今回はセレクトセール2023の2日目、当歳馬セールで注目を集めたコントレイル産駒について考察していきます。
よろしくお願いいたします。
当歳馬が5億円越え!?
2023年産の当歳馬が初年度産駒となる新種牡馬コントレイル。
初年度から種付け料が1000万円に設定され、その期待度の高さが伺えます。
2023年7月に行われたセレクトセール2023の当歳馬セールでの落札馬金額TOP5は…
1位 コンヴィクションⅡの23 父コントレイル 5.2億円
2位 ファディラーの23 父キタサンブラック 3.8億円
3位 バイバイベイビーの23 父コントレイル 3.3億円
3位 ピクシーナイトの23 父エピファネイア 3.3億円
5位 キラーグレイシスの23 父キタサンブラック 3.2億円
1位は当歳馬でありながら、5.2億円のコントレイル産駒です。
実績十分なキタサンブラックとエピファネイアと張り合い、1位と3位を新種牡馬のコントレイルが抑えています。
育成期間が長く見極めも難しいとされる当歳馬で、これだけの金額が飛び交うこともそもそも驚きではありますが、それにしてもコントレイル産駒の期待値の高さが伺えますよね。
しかも、最高額となったコンヴィクションⅡの23はコントレイルを生産したノースヒルズが購買しています。
父を知り、最も多くのコントレイル産駒の当歳馬を見ているであろうノースヒルズがここまで競り上げる馬ということは、相当いい馬なのでしょうね。
同率3位のバイバイベイビーの23は、前田晋二氏が落札。
こちらはノースヒルズ代表の幸治氏の弟です。
矢作厩舎に入厩予定ということですから、矢作調教師の目から見てもいい馬だったということでしょう。
2頭のデビューが今から楽しみですね。
コントレイル産駒の評価は?
言うまでもないかもしれませんが、セレクトセール2023の当歳セールで話題の中心となったのはコントレイル産駒でしょう。
超高額馬だけではなく、他の産駒についても軒並み高額で落札されていて、関係者からの期待値の高さが伺えます。
矢作調教師も、「コントレイル産駒は肌が薄く、動きがいい」などと発言していましたね。
当歳馬の馬体は正直全然わかりませんが、何頭か上場されていた産駒を見てみると前後のバランスがよく、立ち姿の美しい馬が多いような気がしますね。これからどんな成長を見せてくれるのか、とても楽しみです。
金額的な部分を見ると新種牡馬ゆえの期待感もあるでしょうが、青田買いにはまったくならないですね。
普通に初年度から高いです(笑)
一口馬主でも来年から1歳馬が募集馬ラインナップに上がってくると思いますが、人気にもなりそうですし値段もお安くはならないのではないかなと思います。
繁殖の質も高いですし、種牡馬としてコケる可能性は低いと思いますが、人気や金額を冷静に考えて“割に合っているか?”は一度立ち止まって考えてみてもいいかもしれませんね。
特に福永厩舎預託予定だと人気が集まりそうですが、かなり高額な良血馬が福永厩舎には初年度から集まっています。
馬房回しなどもあるので、競走能力が低いと判断されるとリーディング厩舎にありがちな厩舎序列問題にいきなりぶち当たる可能性もあると思いますのでここも慎重な見極めが必要になるかと思います。
コントレイル産駒の活躍配合は?
当歳馬しかいないので、どの配合がいいのかは推測の要素が大きくなりますが、似たような血統構成のキズナ産駒がマルチな活躍を見せていることからも、様々な血統背景から活躍馬を生み出すのではないかと思います。
コントレイル自身もサイズに悩むケースが多いディープ産駒でありながらしっかりとしたサイズがある種牡馬です。
そのため、サイズの制約がない(大きく出す肌馬を必ずしも選ばなくてもよい)ため幅広く種付けができるのではないかと思います。
1つの教科書的な成功配合を想定できる例としては、ヌレイエフ・サドラー系を筆頭に欧州系の血統を合わせてスタミナ、タフネスを強化しつつ、SSや他ルートからヘイローを供給してスピード能力も高めるという方法があるかと思います。
ストームキャットとサドラーズウェルズを合わせる配合は海外競馬でも本当によく目にします。
コントレイル自身はディープに母父アンブライドルズソング、さらに母系をさかのぼるとStorm Catを持つというディープ産駒の黄金ニックスてんこ盛り種牡馬です。
(例えばStorm Cat持ちディープ後継ではキズナ、リアルスティール、サトノアラジン、エイシンヒカリ等がいます)
特にコントレイルの母系はBCジュヴェナイルF勝ち馬のフォークロアを筆頭に米国ダート系の一流ファミリーで米国色が強いです。
米国色をさらに肌馬で足すとダート色が強くなり適性迷子に陥る可能性もあります。もちろん、血統背景や馬体サイズ的にダートで活躍する産駒も出てくるでしょうが、芝で大舞台を狙うのであれば、米国ダート系のスピード注入型は避けたほうがいいのではないかと思います。
上述した母系にStorm Catを持つディープ後継種牡馬たちの産駒成績を見ていると、概ねStorm Catは母系でさらにプラスしないほうが成績が向上していることもこう考える理由の1つです。
高額コントレイル産駒2頭を分析
せっかくなので、超高額のコントレイル産駒2頭の配合を分析してみたいと思います。
M石さんのような精緻な分析はできないのですが、お手柔らかによろしくお願いします。
コンヴィクションⅡの23
アルゼンチン血統を合わせる形の配合ですね。
サザンヘイロー経由でヘイローをクロスさせ、スピードを強化しています。
ディープ系にアルゼンチン血統の配合での成功例と言えば、やはりサトノダイヤモンドを思い出しますね。
母父にはサーアイヴァーも含まれるためこちらもヘイローとニアリークロスでスピード強化となりますね。
母は海外G1馬ではありますが、産駒の最高到達点は中央3勝の半兄レヴェッツァ。
このファミリーで5億円越えは相当この馬の出来がいいのでしょう。
バイバイベイビーの23
こちらは筆者の見立てに近い形、母父ガリレオで母系に欧州色が強い配合です。
サドラーズウェルズが母父父になりますね。
母系には早熟性と短距離スピードを伝えるデインヒルも含まれています。
ヘイロー系要素が薄めなので、デインヒルーDanzigのスピードがしっかり伝わるか、また父譲りのスピードがしっかりと産駒に伝わるか?というところはありますが、インブリードも薄く体質は強そうなので、スピード能力があればかなり面白い1頭なのではないかと思います。
まとめ
いかがでしたか?
個人的にはコントレイル産駒は初年度から人気で高額にもなりそうなので、好走傾向がわかって人気も落ち着いてくる4世代目くらいで狙っていきたいなと思っています。
そのころには、私も立派な三十路でしょうか、時が流れるのは早いですね。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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