今回は筆者が今年3月にオーストラリアの南部・アデレードという街で行われるセリに行ってきますというお話。
素人共有馬主がどのようにセリに臨むのか?
若干イレギュラーな方法ではありますが、今回はその方法とどんな馬を狙うかについて書いていこうと思います。
<過去参考記事>
なぜ海外のセリに?
はい、まずタイトルを見てなんで国内じゃなく海外なんだ?という疑問が浮かんだ方は多いのではないでしょうか?
もっとも、筆者のことをすでにご存知の方は「ジェイならありえるな」となるかもしれませんがね(笑)
というのも、すでに筆者は現在RSS(RisingSunSyndicate)で1頭(引退済み馬は過去2頭)。
中條厩舎(JAPANOZ)で1頭と、合わせて2頭の共有馬主をオーストラリアでしています。
共有ではありますが正式なオーストラリア馬主です。
そのため、筆者は日本在住ですが海外で馬を持つことへの抵抗感がありません。
しかし上記の2頭は直接セリで選んだ馬ではなく、共有可能な募集馬の中から選んだ馬たちです。
日本でも地方共有馬主や一口馬主をしていますが、直接セリ会場に足を運び馬を選んだ経験はなく、この経験をぜひしてみたいという気持ちがありました。
一方、26歳のサラリーマンの私に1頭持ちをする甲斐性は残念ながらまだありません。
そこで、シンジケート立ち上げ当初から関わりのあるRSSの川上代表にお願いをして、現地のセリで馬を買い一定割合をこちらで持ち、残りをシンジケートで募集していただき共有馬主を募る形をとることにしました。
馬の素人である私が1人でセリで馬を選んで買うことは非常に難しく、プロであるシンジケートのメンバーにサポートいただくことは必須だと考えていました。
川上さんのご厚意によりこの提案を快諾いただいたので、なんとか募集馬ラインナップに加えても恥じない、そしてしっかりと活躍してくれる馬を選ばないといけないと、気合が入ります。
ちなみに、現地入りはRSSメンバーと共にする予定ですが、個人的に信頼できる豪州馬主仲間数人にお声掛けさせていただき、彼らにも落札チームの一員として意見&アドバイスをもらいながら意見を集約して最終決定を筆者が下す形を取ろうと思っています。(メンバーの皆様もよろしくお願いします、いい馬を見つけてドリーム・ホースしましょう!)
↑RSS川上代表著書、豪州馬主入門に最適
どのセリに行くの?
筆者が目標にしているのは、ズバリMagic Millions 2023 Adelaide Yearling Saleです。
オーストラリア南部の街・アデレードで3月に行われるセールです。
ここで1歳馬を購入したいと考えています、というかもう宿も航空券も押さえてしまいました(笑)
このセリを選んだのは大きく3つ理由があります。
①価格帯
予算規模として、1つの目安にしているのが総額4万ドルの馬ということです。
このアデレードセールは、2022年実績で見ると最高値は37.5万ドルと高額になっていますが、
平均値は5.7万ドル、中央値になると4.5万ドルとなっていて、4万ドル強で上場馬の半分に手が届くと言うことになります。
当然厳格に4万ドル以内とするならもう少し手を出せる馬は減ってしまいますが、それでも全く勝負できないレベルではありません。
これよりさらにあとのセールになると平均値・中央値ともにもっと下がるセールはあるのですが、上場馬の馬質等との塩梅を考えた時に最適なセールなのではないかと考えました。
②規模感
2022年実績では、アデレードセールの上場馬は454頭、落札されたのは363頭で売却率は88.75%でした。
セールは例年2日間に渡って行われます。
2023年のセール馬のリストはまだ公開されていないため今年上場されるのが何頭か執筆時点ではわかりませんが、このスケジュールや上場頭数に大きな変化はないものだと推測します。
1月など年初に行われる、長期間に渡り膨大な数の馬を見るセールよりこのくらいのちょうどいい規模感で上場頭数とスケジュールが組まれているセールの方が初めてのセリとしてはいいのではないか?と感じました。
上場馬1頭1頭を、じっくりと吟味したいですからね。
③個人的な縁
これは完全に筆者の個人的な話ですが、筆者は大学時代、短期留学ではありますが1ヶ月以上アデレードに滞在していたことがありました。
その時の体験は素晴らしいものとして記憶に刻み込まれていて、将来リタイアしたらアデレードに移住して余生を過ごしたいな、と本気で考えるほどでした。
(物価は高いけど)綺麗な街並み。
(夏に行っただけだけど)晴天率が高く温暖な気候。
(2回しか行ってないけど)街の中心部からトラムですぐに美しいビーチにアクセスできること。
大自然と近接するアデレードという都市の素晴らしさに魅せられました。
この経験は筆者が豪州競馬の馬主に興味を持った要因の1つです。
オーストラリアで馬を共有する間接的なきっかけとなったこの地で、馬主として新たな一歩を踏み出したいという思いが強くありました。
どんな馬を狙うの?
行くセールは決まりましたが、実際に現地でどのような馬を狙っていくのか?
あくまでも執筆時点での見解なので最終的に全然違う馬になった、ということはあるかもしれませんが…。
・牝馬優先
・中距離馬
・脚元が丈夫な馬(ケガリスクの低い馬)
・晩成は目を瞑る
・予算4万ドル
などという方向性を現時点では考えています。
牝馬優先
これについては、繁殖に上がれる可能性を見据えてのことです。
また、セリ価格も牝馬の方が安い傾向はオーストラリアにもあります。
これは日本のセリでも同様のことが言えますね。
初期費用を抑えつつ、将来その血を繋ぎ、その馬の子供でまた夢を見られるというのは牡馬よりも牝馬の方が圧倒的に可能性が高いですよね。
そういった部分も含めて、牝馬を優先的に考えていきたいと考えています。
また、これから説明する中距離馬というところにも関わってきますが、牝馬中距離3歳路線は特に層が薄いと言われていて、オーストラリアでは重賞出走へのハードルが低いと聞きます。
この隙間を狙ってあわよくば重賞チャレンジできないか?という目論みもあります。
中距離・晩成馬
オーストラリアはご存知の通り早熟・短距離天国です。
2歳の短距離路線で活躍できる馬が最も血統的価値が高く、セリでも値上がりし人気です。
今回予算4万ドルということなので、決してものすごく豊富な資金があるわけではありません。
となれば、トレンドの逆。
中距離・晩成馬となればセリでは値上がりしにくくなりますので、その中から活躍できそうな馬を探そうという考えに至りました。
脚元が丈夫な馬
これはいうまでもありませんね。
せっかく購入した愛馬が、ケガでデビューできなかったり、調教が進まないということでは非常に残念です。
筆者はレントゲンなどを見てもわからないので、プロの方々にレポジトリなどをしっかり確認していただきできるだけケガリスクの低い、長くコンスタントに出走できそうな馬を選びたいと考えています。
今回は代表者は筆者ですがチームで落札するため、私が声をかけたことにより運命共同体となる方々もいます。
その方々のためにも、せめてまずは健康で丈夫で長く走ってくれる可能性の高い馬をしっかり選んできたいなと思っています。
最後に
今回は川上代表をはじめとする、RSSのメンバーの皆さん。
また、僕の声かけに賛同してくれたチームの皆さん。
多くの人の支えの上で今回のプロジェクトを指導できます、まだ渡航前の段階ではありますが、皆様には本当に感謝です。
購入した馬は、RSSを通じて1/40(2.5%)から共有馬主が募集されると思います。
もしご興味があり、筆者とともにドリーム・ホースしたいというもの好きがいらっしゃいましたら、ともに共有馬主仲間として、異国の地で夢を追いかけましょう。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
2 Responses
[…] どうも、ジェイです。今回は私がMagic Millions Adelaide Sale2023にRising Sun Syndicateの皆さんと一緒に参加してきましたのでその時の体験記を記していきます。私は、日本人豪州馬主で結成したTeam Jを代表し、セリに参加してきました。アラバマエクスプレス産駒の牝馬をなぜ安価に落札できたのか?ぜひ最後までご覧ください! 26歳日本人、海外に馬を買いに行きます。 […]
[…] ちょうど1ヶ月後くらいにオーストラリアのセリにいきますという記事を見て「ジェイさん現地行くんだすごいな」と思っていて。 […]