今回は私の競馬デビューのきっかけにもなった、キタサンブラックに関する書籍を紹介させていただきます。
よろしくお願いします。
「キタサンブラック伝説」概要
基本情報
定価:1430円
発行:星海社新書
書籍概要
最初はその凄さに誰も気がつかなかった!「みんなの愛馬」
「父ブラックタイド、母父サクラバクシンオーの年明けデビューの牡馬と聞いて、いったいどれだけの人が、シンボリルドルフやディープインパクトらに比肩する、G17勝を挙げる名馬になることを想像しただろう」(プロローグより)。
その出自と血統から、最初はその凄さに誰も気がつかなかった。3歳クラシックと古馬王道路線を突き進むも、1番人気は遠かった。
それでも一戦ごとに力をつけ、「逃げ・先行」の才能を開花させると、歴戦の戦士を思わせる姿はファンの心に染みわたっていった。
そして迎えたラストラン、有馬記念を悠然と逃げ切ったハッピーエンディングな結末。みんなの愛馬となった感動の蹄跡がここに甦る!(Amazon本書紹介欄より)
ジェイの感想
昔、昭和のヒットチャートを振り返る歌番組をつまらなさそうに見る少年時代の私に、母親が「あなたも大人になったらこういう番組の面白さがわかるようになるわよ」と言われたことがあり、なぜかこの言葉はずっと自分の中で記憶に残っています。
私も27歳になり、この界隈では若手ですが世間ではアラサーです。
平成のヒットチャートを振り返る番組を見ると「あ〜この曲懐かしいな〜!これ中学生の時聞いてたな〜!」と楽しめるようになり、当時の母の言葉が理解できた気がします。
抽象的な表現になりましたが、何が言いたいかというと、やっぱりこの手の本は現役時代を知っていた方が楽しめるということです。
ちょうど競馬を始めた時にキタサンブラックが活躍し、キタサンブラックを追いかけて競馬場に通っていた私には、本書はたまらない内容でした。
新書サイズでサクッと読み進められるので、読むのが早い方であれば1−2日で読み終わるほどだと思います。
基本的にはキタサンブラックの過去のレースをデビュー戦や条件戦などからG1まで、勝ったレースも負けたレースも1レースずつ振り返っていくような内容になっています。
そのほかにも関係者談話や、当時のライバル馬たちのエピソードなども収録されています。
この手の過去の名馬を振り返る本というのは数多く出版されているかと思いますが、現役時代を知らない馬も多いので私に取っては「へ〜そうだったんだ」くらいのものでした。
前述の表現をもう一度引っ張り出せば、少年時代に見た昭和ヒットチャート状態です。
ただ、やはり自分が競馬を始めた時にG1戦線で活躍していた馬ってすごく印象に残っているんですよね。
この本でレースを振り返ると「あの時は単勝突っ込んで派手に負けたなぁ」とか「あの時は一緒にいた友達がサトノクラウンに賭けて大勝ちしてたなぁ」とか、思い出が蘇ってくるんですよね。
そういう意味では、本を読みながら思い出のアルバムを開くような気持ちですごく充実感がありました。
ところで私がこの本を手に取ったのは、もちろんキタサンブラックが私が競馬を始めるきっかけになったくらい大好きな馬だったからというのはもちろんなのですが、実はもう1つ個人的な理由がありました。
この本はウマフリライターさん複数人が原稿を持ち寄って1冊の本となっているものです。
そのウマフリライターさんの1人が、チームジェイで共に豪州馬を落札した競馬仲間でブロガーのクロキリさんだったのです。
各章の左下に執筆者の名前が書かれているので、クロキリさんの名前を探しながら読み進めたモノです。(実はクロキリさんはこの本では別の名前で執筆されているため、クロキリという名前は本書には出てきませんでした、僕も購入してから初めて知りました)
クロキリさんファンの方は、ぜひクロキリさんの文章をチェックしていただきたいなと思います。
データクラッシャーの奥深さ
本書でも語られていますが、キタサンブラックはさまざまなデータをクラッシュした馬でした。
血統面においても馬体面においても。
血統面では、母父サクラバクシンオーという短距離の血を持ちながら長い距離を走れるのか?という部分もそうですし、そもそも父ブラックタイドからこれほどのG1馬が出ると、キタサンブラックが登場するまで誰が予想したでしょうか?
馬体面では、馬体サイズがあり、筋肉もしっかりついていてステイヤータイプの馬体には一見すると見えません。
当時はそんなこと全く考えていなかったので「デカくて黒くてオーラがあってかっこいいな」くらいにしか思っていませんでしたが、今考えるとあれほどの巨体でありながらステイヤーレースで勝ちまくるというのは本当に規格外の馬だったのだなと思います。
こういう、データクラッシャー的な馬がいるからこそ競馬は面白いですよね。
キタサンブラックに惹かれた理由の一つは、この雑草魂というか、常識を打ち破っていく姿が好きだったからです。
一口馬主や馬主をはじめて、今年で5世代目になります。
そろそろ初心者一口馬主とは言えない時期になってきましたが、この5年で馬の見方は本当に変わりました。
特に私はデータを重視しているので、馬体サイズや血統スタッツなどから打率が高そうな馬を選んで出資、落札するようにしています。
つまり、今の私には1歳時のキタサンブラックは多分選べないわけです。
データ派にとってはこういうイレギュラーな存在が出てくると困るっちゃ困るのですが、全てデータ通りだと競馬ってここまで魅力的じゃないと思うんですよね。
イレギュラーがあるからこそ、馬を選ぶ楽しさがあるし、難しさがあるからこそ楽しい趣味だと僕は思っています。
そういう意味で、今後もゴリゴリの良血馬たちを蹴散らす、第二のキタサンブラックのような雑草魂溢れる活躍馬がまたでてきてほしいなと思います。
種牡馬としてもキタサンブラックは下馬評を大きく超える活躍をしています。
ソールオリエンスやイクイノックスなど世代を代表する名馬を次々と世に送り出しました。
これから種牡馬としてキタサンブラックがどこまでのし上がるのかも楽しみですし、まだ実は産駒に出資できていないので早くキタサンブラック産駒に出資したいなと思います。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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