
ジェイ:前回に引き続きジョニーさんに今後デビュー予定の新種牡馬について伺っていきます。よろしくお願いします。まずはどの馬からいきましょうか?
エフフォーリア
ジョニー:社台スタリオンに行った時にエフフォーリアいいよと言われて、まあいいですよねという話をしたのを覚えています。見栄えする産駒が多いですし、形がいい産駒が多いと思います。
触っていても”綺麗な馬が多い”という印象がありますね。
ただ、お母さんの能力に左右されるんじゃないかとは思います。
というのも晩成っぽい馬もいればすぐデビューできそうな子もいていろんなタイプが出てきている印象があるんですよね。
ジェイ:ある程度引き出し型だということでしょうか?
ジョニー:そうですね、引き出し型だと思います。
ただ基本的には芝クラシックだと思いますね。
ダートも何頭か走ると思うが例外的だと思います。
エピファ産駒でもたまにはダート馬が出るくらいのイメージでしょうか?基本は芝クラシック狙いでいいと思いますよ。
ジェイ:芝で活躍できるスピードはありそうですか?
ジョニー:あると思いますね。ただそこは先ほど申し上げたようにお母さんの影響も受けると思います。
母系のサドラーとかが強く出るとなるとちょっと重さも感じる馬になると思いますが、ダンジグや米国スピード血統をつけるとスピードありそうな産駒になると思いますね。
エピファネイア産駒は気性が敏感な馬が多いですが、エフフォーリア産駒はそんなこともなくて、割と扱いやすいんです。
”うわ!エピファネイアだ”という感じの産駒は、自分の体験の中ではないですね。
ジェイ:そうなんですね、すごくおとなしいという印象もなかったですが…?
ジョニー:スタリオンに来てからは落ち着いているみたいですね。
競馬にいって変わるパターンはあるかもしれないですが、1歳のうちはそんな感じはしないです。このまま行ってくれればいいんですけどね。
サリオス
ジョニー:サリオスの遺伝子型はCCだと言われているのですが子供もまさにそんな感じ。
ジェイ:サリオスといえばボックスティッシュと言われた胸の筋肉など、とにかく筋肉量がすごいイメージですよね?
ジョニー:そうですよね、サリオス自身もすごいですが、子供もすごいんです。
トモがめちゃくちゃデインヒル。
ブリンブリン。中臀筋がすごく詰まっていて、パッと見ただけでこの馬はサリオス産駒だと当てられるくらい、サリオス産駒だけ抜けて筋肉量が多いと感じます。同じ1歳馬でも、他の血統の馬とはトモの形が違うんですよね。
ハーツクライの後継なんだけど、トモの甘さがなく産駒も2歳からバンバン走るしスピードで勝負できる馬が出てくると思いますね。朝日杯FSとかNHKマイルとかこの辺りで活躍しそうなイメージです。
ジェイ:ハーツクライ後継種牡馬という意味ではドウデュース産駒が出てくる前に実績を出したいですよね?
ジョニー:初年度のドウデュースは種付け数が意外と少ないかもしれないです。
なんとかサリオス産駒も結果を出してほしいですね、その間に。
エフフォーリアより早熟性がありそうなのでファーストリーディングサイアー争いはサリオスに軍配が上がるかもしれないですよ。
ジェイ:ハーツ後継だから晩成というのは全く違うということですね?
ジョニー:全く違いますね、サリオスに関しては。
ハーツクライというのは頭から消してみた方がいいと思います。
脚向きも綺麗な子が多いです、ハーツ産駒より。
まっすぐ綺麗に脚がついているし、外弧で歩く子は少なくて、ちゃんとまっすぐ出るんです。
ジェイ:ジャスタウェイ自身やその産駒も前脚すごく外弧歩様ですよね?
ジョニー:ジャスタウェイは「前脚が汚かったから、セリの時には売れないと思っていた。あの馬があそこまで走るんだから馬はわからない」と言っている人もいましたね。
ハーツといったらこっちがある意味正当に受け継いでいる感じで、サリオスは筋肉がしっかりついているし、ちょっと違う感じがします。
気性も悪くないですし筋肉量もあるのでダートでもいけそうですよ。フェブラリーSとかでサリオス産駒が走っていても不思議じゃないです。
ピクシーナイト
ジョニー:ピクシーナイトは去年種付けにを見に行ったのですが、現役上がってからすぐだったので余計体は良く見えたのですが…それを差し引いても種牡馬としてどっしりした雰囲気があり、直感的にこれは成功する種牡馬な気がするぞという印象があったんですよね。
ジェイ:雰囲気とかそういう直感的なものってありますよね?
ジョニー:そうそう。そういう直感って意外と大事ですよね。ナダルを初めてみた時と同じような感覚というか、これはなんか成功しそうという雰囲気があったんです。覇気というか、そういうものを感じたんですよね。産駒のレンジは広そうですよ。1200m〜2000mくらいと、いろんな産駒が出そうな気がします。
ジェイ:ピクシーナイト自身は短距離馬でしたが産駒は距離を伸ばしてもいけそうですか?
ジョニー:たとえば母父ディープインパクトとかだったらマイラーとか…馬によっては距離が持ちそうな気もします。
ジェイ:モーリスにディープ肌は活躍馬も出ている?
ジョニー:そうそう、ジェラルディーナやアルナシームなどがモーリス産駒の母父ディープインパクトで活躍しています。ピクシーナイトは香港の落馬事故がなければもうちょっと国内でも活躍できたと思います。
父系はロベルト系だからコルトサイアーかなと思いますね?初年度産駒なら一口馬主的には牡馬を狙うべきかなと思います。そういう意味では牝馬のジェラルディーナが走っているのは違和感です。母ジェンティルドンナの凄さですかね。
初年度は無難に牡馬。ディープ肌ならマイルを視野、母系が北米のストームキャット系とかならスプリントかなと思います。血統によって幅が出るんじゃないかと言う印象です。
ジェイ:楽しみですね、現時点で気になっている産駒はいますか?
ジョニー:デルニエオールとの配合(25年産)が気になっています。子供が今年生まれているか確認できていないのですが、牡馬に生まれていたら面白いと思っています。
デルニエオールはオルフェーヴルの全きょうだいです。父系のモーリスも気が強いですし、気性は若干やばそうではありますが、スピードがある血統にスタミナを母系でプラスしているので配合の形としては面白い気がします。
気性の激しさはマイナスに働くか、爆発力になるかは紙一重なので。そこも含めて楽しみです。オルフェ的な気性が悪くても強いみたいな馬でも面白いと思うし、無事生まれていればすごく楽しみな1頭です。
シュネルマイスター
ジョニー:当歳の生まれ落ちた馬の立ち姿が”いいところの馬”って感じがするんです。品のある馬だと言うか、そんな印象を受けたんですよ、雰囲気が良くてすごく楽しみ。
ジェイ:父キングマンだから配合しやすい部分もあるでしょうね、サンデーを持っていませんし?
ジョニー:そこなんですよ、サンデー持ちの肌馬にめちゃくちゃつけられています。サンデー系の種牡馬ではクロスがキツくなる繁殖が回ってくるので、いい繁殖を確保しやすいんですよね。
シュネルマイスターは種牡馬にするためにそもそも買ってきたという話をこっちで聞いたことがありますし、最初から種牡馬を見据えて導入したんだろうなという感じがします。ファミリーラインもいいですしね、ドイツ血統Sラインで。
ジェイ:キングマンは欧州系血統ですがスピードがありますよね?
ジョニー:そうですよね。シュネルマイスターが導入されなかったらペルシアンキングを輸入してほしいと個人的には思っていました。
そのくらいキングマンの父系は日本の馬場に合うんじゃないかと考えています。シュネルマイスターも種牡馬として成功するだろうと思って見ていましたが、当歳馬を見てもやはりそれを感じましたね。”成功しますよお坊ちゃん”という感じですかね(笑)
ジェイ:品があると感じるのは、バランスの良さとかそういうことなのでしょうか?
ジョニー:悪く言えば華奢ということにもなるのですが、シュッとしている感じというか。例えばミスチヴィアスアレックスとかだと生まれた時からゴリッとしていて骨が見えませんというくらいムチッとしている子もいるのですが…シュネルマイスター産駒は脚長に見えて胸の深さがそこまでないのですが、逆にそれがシュッとした品のある感じに見えるのかもしれないです。
ジェイ:オーラは大事ですよね?
ジョニー:オーラは大事です。キタサンブラック産駒の当歳に似ている感じがします。キタサン産駒も当歳馬を見た時に品があるなあと思ったので、シュネルマイスターも似たような印象を受けるからこそ、活躍を期待してしまいます。
シュネルマイスター産駒はノーザン系クラブでも募集されると思うので、シルクキャロットで産駒が来たら面白いなと思います。
ジェイ:シュネルマイスター産駒を見るのが今から楽しみですね!ここまで4頭を種牡馬を紹介いただきました、ジョニーさん改めてありがとうございました!是非来年答え合わせの対談をしましょうね!
告知
ジェイが運営し今回お話を伺った牧場勤務のジョニーさんも参加している馬の見方についてや 競馬について勉強していく会員制コミュニティ「JJ Racing Club」をDMMオンラインサロンさんにて運営中です。
これまで3度サロンメンバーの皆様とセリに参加しており、モアナとターボ、さらに大狩部牧場さんとコラボでSunCity産駒の牝馬という素晴らしい3頭落札できました。
オーストラリアでは日本のような馬主資格がなくとも正式な馬主になれますので、日本で馬主資格を持っていない方も共有馬主になっていただくことができます。
共有オーナーは1/40口から募集しており月の維持費は放牧中が月4000円程度。
入厩中が月1.2万円程度となっています。
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