【中山大障害】オジュウチョウサンの取捨選択は?混戦のメンバーから渾身の穴馬を推奨

オジュウチョウサンの引退レースとして例年以上に注目を集めそうな今年の中山大障害を予想します。

オジュウチョウサンは有終の美を飾れるのか

12月24日(土)中山競馬場で障害競馬の総決算となる中山大障害が行われる。

注目はこのレースで引退を表明している絶対王者オジュウチョウサンの復活が叶うのかというところだろう。

中山大障害はこのレースと中山GJでしか使用しない大竹柵、大池垣を設けた大障害コースで行われる。このコースは適性が非常に重要なためリピーターも多い。

今回は過去10年のデータと過去の走りから中山大障害で推奨したい馬を紹介する。

好走データ&消しデータ

◆4~6歳が中心 7歳以上も複数好走例があるが率は低い

まずは年齢別のデータから。ホットゾーンとなっているのは4歳~6歳で、4歳が【2-0-1-10】5歳が【4-3-2-29】6歳が【1-4-5-23】となっている。

勝率では4歳が、複勝率では6歳が最も高くなっている。7歳以上は【3-3-2-49】と3勝を挙げているものの好走率、回収率ともに低水準だ。

障害競走は平地競争に比べて求められるスピード値は高くないので、ある程度高齢でも結果を残せるが超高齢馬については取捨選択が必要だ。

オジュウチョウサンはもう11歳と超高齢の域。昨年10歳でこのレースを制したのは流石としか言いようがなく、他のコースで負けても大障害コースでは勝ち切る適性の高さも見せているが、今年は昨年より臨戦過程が物足りないだけにしっかり中身を見ていく必要があるだろう。

【7歳以上の出走馬】
・アサクサゲンキ
・オジュウチョウサン
・ケンホファヴァルト
・テイエムチューハイ
・ブラゾンダムール
・マイネルレオーネ

◆勝ち馬は5番人気まで

続いては人気別データ。勝ち馬を輩出できているのは5番人気までのゾーン。

大障害コースで行われる競走は春の中山GJと中山大障害の2競走のみ。成績が崩れていても大障害コースではしっかり結果を出しているオジュウチョウサンのように、このコースは適性が問われやすいコースであり、ある程度実績を持っている馬でないと勝ち切れないレースなのだろう。

6番人気以下の成績は【0-4-1-87】となっている。

【6番人気以下が想定される出走馬】
・テイエムタツマキ
・テイエムチューハイ
・ビレッジイーグル
・マイネルレオーネ
・マッスルビーチ

◆ローテーションでは東京HJ組が優勢

ローテーション別のデータでは東京HJ組が中心で【5-1-2-8】と高い水準を誇っている。

またサンプル数こそ少ないが春の中山GJから直行でも勝ち馬が出ているので、長期休み明けだからという理由だけで消してしまうのは慎重になるべきだろう。

平地競走からの臨戦では勝ち馬は出ていないのでケンホファヴァルトにとっては逆風となるデータだ。

【勝ち馬が出ていないローテーションの出走馬】
・ケンホファヴァルト
・テイエムチューハイ
・マッスルビーチ



ステップレース回顧

◆東京HJ

1着 ゼノヴァース
9着 オジュウチョウサン
10着 マイネルレオーネ

勝ち時計は3分25秒9。これは歴代2位の勝ち時計でレースレベルは高かったといえるだろう。

流れとしてはハイペースだったが逃げたホッコーメヴィウスが2着で内の番手で立ち回ったゼノヴァースが1着。スピードを問われたレースだった。

1着ゼノヴァースはホッコーメヴィウスをマークする競馬で終始好位追走。直線に向いても手ごたえは良くて、ホッコーメヴィウスをしっかり捉えての2馬身差完勝。3着馬には2.5秒差つけていて、このメンバーでこのコースでは完全に抜けていたという評価で良いだろう。

ではここでも中心視すべきなのかと問われると疑問符が残る。能力が高いことは疑いようもないが、ゼノヴァースの長所は平地力の高さと機動力。飛越に関してはそこまで上手な方ではない。大障害コースでは飛越の巧拙がかなり問われ、求められる平地力やスピードは相対的に低くなるため、前走よりは割り引いて考える必要があるだろう。

9着のオジュウチョウサンはこういうスピードが問われる展開では流石にもうきつい。大障害コースに戻れば上積みを見込めるが、さすがに負けすぎ感はある。往年に比べて飛越も危うくなっていて、信頼するには足りない内容だったが、明らかに叩きだった点は考える必要がある。

10着マイネルレオーネは力負けだが、スピードを求められる展開は全くダメなタイプ。春の中山GJではスムーズさを欠きながら3着と大障害コースへの適性は高い。意外とこの組で一番面白いのはこの馬かもしれない。

◆秋陽JS

2着 ニシノデイジー
3着 テイエムタツマキ

勝ち時計は3分27秒3。東京HJと同じコースで行われる本競走だが、内容や勝ち時計を考えても今年のレースレベルでは一枚下だったと考えて良いだろう。

2着ニシノデイジーは昇級初戦だが1着コウユーヌレエフに迫る上々の内容。課題の飛越も良化していて成長は感じられる。裏開催のOP戦であれば勝ち切れる能力は既につけていると考えて良いが、本場のましてや大障害コースとなると話は別。平地力が売りのタイプだけにここはまだ少し荷が重いか。

3着テイエムタツマキは積極的な競馬で好走。飛越にもミスがなく淡々とこなしていたが、これまでの走りからも大障害コース替わりで上積みを見込めるタイプではない。

ここの組よりは東京HJ組が優勢と考えて良いだろう。

◆イルミネーションJS

2着 アサクサゲンキ
3着 ビレッジイーグル

勝ち時計は4分0秒1。これはかなり優秀な時計と言っていいだろう。2、3着馬も強い馬だっただけにその2頭に10馬身つけたミッキーメテオはここに出てくれば十分本命視できる一頭だったが回避してしまった。

2着アサクサゲンキは道中ロスを省いたスムーズな立ち回りで完璧な競馬ができていたと言って差し支えないだろう。昨年の同レースで2着して、その後中山大障害では8着惨敗。今年も中心視はしづらい。

3着ビレッジイーグルは注目したい一頭。先行争いが中々決着つかず、シャンボールナイトにかなり絡まれた割によく踏ん張った。展開的には向いておらず最終障害でのミスも痛かった。ミッキーメテオとの逆転は難しいが、アサクサゲンキとの逆転は十分可能。今年の中山GJは5着、昨年の中山大障害も5着と大障害コースへの適性もあってすんなりなら惑星になるかもしれない。

◆中山GJ

1着 オジュウチョウサン
2着 ブラゾンダムール
3着 マイネルレオーネ
4着 ケンホファヴァルト
5着 ビレッジイーグル

勝ち時計は4分52秒3。前半スローからの持続力勝負といった中山GJではよくある展開。時計は過去のオジュウチョウサンのものよりは見劣り、レースレベルはG1としてはそれほど高くなかったか。

1着オジュウチョウサンは外枠だったが石神騎手の見事な手綱捌きで道中のロスを極限まで省いた競馬。展開的にも恵まれていて全盛期に比べればパフォーマンスの低下はこの大障害コースにおいても見て取れた。今回も得意の大障害コースでどれほどやれるかというところだが、中山GJと大して変わらないメンバーだけにここでも中心視されて当然だ。

2着ブラゾンダムールは出遅れて最後方からの競馬。道中徐々にポジションを押し上げていって、一度はオジュウチョウサンを交わすところまでいったが最終障害後の追い比べで競り負けた。道中のロスを考えればオジュウチョウサンと同程度の評価はできる。この馬も大障害コースへの適性は高く飛越巧者だ。中山コース以外は全くといっていいほど走らないが、今回の舞台ならオジュウチョウサン以上の評価を与えたい一頭。

あとは概ね着順通りの評価だ。



惑星は中山に拘って使われ続ける一頭

今年の中山大障害も単純な能力や舞台適性だけを考えればオジュウチョウサンが最右翼なのは間違いないだろう。ただしこれまでほど絶対的な信頼ができるわけではなく、そのうえ引退レースであることも相俟って1倍台のオッズとなるならビレッジイーグルから入ってみたい。

人気傾向のデータには当てはまらないが食い込むだけの実力と経験は持っている。前走の内容を考えればケンホファヴァルトと同等かそれ以上の能力を期待できるうえで、このオッズであれば十分狙う価値があるだろう。

ブラゾンダムールは実績上位もここまで中山GJから一走も使えず、中間は坂路調教主体で明らかに調整過程が異なる点が懸念材料。

マイネルレオーネという選択肢もあったが、こちらも上積みを見込むには酷な年齢だ。

ゼノヴァースはスピードを求められる展開の方が合うだけに大障害コースがどうか。


貴 シンジ

牝系研究家・競馬ライター

獣医師堀田茂氏に感銘を受け血統の世界へ。馬体と血統は表裏一体であり牝系こそがサラブレッドの根幹であると考え、日夜サラブレッドファミリーの研究を行う牝系研究家。SPAIA競馬でも記事連載中。

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