レース概要
9/11(日)
中山7R 3歳以上1勝クラス 芝1600m
1着 アンクロワ
牝馬
父 モーリス
母 アンレール
母父 ディープインパクト
クラブ キャロットクラブ
ファミリーNo. F1-l
厩舎 伊坂厩舎(美浦)
レース回顧
「ハナにこだわって。モーリス産駒らしいタフなハナ差の勝利。」
1番人気はアンクロワで2.7倍。
前走はゲート内で煩くなったところがあり、行き脚つかずいつもとは違う後方からの競馬。
それでも最後は追い込んで4着まできていた点が評価されたか。
当日は+14キロで436キロだったが太いといった感じはない。
2番人気は前走不利をもらいながら3着した手塚厩舎のドゥラメンテ産駒ベストフィーリングで3.7倍。
3番人気にサトノレギオン5.5倍。4番人気にステラナビゲーター5.8倍。
その後は10倍以上と4頭が人気を集める恰好となった。
前走の反省をしっかり活かすことができたのは厩舎力か。
この日はスタートを決めて押してハナを主張。
外からステラナビゲーターが競りかけてきたが譲らなかった。
レースとしては前半4Fが45.9秒、勝ち時計が1分33秒1なので前傾1.3秒のタフなレース展開。
終始縦長の馬群を引っ張ってステラナビゲーターのマークを受ける展開でアンクロワにとっても楽なレースではなかった。
4コーナーでは馬群が縮まって、直線に向いてからはニシノタマユラが外からアンクロワを交わす勢いでやってくる。
そこからアンクロワは横山和騎手のムチを一発もらって再度ギアを上げ、ニシノタマユラを競り落とした。
しかし、それを待っていたかのように大外からサトノレギオンが突っ込んでくる。
結局並んだところがゴールだったが、ハナ差ギリギリサトノレギオンの追撃を凌ぎ切っていた。
モーリス産駒らしくタフな展開をしぶとく伸びての勝利。
今後も持ち前の先行力を活かして前々で運ぶ競馬ができれば、昇級してからの活躍も期待できるだろう。
牝系を見る
日本での牝祖は3代母バレークイーン。
バレークイーンは繁殖として非常に優秀で直仔にはダービー馬フサイチコンコルド、皐月賞馬アンライバルドがいる。
孫以降の世代も優秀。
グレースアドマイヤの一族からは重賞3勝でG1でも3度の2着があるリンカーン、皐月賞馬ヴィクトリー、菊花賞でコントレイルの2着アリストテレスを輩出。
フサイチミニヨンの一族からも阪神JF2着のアンブロワーズを輩出している。
本馬が属するフレンチバレリーナの一族からはOP級で言えば万葉S2着のタイセイモナークが出ている程度だが、母アンノールが優秀でここまで本馬を含めた産駒3頭すべてが複数勝利。
元々瞬発力が売りの牝系だったが、フレンチバレリーナの一族はどちらかと言えば機動力で勝負する馬が多い印象。
ただバレークイーン譲りの成長力は健在で古馬になってからもう一段階成長を見せる馬も多い。
本馬は父にモーリスということもあり、成長力にはかなりの期待が持てる。
まだ3歳ながら既に2勝を挙げていて、今後の出世も期待できるだろう。
ライター:ジェンティル/貴シンジ
牝系研究家・競馬ライター
獣医師堀田茂氏に感銘を受け、生物学・遺伝学の観点からサラブレッドの血統を分析。牝系こそがサラブレッドの根幹であると考え、日夜サラブレッドファミリーの研究を行う。個人ブログ『牝系研究者の一口馬主メモ』では月間11万PVを達成。
2 Responses
出資馬です。アンクロワを取り上げていただきありがとうございます!
仰る通り、アンクロワにとって決して向いた展開でもない中勝ち切ったことに、モーリス産駒としての本馬の成長力を実感しました。
募集時は馬体の小ささと厩舎が嫌われて一般まで回ってきました。こんな良血馬を一般で取れてラッキーでした。
伊坂師が1600mは少し長いかもと仰っていたので、次は東京1400mで見たいです。伊坂師は馬の成長に合わせてレース選択をしてくれる、本当に素晴らしい調教師です。
ゆくゆくはアンクロワが伊坂師に重賞初制覇をプレゼントしてくれることを願っております。
PONさん、コメントありがとうございます。
書いたのはジェンティルですが、ジェイが返信させていただきます。
伊坂先生、そんなに良い先生だとは、恥ずかしながら知りませんでした。勉強になります!
重賞初勝利、期待ですね!