はじめに。
ど〜もど〜も、のあです♪
これまで血統考察の記事ばかりを書かせて頂いていましたが、今回は競馬における血統というものの価値を少し書いてみようと思います。
私自身が拗らせる程の深度で血統というものを捉えていない事、よりカジュアルに血統を扱う為に掘り下げるという事をしてきただけなので、ここでも分かりやすくカジュアルに書いていきたいと思います♪
沈殿した濃ゆい部分なんて知らなくても、上澄みの端的な部分を知るだけで十分に効果を発揮してくれるのが血統です。
というよりも、むしろその上澄みにこそ大半の要素が含まれていると思っているので、他の誰かが掘り下げてくれた端的な情報を収集して活用する事が一番の近道なのです♪
今回は長くなりそうなので早速進めていきましょう♪
血統のトリセツ①〜深く知らなくてもいいんだ〜
前述した通りなんですが、血統を深く深く知る必要はあまりないと感じています。
それぞれの血の特性、構成からくる効果、血の配置、インブリード、ニックス、あぁややこしいややこしい…血統に馴染みのない方はこう思われると思います。
当然ながら掘り下げには意味はありますし、“それなり”の効果も見込めますが情報収集や理解という労力に対して“それ相応”なのかと言われると疑問です。
“知っておかなければどうにもならない始まらない”という程のものではないのです。
血統有識者であり競馬予想家でもある亀谷氏も仰ってますが「一頭の種牡馬を覚えるだけで競馬は勝てる」。
これは極めて端的で的を射たお言葉だと思います。
それ程に種牡馬という存在が及ぼす影響というのは血統という要素の中で大きな要因であり、そういう意味では繁殖牝馬を含んだ血統構成というものは掘り下げの部類にすら入ると考えるくらいの感覚で良いと思います。
血統というツールを活用したいけど勉強するのは面倒という方は、このくらいのところを入り口としてみるのが良いと思います。
そして、この入り口で立ち止まっても十分に活用できると思います。
深く知らないと意味がない、深く捉えられないと活用できないは間違いです。
漠然とした自分の感覚や印象ではダメですが、有識者達が導き出してくれた端的な情報を鵜呑みにするくらいで十分に効果を発揮してくれるので血統はお手軽ツールなのです。
どうです?なんとなく血統とお付き合いできそうな気持ちになってきませんか?
そういう気持ちになって下さった方は是非とも続きを読んでください♪
血統のトリセツ②〜使う場所で扱い方は変わる〜
次は血統というものを競馬のどういった部分で活用するかというところを考えてみましょう。
こちらの記事を読んでくださっている方は一口馬主での出資に活用したいと思っている方が多いかもしれませんね。
それ以外の活用法はもちろん馬券予想でしょう。
前者は中長期的なアプローチになりますし、後者は短期的なアプローチになります。
つまり競走馬としての長い期間を想定した考察と、明日あるいは今日走るレースに対する考察になるわけです。
この二つで血統を活用しようとすると随分と知識の幅や活用法にも違いが出てきます。
ここではその事について書いていきましょう。
この二つで大きく異なる点は新馬戦を除いた馬券予想という部分では“すでに一定の能力と適性を想定できる”という点が大きいですね。
出資馬選びでは生涯を通した競争生活でどういった能力や適性を示してくれるのかという考察になりますが、馬券予想ではすでに示された能力や適性を加味した上で今回のレースでのパフォーマンスを考察する事になります。
そういう意味では馬券予想というカテゴリの方がよりお手軽な血統知識でアプローチできるという事が言えます。
それは当然の事ながらこれまでの競争成績から“血統構成らしい適性“を示しているか、そうではないのかを精査できますし、そうでないなら血統表内でのどの血が顕著に出ているかの精査に思考をシフトできるからです。
こうなると深い知識が必要になりますが、前述した通り深くなくてもそれなりに活用できるのが血統です。
端的な情報から、血統が持つ適性を示さない競走馬はその血統らしさの無い競走馬として扱う。
それだけで買い条件や切り条件に当てはめる事ができます。
一頭の種牡馬の適性を覚えたら、その種牡馬が顕著に示す産駒傾向や得意条件だけ覚えて、その適性を示す競走馬を得意条件で買う。
これだけで馬券というものへの血統としてのアプローチとしては十分に効果を発揮してくれる事と思います。
では一口出資という部分ではどう活用していくかですね。
こちらは馬券予想よりも多少の深度を求められるかもしれません。
ただ、一定の知識だけでもある程度の想定はできるので活用しない手はありません。
その種牡馬が指し示す能力や適性のベクトルを知るだけである程度の想定はできますし、自分自身が活躍してほしいカテゴリを想定するには十分な指針となる事と思います。
また一口出資で血統へ興味を抱いて勉強するのに適していると思う部分でいうと、目星をつけた仔だけの血統を調べるだけで良いという点です。
馬券予想では多ければ18頭の競走馬が走りますし、気になった競走馬だけでも調べるとなるとなかなかの労力です。
ですが一口出資であれば気になったその仔の種牡馬や肌馬の血統的な傾向を調べるだけで効果を発揮してくれますし、一度にかけるカロリーとしても高くないのでお手軽です。
そういう事の繰り返しで少しずつ血統の知識を蓄えていくと、いつのまにか知ってる血統が増えてるという事になるので、そうなってくると血統というものが少しずつ楽しくなってくると思うので皆さんも是非試していってほしいです。
血統のトリセツ③〜上澄みの掬い方〜
それでは少しだけ実用的な部分に触れていきましょう。
深い知識を得るには相応の時間と労力が必要になりますが、最初の頁で触れたように上澄みだけを掬い上げるだけで活用できるお手軽さも血統の持つ魅力の一つです。
特に昨今のネットでの情報収集はそれ程手間がかかるものではありませんから、有識者が端的に特徴や適性を纏めてくれてたりもします。
「内包する〇〇の血が〇〇で、この血のおかげでこの種牡馬は〇〇の適性を伸ばしている」なんてややこしい情報はすっ飛ばして「〇〇という種牡馬は〇〇が得意!」という程度の認識だけ出来ればオッケーです。
血統考察やある程度の深度のある記事を書いている身としては、まさに身も蓋もない事を言いますが、そういう端的な情報が7割以上の価値を持っていると思ってます。
記事にしたり誰かに説明する為には説得力(論理)が必要になるので、その裏付けとして論拠を示しているだけという感じですね。
実際のところ、出資馬選定の際は私も血統表と睨めっこして自分を納得させる論拠を探しますが、馬券予想では父・母父・母の競走成績と繁殖成績くらいしか見ません。
ただ、深くではなくても血統というものに長く触れていれば、血統表と睨めっこしたら肌感的に適性の方向性は見えてくるようになるので、頑張らずに血統と触れ合っていって頂ければ勝手に身についていくと思います。
「習慣にしていくと良いよ」という事でいえば、馬券を買ったり興味があって観るレースの条件と勝ち馬(できれば1〜3着馬が理想)の血統はチラッと見ておく事でしょうか。
それをしておくだけでも「そういえばこの条件でこの種牡馬の産駒がよくきてるな」とかいう事が起こり始めます。
そういう頭の片隅に置いておいた情報というのはふとした時にひょっこり顔をだしてくれたりもするので、何気ない習慣をつけていくのもローカロリーで血統の知識を吸収するコツかもしれません。
面倒な事はしたくないのは誰しもなので、楽して知識を蓄えるには好きな事のついでにちょっと気にかけておく程度が最適ですからね。
まずはそういうスタートラインにしてみてはいかがでしょうか♪
のあ
血統研究家
オーストラリア・中條調教師率いるJAPANOZでEpic Dayを共有する海外馬主。日本の一口馬主ではターファイトや京サラに入会している。血統の深堀が趣味でサララボライター・エムイシ氏の師匠的存在。
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