■日曜日の両重賞は12R
今週日曜日のジャパンカップ、京阪杯の両重賞は普段のメインレースと違って12Rに実施される。毎年こうだったわけではないが、ここ数年ジャパンカップデーはこの形態で競馬が運営されている。今回はそのうち京阪杯についてコンプレックスアナライズで検討を行っていく。
ジャパンカップに関しては火曜日にSPAIA競馬で記事を執筆済みなので、ぜひそちらをご覧いただきたい。
なお京阪杯は本来京都競馬場で行われる重賞であるため、本記事で使用するデータは2012年以降の阪神競馬場で実施されたOP以上芝1200mのものを採用する。
■好走&消しデータ
☆数少ない距離延長組が好走
分析するのは芝1200mであるためそもそも距離延長という選択が少ないわけであるが、その臨戦過程をたどった馬は【2-3-1-19】と同距離、距離短縮と比べて勝率、連対率、複勝率、回収率すべての項目で優位にたっている。
【今回距離延長の馬】
・2ビリーバー
・15ダイメイフジ
☆距離延長組の好成績に隠れる脚質の秘密
では今回は2ビリーバー、15ダイメイフジのどちらかを本命にするべきなのかと問われるとそうではないと答える。距離延長組が好走している秘密は前走短い距離を使ったことによってテンのスピードが速くなっていることに起因すると考えられる。
事実阪神芝1200においては前にいればいるほど有利だ。逃げ馬に関しては【4-2-4-8】と複勝率55.6%、単勝回収率820%とものすごい数字だ。それ以降も先行→差し→追込の順に成績が下がっているから、ポジションは非常に重要なファクターだ。今回はおそらく下記の3頭のどれかがハナを叩く。この馬たちであれば前走同距離でも問題はないだろう。
【今回の逃げ馬候補】
・5テイエムスパーダ
・7ファストフォース
・16ビアンフェ
☆トラックバイアスは外有利も内枠有利な傾向をどう見るか
現在阪神競馬場はロングラン開催が行われており、内目の馬場はかなり傷みが確認できる。先週のレースでも外差しの馬が台頭しており、マイルCSを勝利したセリフォスも外差し。ただ阪神芝1200において枠順は内枠有利な傾向がある。
これは前述のポジションの話とも相関関係があるように思えて、先行しやすい内枠が有利なのはわかりやすい傾向だ。
また8枠のみやや成績が良いのも外から被せられることがないため、外を回ることになるが好きなポジションを確保しやすいということも考えられる。
今週から阪神競馬場は内ラチを外側に移動し、内の傷みを保護したBコース開催となる。
先週までは最内を開けて回る騎手も多かったが、今週土曜日のレースは最内ぴったりで各騎手回ってきている。
前に行った馬が残るシーンも散見されたため、先週ほど外有利と考える必要はなさそうで、枠順データは重要視したい。
【該当馬】
・1枠~3枠の馬
■前走不利データ:スプリンターズS テイエムスパーダ
テイエムスパーダの前走はスプリンターズS。スプリンターズSは前走北九州記念組であれば5着以上からの臨戦が望まれる。前走1~5着【0-1-1-11】6着以下【0-0-0-4】と明暗がわかれる。テイエムスパーダは北九州記念で7着だったため不利データを持っていた。
そもそも北九州記念組は勝ち馬が出ておらずかなり厳しいローテーション。今回改めて見直したい1頭だ。
■血統解説:テイエムスパーダ/スマートクラージュ
・テイエムスパーダ
父レッドスパーダは京王杯SC勝ち馬。スピード性能の高さを産駒に伝えるのが上手な種牡馬だ。日本での牝祖は4代母ニジンスキーセンチメント。この一族はニジンスキーセンチメントの産駒である本馬の3代母サツマリーベ(父カコイーシーズ)とその半妹スナークサクセス(父ブライアンズタイム)から一族が広がっている。スナークサクセスは父がブライアンズタイムであることもあってタフさとスタミナのある産駒を輩出しているが、サツマリーベから本馬に至るまでマイニング→アドマイヤコジーンと繋がっていてスピード性能の高さを受け継いだ。スナークサクセスの枝のようにタフさはないためベストは平坦コースだが、阪神でも2勝クラスを制しており急坂でも止まることはなかった。逃げ先行馬が多いが、この馬のテンが一番速いので今村騎手が思い切ればハナを取れる。
・スマートクラージュ
血統面からはもう一頭挙げたい。それがスマートクラージュ。父はディープインパクトで血統的にスプリント戦はどうなのかという方もいるかもしれないが、母父キングヘイローであればこの距離に対応できる可能性はぐっとあがりそうだ。キングヘイローはディープインパクトと共通する血を多く持っていて、機動力とスピードに関しては十分の組み合わせだ。牝系は9代母セヴアインが牝祖と長く日本で繋がってきた一族だ。近親にはスイープトウショウ、トウショウバルカンなどがいて成長力が武器。祖母ウイッチトウショウの枝からはトウショウドラフタ、セイウンダイモスなどが出ていて距離適性は短くなっている印象。スマートクラージュは長期休養明けだが調教はかなり乗り込まれていて状態は文句なし。持ち前の機動力と成長力を見せる舞台は整っている。枠も良い。
牝系研究家・競馬ライター
獣医師堀田茂氏に感銘を受け血統の世界へ。馬体と血統は表裏一体であり牝系こそがサラブレッドの根幹であると考え、日夜サラブレッドファミリーの研究を行う牝系研究家。SPAIA競馬でも記事連載中。
—私の愛用品––
サロンと同じ髪質を家でも完全再現できる優れもの。髪と頭皮を認識しそれぞれ温度を調節できるので将来の頭皮にも優しい。
No responses yet