今回は2023年3月25日(土)に行われるG1ドバイターフの解説記事を書いていきます。
日本馬はドウデュース、セリフォス、ダノンベルーガ、ヴァンドギャルドが出走予定となっています。
よろしくお願いします。
メイダン競馬場特徴
メイダン競馬場は楕円形の左回り平坦トラックコースで芝1周2400mダート1周1750mです。
最後の直線は芝450m、ダート400m 2014年まではダートはなくAW(オールウェザー)でしたが、アメリカダート馬招聘のため?ダートに変更となったと言われています。
芝はバミューダグラスにペレニアルライグラスをオーバーシードした香港のシャティン競馬場と同じ構造、洋芝ですが欧州遠征などと比べると日本馬も力を発揮しやすい舞台と言えるでしょう。
芝コースは差しもしっかり決まりますが、前に行った馬が不利だということもなく比較的フェアな馬場状態で開催されることが多い印象を受けます。
ドバイターフ傾向
去年(2022年)はパンサラッサとロードノースが同着1位というレースになりました。
パンサラッサが逃げ切ったように先行勢も勝負になりますが、しっかり差しも決まるフラットなレースです。
日本勢は得意としているレースで、2019年のアーモンドアイとヴィブロスのワンツーや2021年のヴァンドギャルド2着など、活躍馬が多くいます。
同着の去年も含めると過去10年で日本馬が5勝、ついでイギリス馬が3勝、地元UAEが2勝、フランス1勝となっています。
今回出走するヴァンドギャルドは2年前に2着、去年3着とこのレースにはめっぽう強いので、評価を上げる必要があるでしょう。
注目馬評価
◎ドウデュース
本命は海外適性が若干不安視されているところから海外人気は落ち着き気味(執筆時点で単勝4倍想定)のこの馬から考えます。去年のフランス遠征ではニエル賞では武豊騎手が手ごたえを確認するようなレースを行い4着、本音を言うと最後の直線はもう少し足を。その後の凱旋門賞では19着に沈んでいますが、どちらも高低差の厳しいパリロンシャン競馬場の重馬場で行われたレースです。
今回の平坦トラックコースで芝もロンシャンよりは日本に近い、メイダン競馬場の良馬場で競馬を行えるとなれば、全く条件は違うためよりこの馬の能力が発揮できる舞台になるでしょう。
去年のフランス遠征の結果は参考外と考えていいと思います。
惨敗した凱旋門賞の後、帰国後初戦となった京都記念は、外目を通りながらいい手ごたえで上がっていき完勝。
末脚が1頭だけ違い、この馬のポテンシャルの高さを改めて見せつけました。
報道によると国内ラストの追い切りでは栗東W単走でラスト1ハロン10.9秒(6ハロン84.5秒)と好時計。中間に乗った武豊騎手は「馬ってこんなに速く走れるんだ」とコメントしているようで、デキは前走以上。
臨戦態勢は整っていると思います。
能力的には間違いなく国内最上位の1頭、力を出せるであろう舞台に今回変わることで、前回の海外遠征とは全く違う遠征に今回はなると思います。
母系が米血系なのは若干気になるポイントではありますが、父ハーツクライは現役時代、ドバイシーマクラシックを勝利した馬です。
産駒ではリスグラシュー、ジャスタウェイ、ヨシダが海外芝レースでG1制覇、海外適性を示しています。
距離も朝日杯FSでマイルを制している経験もありますし、直近は2000m以上の競馬が多くなっていますが、1800mもこなせる馬だと思います。
所属する友道厩舎は、ドバイ遠征でシュヴァルグランやヴィヴロスなど、成果を上げていますから、その部分も安心できますね。
父のように、この馬が中東の地で躍動することを期待します。
※書いてしまったので残しておきますが、公開日に出走取消となりました、無事に帰国することを祈念いたします。
○ロードノース
このレース3連覇がかかるこの馬を対抗とさせていただきます。
昨年のドバイターフ連覇後、タタソールズゴールドカップ4着、プリンスオブウェールズステークスで5着(最下位、4着馬はシャフリヤール)、エクリプスステークスで4着と3戦連続で馬券外が続いていました。
とはいえ、タタソールズゴールドカップは1.5馬身、エクリプスステークスは1馬身ほどしか勝ち馬とは離れていません。
特にエクリプスステークスはヴァデニ、ミシュリフ、ネイティブトレイル、ベイブリッジ、アレンカーとハイレベルなメンバーの中のレースでしたから、決して悲観する内容ではなかったと思います。
去年連覇を達成したときと今回も同じローテ、前走はウィンターダービー(G3)を使ってきて、去年は2着から本番に臨んでいましたが今回は外を回しながら末脚を伸ばして後続を突き放し、しっかり勝ち切って駒を進めてきます。
去年と同等、前走の状態だけを見たら去年以上の状態でもおかしくないこの馬です。
近走の着順で人気が少しでも揺らぐのであれば、是非狙いたい1頭だと思います。
父Dubawiでメイダンとの相性もいい馬ですし、管理するのは名門ゴスデン調教師です。
ゴスデン調教師は現地メディアで「昨年以上の状態」と発言しているようですから、日本馬を脅かす筆頭格になると思います。
▲ネーションズプライド
3番手にはトップラインガリレオ系のG1サラトガダービー勝馬のネーションズプライドをピックアップします。
この馬は11戦7勝で特に2101m以下では(6-2-0-0)と抜群の安定感を誇っています。
もちろんこの結果には条件戦などのレースも含まれていますが、ベルモントダービー2着や前述のサラトガダービー勝利など、ハイレベルなレースも含まれていて、この馬の能力の高さがうかがえます。
また、特筆すべきは欧州よりも平坦トラックコースである北米の芝で活躍している点です。
平坦コースであるメイダン競馬場と共通する部分が多く、力を発揮できるのではないかと考えます。
斤量は3歳馬だったため軽かったものの去年のブリーダーズカップターフでも5着と古馬相手にもしっかり戦えています。(4着馬ミシュリフとは着差少ない)
前走はメイダンで行われたドバイミレニアムステークス(G3)も危なげなく勝ち切っていて、状態は万全かと思われます。
この馬も日本馬を脅かす、強敵だと思います。
△セリフォス
4番手評価は日本馬応援の意味も込めてですがセリフォスをピックアップします。
これまですべてマイルレースを使われてきて、今回が初めての距離延長。
前走マイルチャンピオンシップの走りからも国内でも最上級であることは間違いありません。今回は、初の海外遠征に加えて距離延長に対応できるかがカギになると思います。
父はダイワメジャーなので「距離を伸ばしてよくなりそうだ」とはお世辞にも言い難い血統ですね。
中内田調教師はセリフォス出国前に取材に対し「距離はやってみないとわからないですし、海外への輸送も初めてなのでチャレンジャーの気持ちで」と距離に対しての懸念はぬぐえないような口ぶり。
とはいえ、競馬関係者からは海外レースでは日本のペースに比べて序盤がゆったり流れることも多く、日本より距離が少し長くてもこなせる馬も多いと聞きます。
能力は間違いなく海外有力馬と張り合えるところにあると思いますので、距離延長と初海外、どちらかというと己との戦いになりそうな印象です。
☆アルファリーク
穴馬では、葦毛のアルファリークをピックアップします。
去年のドバイターフ7着馬です。
わかりますよ、ある程度海外競馬に詳しい方であれば、マスターオブザシーズは?ってなっていますよね。
あえて、オッズ妙味と舞台適性など総合的に判断し、この馬を優先させていただきます。
次点でマスターオブザシーズです。
この馬の評価した理由は、前走のメイダン競馬場の芝1800mという今回と同じ舞台で行われたG1ジェベルハッタでマスターオブザシーズを下して勝利している点です。
外目好位追走から、速めに長くいい脚を使って早めに抜け出して勝利。
外からはマスターオブザシーズが強襲しましたが粘り強く伸びて半馬身ほど先着しています。
このレースには香港馬のロシアンエンペラーなども5着に沈んでおり、レースレベル的には高かったと思います。
これまでメイダン競馬場をメインに走っていて、G2などでも連を外すことが少なく安定感のある馬ですから、馬券内に今回食い込んできてもまったくおかしくないです。
去年のドバイターフでの敗戦後は2着、2着、2着、1着ときていて安定感もありますし、地の利もありますから、マークが薄くなれば怖い1頭だと思います。
注ヴァンドギャルド
最後に日本馬ヴァンドギャルドを取り上げさせていただきます。
この馬は去年のドバイターフ3着後は安田記念15着、サウジカップ11着とここ2走でパッとしておらず、買いづらい戦績に見えますね。
ただ、去年同レースで3着に入る前も香港マイル6着、その前にはBCマイル12着、その前が毎日王冠8着と、買いづらい成績でした。
また、21年に2着に入る前も東京新聞杯4着、マイルCS6着と特筆すべき成績ではないため、この馬は思い切って”ドバイターフどハマり馬”と考えてこの馬からのワイドで遊んでみるというのもありだと思います。
実際、調べたところ2021年以降この馬が馬券内にきたのはドバイターフの2回のみなのです(笑)
この戦績でオッズ的に軽視される部分があれば、場数も踏んでいますし未知数のダノンベルーガよりも 馬券内にくる可能性は高いのではないかと予想します。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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