今回はTeam JがRSSと落札したLot269、アラバマエクスプレスの牝馬について、血統や馬体、厩舎について詳しく分析する記事を書いていきます。血統面は弊サイトライターでYouTubeでも活動しているこもこもさんにも分析をしていただきました。
よろしくお願いします。
アラバマエクスプレス産駒の牝馬(パーフェクトダイヤモンドの21)の魅力
ジェイの分析
血統
父はYulong期待の新種牡馬アラバマエクスプレスです。
この馬は父リダウツチョイス、母父エンコスタデラーゴという豪州のトップ種牡馬と常にリーディング上位を争うBMSという豪州の主流血統を詰め合わせたような血統。
コーフィールド競馬場で行われたG1であるCFオーアSでディープインパクト産駒で種牡馬入りしたフィアースインパクト(2着)を下して勝利した馬です。
RSS川上さんも現役時代調教で乗っていたという縁もある1頭ですね。
この馬は既に主流血統の2つが父に入っているため母系には他系統を入れないとインブリードがきつくなってしまいます。
今回のLot269は母系にストームキャット系の北米馬という配合です。
ちなみに今回上場されていたYulongの同産駒ではLot35のように北米系の母と配合されている馬もいて(ストームキャット系)新種牡馬ながら、狙ってこの系統につけられているのではないかと思います。
他にもLot11やLot256のようにNZ系の母馬と配合されている産駒も複数上場されていました。
特にこの馬の場合2代母からのファミリーが厚く、ケンタッキーオークス3着馬や近親には北米3冠馬も出ていて、活力のある母系も魅力です。
ストームキャット系は日本と同様に豪州でメジャーになっている系統の1つですね。
馬体
10月末生まれと遅生まれ(8月1日に加齢)ながら、シルエットの美しい馬体でトモの容量もしっかりとある1頭です。
セリの馬体写真では見栄えのしない印象を受けましたが、実馬は大きく印象が異なりました。
歩様もしっかりしていて、私が特に注目している踏み込みの深さや力強さもしっかりとしたものがあります。
縦から見た時も、内向外向など気になる点は特になく、綺麗に歩ける馬だと思います。
まだまだ育成前なので、もう少し筋肉がついて幅が出てくるということはないのですが、連日のセリと輸送直後で疲れがある中、放牧地で測定した馬体重は444kgとしっかりとしています。
管囲も20.5cmありますし、レポジトリチェックもオールクリア。
TeamJにも獣医師のメンバーがいますが、彼からも現時点で特に心配はところはないとコメントをもらっています。
脚元も現時点では問題は見受けられず、RSS3人による厳しいチェックも潜り抜けています。
また父の背中を知る川上さん曰く、この子はアラバマエクスプレスに似た馬体をしているとのこと。
父の良いところを受け継いだ父似の産駒を狙うのは鉄則ですから、ここに合致するところも強調ポイントです。
早めからの始動ではないと思いますが、2歳後半から立ち上げて3歳時に真価を発揮する馬になってくれればと思っております。
適性距離はマイル前後を想定、ギニーズで走ってくれたらいいなと思い落札した一頭です。
想定以上に距離が持ちそうであれば、スローペースからの瞬発力勝負になりやすいと言われるオークスに駒を進めることも非現実的ではないと考えています。
1歳のこの時期は、言いたい放題(笑)こうやって夢を描くのも馬主の醍醐味の1つですよね。
厩舎
厩舎は職人気質のアーロン・パーセル調教師にお願いすることにしました。
もともとアーロン調教師に預託することを想定して馬を選んでいましたが、ぶっちゃけ何頭か「この馬はいやだ」と調教師からNGが出てしまったこともあり、他の調教師に見せた馬もいました。
その中で、Lot269は2日目でアーロン調教師が一番気に入っていた馬です。
調教師自身が気に入っている馬を預かってもらえるということは大きなポイントだと思います。
預託料はRSSが提携している厩舎では最も安く、その中でRSSの看板馬マイネルレガシーをはじめ、結果をしっかりと出しているところも魅力です。
職人気質なのは直接会ってすごくよく伝わってきて、同じく提携しているマット・クマーニ調教師とは対照的。
社交的な感じではありませんが、馬をしっかりと管理・調教する能力にたけているので最もコストパフォーマンスに優れたこの厩舎を選びました。
注意点としては更新が若干淡泊なところがあります。
特に私もそうでしたがマット調教師の更新で慣れていると”なんと簡素な更新なんだろう”と少し驚いてしまうかもしれません。
RSSサイドからももう少しレポートを充実させてほしい、頻度を増やしてほしいとお願いをしているようなので、少しでも馬を身近に感じられるように、アーロン調教師サイドには頑張ってもらいたいと思います(笑)
こもこもの分析
父=アラバマエクスプレス
現役時代の主な勝ち鞍は、2020年にG1の C.F. ORR ステークス(芝1400m)
勝ち方もラスト3ハロンのラップタイムは、11.3-11.2-11.4と短距離向きの持続力を活かしての勝利だった。
アラバマエクスプレスの血統は豪州の名種牡馬が重ねられている。
父はリダウツチョイス・母父エンコスタデラーゴと2頭とも豪州リーディングサイアーを取った経験がある種牡馬。
さらに近親には2022年に芝の世界最高賞金額の豪G1「ジ・エベレスト」を勝利したギガキックを輩出しているなど、オーストラリアで勢いを出している一族である。
このことから、種牡馬としての特徴はデインヒルらしいスピードを活かした馬が多くなるのではないだろうか?
母=パーフェクトダイヤモンド
近親には米国三冠を達成したアファームドがいる名門牝系の出身。
この他にも米国のダート中距離重賞を制している馬多数おり、基本的にスタミナがウリの一族である。
そんな牝系にピュアプライズという、ダート1800mのG2ケンタッキーCクラシックを勝った馬を父に迎えた馬がパーフェクトダイヤモンドである。
本馬自身はそこまで短距離向きというわけではなかったが、この傾向から考えると産駒は距離が伸びて良さそうである。
もちろんダート向きのスピードを伸ばす配合が多いので、豪州で活躍させるには芝向きのスピードが必要なのは間違いない。
パーフェクトダイヤモンドの21の配合
そんな2頭が配合された本馬は、まさに母が求めている芝向きのスピードを父でプラスすることができる好相性の配合と言えるだろう。
また、本馬の馬体を見て特徴的だと感じるのは手脚の長さだ。
これは本馬が3本持つニジンスキーのクロスが影響している物だと思われる。
これにより距離適性はある程度長めに出そう。
胴体は父のアラバマエクスプレスに似ていて、成長する余地は十分にありそう。
豪州馬はもっとムチムチしていて、如何にも筋肉マッチョな短距離適性に優れた馬が多い印象。
しかし、本馬はあまりそういうところを見せていない。
これは実際に現地に赴いたジェイさんの意図を強く感じる。
「短距離ではなく、マイル〜中距離路線を目指す!」
この言葉は彼が渡豪してから、LINEでずっと送られてきていた文章だ(笑)
まさにその言葉通りの馬では無いだろうか。
筆者もオーストラリアの3歳牝馬路線を調べてみたが以下の3レースが牝馬クラシックのような扱いとの事(間違ってたらごめんなさい)
・1000ギニー(芝・約1600m)
・クラウンオークス(芝・約2500m)
・オーストラリアンオークス(芝・約2400m)
この辺りを狙うのにはぴったりでは無いだろうか?
狙いがはっきりしているので、非常に面白そうである。
筆者的には1000ギニーが一番の狙い目だと感じている。
歩様を見た感じは柔らかく、まだまだ成長を感じさせてくれそう。
まとめ
価格もお手頃なので、オーストラリアで馬を持ちたいと考えているならぜひ出資(共有)を検討したい一頭。
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