【一口馬主考察】レポジトリ無しで馬選び、ハードモードすぎる説。

ジェイ
ジェイ
どうも、ジェイです。
今回は、一口馬主クラブにやや切り込む内容になりますが、セリに2度参加して痛感したところを改めて記事にしていきたいと思います。
よろしくお願いします。

レポジトリ情報を公開するクラブはわずか 

セリの現場では、自分の懇意にしている獣医師に喉の内視鏡や脚のレントゲンをみてもらう「レポジトリチェック」がごく一般的に行われています。

中には”レポは見ない”というバイヤーの方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的なバイヤーは、このレポジトリチェックを経て、落札馬の最終リストを作ることになります。

レポジトリチェックでは、喉のグレード、例えばグレード1、グレード2などという喉なりリスクの判定や、脚元が現状どのような状態であるか、ボーンシストがあるか?手術歴がありボルトが入った形跡があるか?OCDがあるか?などを判定し、競走馬になる上でのリスク評価を行います。

レポジトリがオールクリアの馬もいますが、オーストラリアの上級セールであるマジックミリオンズゴールドコーストイヤリングセール(日本のセレクションセール程度?)の厳しいチェックを経て上場された馬たちであっても、レポジトリで引っ掛かる馬は普通にいますし、ハイリスクとまでは言えないにしても、気になる所見がある馬はザラにいます。

現在、一口馬主クラブではYGGがレポ情報を公開している他、ノーザン系クラブは手術情報や悪癖、ボーンシストなどの公表事項を公開しています。

また、広尾TCは遺伝子検査の結果を公表していますね。

この公表頭数を見ているとボーンシストはそこそこ珍しい病態なのかな?と思っていたのですが、セリでレポチェックを行うと、小さなシストも含めると想像より多くの馬がこれを患っていて、個人的には驚きました。

これは正直、外見で見極めるのは極めて困難です。

シストがある馬でも馬体のつくりがしっかりしていて、歩様もキビキビしていて素晴らしい馬は普通にいるのです。

しかし、残念ながら現在の一口馬主クラブでは募集馬の疾患を公表していないクラブも多数あります。

母産駒の傾向や脚向き、サイズなどからある程度予測できる部分もありますが、とはいえこの状況はあまりにも買い手が不利なのではないかと思います。

本来のバイヤーは手に入れられる情報が、一口馬主クラブの出資会員には手に入らないわけですからね。

内視鏡やレントゲン写真を丸々公開しろ!とまではいいませんが、YGGを見習って他クラブも公表してもらいたいですね。

レポに引っかかる=絶対NGではない

同じ能力のAという馬とBという馬がいて、Aはレポ中リスク、Bはオールクリア。

この状態だったらあなたはどちらの馬を選びますか?

そうですね、Bを選びますよね。

そりゃそうです、能力が同じなのですから、オールクリアの馬を選びたくなりますよね。

ではこの条件だったらどうでしょう?

重賞級の能力を持つ中リスクのAという馬と未勝利脱出も怪しい能力のオールクリアのBという馬。

こちらは悩ましいですね(笑)

リスクテイクして、重賞をワンチャン勝てるような馬に出資したいならAという馬になりますし、何よりも健康で数を使えることが重要だという考えが優先ならBという馬を選択することになるでしょう。

これに明確な正解はありません。

今回は、わかりやすくするため能力を勝手にこちらで設定していますが、実際のセリ会場や募集馬検討では能力はあくまでもこちらの予想値。

重賞を取れそうに見える中リスクのAという馬と未勝利脱出も怪しそうに見えるオールクリアのBという馬。

これが現場では度々、起こるのです。

レポはクリアに越したことはないですが、中リスクがあったとしてもAという馬を落札したい、出資したいという気持ちは理解できます。

多くのバイヤーはレポジトリを確認するため、レポにリスクがある馬は相場より安く買えることも多いので、あえて中リスクの馬を狙いにいくという考え方も一理あるでしょう。

そのため、中リスク〜ハイリスクの馬を一口馬主クラブが購入していたからといって、問題があるわけではないと私は思っています。

ただ、それはやはり公表するべきではないかと思うのです。

「レポに問題があるけどその分安く買えました。一定のリスクはあるけれど、それを上回る魅力があり価値のある馬だと思います」

だったらいいと思うのですが、そのマイナス面を公表せずに募集馬に加えるのはどうなんだろう?と疑問に思ってしまいます。

この思いが強くあったので、自分と中條調教師で行っているJJ Racing Clubでは落札候補馬リストのレポチェック結果は会員の皆さんに公開していました。

同じレポでも判定はファジーなことも

公表が難しい理由として1つ考えられるのが、レポ診断のファジーさがあると思っています。

同じレントゲンや内視鏡を見ても、獣医師によって判断が違うことは多々あります。

オーストラリアのセリ会場では、馬を上場する牧場側が依頼した獣医師が行ったレポジトリチェックの結果レポートを見ることができます。

これは正直に書いてあるところもありますが、牧場寄りの獣医が甘めに判定し、自分のところの獣医師に見せると中リスク〜ハイリスクと判定されるような馬でも平気でオールクリアやローリスクと書かれていることがあります。

結局、主観的な判断に依拠するところもあるため、完全に客観的な指標でもないというのが1つ難しいところではあるのかな?と思います。

また、レポジトリで オールクリアやローリスク=怪我しない というわけでもないのがまた難しいところです。

逆にハイリスクや中リスクと言われていた馬が問題なくバンバン走ることだってあります。

あくまでも故障が発生する確率が”高そうか低そうか?”という話であり、絶対ではないところも難しいところです。

「レポクリアって言ってたのに、怪我したじゃないか!どうなってる!」と言われると何とも苦しいところがあるのも事実です。あくまでも確率論でその1個体が確実にどうか、という話ではありませんからね。

こういったところから、一口馬主クラブはこう言った情報を公表しないのか?はたまた、特定の馬が売れにくくなるから公表しないのか?真相はわかりませんが、前者であれば我々のモラルが、後者であればクラブの良心が問われているなと思う次第です。


ジェイ

現役地方&海外馬主・競馬ライター

登録者4500人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。

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