今回は香港国際競走2024の香港ヴァーズ2024予想記事を投稿していきます。
日本での馬券発売があり同時視聴配信もYouTubeチャンネルで行う予定です、こちらもぜひお願いいたします。
香港ヴァーズ概要
香港のシャティン競馬場で行われる芝2400mのレースです。
ハイペースで削りあうようなスタミナレースというよりは、最後の直線で差しが決まるような展開も多いのが特徴で、日本の競馬と近く、日本馬が力を発揮しやすい舞台だと思います。
シャティン競馬場は洋芝ではありますが、アップダウンが緩やかでフラットに近いコースでありスピードが出やすく、芝の配合はドバイのメイダン競馬場などと同様、ヨーロッパの芝と比べて軽いため、日本馬は対応しやすい傾向があると言えます。
勝ち時計は2分23秒~2分27秒当たりでの決着が多いです。
海外にしてはかなり早い時計だと思います。
東京2400mで行われるジャパンカップの勝ち時計も近年は2分23秒~2分24秒ほどです。
厳密には、日本はスタート5m通過後からタイム計測、香港ではゲートが開いた瞬間からゲート計測となっていて、計測方法が異なっているので単純比較はできないのですがあくまでも参考値です。同じ計測方法となれば東京競馬場とシャティン競馬場の差はさらに縮まるのではないでしょうか?
超高速馬場といわれる東京競馬場と近いタイムが出ているということであれば、それだけスピード馬場への対応能力を問われるということになるでしょう。
実際、日本馬は過去10年で4勝していて、ウインマリリン、グローリーヴェイズらが勝利と相性のいいレースです。
リピーターが多いレースで、グローリーヴェイズやハイランドリールなど4頭が2度このレースを制覇しています。
調教国を見てみると、香港馬は過去10年で1勝と他レースと比べて苦戦気味。最後に勝利したのは2018年のエグザルタントでした。
地元馬より欧州遠征馬、特に近10年で3勝しているアイルランド馬と日本馬の活躍が目立つレースです。
香港はオセアニア生産馬が多い関係でスプリント~マイル路線の層が厚く、距離が長くなるにつれて日本やヨーロッパ遠征馬が優勢になっていく傾向にあります。
香港カップデーに行われる他のレースよりも、地元馬の評価は控えめにする必要がありそうです。
ただ、欧州遠征馬の取捨はスピード馬場への対応能力が重要なファクターなので、馬柱よりは高速馬場適性が求められる硬い馬場でどれだけ実績を残しているか?を重視していきたいと思います。
過去ローテ的にはBCターフ、ジョッキーCC、エリザベス女王杯組が馬券内率優秀で、枠的には真ん中の枠が馬券内率の高い結果となっています。
過去傾向
2023年
一団でレースが進み、後方に控えていたジュンコとゼッフィーロが1着2着に来たレースでしたので、差しが決まったレースだったと言えると思います。
ジュンコはこのレースまでそこまでスピード馬場適性を見せていた戦績ではなかったので驚きましたが、その後シャンティイ大賞を勝ったところを見るとやはりこの馬も一定のスピード能力があったんだなと感じました。
ただ、去年の出走時点でそれを見抜くのは至難の業でしたので、この馬を重視して買えた人はすごいなと思うところです。
唯一あるとすればこのレースの勝ち時計もそうですが、この日のシャティン競馬場の時計は全体にかかっていました、それを見てタフネス系の色合いがやや強い本馬を入れるということができたかもしれませんね。
2022年
ウインマリリンはスタート良く飛び出したものの道中は馬群の中団~後方へとポジションを落とし、最後の直線で大外に持ち出して馬群を差し切る、東京競馬場のレースかと見紛う程のレースでした。
2着のボタニクは先行策を取り2番手内目追走で、しぶとく粘りました。3着だったグローリーヴェイズは2度この舞台を制覇していて、後ろからのポジションでしたがしっかり馬券内を確保。
前の馬が不利ということはなかったと思いましたが後ろのポジションでも差しはしっかりと決まっていますので、後ろの馬の評価を下げる必要はないでしょう。
むしろ決め手のある馬を重視したいほどです。
2021年
このレース2勝目をあげたグローリーヴェイズは道中7番手と後方待機。
直線では大外に持ち出し、圧倒的人気にこたえて差し切り勝利しました。
2着だったパイルドライヴァーは道中前2頭から離れた3番手で追走。
直線では内ラチ沿いを使い内外離れた追い比べとなりましたが、グローリーヴェイズとは脚色が違いました。
3着だったエベイラは道中4番手、2着のパイルドライヴァーの後ろを追走していました
最後の直線では外に持ち出し、抜け出しにかかるグローリーヴェイズに馬体を併せる形で伸びていき3着を確保しました。
グローリーヴェイズの能力と適性が抜けていた可能性はあるものの、やはり外差しが決まるレースだなという印象を受けます。
2番人気ー1番人気ー3番人気決着とかための決着となりました。
海外注目馬
ウィズアウトアファイト
豪州馬主として、まず紹介したいのがこの馬。
オーストラリアのG1のコーフィールドカップとメルボルンカップの両方を勝つ史上12頭目の“カップス・ダブル”を達成した馬だったからです。
両レースはどちらもハイレベルなレースで、距離も違うことから両方を勝つことは非常に難しいとされています。
しかし、その後ケガにより長期離脱を余儀なくされ、ちょうど1年ぶりの復帰レースとなったのが先月行われたG1豪チャンピオンズステークス。
このレースでいきなり3着に入り、能力の健在ぶりをアピールしました。
相手関係も優秀で、1着だったのはその1つ前のレースで早すぎるガッツポーズとともにコックスプレートを圧勝したヴィアシスティーナ。
2着馬のアティシュも前年同レース覇者とあって、この3着は評価できると思います。
オーストラリアでは、休養明け初戦にピークは持ってこず、2戦目3戦目と調子を上げていくケースが多いので、今回1回たたいたことでさらに調子が上向く可能性はありそうです。
本馬は豪州馬ではありますが、元々ヨーロッパで走っていた馬ですから、中距離馬としての資質への期待感も十分だと思います。
オーストラリアの中長距離上級馬は本馬のように欧州から移籍してくるパターンも多いのが特徴ですね。
ルクセンブルク
去年の香港カップ2着馬です。
シャティン競馬場での実績があるので、ずっと復活を待っているのですが、今回が引退レースということで、ここでこそ、改めて狙いたい1頭ですね。
今シーズンはコロネーションカップの勝利以外は馬券内に入れておらず…という感じではありますが、キングジョージとアイリッシュチャンピオンステークスは勝負気配が薄く、前走から再びムーア騎手に戻って今回もムーア騎手で引退レースなので今回は去年の結果を考えてもメイチで狙いに来ているレースだとは思います。
6着に敗れたとはいえ、ローテ的にはもっとも狙いたいBCターフからの転戦組ですから、馬券には確実に入れておこうと思っているところです。
「スピード馬場だと必ず好走する」というほどではないですが、重い馬場だとまず来ない馬で、硬い馬場を好んでいるのは戦績からも明白なので、狙うならこういう舞台かなと思います。
ファイブジーパッチ
完全に穴馬なので、軸にするような馬ではないと思いますが、一発大荒れを狙うのであれば紐に入れておきたい1頭かなと思っています。
近走着順が安定しませんが、距離が短いレースも使っているので参考外とバッサリ切り捨て、去年の香港ヴァーズでは6着に沈んでいますが、これはかなり時計がかかる馬場で合わなかったと仮定すれば買える要素が出てくるのではないでしょうか?
おそらく馬柱的に人気しないと思うのですが、同じ舞台のシャティン競馬場2400mのG1、今年の香港チャンピオンズ&チャターカップで後のBCターフ馬レベルスロマンスに2馬身差の2着に入っており、この戦績は評価に値するのではないかと思っています。
この時の勝ち時計は2分25秒台で実に去年の香港ヴァーズより5秒早い時計。
馬場状態が違ったことが容易に想像できますので、今年も重い馬場であれば厳しいかもしれませんが、軽い馬場でスピードが出やすい例年通りの馬場だった場合、この馬が馬券内に突っ込んでくる可能性が出てくるのではないでしょうか?
コンティニュアス
今年の凱旋門賞で15着と大敗していますが、2分31秒台決着の今年の重い馬場の凱旋門賞と、去年のエースインパクトが2分25秒台で走破した凱旋門賞では、どう考えても去年のレースの方が今回の香港ヴァーズの舞台設定には近いと思います。
コンティニュアスは去年の凱旋門賞5着となっており、今回スピード馬場で走るのはプラスになりそうです。
そもそも海外馬ではありますが、ハーツクライ産駒ですから日本的スピード能力をある程度遺伝的に持っている可能性は十分あるでしょう。
育成環境で走り方やつく筋肉が変わるようで、日本血統馬だからといって日本で走れるわけではないことを先日のオーギュストロダンの結果から読み取ることができるわけですが、今回はスピード馬場と言っても洋芝のシャティン競馬場ですから、日本に遠征するよりはずいぶんショックはマイルドだと思いますし、力を発揮できれば面白いのではないかと思います。
現地報道などを見ていると体調は良さそうなので、楽しみです。
ドバイオナー
写真提供:Daesoo HAN氏(@v10miracle)
21年香港カップ4着馬です。
様々な国・地域で出走し結果を出しているタフな馬で、去年4月にはオーストラリアのG1クイーンエリザベスSを制すなどG1での実績もあります。
香港でも去年春のQE2世Cで3着に入っており適応力を示していますが、今年は7着に沈んでおりやや能力の衰えが見られるかもしれないな?と思っているところです。
とはいえ実績馬ですし近走の着順が著しく悪いわけでもないですから、紐として押さえておくには面白い1頭かなと思いますね。
日本馬の勝算
今回はやはり桜花賞馬ステレンボッシュを中心に考えることになると思います。
ウィズアウトアファイトやハマった時のルクセンブルクは強敵だと思いますが、絶対に越えられない壁か?と言われると決してそんなことはないと思います、順当にいけばここは勝ち負けではないでしょうか?
短距離レースで香港馬に勝つのは至難の業ですが、この距離であれば十分勝機はあると思います、もともと日本馬が強いレンジですからね。
ステレンボッシュは後ろから行くタイプで、決め手がしっかりあります。まさに今回、狙いたいタイプの脚質です。
今回同じく日本から出走するプラダリアは前目でじわっと行くタイプなので、香港ヴァーズに求められる脚質とはちょっと合致しないかな?と思っています。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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