【セレクトセール2023】史上最高売上で億越え28頭!大盛況の1歳馬セリを馬主目線で振り返る。

ジェイ
ジェイ
どうも、ジェイです。
今回は爆速でセレクトセール2023の回顧記事を書いていきたいと思います。
よろしくお願いします。

セレクトセール2023概要

セレクトセール2023の1歳馬セール(1日目)は2023年7月10日(月)に開催されました。

落札総額113億6500万円で史上最高額だということです。去年も過去最高額でしたがそれを5億円近く更新しました。

上場馬222頭に対し216頭が落札されるという、驚異の落札率97.1%からもその盛況ぶりが伺えます。

1頭平均は6187万5000円、1億円越えの落札馬は28頭で去年の25頭を3頭上回りました。最高落札額は3.1億円(キタサンブラック産駒、インクルードベティの22とシルバーステート産駒、パレスルーマーの22)でした。

テレビのニュースなどでは、景気が悪い、物価高が生活を直撃しているなど生活者たちの悲痛な叫びが連日報じられていますが、セリのライブ配信を見ると、なんと日本は豊かなお金持ちが多い国なのかと痛感させられます。

いつの日か自分もそちら側に回りたいものですが、一生その日は訪れない可能性がとても高いかもしれません、悔しいです(笑)。

全体の感想

今年はいつになく高額な馬が多いなという印象を受けました。

1頭が6億円で落札されてその馬が釣り上げているということではなく、全体的にベースがかなり上がったなという印象です。実際今年の最高額は3.1億円ですから、トップがとびぬけて上がったということではありません。

特に印象的だったのは、今年は安価な馬が少なく「これまで3000万円くらいだったのでは?と思われる血統馬が平気で5000万円や6000万円を超えていってしまう」と感じる場面が多々あったことです。ノーザンファーム生産馬は本当に値上がりしていましたね。

最近良績をあげている社台F生産馬が思ったより値上がりしていなくて逆にここは少し驚きました。

例年一口馬主クラブがセレクトセールで購買した馬を募集馬とすることもあり、馬主だけでなく一口馬主からも大注目のセリですね。

種牡馬の市場評価やトレンドを確認するという意味でも非常に意味深いセリだと思います。

もちろん、一口馬主だけでなく、一般の競馬ファンも未来のG1馬を探そうと、楽しみにしているセリです。

YouTubeの配信をちょこちょこ見ていましたが、同時接続が1.5万人越えとさすがの注目度だなと思いました。

それにしても、日本競馬の賞金体系がぐんぐん伸びているのかと錯覚するような盛況ぶり。

預託料も値上げ傾向が続いていますから、賞金と馬代の回収バランスは、このセールの落札馬においてはより厳しくなってしまうかもしれませんね。

回収できるか?というマインドセットよりは、1発の大きいところを当てて夢を見るというスタンスで見るべきセールなのかもしれません。



注目種牡馬

産駒がデビューしていない新種牡馬や、まだサンプル数が少ない、若い種牡馬の評価は非常に難しいです。

そんな中で1つ参考となるのがこのセレクトセールでの評価。

もちろん、これが全て結果に直結するわけではないのですが、1つの参考材料になることは間違いないでしょう。

今回は私が独断と偏見でピックアップした種牡馬たちについて、紹介していこうと思います。

アドマイヤマーズ

新種牡馬です。いきなり上場番号2番のポロンナルワの22がTNレーシングに1.45億円で落札されましたね。

アドマイヤマーズ産駒は出来がいいという話は関係者筋からもよく聞きますが、セレクトセールでの落札ぶりを見ていても馬主たちからの期待の高さもにじみ出ていたのではないかと思います。

上場馬の歩きは見られていませんが、馬体写真を並べてみてみると、どの馬がどの馬だっけ?とごちゃごちゃになってしまうくらい皆馬体が似ています。

栗毛ばかりだという部分もあるでしょうが、毛色の話だけではなくて前後のバランスが整った好馬体の上場馬が本当に多かったです。

父アドマイヤマーズの良さをしっかりと受け継いでいる、父の遺伝が強く出るタイプの種牡馬である可能性があるのかな?と少ないサンプルながら思いました。

また、すでに馬体が締まっている子も多く、飛節もブレが少ないため早めから動けそうな馬は多い気がします。

そして踏み込みが深くてきびきび歩ける上場馬が多いので初年度から値段が付くのは納得だなと感じます。

3200万円落札とこのセリの中では安価でしたが、ホワイトローズⅡの22の歩様は特に好きですね。

一口馬主のクラブ募集馬でも積極的に狙っていきたい種牡馬の1頭です。

キタサンブラック

これは3.1億円のインクルードベティの22を筆頭に、いくらなんでもバブル過ぎるなという印象です。

確かに、歩様もめちゃくちゃ後ろ脚の可動域が広くぐっと伸びていて、飛節もしっかりしていてめちゃくちゃいい馬には見えますが…

3億越えは回収云々というよりは種牡馬を目指すという感じなのですかね?このレベルのお金持ちが考えることは庶民には計り知れません。

データ的には、キタサンブラックは牡馬の勝ち上がり率が58%ととても高い水準ですが、牝馬は37.9%と悪い数字ではありませんが牡馬よりは劣ります。

重賞馬出現率も牡馬7.9%に対し牝馬は現状1.1%と苦戦傾向がありますね。

そんな中話題の馬主、藤田晋さんが購買したアルテリテの22はキタサンブラック産駒の牝馬、こちらが8800万円落札でした、牝馬でもお構いなしで高額ですね。

アルテリテの22は確かに馬体バランスに優れていて、母は海外G1馬。

血統的にも大物を出している母系に欧州系を入れる形ではありますが、きょうだい馬は4頭デビュー済みで1勝馬が2頭にとどまっています。

馬自体の良さとキタサンブラックのポテンシャルを信じての高額落札でしょう。

このほかにも1.7億円落札のダイヤモンドディーバの22など、キタサンブラック産駒は億越えを連発。

ダイヤモンドディーバの22は少しコンパクトな馬体に見えますが、軽さのある歩きを披露していました。

ちょっと今あまりにもバブル過ぎるので、数年寝かせておいて人気が落ち着いてくるまで待ったほうがいいのかなという印象です。

特にこの1歳世代は種付け頭数も少ない世代です。

これからイクイノックスやソールオリエンスなどの活躍を見てから種付けされる世代が出てきますから、産駒頭数もV字回復するでしょう。

一口馬主的にはもう少し待って、フィーバーが収まったタイミングを狙うのはありなんじゃないかと思います。

キズナ

こちらも1億円越えの高額馬が続出。

藤田晋さんも意図的にキズナ産駒を買っているような印象を受けました。

キズナは当初ノーザン系でほぼ取り扱いがなかったのですが、ここ数年で日高産の馬が活躍したことにより社台系の産駒も激増しています。

特にノーザンが力を入れている印象がありますね。

今年の1歳馬のキズナ産駒はノーザン系の優秀な繁殖牝馬が集められている世代で現2歳世代に続きキズナ黄金世代では?ともささやかれているようです。

上場番号1番とトップを飾ったのもこのキズナ産駒のヤングスターの22。

トモのサイズもしっかりあり立体感のある馬体に、柔らかくストライドの広い歩様。

さすがトップバッターから2億円越えになる馬だなと思います。

また、ヤングスターの22と同じ購買者である藤田氏が落札したストリートバンドの22もバネがありリズミカルで素晴らしい歩様をしています。

この世代は産駒のデキを見ていても、キズナ産駒は本当に高いレベルにあるなと感じますね。

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レイデオロ

みんなちょっと単純すぎないか?と心配になるくらい、皆さん様子見傾向でしたね。

こういう時に、ぽんと活躍馬が1頭出ると一気に翌年は手の平を返すことになりそうです。

確かに今の成績だと高額馬は買いづらいですが、まだまだ種牡馬の成績を見極めるほどのサンプル数には全く到達していないと思います。

ダート戦が始まってから、気性難の子がある程度競馬に慣れてきてどこまで力を出せるか?最低1年くらいは様子を見ないと種牡馬の能力はわからないと思います。

これについては過去に記事にしていますので詳細はこちらをご覧ください。

クラブ落札の注目馬

No219 ユキアカリノマチの22

私も会員であるノルマンディーOCが1700万円で落札したブリックスアンドモルタル産駒の牡馬です。

ブリモル産駒の牡馬はぜひ出資したいと思っていたので、思わぬところでノルマンディーが落札してくれてうれしく思います。

募集価格が2500万円あたりであれば、出資検討できるゾーンかなと思います、3000万円越えだったら、ちょっと考えざるを得ないですが。

血統的にはブリックスアンドモルタル産駒の必須科目ともいえるサンデー系を母系で内包しつつ、母父はキングカメハメハ。

同じくストームキャット系トップラインの米国からの導入種牡馬、ドレフォン産駒の稼ぎ頭のジオグリフと似た血統構成を持ちます。

この配合は個人的にかなりいいと感じていますし、ブリックスアンドモルタル産駒の牡馬はなかなかアベレージも高くなるのではないかと期待していますので、2500万円くらいで出資できればなかなか楽しめるのではないかと思います。

産駒の中央勝ち馬が半兄セキテイオー1頭しかおらず、母のボトムラインの活力はやや疑問ですが、唯一の勝馬セキテイオー(父ロゴタイプ)のみが牡馬、こちらは1勝C2着にもきているのでこのクラスも突破できそうです。

あとは半姉でプリティユニバンスも地方3勝した後中央1勝Cで走っていて、1勝Cで2~3着には来ています。

中央未勝利の半姉ラブスレンダーも未勝利引退ですが、2歳時に未勝利戦で3着に3回来ていて、あと一歩の馬でした。

一見すると兄妹馬の成績は物足りなく感じますが、よく見てみるとそれなりに皆競走能力は備えていたと思います。

今話題のブリックスアンドモルタルに変わって、どこまで伸びるか、楽しみです。

馬体は芝中距離っぽいですね、胴の伸びが結構あります。

ブリックスアンドモルタル産駒にしては珍しい、母が出ているタイプかもしれません。

ちょっとスマートすぎるくらいかもしれません、胸がもっとでっぷりとしている父似のシルエットになってくるとより良いなと思います。

コンサイナーは見栄えする馬体を作るのが上手いチェスナットファームさんですから、人気が出るように芝っぽく仕上げているのかもしれませんがね。

歩様は動画の撮り方のせいか、縦から見た時後ろ脚がちょっとふらふらしているような気がしてそこが気になりますが、横っ面はよく見えます。

ブリックスアンドモルタル産駒はそこまでグイングイン可動域が広いというほどではなく、この馬くらいの可動域できびきび歩く馬が多い印象。

セリが終わって募集開始まで、どのように馬体が変化するかも見極めながら出資検討したい1頭です。


ジェイ

現役地方&海外馬主・競馬ライター

登録者4500人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。

—最近の私–

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2 Responses

  1. […] みなさんこんにちは、M石土井です。 今回はYGG2023年募集馬の注目馬を検討しながら、相似インブリードについて学んでいく記事を執筆してみました。 ぜひ最後までお読みください。 【セレクトセール2023】史上最高売上で億越え28頭!大盛況の1歳馬セリを馬… […]

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