今回はドバイワールドカップ2024予想記事を掲載していきます。よろしくお願いします。
レース概要
<基本情報>
メイダン第9レース 2,000メートル(ダート)
JRA馬券発売レース
<日時>
日本時間 3月31日(日)1時35分発走予定
<出走予定日本馬>
ウィルソンテソーロ(牡5歳 美浦・小手川 準厩舎)
ウシュバテソーロ(牡7歳 美浦・高木 登厩舎)
デルマソトガケ(牡4歳 栗東・音無 秀孝厩舎)
ドゥラエレーデ(牡4歳 栗東・池添 学厩舎)
レース傾向
昨年は日本馬ウシュバテソーロが勝利したものの、これまでは日本馬が苦戦してきたハイレベルな高額賞金レースです。
国別に見るとアメリカや地元UAE所属馬(特に元USA馬)の戦績が良く、地元馬は人気薄の馬でも馬券内に入り穴を開けるケースも目立ちます。
日本馬の戦績を考える時には、サウジと馬場は近いもののドバイのメイダン競馬場の方が馬場は軽いため、芝向きのスピードがある馬が活躍しやすい土壌があるといえます。
これはダートというより、ウッドチップを混ぜたような泥質のダートで、アメリカのダートのような質のダートだからです。
そのため、地方の深い砂ばかりで良い結果を残してきた馬は割引が必要。芝でも結果を出してきた馬や血統的には芝もいけそうなくらいの馬を重視するのが定石です。
サウジカップ組はワンターンのレースから距離が伸びて4コーナーのレースになるので、それにより、コーナーワークの上手い馬、下手な馬とで適性の浮き沈みがある可能性があります。
また距離延長歓迎タイプの馬かどうか?も重要でしょう。
北米有力馬が多数出走するレースではアメリカ競馬のようにペースは速くなりやすく、スローからの瞬発力勝負にはなりにくいです。
ペースが流れると差し馬が有利に思えますが、北米の場合そのまま先行馬が押し切ってしまうケースもあります。
後ろが不利だと言われる由来については、ドバイもダートの泥質の粒が細かいためキックバックがキツく、後ろで脚を溜める馬にとって過酷な環境だということも理由になりそうです。
ただ、去年のウシュバテソーロのように差しが決まる時もありますし、近年の傾向を見ていると馬券内の2頭は先行馬も1頭は後ろからの馬だというケースも散見され、後ろからの馬だからという理由だけで必要以上に軽視する必要もないかと思います。
今年は差し勢が実力馬揃いで、少しだけ先行馬優勢くらいの認識で良いかもしれません。
過去3年結果
2023年
着順 | 馬番 | 馬名 | オッズ | 騎手 | タイム 着差 | ゲート番 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | ウシュバテソーロ | 9.6 | 川田将雅 | 2:03:25 | 8 |
2 | 1 | アルジールス | 6.3 | J.ドイル | 2 3/4 | 13 |
3 | 6 | エンブレムロード | 51.1 | A.アル・ファライディ | 短アタマ | 2 |
4 | 13 | テーオーケインズ | 21.1 | O.マーフィー | 3/4 | 6 |
5 | 5 | クラウンプライド | 31.2 | D.レーン | 4 | 12 |
後方に控えたウシュバテソーロが先行勢を飲み込んだレースでした。2着のアルジールスは先行。
3着人気薄の地元馬エンブレムロードは後方から追い込み気味に差し脚を伸ばしました。この年は差しが決まった印象でしたね。
前年優勝馬カントリーグラマーは4角で進出を開始し突き抜けるか?と思いましたが7着に沈みました。
2022年
着順 | 馬番 | 馬名 | オッズ | 騎手 | タイム 着差 | ゲート番 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | カントリーグラマー | 9.1 | L.デットーリ | 2:04:97 | 5 |
2 | 5 | ホットロッドチャーリー | 6.1 | F.プラ | 1 3/4 | 7 |
3 | 2 | チュウワウィザード | 7.9 | 川田将雅 | 1/2 | 3 |
4 | 7 | ライフイズグッド | 1.4 | I.オルティスJr. | 短アタマ | 1 |
5 | 9 | ミッドナイトバーボン | 28.5 | J.オルティス | 1 1/4 | 8 |
3番手追走だった米国馬カントリーグラマーが勝利。5番手あたりのホットロッドチャーリーが2着と先行勢優勢の展開。アメリカ馬のワンツーでした。
逃げたライフイズグッドがアタマ差4着と前有利の傾向にみられたものの、僅差だったとはいえ後方待機だったチュウワウィザードが3着に入るなど、後ろも全く勝負にならない行った行ったの展開ではなかったところも指摘しておきます。
2021年
着順 | 馬番 | 馬名 | オッズ | 齢 | 騎手 | タイム 着差 | ゲート番 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | ミスティックガイド | 2.6 | 4 | L.サエス | 2:01:61 | 6 |
2 | 3 | チュウワウィザード | 7.3 | 6 | 戸崎圭太 | 3 3/4 | 3 |
3 | 8 | マニークール | 11.8 | 6 | W.ビュイック | 1 1/4 | 12 |
4 | 6 | ハイポセティカル | 13.3 | 4 | M.バルザローナ | 1 1/4 | 2 |
5 | 11 | サルートザソルジャー | 3.7 | 6 | A.デフリース | 1 | 11 |
3番手を楽に追走したミスティックガイドが圧勝。2着チュウワウィザードは4~5番手あたりから追走し、3着マニークールは8番手あたりと後方待機から末脚を伸ばしました。
今年の予想
今年のドバイWCの出走メンバーを見るとサウジカップワンツーのウシュバテソーロとセニョールバスカドールの2頭が実力的に抜けているように感じます。
この2頭を中心に、3頭目はどの馬だ?と探すのが今年の予想の方向性になるでしょう。
2強以外の日本馬勢では、前走しっかり好走し、得意のドバイで巻き返しを図るデルマソトガケは当然重視する必要があるでしょう。
一方、ウィルソンテソーロとドゥラエレーデは血統的には面白いと思いつつ、前走ハイペースなところで先行してしまったとはいえ、フェブラリーSでしっかり負けてしまっているのは気になるポイント。
地元馬では米国生産馬で11戦10勝のカビールカーン、北米馬ではニューゲートあたりは、4〜5番手から追走し勝ち切るというこの部隊で最も打率の高そうな走りをするため、魅力的に見えます。
印
◎ウシュバテソーロ
○セニョールバスカドール
▲デルマソトガケ
△カビールカーン
△ディファンデッド
☆ニューゲート
穴ローレルリバー
日本馬分析
◎ウシュバテソーロ
本命はウシュバテソーロ、人気を背負うだろうがこれは仕方ないでしょう。
連覇に向けて視界良好です。
これまでの戦績を考えても、去年の走りを見ていても、1800mのワンターンだったサウジカップより4コーナー2000mのドバイワールドカップの方が適性は高いでしょう。
先行有利なレースであっても関係なく差し脚でねじ伏せる圧倒的な実力があると思います。
去年や先のサウジカップで勝ちに等しい競馬をしていてもはや、語る必要もないところですが、海外で芝ダート問わず大活躍するオフフェーヴル産駒と芝的な要素を持ち、戦績的にも日本の中央芝で勝ち上がったポテンシャルを考えるとこのメイダン競馬場はまさにぴったりの舞台と言えるでしょう。
前走セニョールバスカドールに差されましたが今回は、セニョールバスカドールを意識して川田騎手も乗るでしょうから同じ轍は踏まないでしょう。
特にセニョールバスカドールは1800mを超えるレースで3戦とも馬券外となっていて距離延長に不安があるように見受けられるタイプ。200m伸びて有利なのはこちらなのでサウジカップの僅差は逆転可能だと思います。
▲デルマソトガケ
ウシュバテソーロを評価するのであれば、BCクラシックで2着に入りウシュバテソーロに先着したこの馬を評価しないわけにはいきません。
2強が差し脚を伸ばす中、UAEダービーの時のように前に行き、先行勢で粘るのはこの馬になるのではないかと期待しています。
前走サウジカップでは5着となってしまいましたが、見どころは作りましたし叩きレースを日本で使えずぶっつけで臨んだサウジカップで掲示板確保は立派だと思います。
去年の中東遠征の時は、サウジダービー3着⇨距離延長でUAEダービー勝利というローテでした。
今回もレースは違うものの、サウジより距離延長で向かうローテという意味では同様。
1つ使って状態が上向くことは間違いないでしょうし、BCクラシックで2,000m好走歴もありますから、日本馬の中でも期待を寄せる1頭です。
マインドユアビスケッツ産駒はダート中心ですが芝でも走れる産駒もいますし、デルマソトガケは北米や中東の砂で特に躍動するので、日本国内の戦績が今後下がることがあったとしても海外遠征の時には美味しいオッズで買えると、信じ続けたい1頭です。
ウィルソンテソーロ
キタサンブラック産駒ということで芝スピード能力はありそうな本馬ですが思い切って無印としてみました。
理由は本馬の戦績的に芝戦績はかなり悪く、直近のフェブラリーSなどスピードを求められる場面での凡走が目につくからです。
たしかに、これはドゥラエレーデにも言えることですがフェブラリーSはかなりのハイペースで、この先行集団で戦った本馬にとっては展開が向かない競馬であったことは間違いないです。
ただ、とはいえダートの舞台の中で最もスピード能力が求められるフェブラリーSでこれだけ負けているのはあまりポジティブな要素ではありませんし、重賞の勝ち鞍が地方中心で、直近の好走も大井の東京大賞典です。
メイダン競馬場の砂とは大きく異なるパワー系の馬場での好走が多いので、実力馬だとは思いますがこの舞台でどこまで力を発揮できるか?というところだと思います。
おそらく日本プールで人気になると思いますので馬券的な妙味は少ないと予想します。
ドゥラエレーデ
ドゥラメンテ産駒であることや、ホープフルSを勝つなど芝スピードがあることを考えると、ウィルソンテソーロよりは可能性がありそうな気がしますが、前走のフェブラリーSで同じくハイペース先行で潰されている点と、UAEダービー2着と戦績的には中東で好成績を上げているのですが、この時の勝ち馬、デルマソトガケとは5馬身差以上離されていました。
サウジカップで5着、サウジで叩いてドバイに臨むデルマソトガケとフェブラリーSからの転戦で海外初戦の本馬、調整はどちらがうまく行っている可能性が高いでしょうか?
そもそも去年の実力を考えると軍配はデルマソトガケ、調整過程もデルマソトガケの方が良さそうということであれば、あえてこの馬を馬券的に狙わなくてもいいのではないか?と思います。
また本馬のこれまでの好走パターンを見ると、1〜2番手で楽に追走できた時です。
今回、米国系の馬が多い中で楽に2番手で運べる可能性はいかほどか?と考えると揉まれた時に弱さがでる危険性もあり、この舞台で打軸にはしづらいタイプの馬だなと感じます。
芝で好走できるという点においてはハマりそうで面白い1頭だとは思うのですがね。東京大賞典でウシュバテソーロの0.2秒差2着に入るなど実力もある馬ですし、応援はもちろんしたいと思います。
海外馬分析
○セニョールバスカドール
距離延長成績が悪いことだけが気になるものの、まさか我らがウシュバテソーロを追い越して差しを決める馬がいるとは、正直思いませんでした。
本馬はペガサスWCでは1800mながら4コーナーのレースで着差のない2着に来るなど(レースレベル的にどうだったのかとはサウジCの時は思っていましたが)コーナーワークは上手い馬なのでコース形態的なマイナスはそこまでないかと思います。
先行勢が本来有利な舞台だとは思いますが、それはサウジカップも同じ。
差しが届く展開=ウシュバテソーロが馬券内に来るような状況であれば本馬も一緒についてきて馬券内に入っている可能性は非常に高いと思います。あと1頭が粘った先行馬というイメージでしょうか?
実力ももちろん、レーティング最高クラスですから問題ありません、唯一気になるのは2,000mがどうかという点です。
2,000mレースは過去3戦していて全て馬券外となっていて、確かに全てG1レースでハイレベルなレースではあるのですが本質的には1600~1800mがベストレンジに見えます。
サウジカップの勝利によって日本オッズがかなり下がってしまう(人気になる)なら馬券的にはあえてデルマソトガケを優先して買ってみるなども面白いかもしれません。
△カビールカーン
地元馬で11戦10勝馬の本馬を取り上げたいと思います。
こういう、条件戦を連勝してきていて底が見えない地元馬が穴を開けるのがドバイWCあるある。
2走前に今回と同じ舞台となるメイダンダート2,000mで勝利歴がある地の利を活かせるのもストロングポイント。
特にホワイトアバリオもここに向かってこず、北米馬が手薄に見える今年はこういった地元馬の躍進がある可能性はありそうです。
前走のG1アルマクトゥームチャレンジでも4番手先行から早めに前をとらえ、余裕のある着差で勝利していて非常に強い内容でした、例年このレースから好走する地元馬はいるので相手には必ず入れておきたい1頭です。
△ディファンデッド
もう一度、信じようではありませんか。
サウジでも期待を託した実力馬の本馬。
サウジ馬になっていますがもともとは北米馬で、去年5月のダート2000mのG1ハリウッドゴールドカップではカントリーグラマーやセニョールバスカドールを抑えて優勝している実力馬です。
デルマー競馬場以外で負けていない説は、前走サウジカップで打ち砕かれてしまいましたが、まだ6歳馬ですからダート馬としてピークアウトしているような年齢でもないですし、4つコーナーのアメリカ的な舞台に近づくドバイWCで激走してくれることを期待しています。
オッズ的にも、美味しいオッズで買えるのではないでしょうか?
☆ニューゲート
9戦3勝[3-4-0-2]で名門バファート厩舎所属の北米馬です。
前走サンタアニタHで4コーナーのダート2,000mを勝利している点はポジティブなポイント。
中団からしぶとく直線で伸び、ギリギリでの勝利ではありましたが、アーカンソーダービー3着馬のリインカーネイトなどを下しており、一定評価できるレースだったのではないかと思います。
とはいえ、サウジCに挑戦したホワイトアバリオやセニョールバスカドールなどに比べると戦績的には見劣りしますし、日本馬上位勢の方が力関係的にも上なのではないかと思い、この評価にとどめました。
穴ローレルリバー
元北米馬の地元UAE移籍馬になります。
ダートマイルが最も長い距離で、これまで2000mなどは走った経験がないためどうなるかわかりませんが、メイダン競馬場ダート1600mで行われた前走バージナハール(G3)では、後続に1秒差以上をつける完勝でやや不気味な存在です。
先行力もあり、マークされない馬になると思いますので削られずに楽な展開でレースを進められれば一発馬券内の可能性はあるかもしれません。
クルッピ
セニョールバスカドールが2着だったペガサスWCで3着だった馬なので、それだけ聞くと狙いたくなるのですがセニョールバスカドールと本馬の間には0.8秒というまあまあしっかりとした着差があり、着順通りには評価しにくい内容だと私は考えています。
また、2000mは初経験でこれまで最長1800mというところも心配なポイント。
ただ、北米馬は層が厚く全体的なレベルが高いので、当日パドックでよく見えたら流す相手に入れる可能性があります。特にローレルリバーあたりとはそこまで差を感じていないので当日の出来で入れ替えてもいいと思っています。
ミリタリーロー
G1アルマクトゥームチャレンジで(勝ち馬カビールカーン)6着でした。
21年のサウジカップで6着に入るなど、見どころのある馬ではありますが流石に現在9歳馬となっていて、少し年齢的にも厳しいような気がします。
クラプトン
G1アルマクトゥームチャレンジで(勝ち馬カビールカーン)3着でした。
BCクラシックやフロリダダービーなどハイレベルG1では着外が続いており、流石にG1レベルだと1枚足りない印象を受けます。
地の利系であれば素直にカビールカーンからでいいような気もします。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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