今回は日本で馬券発売と中継が行われる香港チャンピオンズデー2024の中から、クイーンエリザベス2世Cの予想記事を投稿していきます、よろしくお願いします。
レース概要
クイーンエリザベス2世Cは香港チャンピオンズデーにシャティン競馬場で行われる芝2000mのレースです。
日本馬はこれまで相性が良いレースで、ラヴズオンリーユーやウインブライト、ネオリアリズムなどが近年では優勝しています。
フラットで中東の配合に近い芝なので、洋芝の中では日本馬も力を発揮しやすく、札幌函館と同じくらいだと話す関係者もいます。直線は430mです。
特に香港馬は産地がオセアニアが中心なので短距離馬が強いです。
中距離馬がそれに比べるとワンランク落ちる印象があり、日本馬が通用していた側面もあると思うのですが、近年のレースを見るとロマンチックウォリアーという怪物が現れ、連覇しています。
開催年 | 優勝馬(英名) | 騎手 | 人気 |
2023年 | Romantic Warrior | J.マクドナルド | 1人気 |
2022年 | Romantic Warrior | K.ティータン | 1人気 |
2021年 | ラヴズオンリーユー | C.ホー | 4人気 |
2020年 | Exultant | Z.パートン | 1人気 |
2019年 | ウインブライト | 松岡正海 | 10人気 |
2018年 | Pakistan Star | W.ビュイック | 3人気 |
2017年 | ネオリアリズム | J.モレイラ | 3人気 |
今年3連覇がかかるロマンチックウォリアーに日本馬たちは挑むことになりますが、今年例年と違うのは、週間予報が雨マーク続きで当日重馬場になりそうだということ。
直近ロマンチックウォリアーが負けたレースは稍重馬場で、馬場が重くなれば番狂わせがある可能性は高まりそうです。
過去レース傾向
2023年
ロマンチックウォリアーが中団から早めに抜け出し完勝。
プログノーシスは最後方から馬群を縫いながら上がりましたが2着まで。外に持ち出せずスムーズに進路が取れなかった部分もあり着差以上にプログノーシスは強さを見せた。3着ドバイオナーの後方からで差しが決まった印象。
2022年
一団でレースを進め直線でよーいどん的な競馬。
ロマンチックウォリアーは中団から直線で抜け出し勝利、2着以降は混戦。
2着馬は3番手先行だが、3着馬は後ろからだったのでトラックバイアスはあまりなかったように感じる。
2021年
日本馬が上位を独占したレース。馬券内の3頭は中団から競馬をした。
小頭数だったのでごちゃ月が少なく、落ち着いたレースだった。
傾向を受けた予想の方向性
トラックバイアスはあまりないので特に考慮しない。しかし今回は馬場が重くなりそうなので、タフな馬場で向きそうな馬をチョイスしていきたい。
印
◎ロマンチックウォリアー
〇プログノーシス
▲ヒシイグアス
△ドバイオナー
△ストレートアロン
☆マッシヴソヴリン
全頭分析
◎ロマンチックウォリアー
香港で芝中距離G1を3連勝中で正直付け入るスキがないように見える本馬。去年一昨年ともに完璧な競馬で、危なげなく勝利しており、メンバー構成を見ても去年と比べて相手関係はそこまで変わっておらず普通に競馬をすればこの馬が勝利する可能性が最も高いレースと評価できるだろう。
唯一の不安は馬場が悪化した場合の対応。
生涯この馬が負けたのは2度だけだが、そのうち1回は唯一の稍重馬場で開催された豪州フレミントン競馬場のターンブルSへの遠征。
それ以外は良馬場開催だった。豪州への遠征負担や他の敗因の可能性も大いにあり得るが、重馬場を苦にするタイプであれば単頭固定は週末の馬場状態次第ではそうとう期待値の低い馬券になる可能性があるので注意。
3連単ならあえて2~3着取りこぼしを狙ってみるのも面白いか。
〇プログノーシス
稍重の札幌記念での好走歴を考えればこちらの方が馬場が渋っても対応できそうな安心感がある。
また、香港Cは5着と着順は悪く見えるが、ロマンチックウォリアーとの着差は0.1秒差とほとんど着差はない。
馬場によってはこちらが頭に来る可能性も十分あると思う、ひいき目なしで。
去年同レース2着も、一番後ろから馬群を縫って末脚を伸ばしてきたのでもう少しスムーズであれば着差はもっと詰まっていたと思う。
馬場を味方につけ、ロマンチックウォリアーに土をつける可能性があるとすれば、この馬が真っ先に思い浮かぶ。
▲ヒシイグアス
8歳になっているので、さすがにトップスピードは落ちてきてると思うが、良馬場の時計勝負ではなく重馬場のタフネス勝負になればこの馬が再び輝く可能性は十分あると思う。
香港番長となりつつあるので、日本での戦績はそこまで気にしなくてよい。
去年の香港カップはロマンチックウォリアーと着差の無い3着でプログノーシスにも先着。
流石にピークアウトはしていると思うが、今回雨が降れば恵みの雨となる可能性があり、前走の敗戦で人気を落とすのであれば積極的に買っていきたい1頭。
△ドバイオナー
去年3着馬で、正直この馬は欧州のパワー系馬場より香港のシャティンのようなスピード馬場の方が合っているようなので、英国でのアップダウンがある競馬場での大敗はそこまで気にしなくていいと思う。
去年は重馬場開催で行われたオーストラリアのクイーンエリザベスSを制覇するなど、平坦コースであれば重馬場も苦にしないタイプのようなので雨が降っても大丈夫そう。
死角の少ない1頭で、今年2戦目と調整もしっかりできていそう。
△ストレートアロン
元々オーストラリアからの移籍馬で、オーストラリア時代は重馬場どころか不良馬場で重賞を制するなど、重馬場への適性の高さを見せていた。
香港では直近の戦績を見ると善戦マンになっている感は否めず、もう1枚馬券内に来るには足りないような印象もあるが、恵みの雨によりそこが変わる可能性もある。
ファストネットロック産駒なので血統的にもパワーがありそう。
☆マッシヴソヴリン
今回出走馬の中でレーティング最下位だが、最近の香港競馬のレベルアップは著しく、中距離馬でも強い馬がバンバン誕生しているため、こういった新進気鋭のタイプも見逃せない。
特に、ここまで重馬場適性の話をしてきたのに恐縮だが、前走香港ダービーの勝ち時計が素晴らしい。
しっかり57kgを背負いながら 1:59:85をシャティン芝2000mで記録しているのは相当評価に値する。
このレースは確かにパンサラッサのような逃げ馬がいてペースが速くなったためいいタイムが出た感も否めないが、最後の直線での追い込みは見事だった。
G1でも2分台の決着はあるし、去年香港ダービーを制覇したヴォイッジバブルは2:02:78。一昨年の勝馬はロマンチックウォリアーだがその時もタイムは2:00:23と、実はマッシヴソヴリンの方が時計は優秀。
もちろん馬場状態が違ったりするので一概に比較することはできないが、ヴォイッジバブルやロマンチックウォリアー級の能力を持っている可能性をこのマッシヴソヴリンは秘めていると言えるだろう。
おそらく重賞出走歴がなく人気薄になると思うので穴馬としてぜひ拾っておきたい1頭。
ちなみにこの香港ダービーで2着だったギャラクシーパッチは、その前に出走したG1クイーンズシルバージュビリーカップでカリフォルニアスパングルの0.1秒差2着に入っており、古馬とも十分やりあえることをすでに示している。
印をつけていない馬の分析
ソードポイント
近走着順を見ているとさすがに負けすぎていて、実力が足りないように思う。アメリカンファラオ産駒なので気性的にも難しい可能性があり、積極的には評価しづらいが、不良馬場レベルになればパワーの在りそうな馬ではあるので一発あるのかもしれない。稍重くらいで耐えていたら私は軽視したい。
ニンブルニンバス
この馬は印をつけるか迷った1頭。戦績的には香港GCで3着と同レース4着のストレートアロンに先着しており、ストレートアロンとの実力差はそこまでないと考えている。
重馬場適性に関してどちらがすでに戦績から示されているか?と考えた時にストレートアロンを優先したが、この馬も馬券内に来ても驚くことはない、広く相手を狙いたい方はこの馬も抑えてもいいと思う。
ファイブジーパッチ
この馬もニンブルニンバス、ストレートアロンと近いクラスの馬だが、戦績的にもう少し、この2頭には届いていないような印象も受ける。とはいえ着差はそこまでないのでこの3頭についてはドングリの背比べ状態だと私は考えているので日本オッズを見ながら一番うまみのある馬にベットする等でもいいかもしれない。中穴馬は大手メディアが取り上げると人気になったりするので、正直どの馬が人気するのか予想しづらい部分もある。
ノースブリッジ
日本馬だが、ここは辛口評価で無印に。重馬場のエプソムカップを勝利しているところは評価できるポイントではあるのだが、近走の戦績に加えてアミールTでトラックバイアス的にもハマっていたと思われる先行ポジションをとりながらレベルスロマンスに0.9秒差で完敗の4着だったことも自分の中では評価が低い理由となった。
モーリス産駒なので当然、中東や香港の芝なら前進する可能性を考えたが前走の走りを見ているとそこまででもないかな?という印象。
重馬場になって激走する可能性もあるとは思うが、オッズ的な旨味も日本プールではないのでここは馬券的には辛口で行きたい。他の日本馬2頭の方が馬券内に来る可能性は高いと思う。もちろん日本陣営馬なので応援はする。
ハッピートゥギャザー
流石に能力が足りていないのではないかと考える。G2やG3でも馬券内には来られていないので相当な展開の有利や漁夫の利的なレースにならないとこのメンバーで馬券内は難易度が高いような気もする。人気薄爆穴系ならマッシヴソヴリンに僕は魅力を感じる。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
No responses yet