【徹底分析】キャロットクラブ募集馬の人気と活躍傾向の相関関係は?by村上アシシ氏

村上アシシ
村上アシシ
みなさん、こんにちは。
キャロットクラブ歴6年になりました、村上アシシです。
本職はコンサルタントでデータ分析が得意ですので、今回はキャロットクラブの過去の募集馬の人気とその後の活躍傾向を分析する記事を寄稿してみました。
よろしくお願いします。

過去を学ぶ重要性

約24,000人いると推定されるキャロット会員の皆さん、こんにちは。

2018年からキャロットクラブで一口馬主をやっている村上アシシと申します。今年でキャロット祭は6回目の参戦です。

キャロット民にとって一年間で最も盛り上がる期間が遂に始まりましたが、今年の募集馬を選ぶ前にまずは過去の振り返りから始めるのがビジネスの鉄則です。

過去の反省なくして未来の成功はつかめません。

ということで2018年募集馬(現6歳世代)から2021年募集馬(現3歳世代)まで、計4世代における「募集当時の人気」と「現時点の戦績」との相関関係をマトリクスにまとめました。

「この馬は走るに違いない!」と募集当時に予測して申し込んだ馬たち(落選した馬も含む)が現在どのクラスにいるのかをしっかり把握することで、当時の馬選びの基準が正しかったのかを検証し、今年の馬選びに役立てて頂ければ幸甚です。

では早速、現6歳世代から分析してみましょう!

現6歳世代の勝ち上がり率は61.5%と優秀

↑2018年募集馬(現6歳世代)の募集時人気と現在成績のマトリクス↑

解説に入る前に、マトリクスをまとめるにあたっての前提条件を整理します

(結構長いので以下の箇条書きを読み飛ばしても特に問題はないです)。

・毎年数頭募集される地方所属馬は今回、分析対象外とします。
・翌年追加募集(もしくは再募集)になった馬(この世代だとジュビリーヘッド)も対象外です。
・縦軸を現在(2023年8月8日時点)の成績、横軸を募集当時の人気で表を形成し、募集馬をプロットしました。
・馬名のうしろに付いている括弧内の数字は一口代金(単位:万円)です。
・横軸の人気パラメータは既存会員が母馬優先枠を使わずに、一般申込(もしくは最優先申込)をした際の人気を表しています。
・キャロットクラブは他クラブと違い、1次募集終了後に申込の実数を公表しないので、人気軸は一般申込で当選・抽選・落選、最優先申込で当選・抽選・落選のカテゴリーを組み合わせて定義しました。
・「一般申込で抽選」カテゴリーが最もボリュームあるので、その中で母馬優先枠がある場合(一般申込枠が200口)と、母馬優先枠がない場合(一般申込枠が400口)の2つに人気の階層を分けました(母数が少ない方が競争率が高くなるという前提)。
・2018年9月時点の募集馬は中央在籍80頭。その後、募集中に取り止めが1頭、募集完了後に取り止めが1頭出て、計2頭をリストから外し、78頭が母数になります。

では、本題に入ります。

現6歳世代の勝ち上がり率は48/78=61.5%でした(追加募集馬を母数から抜いているので、他メディアで紹介されている世代別勝ち上がり率と若干異なる点、ご了承ください)。

JRA全体の勝ち上がり率平均が30%台前半と言われる中で、非常に優秀な結果かと。

縦軸8つ×横軸5つ=計40カテゴリーに分けていますが、大きく分類すると、以下の6つのゾーンに分けられます。

①最優先使わないと取れなかったオープン馬(右上)=下地ピンク
②最優先使わないと取れなかった条件クラス馬(右中)=下地薄いピンク
③最優先使わないと取れなかった未勝利馬(右下)=下地オレンジ
④一般申込でも取れる可能性のあったオープン馬(左上)=下地水色
⑤一般申込でも取れる可能性のあった条件クラス馬(左中)=下地薄い水色
⑥一般申込でも取れる可能性のあった未勝利馬(左下)=下地黄色

  • ゾーン①(ピンク)に最優先申込を使いたい
  • ゾーン④(水色)に一般申込を使って抽選突破したい(もしくは最優先申込を使って確実に取りたい)
  • ゾーン③(オレンジ)、ゾーン⑥(黄色)は何とか申込を回避したい(特にゾーン③に最優先使うのはもったいない)

結果論になってしまいますが、5年前の申込履歴を皆さん、振り返ってみてください。

GⅠ勝ち馬のヴェラアズールとレイパパレ、重賞勝ち馬のベレヌスは最優先申込を使っていれば確実に取れていました。一般申込でも抽選で取れていた可能性があります。

5年前の検討履歴を振り返って、何らかの理由で「消し」の決断をしていた場合は、そのファクターを見直す必要があるかもしれません。



現5歳世代のマトリクスは衝撃の結果に!?

このような形で、2019年募集馬(現5歳世代)についても分析をしていきます。現6歳世代と比較すると、分布の仕方にとんでもない偏りが出ました。

↑2019年募集馬(現5歳世代)の募集時人気と現在成績のマトリクス↑

2019年は、9月の時点で中央在籍馬が83頭募集されました。募集前に1頭取り下げになり、母数は82頭となります。

勝ち上がり率は45/82=54.9%。前年より6.6ポイント減りましたが、依然高水準をキープしています。

で、このマトリクスをざっと眺めてみて、異変を感じませんか?

最も「もったいない」エリア、右下のオレンジゾーンに11頭もプロットされているんです(ひとつ上の世代は4頭でした)。

現6歳世代(ひとつ上の世代)における、最優先使わないと取れなかった人気馬=17頭の中での勝ち上がり率は13/17=76.5%と驚異の打率を誇っていました。

それに対して現5歳世代では、最優先使わないと取れなかった人気馬=18頭の中での勝ち上がり率は7/18=38.9%と、ほぼ打率は半減しています。

「人気馬だからといって、走るとは限らない」

競馬の真理を身をもって体感した世代とも言えるでしょう。

募集額1億超えのアークライト(ハープスターの全弟)やクローヴィス(リスグラシューの全弟)など、錚々たる血統馬たちが走らなかった理由は何なのか?

ノーザンファームの偉い人に聞いてみないと真実はわからないとは思いますが、それぞれが独自の仮説を立てて考えてみるのも、一口馬主の醍醐味とも言えると思います。

更にこの世代は1次募集で売れ残った馬の中から、オープン馬が3頭輩出されているのも特徴的だと思います(シュヴァリエローズ、ヴィジュネル、ククナ)。

まさに「残り物には福がある」結果となりました。

長期的に見れば、人気と成績にはある程度「正」の相関関係があるんですが、この世代に限定すると、マトリクス上で左上ゾーンと右下ゾーンにプロットされる馬(人気と成績に相関関係がない馬)が多く出た印象です。

現4歳世代は勝ち上がり率が低迷

↑2020年募集馬(現4歳世代)の募集時人気と現在成績のマトリクス↑

続いて2020年募集馬です。9月の時点で中央在籍馬が87頭募集されました。

募集中もしくは募集完了後に計4頭が取り下げになり、母数は83頭となります。

勝ち上がり率は39/83=47.0%(この世代は翌年春に追加募集が6頭ありましたが、今回の集計の対象外にしているため、これも別メディアで出されている世代別勝ち上がり率と若干の差異があります。ご了承ください)。

前年より更に7.9ポイント下がってしまっています。

現5歳世代は「一般申込で当選」だった不人気馬からオープン馬が3頭も出ていましたが、現4歳世代の「一般申込で当選」枠の勝ち上がり率は2/7=28.6%と低迷しています。

未出走で終わってしまった馬の数も2世代前から、3頭→7頭→8頭と増加傾向にあるのも気がかりなポイントです。



現3歳世代の勝ち上がり率は更に低迷

↑2021年募集馬(現3歳世代)の募集時人気と現在成績のマトリクス↑

最後に現3歳世代です。9月の時点で中央在籍馬が88頭募集されました。募集中もしくは募集完了後に計5頭が取り下げになり、母数は83頭となります。

勝ち上がり率は35/83=42.2%で、前年より更に4.8%も下落しています。3歳未勝利戦終了までまだ数週間あるので、何頭か勝ち上がって数%改善する可能性もありますが、それにしても3年連続で勝ち上がり率が下落しているのは、出資方針に影響する重要な要素と言えるでしょう。

勝ち上がり率は低迷していますが、春の牡馬牝馬クラシックに計5頭(タスティエーラ、スキルヴィング、ラスハンメル、ラヴェル、ペリファーニア)も出走できた点は評価すべきかと思います。

重賞勝ち馬の3頭は全て、最優先枠を使って応募しないと当選しなかった馬なので、この世代は人気と成績に相関関係のある世代と言えるでしょう。

4世代共通して「最優先使わないと取れない馬」は約2割

3~6歳世代の相関関係マトリクスを紹介してきましたが、4世代共通して言えることは、右半分(ピンクとオレンジのゾーン)の「最優先使わないと取れない馬」の割合は全体の約2割という点です(2018年は17/78=21.8%、2019年は18/82=22.0%、2020年は17/83=20.5%、2021年は18/83=23.1%)。

全体の約8割は「一般申込」で突撃すれば当選する可能性があると考えると、そこまで無理ゲーではないとポジティブにとらえることができるのではないでしょうか?

当然「一般申込で抽選」のカテゴリー内には、当選率が1%から99%までと幅広いので一概には言えませんが、「一般申込で抽選」のカテゴリーはつまり、「最優先申込で当選」と同じです。

この枠、「最優先申込すれば確実に当選」のゾーンからは、過去4世代のうち3世代からそれぞれ、レイパパレ、エフフォーリア、キラーアビリティとGⅠ馬が1頭ずつ輩出されています。

×1、×2を取りに行くことをせずとも、毎年このゾーンから最優先(×0)を使って、活躍馬を一本釣りする相馬眼を持つことができれば、勝ちゲーに持ち込むことが確率的には可能です。

この一本釣りが驚異的な難易度を誇るからこそ、皆さんも一口馬主の沼にハマっているんだとは思いますが、僕はこの可能性に賭けて、今年もあと3週間、カタログに穴があくくらいに分析しまくろうと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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ゲストライター:村上アシシ

職業はコンサルタント、ライター、研修講師。 趣味はサッカー観戦、旅、一口馬主。

キャロットクラブ歴は6年。年平均3~4頭出資している。

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