【コラム】馬券と募集馬検討に役立つ!新血統理論「新ラスムッセン・ファクター理論」とは? By ずー

ずー
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このたび、サララボでお世話になることになりましたずーと申します。
サララボ主宰のジェイさんとはジェイさんがYouTuberとして活動開始されたときからの付き合いで、このような機会を与えていただき大変感謝しております。
日本・オーストラリア競馬の今後の発展に寄与できたらと考えております。
みなさんよろしくお願いいたします。

<合わせて読みたい>

<01-01 はじめに(自己紹介)> 

改めまして、ずー(@zu_aamsp)と申します。

一口馬主・豪州馬主・地方馬主をやっております。

一口クラブはノルマンディー・キャロット会員だけでなく北米マイクロシェアのMyracehorse会員でもあります。

主な出資馬はシュトラウス・ディナースタ・ヴァナルガンドです。

豪州競馬はライジングサンシンジケート、地方競馬はハッピーオーナーズで共有させていただいております。

また豪州競馬の知識向上・情報共有および豪州馬主の双方向コミュニケーションを目的にCanny Lad会という少人数制の勉強会の主宰もやっております。

血統が大好きで、望田さんや亀谷さんの理論も勉強しました。

さらに研究を深め独自の理論を追求している日々です。自己紹介はこれまでにして理論の説明に入る前に血統について簡単に触れたいと思います。

<01-02 はじめに(血統について)> 

血統とは「先祖との血縁的な関係」を指し、競走馬競走においては血統と能力は密接な関連を有していると考えられ、様々な理論が存在しています。

当理論では以下の3つの前提をもとに、いかに優秀な血を多く含むかを見極めることで、「良質な競走馬を見出す」確率をあげる方法を追求していきます。  

✔良い血が残る(ダーウィンの自然淘汰論)  
✔父系より母系の影響が大きい(ミトコンドリアのATP産生能)  
✔いい繁殖にはいい種牡馬をつける(生産者の思惑)

<02 新ラスムッセン・ファクター理論> 

新ラスムッセン・ファクター理論は以下の3本矢のアプローチで構成しています。

①良い血が残る⇒劣悪なものは滅び、優良なものだけが自然に生き残る

<アプローチ方法>  

ラスムッセン・ファクター  

✔直近の5世代以内で、異なる個体を通じた優秀な牝馬の近親交配がある馬を探る  
✔5世代以降に交配がある組み合わせについてもニックス候補(好配合)として考慮

②父系より母系の影響が大きい⇒エネルギー源となるATP産生能を持つミトコンドリアDNAは母のもののみ子に受け継がれる

<アプローチ方法>  

ボトムライン(牝系)分析  

✔ボトムラインにどんな優秀な馬がいるかを探る  
✔特に種牡馬を輩出するボトムラインはより評価

③いい繁殖にはいい種牡馬をつける⇒牧場側の思惑で期待している繁殖には良い種牡馬をつける傾向がある

<アプローチ方法>  

ブルードメアサイアーライン  

✔母父、母母父、母母母父の馬がどれだけ優れているかを探る  
✔ブルードメアサイアーリーディングを獲得している馬はより評価

<03 ラスムッセン・ファクター> 

<概要>

○直近の5世代以内で異なる個体を通じた優秀な牝馬の近親交配(FFI)の馬につき、一般グループと比べて優秀なグループに占める割合が高い傾向があることがわかった(表1のDは該当、Gは非該当)

(参考)1999年上半期米国   5世代以内に牝系近親交配している割合につき、全競走馬の4%に対し、重賞馬11%を占めた [引用:INBREEDING TO SUPERIOR FEMALE LINES THE PERFORMANCE OF THE RASMUSSEN FACTOR IN 2000 ]

<ポイント>

種牡馬は年に多く種付できるに対し繁殖牝馬は年に1度だけ。その繁殖牝馬の血が別個体を通じて複数残っているしているということはそれだけその繁殖牝馬が優秀で繁栄している証拠
✔直近の5世代以内で異なる個体を通じた優秀な牝馬の近親交配があれば、血統表のレベル自体が良質である可能性が高い
✔優秀な牝馬のクロスである必要がある(例:NATALMA、BEST IN SHOW、SOMETHINGROYAL、CRIMSON SAINT)
✔5代母以降に牝系クロスがある場合ニックス候補(好配合)として考慮できる(例:ディープ(SIR IVOR)×ストームキャット(SOMETHINGROYAL))

<具体例>
2023/11/26 京都1R未勝利戦勝ち馬 ゴッドカインド

⇒Storm Bird、South Sea Dancerの全兄弟クロス(後述するボトムライン経由で発生)

<04 ボトムライン(牝系)分析> 

<概要>

○エネルギー源となるATP産生能を持つミトコンドリアDNAは母のもののみ子に受け継がれる。

※ミトコンドリアDNAは突然変異するため途絶えている可能性はある

○エリート母馬/エリート父馬(EE)、エリート母馬/プア父馬(EP)、プア母馬/エリート父馬(PE)、プア母馬/プア父馬(PP)の 4つのグループに区分して成績を比較した結果、エリート母馬の産駒(EE・EP)が、いずれも優秀な結果を出したがエリート父馬の産駒(EE・PE)の結果が同じではなかったという研究もある。

[引用:The Blood-Horse 2015年7月18日「Maternal Influences Make Difference」]

<ポイント>

✔競争能力に対する母親の遺伝性はある程度寄与している
✔ボトムラインにどんな優秀な馬がいるか、牝系に以下が含まれる場合要注目  

・種牡馬(特に世界的種牡馬)  
・G1馬、重賞馬  
・ 牝系クロスがボトムライン経由で発生

<具体例>

2023/9/17 中山6R3歳以上1勝クラス勝ち馬 ヴァナルガンド

⇒ヴァナルガンドの4代母とフジキセキ(種牡馬)の2代母が同じ

<05 ブルードメアサイアーライン> 

<概要>

○牧場側は高く馬を売るために「期待している繁殖」に「いい種牡馬」をつける傾向がある

例)繁殖牝馬を5頭(重賞馬1頭、1勝馬3頭、未勝利馬1頭)保有   
1頭だけロードカナロアの種付け権利がある。みんなアウトブリードの場合どの馬につけるか⇒重賞馬をつける

○ブルードメアサイアーランキングの上位馬は過去の名種牡馬ばかり

<ポイント>

✔ブルードメアサイヤーランキングはいわば人気投票ともいえる
✔母母父、母母母父も同様。ブルードメアサイアーライン(表3の黄色部分)を見るだけで繁殖への期待値がわかる
✔ブルードメアサイアーラインに以下が含まれる場合要注目  

・ ブルードメアサイアーリーディング上位  
・ サイアーリーディング上位

<具体例> 2021/2/20 東京10R金蹄ステークス勝ち馬 バンクオブクラウズ

⇒サマーロコガール自体は中央未勝利で地方勝ちの実績にとどまるが、サマーロコガールのブルードメアサイアーラインは、キングカメハメハーサンデーサイレンスーブライアンズタイムーマルゼンスキーと代々のトップサイアーであり、期待されていた繁殖であることがわかる

<06 さいごに(今後の活動について)>

新ラスムッセン・ファクター理論を活用しながら以下のコンテンツにつき不定期に更新予定です。是非チェックお願いします!

✔競馬予想/新ラスムッセン・ファクター理論を活用し、レース(主に新馬戦)注目馬をピックアップします
✔一口馬主クラブ馬ピックアップ/一口馬主クラブ馬の中での血統的な注目馬をピックアップします
✔募集馬検討ピックアップ/一口馬主クラブ(主にノルマンディー・キャロット)募集馬の血統的な注目馬をピックアップします
✔豪州競馬情報/豪州競馬の血統に関する情報発信をします
✔???/その他何か追加コンテンツを予定しています

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