ナロウゲートの22とは？　

ナロウゲートの22とは、元々1歳秋のセプテンバーセールで税込み1100万円で落札され、JRAブリーズアップセールに上場されるはずだったのですが、球節炎により欠場。

2024年5月29日に行われたJRAコンソレーションセールという上場予定馬4頭ののち、欠場馬1頭と合計3頭のみがインターネットオークション方式で上場、落札された規模の小さなセールで落札されたシニスターミニスター産駒の牝馬です。

ブラックバトラーやムットクルフェなど活躍馬を多数輩出する地方競馬オーナーズの中でも実績・知名度共に十分なハッピーオーナーズクラブで1口35万円（20口）で募集されました。

牝馬とはいえ、セリ時馬体重473kg、胸囲177.5cmとサイズは十分、立ち姿を見ても牝馬らしからぬ筋肉量とトモのしっかりしたボリュームを感じ、シニスターミニスター産駒でこれだけの完成度の馬がこの値段で共有できるのは破格だと思い、前脚のリスク面も勘案しましたが、勝負する価値は十分あるだろうと考え共有を決め、申し込みました。

本馬は非常に人気で、私が最後の1口の申し込みだったようです。

無事手続きはできましたが、私が申し込んでから1時間後には、満口御礼の投稿がなされていました。

球節炎は大丈夫？

この馬を考える上で、避けては通れないのが左前球節炎の存在。

そこで、早速コンソレーションセールセールのレポジトリ情報を確認してみました。

⇧コンソレーションセール上場馬馬体情報よりhttps://auction.jbis.or.jp/jraaucdata/pdf/%E3%80%90%E5%85%A8%E7%B7%A8%E3%80%9124CS%E5%80%8B%E4%BD%93%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%86%8A%E5%AD%90.pdf

球節炎を2度発症しているとなると、正直クセになっているような気がして嫌だなあと思っていたのですが、日付と休養期間を確認すると非常に短い休養であることと、ブリーズアップセールに向けてゆっくり休めなかったため再発してしまったようなタイトなスケジュールで2度発症していますよね。

実質これは1度の発症で治りきっていなかっただけではないか？そして2度目の際も2週間の休養で回復しているようなので、2度発症しているという印象から受けるイメージよりは大丈夫かな？と判断しました。

また、一口馬主の多くのクラブでは見られませんが、今回の場合はレポ情報が開示されているのでボーンシストや喉、種子骨は問題ないことが確認できたのも大きく、前脚の形状を見ても今後もリスクはあるのでしょうが門別デビューを目指してまずは門別の坂路で鍛える方針だとのことなので、ここはノリに乗っている会田さんを信じてGO！しようと思いました。

もちろん、父シニミニであることや、母産駒もしっかり競馬に使えていること、そしてサイズがあり歩様も力強さがあったことも衝動買いの要因になりました。脚元さえ大丈夫なら、南関東でも十分通用するどころか、地方重賞には挑戦できる馬なのではないか？と期待しています。

血統　

⇧netkeibaより

シニスターミニスター産駒牝馬の中央勝ち上がり率は36%です。牡馬は50%を超えることを考えると牝馬はやや劣勢ではありますがダート種牡馬かつ、中央の数字なので地方馬である本馬を考えれば、牝馬であっても活躍できるポテンシャルは十分と言えるでしょう。

流石に牡馬であればこの金額で募集はできないかと思います。

母父フォーティーナイナーサンで出走したのは中央2勝のコングールテソーロのみ。

APインディ系の父と母父フォーティーナイナー系の配合では48頭が中央で出走し46％が勝ち上がりと非常に高い数値が出ています。

父シニスターミニスター、母父フォーティーナイナー系の活躍馬にはOP勝利のあるコウエイエンブレム（中央6勝）、オースミムテキ（中央3勝）、サトノユニゾン（中央3勝）などが出ており、長打力も期待できるかと思います。

また、本馬はAPインディのクロスを持つことも特徴的なので調べてみたところ、シニスターミニスター産駒でAPインディクロスを持つ産駒で中央出走したのは4頭で、うち3頭が勝ち上がりとサンプル不足ながら高い打率を誇っています。

基本的に中央で勝ち上がれる馬であれば南関東で複数勝利を挙げられるのと同等だと考えているので、本馬に関しても血統配合のポテンシャルからは南関東で複数勝利を収めても全く不思議でないスタッツだと思います。

母ナロウゲートは地方4勝しているものの南関東ではなく、中央では通用しませんでした。

母産駒を見てみると、初仔ハーモニカ（父クリエイターⅡ）が大井で1勝。

2番子ソルアテ（父エスケンデレヤ）が門別1勝で川崎で馬券内複数、地方重賞の北海優駿（H1）と王冠賞（H2）で５着に入った経験があり重賞挑戦歴があり掲示板内を確保した馬です。

半姉トミサンエンジェル（父アジアエクスプレス）は3歳馬なのでこれからの馬ですが、川崎でデビューから3連続で馬券内にきたのち、勝利を収めていてこれからの活躍が期待されます。

そして本馬がシニスターミニスター産駒で、下の子はマジェスティックウォリアーが種付けされており、明らかに上の子たちに比べてこの2年は種付けされている種牡馬ランクが跳ね上がっています。

これは母の繁殖能力の高さを見込まれてのものだと推察されますし、どの子もかなりしっかりレースに使えているので、体質的に弱いファミリーということもなさそうです。

本馬は球節炎が心配されたので体質弱いと辛いなと思っていたのですが、きょうだいを見ていると丈夫そうな印象を受けるので、過度な心配は不要かもしれないな、と思った次第です。

また、半兄は重賞挑戦歴もありしっかり掲示板内を確保しているので、本馬はシニスターミニスターに父がかわり、地方重賞制覇への期待も高まりますしそのポテンシャルを感じる母の繁殖成績だと思いました。

馬体・歩様　

馬体・歩様の最新映像はこちらになります。

2歳馬なので1歳馬と比較すると大人びていることは当然であり、一口の1歳夏のクラブ募集と比べると出来がいいのは当然ではありますが、それにしてもトモにしっかりと容量があり、筋肉のカットもはっきり見えていて、腰もどっしりとしていて牝馬離れしたパワー感のある見た目です。

飛節もしっかり安定してますし、横から見た時の前脚の捌きにはダート馬としては十分な柔らかさを感じますし、後ろ脚の運びもスムーズで踏み込みもいいですね。飛節も最後までしっかり伸びきっています。

大腿筋膜張筋もしっかり浮かび上がっていますし、後輪駆動でトモからのパワーをしっかり前に伝えられている印象を受けますね。

一方、懸念は前脚だと感じました。

縦の前から見た時、正直綺麗にまっすぐついているとはいえず、むしろ球節あたりから曲がっているように見えます。特に発症した左前が悪く見えますね。

実際にセール前の球節炎がこの脚付きにより生じたのかは定かではありませんが、一定のリスクがある前脚だなとは正直思いました。

ただ、本馬は芝馬ではなく地方の深い砂で走るダート馬ですし、超大型馬というわけでもなさそうなので、血統スタッツの高さと横からの動きや馬体のシルエットの良さ、値段などを総合的に考慮し今回は共有を決めました。

今後への期待

本馬はまずは門別でデビューを目指すということです。

脚元さえしっかりしてくれれば、複数勝利をあげて重賞挑戦を叶えてくれる1頭ではないかと感じているので、なんとか軌道に乗ってくれるよう願って応援していきたいと思います。

社台GOなどは高価な育成施設を使うためどうしても、維持費込みの回収難易度が高くなってしまうのですが、ハッピーオーナーズの場合は馬のレベルに合わせてなるべく負担の少ないようにマネジメントを行うとHPに書かれていたのでこれは非常に、私のような零細地方馬主にはありがたいなと感じています。

ハッピーオーナーズクラブでは初めての共有馬になるので、今後本馬がどんな運用がなされるのか、そしてどのくらい活躍してくれるのか、これから楽しみです。

共有馬、一口馬主の出資馬共に重賞挑戦歴はあるものの、重賞未勝利の状態が続いており個人的にも苦しい部分があるので、なんとかこの馬が重賞勝利をもたらしてくれるといいなと願っています。

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