今回はシルク第二回追加募集の募集馬、チェンジングプランズの21について検討する記事を書いていきます。
出資検討中の皆様、ぜひ参考にしてください!
基本情報
総額:2800万円
一口:56000円
性別:牡
生年月日:2021年2月19日
厩舎:萩原厩舎(関東)
父:Mastery
母父:Perfect Soul
体高:162.5cm
胸囲:184.5cm
管囲:21.0cm
馬体重:506kg
血統分析
父Mastery
父MasteryはCady Ride産駒の北米の種牡馬です。
北米の活躍馬としてはG2のZenyatta Stakesを制し、G1のBeholder Mileで3着に入った4歳牝馬Midnight Memories(母父Midnight Luteーファピアノ、Dミニスター系)を筆頭に、G3の芝レースであるEndeavourを制した4歳牝馬のSuprisingly(母父Archークリスエス系)などがいます。
様々な母系のタイプから活躍馬を出していますね。
アロゲートやジャスティファイ、イントゥミスチーフなどの北米種牡馬産駒は、日本の主にダートを主戦として活躍する馬が多い印象を受けます。
まだまだサンプル数が少なく、上述の種牡馬たちと比べてMasteryのポテンシャルは計りかねる部分がありますが、日本で出走した唯一の産駒であるサクセルローレルは中央2勝で、2勝クラスでも馬券内にすでに2回きていて競走能力を示しているため、一定の日本適正はあると言えそうです。
2018年から種牡馬入りしていて、初年度の種付け料は2.5万ドルでした。
父父Cady Ride
Candy Rideはアルゼンチン生産の牡馬です。
2歳時に売りに出された時は、父ライドザレールズが活躍馬を排出していなかったことや、見栄えのしない馬体、レントゲンの問題など様々な要素があり書いてから嫌われ何度も売れ残ったそうです。
売れ残り馬だったCandy Rideではありますが、アルゼンチンで戦績が残っているのは3戦3勝。
実は、スタッドブックに記されていないダート500mのレースでデビューしていたなどの逸話がありますが、公式記録ではアルゼンチンで3戦となっています。
アルゼンチンではG1を2勝し、2002年の最優秀マイラーに選出。
その後アメリカに移籍しG1パシフィック・クラシック・ステークスを制しました。
通算成績は6戦6勝、パシフィック・クラシック・ステークスを勝利したあとCandy Rideは怪我をしてしまい現役を引退し、種牡馬入りすることになりました。
産駒は主にダートのマイル前後での活躍が多いです。
2022年の種付け料は7.5万ドルと高額で、後継種牡馬としては2022年度北米リーディング3位のガンランナーを筆頭に、シェアードビリーフ、ゲームウィナーなどが活躍しています。
シェアードビリーフと、ゲームウィナーについては、母父にセクレタリアトを含む形となっていて今回の募集馬であるチェンジングプランズの21と同じ構成となります。
活躍馬を抽出しての分析になりますが、母父にセクレタリアトを持つことはプラスと考えてもいいかもしれません。
特にシェアードビリーフについては、母父のトップラインがノーザンダンサー系である点もチェンジングプランズの21と同一です。
1番の活躍馬であるガンランナーはセクレタリアトは持ちませんが、母父はStorm Cat系でノーザンダンサー系となりますし、5代血統には入りませんが遡っていくと母父の中にセクレタリアトの父であるボールドルーラーを含みます。
このあたりは少し広く見過ぎかもしれませんが今回の募集馬と共通する部分ですね。
不安な点をあげるとすればCandy Ride産駒の日本での出走馬で、最も賞金を稼いでいるのがジャパンダートダービー6着のトーセンエルドラド(中央地方合算で約1900万円)だということでしょうか?
産駒数が少ないため仕方がないものの、ここは少し心許ない部分かもしれません。
実はジェイの出資馬が…
実はCandy Ride産駒に筆者は出資しています。
出資しているのは北米のMy Race Horseというマイクロシェアの一口馬主クラブで、Candy Ride産駒のPhantom Rideという牡馬です。
この馬は3歳で、現在北米のダートで2勝して4.7万ドルを稼いでいます。
重賞制覇など大舞台で活躍をしたわけではありませんが、ハイレベルな北米ダートで戦っているため一定の競走能力を示していると思います。
実は今回の募集馬、チェンジングプランズの21で気になっていた血統ポイントの1つが母系にサドラーズウェルズを持つ(Special牝系を持つ)ことでした。
Phantom Rideはサドラーではありませんが、近親のヌレイエフを持っています。
その中で活躍馬とまで言えるかは分かりませんが一定の能力を示しているのは私は出資体験からも肯定的に捉えています。
ちなみにこのPhantom Rideはガンランナーと同じ母系にFappiano持ちというポイントを評価した部分があります。
母チェンジングプランズ
母チェンジングプランズは不出走です。
本募集馬のきょうだい馬では、Wine Coutry Debutante S3着のアセンブルがブラックタイプ。
ワイネイションやバックストリートギャルは北米で複数勝利を上げるなど一定の繁殖能力と安定感を示しています。
母の兄妹馬(母母ホールドトゥファッションの産駒)には、ハルキス招待HやブルーグラスSなどのG1を制し、ケンタッキーダービーで3着に入ったピースルールズや北米17勝のワイルドファッション。
また近親には種牡馬入りしたゴルフやG3のメリーランドスプリントSを制したニューヨークセントラルなど、ブラックタイプがずらり。
種牡馬の能力は未知数ですが、このボトムラインだけで正直買えるレベルの馬かなと思います。
特に、きょうだい馬のブラックタイプ馬アセンブルの父Bodemeisterもトップラインはファピアノ系と今回の種牡馬と同系統です。
馬体
まずサイズについて、500kg越えとしっかりとしたサイズ感がありダート馬としては十分な馬体を持っています。
立ち姿は、少しゆるさを感じますが馬体のシルエットは綺麗に見えますしトモの容量もしっかりありますね。
少し馬体重の割には胴は細いような気がしますが、トモなどのサイズ感が大きいゆえの印象でしょうか?全体的には好印象です。
歩きを見ても、スムーズに歩けていてキビキビとした印象を受けます。
首もしっかりと使って全身で歩けていますし、可動域もいいですね。
縦から見た時も、変に内向・外向している部分はなく、大きなリスクはなさそうに見えます。
トレーニングセールの走りを見ると、鞭を入れられてしっかりと加速していますし、ピッチの回転も良く見え推進力のある走りを見せています。
馬体にゆるさが残るのでものすごく早めから始動できるわけではないかもしれませんし、一度トレーニングセールで仕上げた反動もあるかもしれませんので、その辺りのリスクはあります。
逆に伸び代はあるのでしっかりと勝ち上がって馬体を完成させることができれば、さらに大きな舞台へのは高まるのではないでしょうか?
厩舎
厩舎は関東の萩原清厩舎です。
SNSでは萩原厩舎について、出走間隔が長いことについてネガティブなコメントが目立ちました。
実際一口馬主DB上のデータでも平均出走感覚は5.0週と非常に長くなっています(平均3.5週)。
この馬の場合、そこまで早く仕上がって早期デビューができるタイプではないので、1戦必勝で勝ち上がれないと勝ち上がれないまま終わる危険性がありそうです。
厩舎勝ち上がり率は48%と高く、シルク預託馬21頭のうち勝ち上がり率は67%とかなり高い水準です。
厩舎にはかつてルヴァンスレーヴが在籍しておりダート馬には定評がありますが、出走間隔の長さについては検討する際に頭に入れる必要がありそうです。
ダート馬の場合一般的に芝馬より間隔を詰めて使えることが多いですがこの厩舎の場合そうはならない可能性もありそうですね。
ここは個人的にはかなり懸念点です。
外国産馬であること
本馬は外国産馬です。
そのため内国産馬奨励などの一部付加賞金がありませんので賞金面では国産馬より不利になります。
また、特に下級条件では出走できるレースが限られるなどの制約を受けますが、本馬は牡馬であるため牝馬よりはこの制約の影響は大きくないと思います。
牝馬の場合、牝馬限定レースがありここで勝ち上がりを目指すことを国産馬はできますが、外国産牝馬はこの牝馬限定レースに出走できないためです。
上級レースを考える上でもダートの舞台を考えれば牡馬であることはプラスですし、外国産馬であることによるレース制約を鑑みても牡馬の方が良いと私は考えます。
まとめ
一口のお値段とブラックタイプ、馬っぷりの良さを考えれば出資するのもアリな1頭だと思いました。
21産は打ち止めで22産に備えるつもりでしたが、ここで”チェンジングプラン”することになるかもしれません。
とはいえ、厩舎の出走間隔が長いのは懸念点です。
もう少し私も周りの方の意見を聞きながらこの馬について出資申し込みをするか真剣に考えていきたいと思います。
現時点では、申し込むか申し込まないか5:5くらいです(笑)
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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