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データ派UMAJO”代表ちゃん”のホープフルS2022予想!好走・非好走データを徹底検証!
今年ラストの中央G1競走
2017年にG1に格上げされたホープフルS。格上げ当初は「年末のG1と言えば有馬記念だろう」と批判の声もあったが、6年目ともなると慣れたもので年末最後のJRAのG1と言えばホープフルSと定着した。
もっともホープフルS翌日には東京大賞典が行われるので、年末最後のG1というわけではない。ここで負けても取り返すチャンスはまだあるが、東京大賞典には参加するつもりはない。
今年は自信を持って推奨したい馬が一頭出走してくる。ここで負ければすっからかん、今年最後の大勝負、そんな覚悟で挑みたい。
G1格上げ後の過去5年分のデータ、ラップを分析し今年の出走馬のパフォーマンスと血統から予想を組み立てていく。
データ傾向分析
◆G1格上げ後は人気馬が無双
中山2000mという少しトリッキーな舞台設定だけに、G1昇格以前は荒れることもあったこのレース。ところがG1になってからは様相が一変し、人気での決着が多くなった。
これまで2歳の牡馬G1は朝日杯しかなく、中距離に適性のある強い馬は距離が短いとわかりつつも使わざるをえない状況だった。ところが2000mのホープフルSがG1に格上げされたことで無理をして朝日杯に向かう必要がなくなり、こちらのメンバーが揃っているというのがデータの要因として考えられる。
1番人気【4-0-0-1】2番人気【1-1-1-2】3番人気【0-2-1-2】4番人気以下【0-2-3-53】となっている。全頭ベタ買いの単勝回収率が18%、複勝回収率が42%でかなり堅いという傾向が顕著。穴馬から入るのは難しいレースだ。
【今年の上位人気想定馬】
・ガストリック
・ミッキーカプチーノ
・ハーツコンチェルト
・ファントムシーフ
◆前走条件戦組は苦戦傾向 3着以下は好走ゼロ
続いては前走クラス別の成績。重賞【3-1-1-14】OP【2-2-2-6】となっていて、勝ち馬は全てどちらかに該当している。これも実力馬が集結するようになったG1格上げ後の顕著な変化と言えるだろう。
1勝クラス組は【0-2-1-17】でなんとか連対馬は輩出しているので、取捨選択次第ではチョイス可能。好走した3頭はいずれも芝2000mの1勝クラスを勝利して臨戦しているという共通点がある。
新馬・未勝利組は【0-0-1-20】となっていて壊滅状態。どうしても狙うとすればパフォーマンスを一気に上げる可能性がある新馬勝ちの馬から選択するのが良いだろう。
【前走1勝クラスで敗戦or芝2000m以外】
・スカパラダイス
・モンドプリューム
【前走新馬・未勝利戦】
・ジェイパームス
・ジュンツバメガエシ
・セレンディピティ
・ボーンイングランデ
◆好走には必須の前走連対経験 3着以下からの巻き返しはゼロ
続いてのデータは前走着順別成績。こちらも顕著な傾向が出ていて前走3着以下の馬が【0-0-0-18】と馬券になっていない。
前走がどのようなレースであれ賞金を加算することが主目的の2歳戦であればある程度複数のレースにメンバーが分散するので、強豪だらけのレースというのは中々生まれない。従って連対からの臨戦が最低限の能力を示す材料になっているようだ。
人気が予想されるハーツコンチェルトや新馬戦で話題を呼んだフェイトはこの消しデータに当てはまってしまう。
【前走3着以下の馬】
・スカパラダイス
・ドゥラエレーデ
・ハーツコンチェルト
・フェイト
・ヴェルテンベルク
血統分析 ~注目のRoberto~
◆Roberto内包馬が好走傾向
注目血統として取り上げたいのはRoberto内包馬。2歳戦とはいえ急坂を備えた小回りコースの中山競馬場ではパワーと機動力が要求される。その拠り所として散見されるのがRobertoの血だ。
Roberto内包馬の成績は【2-3-3-19】で馬券内に好走した馬の半数以上は有していた。レース全体が堅いので回収率こそ低い値になってしまっているが、その他の率は高く、血統表にRobertoを見かけたら注目してみるのも良いだろう。
◆血統解説
☆ミッキーカプチーノ
3代母スターマイライフが日本での牝祖。同じ一族には昨年の阪神JF勝ち馬サークルオブライフがいて、サークルオブライフもエピファネイア産駒だから本馬とは5/8同血の間柄だ。
母スティールパスは現役時ダートのマイル以下で活躍し、スパーキングレディーC(Jpn3・1600m)勝ちの実績馬。半兄バイシュラバナ(父キングカメハメハ)はKingmambo+Robertoの組み合わせ、ダート中長距離で4勝を挙げ現在OPクラスでも勝ち負けしている。
スターマイライフからブライアンズタイム→ネオユニヴァースとつけられてきているからパワー豊富で機動力が高くダートを主戦場とするのが特徴。本馬の場合はエピファネイア産駒だから芝馬に出たが、筋肉質でパワフルな馬体は母譲り。
一方、牝系は前述のサークルオブライフやフラワーC勝ちで桜花賞3着のトレンドハンターが出るようにスピード性能が高い。
距離に関しては2000m以上がベストだろう。
デビューから2走異なった競馬を見せていて輸送、多頭数や速い流れにも既に対応済み。完成度の高さは抜群なので今回のメンバーなら最も信頼できる一頭だ。
ファントムシーフ
母ルパンⅡは米国産馬で未勝利。牝系は4代母Keraliを根幹としてアメリカを中心に繁栄していて一大勢力を築いている。どこを取っても活躍馬がいる牝系だがとりわけHasiliが繁殖牝馬として怪物級。主な産駒は以下の通り。
・Dansili(父デインヒル)…ハービンジャーの父
・Banks Hill(父デインヒル)…ジャックルマロワ賞(G1・芝1600m)などG1を3勝
・Heat Haze(父Green Desert)…ビヴァリーD・S(G1・芝1800m)などG1を2勝
・Intercontinental(父デインヒル)…BCフィリー&メアターフ(G1・芝2000m)などG1を2勝
・Cacique(父デインヒル)…マンノウォーS(G1・芝2200m)などG1を2勝
・Champs Elysees…カナディアン国際S(G1・芝2400m)などG1を3勝
本馬の場合は3代母Arriveが前述のHasiliの全妹にあたる。祖母Promising Leadは愛プリティポリーS(G1・芝2000m)を勝利した実績馬だが父がデインヒルなので、Dansiliとは父が同じで母が全姉妹という4分の4同血という間柄だ。
本馬は父がハービンジャーだから父方の祖父はDansili、従ってDansili=Promising Leadの2×2になる。と大体の血統予想家の人が言うがこれは大きな間違いで、デインヒルの3×3、Kahyasiの4×4、Keraliの4×4が正解だ。
言い方の問題だろうという声も聞こえてきそうだが、これは非常に重要で5代血統表内の近交係数は3×3よりは高いものの2×3よりは低い値となる。
これはどういうことかというと近親交配によるメリットもデメリットも2×3未満の期待値になるということだ。これを2×2と表現してしまうのは明らかに間違っている。
ファントムシーフが出てくると嫌というほど2×2という表現を耳にするのでつい注意喚起したくなるが話を戻そう。
本馬は母父Medaglia d’Oroの影響はそこまで強くない印象で、胴長で持続性能の高さが武器だろう。
脚元なんかはハービンジャーっぽくて高速芝が得意。中山コース経験済みだがベストコースとは思えず、前回の少頭数の最内枠とは求められる器用さのレベルが異なる。
ガストリック
父ジャスタウェイの産駒はこれまでホープフルSに2頭出走して連対率100%。
牝系はそれほど活力がある一族ではないが祖母Wild Gamsの産駒たちが活躍を見せていてここにきて勢いが出てきた印象だ。
ファミリーには一定のスピードでラップを刻むのが得意な馬が多く、瞬発力ジャスタウェイから受け継いでいるのだろう。
距離は1800がベストだが2000も守備範囲内だろう。まだ成長を残しているが前走の内容からはここでも通用する。
ラップ分析
上記は過去5年のラップとその平均。年によって若干のバラツキはあるが、道中息が入ってレースが動くのはラスト4Fあたりか、後続と逃げ馬に差がある場合は2Fあたり。
対して下記は今年の葉牡丹賞のラップとそれをホープフルSの平均ラップと重ね合わせたグラフ。
開幕週ということは加味する必要があるが、比較すれば優秀なのは一目瞭然だ。5Fからレースが動いての持続戦になっていて、その中で勝ち時計は1分59秒1、これはホープフルSでは即通用級の時計と内容だ。
このレースを出遅れながら器用に立ち回ってラスト2Fは最速、流しながらノーステッキで勝ち切ったミッキーカプチーノはかなりハイレベルと言わざるをえず、当然ここでも勝ち負けだろう。
多頭数、輸送、持続戦、スロー戦、中山コース、2000mと経験値が高く不安要素の少ない一頭といえる。
ここは一強 狙い定めたローテーション
ここまでミッキーカプチーノが新馬戦、葉牡丹賞と遠征を重ね、レースを厳選して使われているのはホープフルSを見据えた矢作調教師の作戦だろう。
新馬戦の2~4着馬も勝ち上がっており、3着馬が京都2歳S勝ちのグリューネグリーンだからハイレベル。
血統的にも強調材料が多く、ここまでのパフォーマンスも圧倒的なだけに逆らう余地がない。予想オッズでは3倍以上つく想定だが、これならば何の迷いもなく本命だ。2倍つくなら買いと見る。
唯一の懸念点は大外枠だろうか。確かにホープフルSでは大外枠の勝利はないが、中山2000mはスタートからコーナーの入りまで十分に距離があり決して不利な枠ではない。
また戸崎騎手は外枠の方が好走傾向が強いので悲観する要素ではないだろう。
◎18ミッキーカプチーノ
牝系研究家・競馬ライター
獣医師堀田茂氏に感銘を受け血統の世界へ。馬体と血統は表裏一体であり牝系こそがサラブレッドの根幹であると考え、日夜サラブレッドファミリーの研究を行う牝系研究家。SPAIA競馬でも記事連載中。
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サロンと同じ髪質を家でも完全再現できる優れもの。髪と頭皮を認識しそれぞれ温度を調節できるので将来の頭皮にも優しい。
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