今回は香港国際競走2024の香港スプリント予想記事を掲載していきます、日本での馬券発売があり当日は同時視聴配信を行う予定です、そちらもぜひよろしくお願いいたします。
香港スプリント概要
香港シャティン競馬場で行われる、スプリントレースです。
高低差が緩やかなフラットコースで、洋芝ではあるものの中東のドバイ・メイダン競馬場などとほぼ同じ芝の構成でスピードは出やすく時計も早いです。
香港馬の多くはオセアニア、特にオーストラリアでの生産馬が多いため短距離馬のレベルは高いです。
香港カップデーの国別勝利を見ると、距離が短くなるほど現地馬が強く、距離が長くなるほど日本馬や欧州遠征馬が優勢になっていくわかりやすい構図です。
香港スプリントは馬券発売がある4レースの中で最も地元香港馬が強いレースですので、香港勢から馬券を買っていくのが定石かと思います。
過去10年では2020年ダノンスマッシュが勝利しているものの、それ以外の年はすべて香港馬が勝利していて9勝。
ローテ的にもジョッキーCスプリント組の成績が圧倒的というか、ほぼこのレースの馬が馬券内に来ると考えても良いくらいかもしれません。地元勢でもハンデ戦などからこのレースに向かってくる馬は減点が必要かと思います。
歴代開催の中でも、ダノンスマッシュ、ロードカナロアの連覇、南アフリカのジェイジェイザジェットプレーンの3頭以外、すべて地元香港馬が勝利しています。
また、ロードカナロアや2017年2018年のミスタースタニングなど連覇している馬も複数出ていて、リピーターにも注意したいところです。
また、脚質的には直線向いたときに概ね5番手以内にいる馬の馬券内率が高いため、後ろからズドンタイプよりは前に行ける馬を重視していきたいと思います。ただ、差し馬でも全く届かないか?と言われると年によっては馬券内には十分来る可能性はありますので、前重視だが後ろからも実力馬は拾っておくという形が良いかもしれません。
枠の有利不利はそこまでないため、過度に気にしなくても良いのではないかと思います。
過去傾向
2023年
道中4番手あたりで進めた地元の有力馬ラッキースワイネスが直線で前の馬を捉えて勝利。
一方、2着・3着には後方待機だった馬が入ってきており、この年はやや外差し傾向だったと言えるかもしれません。
2022年
今年も出走するウェリントン、サイトサクセスがワンツー、前年覇者のスカイフィールドが3着でした。日本馬最先着はメイケイエールの5着でした。
中団後方に控えたウェリントンが外から直線で差し切り勝ちを決めましたが、2着サイトサクセスと3着のスカイフィールドは内目で先行策を取っていた馬。
ウェリントンも3角あたりから徐々に進出していて4角では6~7番手あたりにはいるので、このあたりのポジションが最終ラインなのかな?と感じました。
基本的には前が止まらない展開だったので、その中で差し切ったウェリントンの地力の高さを感じるレースでした。
2021年
※映像は掲載しません
痛ましい多頭数落馬事故があったレースです。
4頭が競走中止となりました。
このレースについては参考外だと思います。
海外注目馬
カーインライジング
香港の新星で、海外競馬ウォッチャーの間では歴史的名馬ではないか?と騒がれている1頭です。中距離のイメージも色濃いニュージーランド産馬からここまで強いスプリンターが出てくるのは驚きです。
ここまでキャリア10戦して連対を外したことはなく、デビュー2戦目と3戦目に取りこぼしたハンデ戦以外、実に8勝。現在重賞含む目下7連勝中です。
G1挑戦は初めてなので、よくある条件戦無双してきた馬か?と馬柱だけを見ると思われるかもしれませんが、これまで倒してきた相手関係や走破タイムなどを見ると、今回は本命視せざるを得ないと思います。
むしろこの馬を信じていくら突っ込めるかゲームなのではないか?とさえ思っているところです。そのくらいの馬だと私も考えています。
具体的な戦績を見ていきましょう。
前々走G2プレミアボウルでは、3番手追走から最後は持ったまま余裕の手応えで完勝。
この時3着だったのはG1を3勝している名馬カリフォルニアスパングルで、相手関係的にも他にも骨っぽいメンバーが多数出走していました。
そして、前走ジョッキーCスプリント。
最後は流しながら、トラックレコードである1:07:43という好タイムで勝利しておりその圧倒的な実力を感じます。
何より途中までプレミアボウルの映像か?と錯覚するほど似たような進路を辿っており、安定して先行できるところも評価ポイントだと思います。
このレースには今回香港スプリントにも出走する馬が多数出ており、メンバーレベルはG1級です。
そのレースを圧勝してしまうのですからスケールが違う馬だと思います。
当日はこの馬の相手探しかなと思います。
ヘリオスエクスプレス
中穴として、かなり面白い1頭だと思っています。
G1は初出走になりますが、これまでの戦績は評価に値すると思います。
香港ダービーこそ敗れたものの、香港3冠のうち2冠を取った馬で実力がありますし、何よりカーインライジングを物差しとしたときに、前走ジョッキーCスプリントで3着。プレミアボウルで2着に入っており、着差はやや離されているものの、馬券内にしっかり入ってきているのでここでもう一発セットで馬券内の可能性は十分あると思います。
実はこの馬も馬券外は1度しかないという上がり馬で、唯一馬券外となった香港ダービーの敗戦は距離が長すぎたことで説明可能です。
日本馬応援オッズも相まって、この馬はおいしいオッズで買えないかな~と思っています。
香港スプリント路線は層が厚く次々といい馬が出てきますからね。
カリフォルニアスパングル
前走は8着と大敗しているものの、これまでマイル~短距離レースのG1で結果を残し続けてきた本馬なので、今回も馬券内の可能性は十分あるのではないかと思います。
とはいえ、2戦連続でカーインライジングには後塵を拝しており、逆転があるかと言われるとよほど展開が向くなど何かの助けがないと難しいかもしれないなという印象です。
後気になるのは昨シーズンの冬の戦績です。
昨シーズン冬の時期の出走は4戦連続で馬券外に沈んでおり、それを受けてマイルから短距離にシフトチェンジしています。
ただ、これは実は冬が苦手だっただけじゃないか?とも思っており、そのロジックでいうと今回もどうなのかな?と思うところです。
メイダン競馬場の直線レースアルクウォーツスプリントでは1分7秒台で走破して勝利しているのでスピード能力の絶対値はありますし、時計が速い勝負というのも決してできないわけではない馬だと考えています。
ベテランの意地を見せてほしいところです。
ハウディープイズユアラブ
戦績的に安定しているタイプではないですが、紐荒れを狙うという意味ではこの馬も面白いと思います。
もっとも戦績の良いジョッキーCスプリント組で、本馬はあのメンバーで2着。
今年のチェアマンズスプリントプライズでも、着差は離されていたものの5着と掲示板内は確保しており、馬券内に突っ込んでくる可能性は十分あるのではないかと思います。
日本馬の勝算は?
このレースで日本馬が勝利するのは至難の業だと思います。
香港のスプリント路線は非常に層が厚く、その層が厚い中でも今回は飛びぬけた強敵カーインライジングがいるということを鑑みると、非常に厳しい戦いになるのではないかと予想されます。
高松宮記念では日本に遠征してきたビクターザウィナーにトウシンマカオとルガルは先着を許していることを考えると、今回は相手の庭に遠征するとなると厳しい戦いになると想像するのは決して悲観的観測ではないと考えます。
時計比較をするとルガルのスプリンターズSの方がいいじゃないか、と思われる方がいるかもしれませんが、日本と香港では計測方法が違うため(統一してくれないかな?)単純比較はできません。
そんな中で個人的に期待しているのは、サトノレーヴです。
現在香港スプリントを勝てたのはサトノレーヴの父ロードカナロアと、ロードカナロア産駒のダノンスマッシュだけです。
サトノレーヴもこの血を引いており期待感がありますし、何より戦績的にも洋芝の函館と札幌で、函館スプリントとキーンランドCを連勝していることから洋芝適性は間違いないものがありそうです。一発激走に期待したいと思います。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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