「奇跡の名馬」概要

基本情報

定価：2934円

著者：兼目和明

共著：大岡賢一郎

発行：大岡宏司郎

印刷：創栄図書印刷（株）

内容

世界各地で活躍した歴史的名馬111頭を綴った一冊です。

名馬1頭ずつの戦績やエピソードが写真など共に紹介されている、辞典に近い書籍になります。

ディープインパクトやサンデーサイレンスなど、競馬ファン名でなくても耳にしたことのある有名馬はもちろんのこと、一口馬主や海外馬主をするほど競馬にハマっている私でも、名前すら聞いたことのない馬もいて、収録されている名馬の幅や時代はかなり広いです。
日本の名馬だけではなくスペイン、トルコ、韓国、ジャマイカ、フィリピンなど、競馬で語られる機会の少ない国と地域の名馬まで網羅しているところが本書の最大の特徴と言えるでしょう。

アクセス数総計2,000,000の人気ブログ『うみねこ博物館』が送る名馬本の決定版です。

うみねこ博物館でも、世界の名馬たちについての記事を読むことができます、私は以前マダガスカル競馬の記事を読みましたが「一体どうやって調べたんだ？」と思ってしまうほどコアな内容が記載されていました。

ちなみに、本書の続編となる奇跡の名馬Ⅱも発売されています。

本書の特徴と魅力

こちらの本当の出会いは実は、私が競馬Barの1日店長をしている時でした。

お客さんとして著者の兼目さんがきてくださり、本書をプレゼントしてくださったのです。

最初本を受け取った時に率直に感じたのは、「なんて分厚い本なんだ…!」ということでした。

実際手に取っていただければお分かりいただけるのですが、辞書くらい分厚さがあります（笑）

それだけ文量は充実していて、さまざまな馬が紹介されていますし、競馬初心者というよりは往年の競馬ファンや競馬歴は浅いけれどどっぷりと競馬にハマっている人が読むととても楽しめる１冊なのではないかと思います。

特に私自身、競馬歴は7年と長いわけではありませんので、過去の名馬たちは血統表の上でしかみることのない馬が多いです。

サクラバクシンオーは短距離で馬体が分厚い産駒が多いな、とか。サンデーサイレンスは柔らかさと瞬発力のあるスピードを伝えるな、とか。

血統表の要素としてどうしても僕は見てしまうことが多く、その馬が持つドラマ性やどのような戦績でどんな馬だったのか、実は知らない馬が多いです。

よく、ミルリーフやセクレタリアトなど、募集馬検討の時にも取り上げますが、これらの馬の現役時代の戦績やどんな見た目をした馬だったのか？この記事の読者の皆様はパッと思いつくでしょうか？

言われてみるとよくわからないな…という方もいらっしゃると思います。

そんな方には本当にピッタリの１冊だと思います。

その馬のドラマや戦績、現役時代を知ることで私も血統表が立体的に見えるようになったというか、この馬は現役時代こういう馬だったから、産駒はこういうところが〜とさらに深く見られるようになりました。

こうした募集馬の検討に役立てるためにこの本を手に取る人はかなり邪道な部類かもしれませんが、そんな面白さも秘めている１冊だと思います。

また、海外馬主としては海外の馬も多く取り上げられていて、初めて知る馬も多くさまざまな国の競馬事情も垣間見得て面白いなと思いました。

海外の馬についてはどうやってこれを調べ上げているのか、めちゃくちゃ気になりました。

インターネットのHPやブログなどを徘徊しても日本語でこれだけの情報には、おそらくここ以外ではアクセスできないのではないかと思います。

今度また著者にお会いできる機会があれば、どうやって調べているか聞いてみようと思います。

もちろん、本書の発売当時（2010年）はウマ娘ブームなどまったく知る由もないころだったかもしれませんが、ウマ娘に登場するような馬も多数収録されています。

ウマ娘から競馬に入った方も、競馬を学ぶ意味でいい１冊になると思います。

かなりボリュームが多いので、目次をさらっと見て、気になる馬、目についた馬から見ていくという形でも良いかなと思います。

注意点

辞書級のサイズ感で重量感があるので（物理的に）持ち運んで空き時間にさらっと読む、通勤通学の電車やバスで読むということには適さないタイプの書籍だと思います（笑）

1頭ごとは割とさらっとすぐ読めるので、わたしは寝室においておいて、寝る前に３〜4頭分読み進めて栞を挟んで寝る、という形で読みました。

また、かなりのページ数になっていますので読破するには時間がかかるタイプの本で、2日でさらっと読みました、というタイプではありません。

前述しましたが、頭から順番に読み進めていく必要がある性質の本ではありませんので、気になる章や馬から読み進めていくという形でも良いのではないかと思います。

---

---