今回は2023年2月19日(日)に行われるG1フェブラリーステークスに初めての海外馬、シャールズスパイトの勝算について海外馬主(北米一口馬主)で得た知見をもとに検討していきたいと思います。
よろしくお願いします!
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シャールズスパイトとは?
シャールズスパイトはアメリカ合衆国で生産され、カナダで調教されている6歳牡馬です。
今回フェブラリーステークスに海外馬として初めて挑戦することになりました。
まずは、どんな結果になっても海外馬が少なくないリスクを抱えて日本に遠征して日本競馬を盛り上げてくれることを嬉しく思います。
アメリカとカナダは南半球でいうところのニュージーランドとオーストラリアのような関係、もしくはそれよりもより密接な関係性かもしれません。
カナダ調教馬がアメリカのレースに出走することはよくあることですし、逆もまた然りですよね。
余談ですが、本馬は過去にはG1レースに木村和士騎手とコンビを組んだこともありました。
北米からのダートレースへの遠征馬となれば「相当ハイレベルな馬がくるのではないか?」と思われている競馬ファンの方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、実はこの馬”芝馬”なんです。
そのためダート適性はしっかり見極めたいポイントですよね。
今回事前レーティングは116と出走馬の中で最上位ですし、去年のブリーダーズカップマイルでは人気薄ながらしぶとく伸びて2着に入るなど、一定の能力があるのは間違いないと思いますが…。
・そもそもダート適性はどうか?
・遠征の負担+日本のダート馬場は合うか?
フェブラリーステークスで好走できるかはこの2点の壁があると考えています。
JRAの発表によると今回シャールズスパイトは、フロリダからの遠征で厩舎から58時間以上かけて輸送されてきたそうです。
かなりの長時間輸送となっているので、追い切りの様子や当日のパドック・返し馬での馬のコンディションはしっかり見極めていきたいところですね。
矢作調教師はラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌが勝利した際のブリーダーズカップは、西海岸(カリフォルニア州)のデルマー競馬場で行われたため、輸送が短かったことも勝因の1つとしていました。
東海岸ではなく、西海岸開催のタイミングを狙っていたと話していたことを記憶しています。
今回東海岸であるフロリダからの輸送は、相当負担が大きのではないかと推察します。
主な戦績
これまで14戦5勝という成績ですが、14戦のうちダートでの出走は2回で条件戦(1200m)で5着とサルヴァトールマイルステークス(1600m)というG3のレースで3着と勝ち星はありません。
しかし、サルヴァトールマイルステークスは1着マインドコントロール(G1•3勝馬)、2着は日本で種牡馬入りするホットロッドチャーリーとハイレベル。
着順以上にこのレースは評価が必要かもしれないですね。
オールウェザー(AW)での出走も2回あり、デビュー2戦目のG3マリンステークス(1700m)で勝ち星があるもののその後の条件戦(1660m)では7着に敗れています。
芝ではG1メーカーズマークマイルステークス(1600m・稍重)でG1初勝利、G1ブリーダーズカップマイル(1600m・良)では単勝56倍の人気薄ながら、道中中団内目で脚を溜め直線では外に持ち出してしぶとく伸びて、モダンゲームズの3/4馬身差の2着でした。
モダンゲームズは過去にサセックスステークスでバーイードの2着に入った馬ですね。
血統分析
シャールズスパイトは父スパイツタウン(ゴーンウェスト系)、母父パーフェクトソウル(サドラー系)です。
これまでのフェブラリーステークスの連対馬をみてみると、2010年制覇のエスポワールシチーや2014年、2015年連覇のコパノリッキー、2017年制覇のゴールドドリームなど”ゴールドアリュール産駒”が活躍していることがわかります。
他にもマンハッタンカフェ産駒など”ダート適性のあるサンデーサイレンス系産駒”はこのレースは活躍傾向にありますが、シャールズパイトはサンデー系は血統には持たない馬になります。
一方、父サンデーサイレンス系に次いで複勝率が高いのが父ミスプロ系です。
こちらは、シャールズスパイトはトップラインがゴーンウェスト系なので当てはまりますね。
本馬と同じスパイツタウン産駒の日本での活躍馬は、モズスーパーフレアやマテラスカイなどが挙げられます。
父系は若干距離レンジ短めな気がしますが、本馬はすでにマイルで戦績を残しているので問題ないとしましょう。
ミスプロ系であることもレースの活躍傾向と照らし合わせても良さそうです。
一方、心配なのは母系の血統です。
矢作師は競馬場によって違いはあるものの、北米のダートでは日本で言う芝要素(=軽いスピード)が求められるのではないかと指摘していました。
マルシュロレーヌも、元々芝馬からダートに転向して偉業を達成しましたよね。
本馬の場合、母系はサドラーなど欧州芝血統になっています。
北米のダートはこなせても、日本のダートへの適性があるか?と言われるとやや疑問が残ります。
私は北米のスピード馬場のダートの方が、日本のダートより合うのではないか?と考えています。
まとめ
海外競馬ファンとしてこの馬の活躍は応援したいと思いますし、実力はある馬だと考えていますが、買うべきはここではないのではないか?と思っています。
不良馬場になって脚抜きのいい馬場になり、高速決着になるようなことがあれば少し評価をあげて、相手に組み込んでみても面白いと考えますが、執筆時点の天気予報では土日の荒天はなさそうですね。
高低差のある競馬場からやってくる欧州馬と違い、北米はトラックコースで高低差が少ないことが多いので、欧州からの芝馬の遠征馬より求められる能力の違いは少ないと思いますが…。
良馬場であれば、私は心の中で応援することに留めることになりそうです。
予想を上回る、あっと驚くパフォーマンスを見せてくれるのか?フェブラリーステークスの本番を楽しみにしたいと思います。
当日はサララボのYouTubeチャンネルで同時視聴のLive配信を行う予定ですので、ご都合が合う方はぜひご覧ください。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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