今回は競馬ファンにとっては残念なニュースである若手ジョッキー6人のスマートフォンの不適切利用による騎乗停止について、Z世代の競馬ファン目線で考察していきます。
少し突っ込んだ内容になりますが、あくまで個人の見解としてお楽しみください。
ニュース概要
2023年5月3日、競馬ファンにとってはショックなニュースが飛び込んできました。JRAは、永島まなみ騎手、古川奈穂騎手、今村聖奈騎手、角田大河騎手、河原田菜々騎手、小林美駒騎手の6人を、「スマートフォンの不適切な利用があった」として、それぞれ 2023年5月13日(土曜)から2023年6月11日(日曜)まで 30日間の騎乗停止としたと発表しました。
永島騎手、古川騎手、河原田騎手、小林騎手の4人は先月23日に、ジョッキールームにスマートフォンを持ち込み、インターネットを閲覧したとされています。
スポーツ紙報道によりますと、今村騎手と角田騎手は先月22日に、調整ルームで通話したことが履歴から確認されたということです。
今回の件は、JRAが公正確保のため競馬開催中の騎手の外部との接触を禁止し、調整ルーム内でのスマートフォンの使用や外部との通信を禁止しているルールに違反したということになります。
JRAの公式発表によると処分の根拠となっているのは、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第19号です。
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【日本中央競馬会競馬施行規程(抜粋)】
第147条
第138条第1項各号及び第145条各号のいずれか又は前条に該当する場合を除き、次の各号のいずれかに該当する馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補者又は厩(きゅう)務員に対して、期間を定めて、調教若しくは騎乗を停止し、戒告し、又は500,000円以下の過怠金を課する。
(19) 前各号に定めるもののほか、競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者
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今回は競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者に該当するということですね。
SNSの反応は?
Twitterでは今回の処分事案については様々な見解がみられます。
・活躍し始めている若手騎手が何をやっているんだ。処分が甘い
・これを機に反省して今後ルールをしっかり守るように改心してほしい
・今の若い世代にとってスマートフォンでの通信禁止は厳しすぎる、ルールが時代錯誤で処分も重すぎる
・女性騎手が藤田騎手以外は全滅、どうなっているのか?
・海外では騎手がスマートフォンを使うのは当たり前、このルールは必要なのか?
主にTwitter上で、このような意見がみられました。
Z世代の競馬ファン、ジェイの見解
処分の重さ
私の見解としては、処分内容については妥当だと思います。
2015年にルメール騎手が類似の事案で騎乗停止30日間の処分を受けており、その時の状況と処分内容を鑑みるとJRAの処分方針に一貫性が認められるためです。
確かにZ世代にとって、スマートフォンを使えない苦痛は大きいのかもしれませんし、Z世代の私もその気持ちはよくわかります。
一方、これは最近設けられたルールではありません。
これまで守られてきたルールであり、処分された若手騎手たちが騎手を志した時から設けられていたものですから、ここでこのルール自体に疑問符をつけるのは筋違いかなと思います。
当事者の6人には停止期間に、しっかりと反省して心を入れ替えて今後騎乗してもらいたいですね。
ルールは必要?
私の主観ですが、外部との通信禁止は無意味な形骸化した”いにしえのルール”ではなく、公正競馬を守るためには必要なルールだと思います。
地方競馬の笠松競馬場の事例も記憶に新しいですが、これまでの八百長やインサイダー情報の流出により公正競馬が損なわれてきた歴史を鑑みれば、このルールは堅持すべきではないでしょうか。
競馬ファンは、競馬が公正に行われていることを前提に馬券を購入しています。
今回は騎乗予定馬の情報を調べていた、騎手同士で通話をしていたという話なので八百長やインサイダー情報を流出させたという事案ではなさそうですが、このルールがあいまいなものになってしまうと、最悪の事態に繋がってしまう可能性は否定できないでしょう。
SNSで騎手が発信したほうが、競馬人気が高まるのでは?という意見もあるようですが、個人的には外部との通信制限が課せられる期間外で行えばいいのではないかと思います。
競馬界全体の問題
今回の記事で強調したいのは、実はここです。
確かに、一義的には今回ルール違反をしてしまった6人の若手騎手に責任があるとは思います。
一方で、同時多発的にこれだけの人数が違反をしているということはJRAの指導体制の不備や、先輩騎手や所属厩舎の指導不足などがあったのではないかと思います。
競馬サークル内に精通しているわけでは私はありませんが、これだけの人数が同時多発的に違反をしているということは、競馬サークル全体として「このくらいのルール違反は大丈夫」という風土が蔓延していたのではないかと推察します。
この問題は、こういった空気感を作り出してしまった競馬界全体にも責任があるのではないかと思うのです。
今回の件をきっかけに6人が心を入れかえるのはもちろんですが、競馬サークル全体として体制を見つめなおすべきなのではないでしょうか?
※参考・一部引用:JRAHP スポニチアネックス
2 Responses
いやいや、VPN敷いて通信を管理するだけで終わる話だよね。
スマホ画面の監視もミラーリングもできるんだから外部と連絡を取ったら処分すればいいだけの話でしょ普通に。
目視で確認しなくてもシステムからの監視で管理できるでしょ。
この時代にYouTubeも見れないゲームもできないようなネット禁止は無理がある。
アクセスブロックなどは有効な手段の1つだと思います。
情報を調べるという意味では騎乗馬情報などにしかアクセスできない形のタブレットなどを、調整ルームでは配布するようにするというのも手段の一つとしてはありかなと思います。
一方、ミラーリングについては常に全員のスマートフォンを監視して一瞬の連絡も見逃すことが許されないという監視側のマンパワーが必要で、そこまでして規制を緩めるメリットがあるのかな?と私は思います。YouTubeのコメント欄や、ゲームのチャット機能などで外部との通信が行われれば、他の公営競技のような八百長・インサイダー情報流出につながりかねないのではないでしょうか?
なんにせよ、これを機にこのルールのあり方、運用方法についても再検討されるかもしれませんね。