【凱旋門賞2022回顧】日本馬敗因は”適性の違い”だけなのか?

どうも、ジェイです。今回は昨日行われた凱旋門賞のレースを振り返りながら、日本馬の敗因について分析をしていきたいと思います。今回は、タイトルホルダー、ステイフーリッシュ、ドウデュース、ディープボンドと4頭出しで、特にタイトルホルダーはチャンスがあると思っていました。レース前の私の予想、展望などはこちらをご覧ください。

凱旋門賞2022を振り返る

まずは、2022年10月2日(日)に行われた凱旋門賞のレースを振り返りましょう。私は日本馬の中ではタイトルホルダーが最も勝利に近く、次いでステイフーリッシュに可能性があると考えていました。

レースではタイトルホルダーはいいスタートを決め、ハナを主張しました。ここは概ね想定通りだったと思います。誤算だったのは、ブルームでしょうか?

タイトルホルダーはレース前、陣営が大逃げを匂わせる発言をしていました。その発言からも分かるように、単騎逃げに持ち込み息を途中で入れる展開を理想としていたと考えます。

しかし、実際はどうだったでしょうか?映像をご覧になっていない方は、ぜひご確認いただきたいのですが、道中ブルームに外側からプレッシャーをかけられながらの競馬となってしまい、息を入れるタイミングのない展開になってしまいました。

また、当日は重馬場発表でしたが「日本だったら不良馬場じゃないか?」と思うほど馬場はドロドロ、レース中に泥が飛び散り、さながら不良馬場のダート競走のようでした。

それでも、フォルスストレートあたりまでタイトルホルダーの手応えは決して悪くないように見えました。迎えた最後の直線、先頭でタイトルホルダーは回ってきて、オープンストレッチで内ラチ沿いの進路を選択しましたが、あっさりと交わされてしまいました。

TV中継をリアルタイムで見ながら「ああ、タイトルホルダーでさえここまで粘れないのか」とすごく落胆したのを覚えています。血統背景的にも走法的にもかなりチャンスだと思っていましたので。

好位でレースを進めていたディープボンドも直線は伸びを欠いていて、それはステイフーリッシュも同様でした。ドウデュースに至っては、4角で武豊騎手が無理をさせていないようにさえ見えました。

結局5歳牝馬アルピニスタがレースを制し、日本馬は

タイトルホルダー 11着

ステイフーリッシュ 14着

ディープボンド 18着

ドウデュース 19着

という結果に終わりました。

レース後、ステイフーリッシュを管理する矢作調教師は取材に対し次のようにコメントしています。

「単に力負けだと思います。日本馬全部がね。この馬場は分かっていることなので、それに対応出来るような四輪駆動の馬、力があって、スピードがあって、そういう馬を連れてくるようにこれから努力するだけです。(馬場のことは)分かっていたことなので、それを言い訳にはしたくないですね。(枠順も)20番だったからダメだったとは思わないですし。遅くまで応援していただいたのになかなか結果が残せず、ただ今日の経験でまた新たな挑戦をしたいなという思いが余計に強くなりましたので、もっと努力します。また応援してください」

※引用:競馬のおはなし より



凱旋門賞、日本馬の敗因は?

読者の皆さんは今年、そしてこれまで日本馬が1度も凱旋門賞を勝てない原因はどこにあると考えていますか?

そうですね、「適性の差」があるのはいうまでもありません。

例えば今年の凱旋門賞の上がり3ハロンのタイムを見てみると、

タイトルホルダーは42.7秒

ディープボンドは46.7秒

というように、とんでもなく時計がかかっています。

タイトルホルダーは日本では33秒台、ディープボンドも34秒台の脚を使える馬です。求められる能力が異なることはこのタイムを見るだけでも明らかだと思います。

しかし、本当に「適性の差」だけで負けているのでしょうか?

僕は、昨日の凱旋門賞まで敗因の大きな要素は適性の差だと思っていました。高低差に慣れない洋芝、日本とは異なるペースや走法で日本の高速平坦馬場で活躍する馬とパリロンシャンで走る馬は別物ではないか?と思っていたのです。

この考え方は間違っていないと思いますが、一方で今回の凱旋門賞で少し考えが変わるというか、この要素もあるな、と感じる出来事がありました。

絶対的な能力差

私も1人の競馬ファンとして、そして日本馬を応援する日本人として、この事実から目を背けていたのかもしれません。しかし、私は今回のレースを経て「やっぱり欧州の芝中距離のトップレベルに今の日本馬は到達していないのではないか?」と思ったのです。

「日本馬が世界的に見て弱い」とは今でも思っていません。芝中距離の日本馬は世界的に見ても強いと思います。ドバイや香港、サウジ、そして北米のブリーダーズカップでの激走を見ればそれは証明されているでしょう。

しかし、欧州の一線級の芝中距離馬と比べたらどうなんでしょう?これを本当に検証するには、お互いの適性の全くの中間地点の競馬場を見つけてそこでお互いのトップレベルの馬を走らせてみないとわからないと思います…。

ただ、そんなことは現実的に不可能ですよね(笑)しかし、今回日本にとって大切な指標になる馬が出走していました。

グランドグローリーです。

グランドグローリーは去年コントレイルが優勝したジャパンCに出走し、掲示板内、5着を確保しました。例年ジャパンCに遠征してくる海外馬は残念ながら鳴かず飛ばずの戦績で帰国していくことが多いのですが、久しぶりに掲示板内に海外馬が来たということで去年は少し話題になったと思います。

そのグランドグローリーは今回の凱旋門賞で5着でした。日本馬最先着はタイトルホルダーの11着です。

グランドグローリーはG1馬ではありますが、今回も人気薄で激走した馬で、決して欧州最上位の戦績の馬ではありません。

日本の高速馬場に対応していた海外馬がここでも5着に入っている意味は大きいと思います。

また、競馬関係者の方が「実はパリロンシャンの馬場は特殊だというけど、実際はそんなに札幌競馬場と変わらないよ」と言っているのを度々耳にします。

実際、同じくパリロンシャン競馬場の芝2400mで行われるG2フォワ賞などの前哨戦レースでの日本馬の成績は、決して壊滅的ではありません。今年挑戦したディープボンドは去年の前哨戦のG2フォワ賞を6頭立て5番人気と人気薄ながら勝利しています。

しかしその後、2021年の凱旋門賞でディープボンドは14着に沈みました。

「適性差で全く日本馬は、パリロンシャン競馬場で力を発揮できない」という仮説に基づくと、前哨戦で好走できて本番で好走できない理由は説明できません。

ただこの年は前哨戦が良馬場、本番は重馬場と、当然他の要素もあるため全ての条件が同じいわゆる対照実験にはなりません。その上で、ごく自然に考えるなら本番の凱旋門賞の方が多頭数かつハイレベルなレースだったから、というのは納得感のある理由だと僕は思います。

今年も中継で見ていても視界が悪いほどの豪雨になる時間帯もあり、少し特殊な馬場だったかもしれませんが、競馬関係者の方がこの「単純な実力不足」を痛感しているのかもな?と私は思いました。

そして、それを裏付けるようなコメントが実は先ほど紹介した矢作調教師の発言の冒頭に入っていました。

「単に力負けだと思います。日本馬全部がね」

海外遠征を知り尽くす矢作調教師の冒頭のこの発言の意味は、非常に重いと私は思います。


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まとめ

もちろん、能力差だけで負けたとは思っていません。展開、馬場、高低差、斤量、さまざまな要素が複合して敗因になっていると思います。

東京競馬場2400mで同じ20頭をゲートインさせて走らせたらおそらく着順は変わったでしょう(笑)ただ、これまで私は能力差はそんなにないけど、適性だけで負けている。と妄信していました。

しかし少し冷静に客観的な目で見ると、まだまだ絶対的な能力の面でももう1歩の部分はあるのではないのかな?と今は思います。

それこそ、凱旋門賞勝ち馬がそのままジャパンCに流れてきてくれたらより検証しやすいのですが、それがなかなか叶わないのが歯痒いところですね。

何はともあれ、いつの日か凱旋門賞日本馬制覇、この悲願をどの馬かが早く達成してこの呪縛を解いてくれることを心から願うばかりです。

僕が伝えたかったのは、適性のせいにするだけでなく、日本馬の能力について謙虚に今一度見つめ直すタイミングなのではないか?ということです。

最後に、日本馬4頭並びに、挑戦した陣営の皆さんは本当にナイスチャレンジだったと思います。心から労いの言葉を贈りたいと思います。チャレンジなきところに道はひらけません。

今回は再び凱旋門賞の壁の高さを痛感させられることになりましたが、今回の経験がこの先の悲願達成に必ずつながることでしょう。日本馬並びに陣営の皆さん、気をつけて帰国してくださいね。

記事を書いた人 ジェイ

登録者4000人超え&累計再生200万回超えの元一口馬主YouTuber。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統の配合相性を重視していて代表馬はロードヴァレンチ、リレーションハート等。

2 Responses

  1. 今の凱旋門賞は日本だけでなく世界的に見ても主流から外れたレースなので、どの陣営もここを目指して勝てる馬を作っているわけではないですからね。
    各国の主流レースを勝てる馬を作った結果、能力が高い馬が凱旋門賞でも勝つだけなので適性は後付けですよ。
    と言いたいところですが、日本国内だけで見ても適性と展開で勝っちゃう馬がいるのも事実なのでわかりませんし、わからないのが競馬の面白さだと思います。
    札幌巧者や中山最終週だけやたら強い馬を連れていくということもないのでそういう馬も試せたらいいんですが……まずレーティングが足りませんねw

    • ドルメンさん、コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り、国際的に見れば実は日本ではなくガラパゴス化しているのは欧州のほうではないか?と僕も思っています。
      オーストラリアの某中距離馬も、欧州に移籍してから戦績が…なのはオーストラリアの中距離のレベルがと言われていますが、適性の部分もあるかと思います。
      日本でその適性に全振りしている馬は、レーティング稼ぎにくいですよね。でもそれこそ、2018年に挑戦し国内で凱旋門賞挑戦後にダート路線で活躍している
      クリンチャーなんかは、国内での成績より適性を重視して挑戦した例だったと思います。あの1例だけで結論を下すのはいささか早計だと思いますが、
      あのレースは現地で僕も観戦していましたが「これはなかなか厳しいなあ」とスタンドで思ったのを覚えています。
      国内でも中山と東京、札幌でそれぞれコースの巧者がいるように、欧州と一括りにしてもロンシャンで強い馬とシャンティイで強い馬とアスコットで強い馬は違いますよね。凱旋門賞を取るためには能力がずば抜けている+パリロンシャンで強い馬をドンピシャで当てて連れていかないと無理なのかな〜と思ったりしています。

      いやはや、長い旅路になりそうですね。

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