【募集馬検討】JAPANOZ・パライア×アイムゴーイングの血統考察 byエムイシ

M石土井
M石土井
みなさんこんにちは、エムイシです。
今回はJAPANOZこと中條厩舎で共有募集されているパライア産駒について、血統分析記事を掲載したいと思います。よろしくお願いします。

はじめに、そして結論 Pariah×I’m Going

私も豪州で馬主として預託している中條調教師。
そこで共有を募集されている馬がいます。

そこで、今回は共有を迷っているその馬を一人検討会してみました。
オーストラリア特有の血統や、日本ではほとんど見ることの無い血統の組み合わせの馬が多く、オーストラリア競馬に興味がない方でも面白く読んでいただけるのではないかと思います。

では、まずは結論からどうぞ。

父Pariah
オーストラリアらしさがベースにあるものの、ナスペリオン要素が発現しており、スプリント能力と柔軟性と持続力を持った馬。
実際に、短距離を折り合い、後方から長くいい脚を使うタイプの馬であった。

母I’m Going
しなやかで欧州ステイヤー気質の強い父(Nijinsky・Round Table・Bold Ruler)と、ナスキロラトロをふんだんに含んだ母(Nasruller・Princequillo・La Troienne)。
日本で例えればブエナビスタを再構築したような馬。

本馬

合わさることで、より刺激されるのはナスキロな部分であると考えられる。
これらに加えてTom Fool的な要素も刺激し合うので、足さばきの軽いキレ系の馬になれば最大値が上がってきそう。
走っている動画を見る限りでは柔軟性もあり、求めている要素が出てきそうな雰囲気。

逆にRedouts’ Choice的な無骨さがあまり表にはでてほしくない。
オーストラリアにしては欧州ステイヤー要素も強く、軽すぎる気もするが、そこをRedout’s Choiceがちょうど良い塩梅で支えてくれればという印象。

血統的な期待値はかなり高い。

深堀考察

ここからは馴染みの薄いオーストラリア馬の血統を分解考察していく。

Pariah パライア

パライアは短距離の2歳GⅢを2勝、GⅠでも2着に入った。
短距離適性は父Redoute’s Choiceから来ている。

父Redoute’s Choice

早熟性と短距離適性は父のRedoute’s Choiceから受け継いだもの。
リダウツは強固な父母相似配合で、デインヒルの早熟性と短距離適正を固定化したような馬であった。

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Redoute’s Choice JBISより https://www.jbis.or.jp/horse/0000375619/pedigree/

ノーザンダンサーのクロス、Tom Fool≒Flaming Page≒Atticaの機動力クロスなど、スピードと機動力をStar KingdamとHis Majestyのハイペリオンが支える構図。
米国色の強い血統ながら、母父のみ1/4オーストラリアの異系血統でバランスも良い。

さっと先行して粘り込むのに向いていそう。

母Secluded

この母Secludedが素晴らしい。

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Secluded JBISより https://www.jbis.or.jp/horse/0001211624/pedigree/

父Hussonetは南米チリのリーディングサイアーでオーストラリアでも種牡馬生活を行った馬。
NashuaのクロスとBold Rulerというナスルーラ系でも有数の北米血脈を受け継いでおり、リボー系米血のHoist the Flagも完備。
ワンペースではあるが非常にスピード感とパワーに優れた構成。
日本なら確実にダート馬になる。


母Cloisterはオセアニア血統。
父MaraudingはSir Tristramの軽さを強化しつつも、オーストラリアの短距離血統スターキングダム系Biscayが入ることで、スプリンターとして成功。

そして、その母Pampas FireMajestic Prince=クラウンドプリンス(3×2)の全兄弟クロスを持ち、強烈。

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Majestic Prince=クラウンドプリンスのクロスを驚異的に増幅されている。

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Majestic Prince=クラウンドプリンスの母 Gay Hostess血統表

ココがスゴイ!Majestic Prince=クラウンドプリンス
・Nearco持ち
・Sun Princess≒Mahmoud(2×3)(Gainsborough+Blenheim+Mumtaz Mahal)
 ▶Nearco+Sun Princess≒Mahmoud、つまりRoyal ChargerとNasrular
・母父Alibhai(その父Hyperion)
つまりナスペリオン要素を複雑に有機的に融合。

このナスペリオン要素が本馬にはふんだんに散りばめられており、もはや具体的に抜け出すのが不可能なレベル。


その中でも、このナスペリオン要素がわかりやすいのが、Sir TristramとShow Lady。

画像
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Sir Tristram
Royal Charger(Nearco×Sun Princess)、Mahmoud、All Moonshine(Gainsborough×Selene≒Hyperion) などが共通

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Show Lady
Royal Charger(Nearco×Sun Princess)、Mahmoud、Alibhai などが共通

Pariahの考察まとめ

PariahはRedoute’s Choice産駒ながら、牝系のMajestic Prince=クラウンドプリンスを刺激した形になり、突進型でなくロングスパート型の馬になった。

その影響はPariahが勝ったレースを見るとよくわかる。

https://youtube.com/watch?v=95xfF7JkLzQ%3Frel%3D0

https://youtube.com/watch?v=cwsBjjR_7bQ%3Frel%3D0

いずれも道中後方で控え、直線で抜け出している。
注目点は、Redoute’s Choice産駒にしては伸びやかなストレッチランナーであるところ。
いわゆるナスペリオン的特性で、長く追い続け、直線で伸び続ける特徴がよく出ている。
逆に、ゴール前ラスト1ハロンで急追してくる突進型にはキレ負けしている。

Redoute’s Choice産駒にしては伸びやかな差し脚を持っている事はこの部分に求める事ができる。

母I’m Going

血統表がなく苦労したが、概ねはこんな感じ。

父Trusting

画像

これはヤバイ。

State ≒ Tights(Nijinsky × Round Table)4×3
更に、Sir TristramとStom Catもそれに近い要素を持っており、それを包括するNijinsky × Round Table × Bold Rulerが………

簡単にまとめたら、かなり強固な父母相似配合

血統表から読み取れるのはNijinsky×Round Tableのしなやかさと、それを包み込むBold  Rulerなので、わかりやすく例えればやや無骨になったZabeel、または欧州要素の入ったStom Catであろう。
足さばきが軽くなりそうな構成である。

実際に、戦績はオーストラリアの1600mと2000mのGⅢを勝利しており、オーストラリアなのでこの成績だがそこはかとなく芝のステイヤー感を感じる。

母Bashful

コレもなかなかにすごい。

画像
Bashful JBISより https://www.jbis.or.jp/horse/0001039702/pedigree/

異系血脈である母母以外にNasrullah≒Royal Chargerがふんだんに含まれており、またMill Reafをはじめとしてナスキロでの組み合わせが多い。

コレは非常に柔軟性に富んだ切れのある構成で、更にナスキロとニックスであるLa TroienneをSex Appealからも取り込んだ形。

こんな馬がゴロゴロいるのがオーストラリアだと思うと恐ろしい。
この馬を日本に持ってきてディープキンカメにつけてみたいと思ってしまう。最近オーストラリア牝系の活躍馬が多い理由がよく分かる。

結論 Pariah×I’m Going

ここまで読み進めたあなたに!
冒頭記述のまとめの再掲です。

父Pariah
オーストラリアらしさがベースにあるものの、ナスペリオン要素が発現しており、スプリント能力と柔軟性と持続力を持った馬。
実際に、短距離を折り合い、後方から長くいい脚を使うタイプの馬であった。

母I’m Going
しなやかで欧州ステイヤー気質の強い父(Nijinsky・Round Table・Bold Ruler)と、ナスキロラトロをふんだんに含んだ母(Nasruller・Princequillo・La Troienne)。
日本で例えればブエナビスタを再構築したような馬。

本馬

合わさることで、より刺激されるのはナスキロな部分であると考えられる。
これらに加えてTom Fool的な要素も刺激し合うので、足さばきの軽いキレ系の馬になれば最大値が上がってきそう。
走っている動画を見る限りでは柔軟性もあり、求めている要素が出てきそうな雰囲気。

逆にRedouts’ Choice的な無骨さがあまり表にはでてほしくない。
オーストラリアにしては欧州ステイヤー要素も強く、軽すぎる気もするが、そこをRedout’s Choiceがちょうど良い塩梅で支えてくれればという印象。

血統的な期待値はかなり高い。

共有する?しない?

結論:共有したい。

募集開始してから数カ月共有をしていなかった理由の一番大きいウエイトは、維持費。
オーストラリアは維持費も安めとはいえ40口で1万/月はかかる。円安で負担は更に増える。これ以上気軽には頭数を増やせないというのが現状であった。

しかし、先日オーストラリア馬主として初出走を果たしたマーニーが怪我で引退した。
思いがけず共有馬が減ってしまったので、本馬の再検討に至った。

検討の結果、非常に魅力的な馬であるが、私の参加しているオーストラリア競馬コミュニティJJ Racing Clubでは定期的にセリへの参加を行っており、まだ見ぬ良い馬を待ちたいのも事実。

そのため、もう少し様子見をして、満口になるまでに良い馬がいなければ共有。
他にいい馬がいた・大口が入って急に満口になった場合は諦める…

としたいと思います。

なので、この記事を見た方で共有したくなった方は私の分を残すようにご留意ください😡


M石土井

ゴルシ産駒研究者

一口馬主を京都サラブレッド、YGG、広尾、DMM、ノルマンディーなどで楽しんでいる、ゴルシ産駒研究者。noteにてゴルシ産駒にまつわる投稿を行っている。血統分析に重きを置くスタイルで、代表出資馬はドライスタウトやグランベルナデット。ゴールドシップ産駒ではオルノアやブルーローズシップなどに出資している。


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