今回は香港カップデーに行われる香港スプリント2023予想記事を掲載していきます。
日本での中継、馬券発売もありますから盛り上がりそうですね。よろしくお願いします。
香港スプリント概要
香港シャティン競馬場で行われる、スプリントレースです。
高低差がほとんどないフラットコースで、洋芝ではあるものの中東のドバイ・メイダン競馬場などとほぼ同じ芝の構成でスピードは出やすく時計も早いです。
香港馬の多くはオセアニア、特にオーストラリアでの生産馬が多いため短距離馬のレベルは高いです。
香港カップデーの国別勝利を見ると、距離が短くなるほど現地馬が強く、距離が長くなるほど日本馬や欧州遠征馬が優勢になっていくわかりやすい構図です。
香港スプリントは馬券発売がある4レースの中で最も地元香港馬が強いレースです。
過去10年では2020年ダノンスマッシュ、2013年ロードカナロア(連覇)の2度は日本馬が勝利しているものの、それ以外の年はすべて香港馬が勝利していて最多の8勝。
歴代開催の中でも、ダノンスマッシュ、ロードカナロアの連覇、南アフリカのジェイジェイザジェットプレーンの3頭以外、すべて地元香港馬が勝利していることからも、香港馬を強く推したいレースになります。
特に今年はラッキースワイネスやウェリントン、サイトサクセスなど現地有力馬がしっかりと出走してきていますから、この辺りは日本馬にとってはかなり強敵になりそうです。
また、ロードカナロアや2017年2018年のミスタースタニングなど連覇している馬も複数出ていて、リピーターにも注意したいところです。
また、脚質的には直線向いたときに概ね5番手以内にいる馬の馬券内率が高いため、後ろからズドンタイプよりは前に行ける馬を重視していきたいと思います。
過去傾向
2022年
1 ウェリントン 5.0 セ 6 1:08:76
2 サイトサクセス 67.3 セ 6
3 スカイフィールド 42.0 セ 6
4 クーリエワンダー 191.8 セ 5
5 メイケイエール 4.8 牝 4
今年も出走するウェリントン、サイトサクセスがワンツー、前年覇者のスカイフィールドが3着でした。日本馬最先着はメイケイエールの5着でした。
中団後方に控えたウェリントンが外から直線で差し切り勝ちを決めましたが、2着サイトサクセスと3着のスカイフィールドは内目で先行策を取っていた馬。
ウェリントンも3角あたりから徐々に進出していて4角では6~7番手あたりにはいるので、このあたりのポジションが最終ラインなのかな?と感じました。
基本的には前が止まらない展開だったので、その中で差し切ったウェリントンの地力の高さを感じるレースでした。
2021年
1 スカイフィールド 35.6 セ 5 1:08:66
2 レシステンシア 4.4 牝 4
3 クーリエワンダー 11.9 セ 4
4 ホットキングプローン 29.1 セ 7
5 ストロンガー 75.2 牡 5
痛ましい多頭数落馬事故があったレースです。
4頭が競走中止となりました。
このレースについては参考外だと思います。
2020年
1 ダノンスマッシュ 4.7 牡 5 1:08:45
2 ジョリーバナー 222.1 セ 9
3 ラタン 23.9 セ 7
4 ウィッシュフルシンカー 114.0 セ 7
5 ファットタートル 324.0 セ 6
道中中団で追走したダノンスマッシュが直線で馬場の外目に持ち出し、差しきり勝ちを決めて父ロードカナロアに続く親子制覇を達成しました。
このレースは直線に向いたタイミングでほぼ一直線でよーいどん的な競馬で、2着以降もかなり着差は混戦模様でした、2着のジョリーバナーはダノンスマッシュの近くにポジションを取り、うまく進路を切り開いていくダノンスマッシュの後ろについて伸びてきましたね。
結果的にやや外差し優勢でしたがほとんど着差はないため、内目先行がつぶれたレースとも言い難いかなと思います。
中団から決め手を使える馬は狙いたくなるレースでしたね。
印一覧
◎ウェリントン
〇ラッキースワイネス
▲サイトサクセス
△ハイフィールドプリンセス
☆ビクターザウィナー
☆マッドクール
各馬評価
◎ウェリントン
執筆時点の日本オッズが18倍となっていて、昨年覇者があまりにも過小評価だと感じ本命にしました。
確かに馬券内に来る確率でいうと、フラットに見れば対抗評価にしたラッキースワイネスの方が高いというのは抗えないところだとは思いますが、想定で2倍を切るオッズのラッキースワイネスと、単勝オッズ18倍の本馬を比較したら、こちらを軸に勝負しても良いのではないかと私は考えます。
昨年の同レースでの勝ちっぷりは間違いなく実力があるからこそできる勝ち方でしたいし、馬柱を見ると2走前のアスコット遠征で10着に沈んでいるのが気になる方がいらっしゃるかもしれませんが、アスコットは非常に特殊な競馬場でシャティン競馬場とは求められるものが異なるので、ここは度外視でよいでしょう。
また、アスコット遠征後で5ヶ月ぶりとなる復帰戦の前走JCスプリントはラッキースワイネスに負けて3着だったが道中包まれてスムーズとは言えず、また1つ使ったことで今回上積みがあるのではないかと私はみています。
調教師が定年で前走から転厩になっていて、今回は転厩2戦目。
前走後のコメントでは「少し錆びつきがあった」と久しぶりゆえの敗戦であったこと匂わせていてここは侮れないと思います。
去年の香港スプリント勝利以降、アスコットでのレースを除く地元出走レースはすべて馬券内に入る安定感を見せていて、毎度ラッキースワイネスに負けているだけなんですよね。
7歳馬になっていますが、戦績を見るとまだまだ衰えは感じません。
それどころか、過去2年香港スプリントを使う前はJCスプリントを使っているのですが、2021年は7着、2022年は6着に沈んでいて今回の勝ち馬と1馬身差3着というのは最も良い結果です。
オーストラリアでも活躍する父オールトゥハードで、デインヒルクロスがある血統は、デインヒル系が活躍するこの舞台に血統的にもバッチリ当てはまります。
頭固定というよりは対抗のラッキースワイネスと2頭軸の3連複で3頭目で荒れるのを祈って馬券を組んでみることや、ラッキースワイネスは硬いと見て、地元人気薄馬とのワイド馬券を仕込んでおくなどすると、楽しめるかもしれません。
〇ラッキースワイネス
さすがに実績最上位のこの馬を評価しないわけにはいきません。
2023年G1レースを含めて9戦していて、7勝2着2回。強いです。
2着のうちの1回は休み明け春の始動戦に選んだハンデ戦で、これは仕上げ切っていなかった叩きのレースだったからでしょう。
もう1回の敗戦、前々走のプレミアボウルはサイトサクセスに負けて2着になっていますが、これはハンデ戦でサイトサクセス55kgに対しラッキースワイネスは61kgで6㎏の斤量差があったわけですから、実力で負けたということではない気がします。
ちなみに同レース3着のドゥークワイも今回出走してきますが軽視しているのは、この時のドゥークワイの斤量はサイトサクセスより軽い53kgのため、定量で行われるレースでは、少し力が足りないかなと思います。
つまり、本気仕上げの定量戦で戦う場合、この馬はほぼ香港では敵なし状態なのです。
ただ、現時点で1.9倍、当日さらにオッズは下がる気がするのでそれだけの人気を背負っての出走となると、勝利しても馬券的旨味がない可能性はありそうですので、馬券の買い方は非常に難しいなと感じます。
オッズも考慮して、対抗という形にしていますが、最も勝利する可能性が高いのは当然この馬だと思います。
▲サイトサクセス
上位2頭よりは2ランクくらい落ちますが、先行力のある本馬を3番手評価とします。
昨年同レース2着馬で、その後はセンテナリーSP3着やチェアマンズSPで4着と、ラッキースワイネスとウェリントンには先着を許すものの、しぶとく好走していますし実力があるのは間違いありません。
プレミアボウルは軽いハンデを活かした部分もあるので大きく評価するまでではないと私は考えていますが、この馬なりに状態は良いと思うので、執筆時点で100倍を超えるようなオッズが想定されていますから、このオッズで買えるのであれば相当旨味があると考えます。
リピーターも多いレースですから、再び馬券内に突っ込んでくる可能性も十分あると思います。
このオッズならとりあえず、相手には入れておくべき馬だと思います。
△ハイフィールドプリンセス
香港馬優勢なレースですよ、と言っていて欧州系の馬の勝利はこれまでないレースだと再三再四言ってきたにもかかわらず、何を欧州馬を取り上げているんだと言われそうではありますが…。
4番手評価は、イギリスの牝馬、ハイフィールドプリンセスです。
この馬は「高速馬場適性を持っている」ヨーロッパの短距離馬であるため、一縷の望みがあるのではないかと思い取り上げさせていただきます。
戦績の中で注目しているのは、前走アベイドロンシャン賞です。
芝1000mのパリロンシャン競馬場のレースなのですが、この馬はこの時60.5kgという重い斤量を背負いながら、稍重ながら勝ちタイム0:55.07という好タイムで勝利しています。
日本とはタイム計測方法が違うため、単純比較はできないものの、今年の秋のパリロンシャン競馬場は異様なほどの高速馬場でした。
この馬場で力を発揮できた馬だったということを考えると、このスピードが求められるシャティン競馬場でも、一発あるのではないかと思い評価させていただきました。
今回は斤量も55.5㎏とかなり軽くなりますから、あっと驚くパフォーマンスがあってもおかしくないのではないでしょうか?
母父はこの舞台で活躍するデインヒルですから、血統的な舞台適性もあるのではないかと思います。
☆ビクターザウィナー
流石に1ランク力が足りていないような気がしますが、ハイレベルな香港でしのぎを削ってきた本馬を穴候補として取り上げます。
前走ジョッキーCスプリントは、2㎏のハンデがありながらではありましたが、ラッキースワイネスに次ぐ2着で、3着のウェリントンにはしっかりと先着を果たしました。
斤量さがなくなるとさすがにウェリントンには及ばないとは思いますが、3着狙いでこの馬まで手を広げていくのもアリなのではないかと思います。
☆マッドクール
今年の日本馬で、香港の強豪馬にどこまで通用するだろうか?という部分はありますが、しいて言えばやはりこの馬だと思います。
海外血統馬で舞台適性は間違いないと思います。
母母父はデインヒルで、シャティン競馬場のスプリントレースも大丈夫なのではないでしょうか?
日本の今のスプリント勢が世界最高峰の香港スプリント勢に立ち向かえるのか?という部分はありますし、これまで日本馬はロードカナロアとその子供のダノンスマッシュしか勝てていないので、これまでの傾向からは外れますが、期待も込めて穴評価とはしたいと思います。
この馬の強調ポイントは、前に行ける競馬をできることです。
2着だったスプリンターズSも5番手あたりでレースをしていましたし、シルクロードSでは逃げて3着と、前目で強い競馬をできます。
中団からの差しも決まりますが、前目が残ることも多いレースですからこの脚質はプラスでしょう。
日本オッズでは旨味は正直ないですが、日本馬なので応援したいと思います。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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