
オーストラリアで馬主をしている私が今回は、英インターナショナルステークス2025予想記事を執筆していきます。
当日は22時〜YouTubeにて同時視聴配信も予定しています。ぜひ夜更かしする人は一緒に競馬しませんか?
馬券発売について
英インターナショナルSは馬券発売指定レースですので、ダノンデサイルの出走により日本国内での馬券発売があります。
インターナショナルステークス(G1)
2025年8月20日 (水) 23:35[現地時間 2025年8月20日 (水) 15:35]
イギリス ヨーク競馬場
芝左2050m 3歳以上
負担重量:4歳以上=牡・セン馬 61kg、牝馬 59.5kg 3歳=牡・セン馬 57.5kg、牝馬 56㎏
賞金総額:125万ポンド(約2億4375万円)
1着賞金:70万8875ポンド(1億3823万1625円)
また、グリーンチャンネルの無料放送で当日はレース映像をリアルタイムで視聴することが可能です。
放送日時
8月20日(水曜)23時00分から24時30分【無料放送】
グリーンチャンネルのホームページ「2025インターナショナルステークス中継」
レース傾向と鍵”フェアなヨーク競馬場”
イギリス、アイルランドの競馬場というとヨーロッパの中でも馬場がタフで競馬場の高低差が大きく、日本馬には不利というか求められる適性が違いすぎてなかなか力を発揮できない印象がありますよね。
高低差40m近くのエプソム競馬場を筆頭に、高低差20mのアスコット競馬場や急カーブから長い上り坂が続くサンダウン競馬場などとにかくタフなコースが多いのがこのエリアなのですが、英インターナショナルSが行われるヨーク競馬場はこれらの競馬場とは少し趣が違います。
ヨーク競馬場はコースの起伏が少なく比較的フラットなコースなので、日本馬には馴染みがある高低差の少ない競馬場なんです。
またコースの幅は広く、最後の直線は900mほどあり、ゲートや脚質的な有利不利も少ない競馬場だと言われており、地元では「最もフェアで実力を発揮しやすいコース」だと言われているんだとか。
日本馬の欧州遠征は厳しい結果になることが多いですが、今回はこの比較的起伏の少ないコースで競馬ができるということで日本馬のダノンデサイルにも、しっかり力を出し切って好走するチャンスがあるのではないかと考えています。
レース傾向を分析していきましょう。
日本馬の出走歴としては2005年のゼンノロブロイが2着、2019年に挑戦したシュヴァルグランは8着。昨年のドゥレッツァは5着でした。
ここ10年は3歳馬が4勝、4歳馬3勝、5歳馬3勝。
斤量が軽い3歳馬の好走が目立ちますが、古馬も頑張っていますね。
牝馬の勝ち馬が出たのは2015年のアラビアンクイーンだけですが複勝率などを見ると過去10年では牝馬の方が優勢となっており、牝馬も侮れないレースです。
今年の出走馬ではシーザファイアが牝馬になります。
近10年ではイギリス馬が7勝、アイルランド馬が3勝となっており圧倒的に地元馬が強いレースです、地元の中でも超有力馬が向かってくる舞台です。
過去25年遡っても海外遠征馬の勝利歴はゼンノロブロイが出走した2005年の勝ち馬エレクトロキューショニスト(イタリア)のみとなっています。
基本的には地元勢を優位に考えた方が良さそうですね。
良馬場だとタイムが出る舞台で、今年は19日火曜時点の馬場は良。当日の天気予報的に降雨はなさそうなので、良馬場想定で予想した方が良さそうです。
去年のシティオブトロイの2分4秒台は衝撃的なタイムでしたが、基本2分5秒〜6秒くらいで馬場がいい時は決着することを想定し2000mをこのくらいで回ってくるスピードを持っているかも予想の鍵になりそうです。
ダノンデサイルの乗り越えるべき壁
斤量
今回ダノンデサイルは61.0kgという日本では経験することがない斤量を背負わされます。
ヨーロッパやオーストラリアのレースでは平地でも60kg越えの斤量は一般的ではあるのですが、日本ではこれほど重い斤量を背負わされる経験はほとんどないですよね。ここはドバイシーマCで素晴らしいパフォーマンスを見せたダノンデサイルにとっても、大きな壁になるのではないかと思います。ドバイの時は斤量57kgと日本に近い斤量で、この時から4kgも重たくなりますからね。
また、いくら平坦なコースとはいえ、ヨーク競馬場は洋芝です。
走りやすく時計が出やすいと言われるドバイの馬場より走りづらい可能性もありますので、その部分は考慮しておく必要があると思います。
相手関係
今回は出走頭数こそ少ないものの、ダノンデサイルを迎え撃つ地元勢の馬は超強力です。
去年もシティオブトロイやカランダガン、ブルーストッキングなど超強力なメンバーが揃っていました。(去年はシティオブトロイの逃げ切り勝ち)
今年もエクリプスS勝ち馬のドラクロワとプリンスオブウェールズS勝ち馬のオンブズマンと強敵が揃っています。
ドラクロワは3歳馬なので斤量は57.5kgと軽いですし、他にも4戦4勝とそこを見せていないフランス馬ダリズなど不気味な出走馬もおり、頭数は少ないものの一筋縄では行かないレースになりそうな予感があります。距離や舞台は全然違うので単純比較するのはできませんが、つい先日行われたジャックルマロワ賞よりもこちらの方がメンバー的には揃っている印象です。
印
◎オンブズマン
○ドラクロワ
▲シーザファイア
△ダノンデサイル
全頭解説
◎オンブズマン
本命はオンブズマンに打ちました。
ドラクロワとは甲乙つけがたいのですが、前走エクリプスSでは直線での抜け出しが早かったため、目標とされてしまい最後の最後にわずかな差ではありましたがドラクロワに差されてしまいました。
ただ、この時の着差は超僅差でそこまで力の差があったとは感じませんでしたし、何よりこの時より今回の英インターナショナルでは両馬の斤量差が1kg小さくなるんですよね。
今回のレースではドラクロワは斤量が1kg増となりますので、斤量分を考えればこのわずかな差は十分逆転可能性があると判断しました。
また、サンダウン競馬場も比較的時計が出やすい競馬場になるのですが、エクリプスSを2分5秒台で走破しており(これはドラクロワも同じですが)今回のヨーク競馬場のスピード勝負にも十分対応できる能力を示していると思います。
ヨーク競馬場は初めての出走になりますが、似たスピードが求められる舞台のサンダウン競馬場やドーヴィル競馬場で好走しているところからも、ここは十分こなせると考えました。
プリンスオブウェールズSでロスアンゼルスや今回出走するシーザファイアも撃破するなど直線競馬でも結果を出していますので、英インターナショナルSの長い直線も苦にしないでしょう。
これまで生涯のレースで連対を外したことがない安定感も魅力的です
○ドラクロワ
オンブズマンをエクリプスSで差し切り勝利したドラクロワを対抗とします。
この2頭の能力は正直抜けていると思います、多頭数であれば展開の不利などで抜けている馬が2頭いても、どちらかは沈むというケースが散見されますが今回は6頭立てと紛れは少ない構成になりますので、実力通り2頭とも馬券内にくる可能性も十分あるのではないかと思います。
英ダービーは1番人気ながら9着で着差もかなり離される大惨敗というレースにはなってしまったのですが、これは陣営的には距離が長かったと捉えているようですね。
その後距離を短縮し2000mに戻してしっかり勝ち切っていますのでやはり適正距離はマイル〜2000mなのだと思います。マイラーくらいのスピード能力があった方が今回の舞台では合うと思いますし、差し脚質なので直線が長く頭数が少ない競馬になる今回は実力を発揮しやすいのではないかと思います。
エクリプスSから斤量差が減ることとスピード馬場での実績などを考慮しオンブズマンを上位評価にしましたが、この馬も非常に有力な1頭であることは間違いないと思います。
3歳馬の戦績もいいですし、勝ちも十分ある1頭ではないでしょうか?
▲シーザファイア
ヨーク競馬場を得意としている牝馬である本馬を3番手としたいと思います。
牝馬成績が馬券内率で考えると高いですし、本馬は馬柱的に派手さはないですがプリンスオブウェールズSでは勝ち馬オンブズマンから0.7秒差と少し離されているものの3着を確保するなど、強敵相手にしっかり戦っていますし、なによりその前のヨーク競馬場で行われたミドルトンフィリー(G2)で2着馬に2秒差をつける大勝をしています。
タイムは正直平凡ではあったのですが、この競馬場で本馬は重賞を2勝しており、ヨーク競馬場を複数回すでに経験しているというのは他の馬にはない大きな強みだと思います。
そのミドルトンフィリーの時と同じマーフィー騎手が継続騎乗しますので、この部分は非常に頼もしいなと思いますね。
英インターナショナルSは父のシーザスターズが2009年に、母であるアラビアンクイーンも2015年に優勝していて、血統的にもこの舞台が得意であってもなんら不思議ではありません。
特に本馬から見て母父(アラビアンクイーンの父)はDubawiですので、スピード能力はその部分を見てもありそうな気がしますよね。
前走のナッソーSの3着は不良馬場の中61kgを背負わされており流石に同情できるというか、度外視して良いと思います、オッズ的にも4番人気であれば十分面白い1頭だと思います。
△ダノンデサイル
正直前走のドバイシーマCはとんでもないパフォーマンスだったと思っていて、このレースを見て”あ、覚醒したか?”と思ったほどでした。その前のAJCCや有馬記念の走りを見てもやはりダービー馬は強いなと思ってはいたのですが、それ以上にドバイのパフォーマンスは輝いていたと思います。
勝ちっぷりもさることながら、倒しているメンバーが半端ないんですよ。
2着のカランダガンは去年の英インターナショナルSで2着に入った実力馬。4着馬のレベルスロマンスも実績馬ですし日本馬メンバーもドゥレッツァやシンエンペラーなど豪華でしたよね。
ただ、これはあくまでも比較的日本馬が走りやすい馬場のドバイでの実績であり重い斤量を背負った状態でヨーク競馬場で戦うとなると話はまた変わってくるのかなという気もします。
ドゥレッツァも去年先行して抜群の手応えかに見えましたが、直線では余力がなく5着となってしまいました、やはり日本馬は普段経験することのない負荷をかけられることになるので、馬場状態が悪化するという最悪のケースには今回はならなさそうですが、この斤量で欧州のトップ級の馬たちを倒せるか?と言われるとなかなか僕は甘くないのではないかと考えています。
ダリズ
4戦4勝馬と狙いたくなる気持ちは分かるのですがアイルランド・イギリス馬が優勢な舞台なのでフランス馬ということでやや割引している点が一番大きいですかね。
時計が出やすい舞台と言われているパリロンシャンで稍重ながら2000mを2分6秒台で走れているのでなかなかスピードはあるのではないかと推察するのですが、最初の未勝利戦以外は稍重〜重馬場で走っており純粋なパンパンの良馬場でのスピード勝負で斤量が3歳なので軽いとはいえ、ドラクロワやオンブズマンを蹴散らせるのか?と聞かれるとそのイメージはちょっと湧かないなと思いました。
ただ、3着に突っ込んでくるくらいであれば可能性はあるのかなと思いますので広めに考えたい方、ダノンデサイルを軽視する方はこちらを馬券に入れてもいいかもしれません。
相手関係が一気に今回強化されるので、私はこういうタイプの馬は普段から人気過剰だと思って軽視する傾向があるので、来たらごめんなさいという感じですね。
父は前述の同レース勝ち馬シーザスターズですしパリロンシャン稍重で2分6秒を出しているのは結構気になるポイントというかいいポイントだと思うので、馬圏内に突っ込んできてもありえないとは思いません。
バーキャッスル
流石に厳しいかな?という気がします。
直近の戦績的に見てもこの相手関係で馬圏内に入れていないのを見ると、流石にここまでは抑えられないかな、という気持ちになります。G2やG3でも勝ちきれてないですからね。
よほどの展開の助けなどがないと厳しいのではないかと思います。
これまで馬場が悪化した時を狙って出走しているような臨戦過程で、勝ち星も馬場が悪い時に集中しているので、まさかの大雨があって馬場がぐちゃぐちゃになったら一考してもいいかもしれません。

現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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