったとは思うものの、アポロSではヴィアシスティーナに先着し勝利しており、ヴィアシスティーナを物差しとした際にそこまで能力の差がないのではないかという結論に至りました。
牝馬の戦績もいいレースであることも後押しになりました。
○リンダーマン
想定では50倍以上のオッズがつきそうだとNetkeibaからされているリンダーマンを対抗としたいと思います。
現地オッズ的にも人気薄なので若干攻めた予想になりますが、今回十分馬券内に来られる可能性があるのではないかと思い、オッズ的な旨みも加味してこの評価としました。
ここまで勝ちきれていないレースが続いていますし、G1レースばかりでもないので一見すると馬柱的には頼りない、勝ちきれない馬だという印象かもしれませんが、ここまで特に近4走で戦っているメンバーが強力で、その着差を考えるとここでも馬券圏内を捉える可能性は十分です。
例えば4走前のアポロSでは休み明けの調整だったとはいえヴィアシスティーナに先着して2着に入っていて、勝ち馬のファンガールも強い馬で元々対抗にしようと思っていて回避してしまい肩を落としたほどなので、評価できる内容。
その後ベリーエレガントS(G1)でも外枠出走でコースどり的には不利があるように見られる形でしたが、最後はヴィアシスティーナにわずかに半馬身差ほどの3着。やや抜け出してから手応えが悪くなる部分があり、その辺りが善戦止まりとなっている所以かもしれませんが、着差はほとんどありませんでしたし、先行して2番手からうまく競馬をしていて内容はとても良かったと思います。
前走好走馬が多いローテとなるランヴェットSでも0.2秒差でヴィアシスティーナの2着に入っていることから考えても、ヴィアシスティーナを評価するのであればこの馬もセットで評価すべき1頭だと思います。枠も真ん中あたりでスムーズに先行してポジションを取れれば1発あっても全く不思議ではない1頭です。
▲バッカルー
3番手にはおそらく日本プールではこれも穴人気になるであろうバッカルーを取り上げます。
内枠での出走となっており、枠的な旨みも考慮しました。
この馬は、前走と前前走の馬柱を見ると、いやいやこの馬は流石に買えませんよ〜という感想を抱かれるかもしれません。
しかし、この馬の評価すべきポイントはそれより前、3走前以降なんですよね。逆に前走と前前走については説明ができるんです。
前々走はステイヤーレースであったことで適正距離的な部分で敗因が説明できますし、そこから長期休み明け1発目となった前走は距離が短い中でもジョージライダーSというハイレベルな相手関係で0.4秒差と着差のない9着と過度に評価を落とすべき内容ではありません。
また3走前以降はモレイラJが乗っていたブースト効果もあったとは思いますが、コーフィールドカップという超ハイレベルな中距離レースで僅差の2着。
4走前もターンブルSというハイレベルなレースでヴィアシスティーナと着差が全くない2着に入っており、この時のパフォーマンスなどから考えるとここでも勝負になっても全く不思議ではありません。
去年のクイーンエリザベスステークスでは6着となっていますが、その後の戦績が非常に優秀なので直近2走で人気を落とすならここはガッツリ狙っていきたい1頭です。
元々、欧州中距離路線の最前線で戦っていた馬で、豪州移籍して豪州馬になっているパターンなので、中距離戦への資質も十分あると思います。
△ドバイオナー
この馬は一昨年勝ち馬なのでそこそこ日本プールでも人気を被りそうなので、能力はもちろん間違いないのですがこの辺りの4番手評価で取り上げさせていただきます。
前前走香港ヴァーズで2着に入っており、ここ最近も着順は安定していることからそこまで年齢の衰えはないような気もするのですが、その香港ヴァーズの勝ち馬ジアヴェロットはドバイシーマクラシックで5着となんとも言えない着順。
また、ここ2戦で2400mを使っており直近5走ではポリトラックレースを使った回もあり、芝2000mを最近走っていないのは気になるところ。久しぶりの芝2000mレースでペースについていけるか、ベストなパフォーマンスが出せるかには一抹の不安があり、オッズの旨みも考えるとあまり中心的には書いづらい1頭かもしれません。まあ実績馬ではありますしここは力でねじ伏せてくる可能性もありますし、イギリス馬は戦績優秀なので終わってみたら…というパターンも考えられるのですがオッズと期待値から考えると今回は、バランスが微妙な気もします。
外枠出走も本馬にとってはプラスではないでしょうし、試練のレースになりそうですね。
△フォークナーパーク
前走ランヴェットS組で3着だったのが本馬。
着差はそこまで離されていませんし、何より最後の脚色を見ていると2着馬は飲み込みそうな勢いで、着差以上に強い馬だなという印象を受けました。
また、その前のベリーエレガントSもハイレベルなレースですがここでもヴィアシスティーナの0.2秒差という僅差の4着に入っており、着順だけ見ると馬券外という印象を受けますが、着差はほとんどありませんので能力は評価できると思います。
この馬もかなり日本プールでは人気薄になることが予想されますので、ぜひ馬券には組み込んでいただきたい1頭ですね。
△ライトインファクトリーマン
ここまでヴィアシスティーナとの着差が近い馬たちを多く取り上げてきましたが、本馬は別路線組です。
前走オーストラリアンCでの勝ち時計が優秀で、今回とは別の競馬場ではありますがこの時計で芝2000mを走れるのであればスピード勝負では十分戦える水準にあることを示したと思います。
また、この馬は豪州馬ですが元々は欧州馬。
欧州時代ジャックルマロワ賞で2着。またその後イスパーン賞2着(同レース今回出走のバッカルーが4着)など、レベルの高いレースで善戦を繰り返したのが本馬。
勝ち切るには後一歩足りませんでしたが、こういった馬が豪州に移籍して良績を積み重ねるのは”あるある”パターンなので人気薄でも要チェックの1頭だと思います。
☆チェオルウルフ
オーストラリアンダービー2着馬のチェオルウルフも取り上げたいと思います。
去年のクイーンエリザベスSは8着に沈みましたが、それ以降の戦績は優秀で、2024年の日本の秋シーズン以降の方が良績が目立ちます。
特に前前走ジョージライダーSでは着差がほとんどない3着に入っていることは評価できますし、そのあと2000mのローズヒル競馬場で行われたG2レースで着差はほとんどなかったものの勝ち切っていて、1発のチャンスを感じる1頭です。
4走前のキングチャールズ(G1)ではプライドオブジェニを倒しての勝利となっていますし、相手関係を考えるとかなり能力のある1頭だと思います。
上位で取り上げた馬たちほどの自信はないためこの辺りでの評価ですが、十分可能性はある1頭だと思います。
注ローシャムパーク
オッズの旨みも考慮しこの評価にしました。実力はある1頭だと思います。
外枠になってしまいましたがジョッキーはこのくらいの方が走りやすいとコメントしていたのは心強いところです。ただ、本質的にはこのレースで外枠がプラスになるケースはあまりないので、プラマイゼロくらいで捉えておくのが良いかなと思います。
BCターフでレベルスロマンスと着差のない2着に入ったのは最大限の評価をするべきですし、前走海外帰りだった有馬記念も7着でしたが着差は0.5秒とそこまで大きくなかったですし、やはり間違いなく能力はある1頭だと思います。
ただ、他の地元有力馬たちのオッズに比べて日本オッズでは相当人気になりそうなので、応援馬券として買うのはいいと思いますが、なかなか期待値を含めて考えると厳しいですね。10倍以上あれば私も買いたいと思うのですが、5倍を切るオッズであれば手を出しにくいなという印象です。
抑ジオグリフ
こちらは日本プールでもそこまで人気しなさそうなので、内枠を引けたジオグリフを抑えておこうと思います。
前走ドンカスターマイルは正直、あの出走頭数の大外枠の時点で事実上終戦に近く、ウィンクス級の怪物馬でない場合あそこからリカバーするのは難しかったと思います。
さらに、スタートはやや出負けした形になり、道中後方待機。直線では外に出しましたが伸びずにレースを終えるとやや消化不良なレースに。
もともとレース前から連闘でクイーンエリザベスステークスをという話は出ていましたから、展開次第で無理をさせずにこのレースに向かうことを考えていたんだと思います。
これまでの戦績を考えると安田記念やBCマイルなどマイルレースで勝利こそ収めていないものの好走しており、実力は示していますし元々皐月賞馬であることやBCマイルでの走りを見ていると急なコーナーは苦にしないタイプではないかと思います。
今回は内枠を引けましたし、うまくインで脚をためる競馬ができれば1発あってもおかしくないと期待しています。ただ、日本プールでの馬券はかなり旨みがないので、この辺りの評価と今回はしました。
告知
ジェイが馬の見方や競馬勉強する過程で、大変お世話になったオーストラリアのNSW州の中條大輝調教師と、馬の見方についてや 競馬について勉強していく会員制コミュニティ「JJ Racing Club」をDMMオンラインサロンさんにて運営中です。
これまで3度サロンメンバーの皆様とセリに参加しており、モアナとターボ、さらに大狩部牧場さんとコラボでSunCity産駒の牝馬という素晴らしい3頭落札できました。
オーストラリアでは日本のような馬主資格がなくとも正式な馬主になれますので、日本で馬主資格を持っていない方も共有馬主になっていただくことができます。
共有オーナーは1/40口から募集しており月の維持費は放牧中が月4000円程度。
入厩中が月1.2万円程度となっています。
サロンでは中條調教師やサララボライターでもあるエムイシ氏のディープなコラムを毎週配信している他、オーストラリアンで開催されるセリに上場される注目馬ついても配信中です。
さらに、毎月中條調教師やジェイとサロンの皆様との相互交流会をオンラインで行っています。
直接調教師に質問をぶつけられる他、レース回顧で調教師やジョッキーの心理について勉強するなど大変会員の皆様の満足度が高く評判が良い交流会となっています。
オーストラリア 競馬をベースに学んでいきますが日本の 競馬にも活かせる部分はあると思います、ぜひお気軽にご参加ください。
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