今回は、DMMバヌーシー2023年募集馬のサマーハの22について血統考察する記事を書いていきます。
よろしくお願いします。
サマーハの22
正直に言いますと、サマーハはあまり気にしていませんでした。
ただ、サマーハ2022の血統表を見ると、ほんのりアーモンドアイっぽさが漂ってくるのでだんだんと気になっている状態です。
もちろんアーモンドアイと比べるのは酷ですが、血統の勉強がてら読み進めていただけると幸いです。
*今回の記事は血統の深く掘り下げていない簡易版です。
アーモンドアイの血統を分解
・ロードカナロアのSecretariat=Syrian Seaの、母サムシングロイヤル産駒全きょうだいインブリードによる靭やかさ(柔らかさ)
・トライマイベスト≒ロッタレースの、母セックスアピール3/4同血きょうだいによるパワー
・ヌレイエフのインブリードによるナスペリオン的な野太いキレ
それが最高の塩梅で顕現したのがアーモンドアイ
と言えるでしょう。
そこで、ぼーっとサマーハ2022の血統を見ているとおぼろげながらアーモンドアイが浮かんできたんですよね。
ほんとにおぼろげですけど。
それぞれ、どのような点が気になったか書いていきます。
サマーハの22の相似性
ロードカナロアのSecretariat=Syrian Seaの、母サムシングロイヤル産駒全きょうだいインブリードによる靭やかさ(柔らかさ)
これに関しては、父はアーモンドアイと同じロードカナロア。
母サマーハは、シャケトラなどを産み、近親にも海外重賞馬が並ぶ活力のある血統。
ここまで配合された相手を見ても、母の硬さや日本としては重い配合を打ち消すようにサンデー系が配合され、結果を出しています。
今回のロードカナロアも、サンデー系とは系統は違うものの柔らかさを取り入れる意図がわかります。
トライマイベスト≒ロッタレースの、母セックスアピール3/4同血きょうだいによるパワー
これに関してはややこしいので図解します。
注目したいのは、サマーハから見て母母父母にあたるプレイメイト。
このように、プレイメイトとセックスアピールは父が同じで、母母父Mr.Busher=母母母Strikingが全きょうだい。
更に、母父はどちらもハイペリオン系という、かなり相似した血統です。
また、その全きょうだいにあたるStriking=Mr.Busherと、父バックパサーの母Busandaは、父ウォーアドミラル×母母ラトロワンヌの3/4同血従姉妹になります。
このように、プレイメイト≒セックスアピールはかなり近い血統を持っており、両者ともひたすらに名牝ラトロワンヌを強調した血統になっています。
その強調されたラトロワンヌの特徴は、立った肩で掻き込む超パワーです。
サマーハ2022の立ち写真を見ても、肩が立ち気味肉厚でラトロワンヌの影響を感じざるを得ません。
アーモンドアイの募集時とサマーハの22の募集時を比べると、アーモンドアイのほうがサンデーが近いこともあり柔らかさを感じますが、近い傾向であることは見て取れます。
アーモンドアイは2400mまで持ちましたが、サマーハは少し硬そうな印象であることと、後ろ足の造りがやや窮屈なので、マイル前後かそれ以下な印象がありますね。
アーモンドアイのトライマイベスト≒ロッタレースほど強烈なインブリードは持っていませんが、(結合弱いけど)ラストタイクーン≒ウッドマンとほんのりインブリードしています。
ヌレイエフのインブリードによるナスペリオン的な野太いキレ
これに関しては、母父がヌレイエフと叔父甥関係にあるサドラーズウェルズ系なので、いわゆるヌレサドでインブリードしています。
ということで、アーモンドアイ≒サマーハ2022説を提唱してみましたが、いかがでしょうか?
ぶっちゃけると、自分で言ってても苦しくなるほど、アラもかなり多いです。
懸念点
続いてアーモンドアイと比べたときの懸念点を書きます。
①母父シングスピール
まず、一番大きいのは母父。
アーモンドアイはサンデーサイレンスであるのに対し、サマーハ2022はシングスピール。
シングスピールも母がヘイローを持った女サンデーの異名を持つ(私しか言ってない)グロリアスソングではあるし、日本向きのキレと軽さを持った配合であるものの、同じものを求めた時に母父サンデーと比べると酷。
アーモンドアイはヌレイエフのクロスでナスペリオン的な野太いキレ味でしたが、サドラーズウェルズに変わることで少しパワーに寄ってしまう懸念もあります。
②ノーザンダンサーとの結合
アーモンドアイは母母ロッタレース(ヌレイエフ×セックスアピール)が、カナロアの中のトライマイベストとヌレイエフに強烈に結合します。
一方サマーハ2022は、プレイメイトの位置が遠いし、ラトロワンヌ牝系ではないので、アーモンドアイと比べると活力は劣ります。
また、プレイメイトの相手がミスプロで、アーモンドアイほどの結合力がないです。
③配合パターンの違い
アーモンドアイはとてつもなくシンプルかつストレートな配合です。
無駄が一切ないと言い換えても良い。
それと比べると、サマーハ2022は少し混ざりけが多いのは確かです。
また、母父父インザウイングスは名牝Lalunをインブリードしていますが、これもラトロワンヌを内包しており、少しラトロ傾向が強すぎる印象もあります。
ラトロワンヌは立ち肩で筋肉を固くする作用があり、掻き込み力が強くなる代わりにピッチ走法で、内回り特化になる可能性もあります。
歩きを見ても、芝馬としては肩周りが硬い方向の馬なので、今後の成長も見つつ検討していきたいですね。
まとめ
アーモンドアイと近い血統構成といえなくもないし、全体的に見ても優秀そうです。
ただ、距離の融通やキレに関してはもうひとつな印象もあります。
メインはマイル以下になりそうな雰囲気です。
急加速や一瞬の切れ、コーナリングは得意な一方、最近の日本競馬のトレンドであるロングスパートには向かないですかね。
血統面はパワー型であるし、馬格も期待できそうなので、芝がダメでもダートという考え方もできそうです。
大きいところも狙っていけそうに思いますが、値段を考えると少なくとも重賞の1つくらい買ってもらわないと困る価格なので、ちょっと手は出しづらいですかね。
M石土井
ゴルシ産駒研究者
一口馬主を京都サラブレッド、YGG、広尾、DMM、ノルマンディーなどで楽しんでいる、ゴルシ産駒研究者。noteにてゴルシ産駒にまつわる投稿を行っている。血統分析に重きを置くスタイルで、代表出資馬はドライスタウトやグランベルナデット。ゴールドシップ産駒ではオルノアやブルーローズシップなどに出資している。
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