今回は一口馬主の出資馬が中央で2勝することがどのくらい難しいのか?について記事にしていきます。
よろしくお願いします。
中央馬が勝ち上がる確率は?
この時期、一口馬主が最も気にするのは出資馬が勝ち上がれているか?でしょう。
9月の上旬までの3歳未勝利戦。
これが終わるまでに1勝Cに上がれないと、その競走馬は進退を迫られることになります。
中央馬が勝ち上がる確率は、おおむね毎年32%程度といわれていておよそ3割です。
つまり10頭の募集馬をランダムに選べば、その中から中央で1勝できる馬は確率論的には3頭ということになります。
かなりこれは厳しい数字ですよね。
例えばオーストラリアであればこういった未勝利戦のタイムリミットがありません。
そのため勝ち上がり率の水準は高くなる傾向がありますが、日本の中央競馬はこのタイムリミットにより、高いレベルを維持しているとも言えます。
さて、一口馬主の間でも“勝ち上がり率”についてはかなり気にされている方が多いかと思いますが、その先の”2勝馬率“はどの程度か?皆さん気にされていますでしょうか?
意外と低い?中央の2勝馬率
中央で勝ち上がった1勝馬がその後、再び勝利する。
つまり1勝Cを突破する確率は統計上、40%強となっています。
ということは、勝ち上がりを決められた馬でも、過半数の馬はその後1勝もできずにターフを去るということです。
これまた、なかなか厳しい数字ですね。
勝ち上がれれば、そこから1勝C、2勝C、3勝Cとホップステップジャンプとクラスアップできることを誰もが夢見ると思いますし、早い時期から勝ち上がれれば当然クラシックや重賞路線の夢を見ることと思います。
ただ、現実的には中央で複数勝利をできる馬は非常に少ないことが数字を見るとわかります。
余談ですが、オープン馬まで行く確率は全体で概ね1%前後だといわれています。
もちろん、ノーザンファームや社台ファームの生産、育成馬に限ればもっとこの数字は向上しますがね。
クラブの2勝馬率TOP10は?
主要クラブの勝ち上がり率は僕もほぼ暗記しているレベルですが、2勝馬率といわれるとすぐには出てきません。
ということで主要クラブの2勝馬率のTOP10を調べてみました。
データは近5年の成績になります。
・サンデー 32.7%
・シルク 31.7%
・キャロット 30.4%
・ロード 27.6%
・DMM 26.9%
・社台 25.1%
・東サラ 24.9%
・ワラウカド 22.2%
・ライオン 20.4%
・ウイン 20.2%
上記のようになりました。
やはり上位3クラブはノーザン系クラブの独占に。
この3クラブは3割越えとなりました。
続いて、日高の雄であるケイアイファームを母体とするロード。
ノーザン系の馬の多く仕入れているDMMと続きます。
私が所属しているノルマンディーは、2勝馬率が14.9%と、15%を割ってしまっていて、やや苦しい数字ですね。
また、2勝馬率が下位のクラブでは…
・京サラ 9.1%(前身含む)
・友駿 8.9%
・ローレル 7.8%
と募集馬の内中央で複数勝利を挙げられる馬が10%を切るクラブもありました。
こういった数字も意識したうえで、出資検討をしたら募集馬検討の見え方も変わってくるかもしれませんね。
とはいえ、バイヤー系クラブも含めて上位勢はほぼノーザン系が占めています。
勝ち上がり率だけでなく、2勝馬率に関しても基本的にはノーザン系が優勢という「そりゃそうやろ」という結果となりました。
一方ロード、ウイン、ワラウカド(こちらは募集頭数少ないが)など日高の牧場系クラブでも善戦しているクラブもいました。
このあたりも、クラブ選びの際にはぜひ意識していただきたいと思います。
勝ち上がりだけのために、一口馬主をしている人は少ないでしょうからね。
2勝の次は3勝と、勝利を積み重ねることができる可能性はどれほどか?という視点もぜひ持っていただければと思います。
おわりに
1勝Cを突破することはいかに難しいことか、そのありがたみを今回の記事で少しでも感じていただければと思い筆を執りました。
思ったよりクラブの2勝馬率の上位陣は優秀だったので、その難しさが伝わったか若干の不安があります。
私の出資馬でもある、DMMのミスティックロアは1勝C勝利は通過点、なんて巷では言われておりますが、中央で3歳6月の時期に2勝できることはとても立派なことです。
アフタートークですが「あれ?なんかみんな勝って当然みたいになってない?」という疑問が発端となった今回の記事でした。
今回の記事で皆さんの一口馬主ライフに少しでもいい影響がありましたら、幸いです。
2 Responses
はじめまして。
僕は28年前、20歳になってすぐにユニオンに入会し一口馬主人生をスタートしました。
コリンズグラスに出会い、1勝するのに7年かかりました。
20歳前半の当時は、社台系には入会すらできませんでした。
昨今のクラブ馬の大活躍から、クラブの乱立、募集口数の拡大。
どうしても良い面だけにスポットが当てられて、勝って当然みたく思う若い競馬ファンは多いと思います。
その甘さは募集口数の分母に比例しているようにも思います。
こうして2勝率に着眼しデータとして残してくださってありがとうございました。
初めまして、コメントありがとうございます。
そうだったんですね、僕も初勝利まで、かなりの時間を要しまして、30連敗以上しました。
その分、1勝の重みは忘れないようにしたいなと思う次第です。