2023年になり、18産(現5歳世代)から一口馬主を始めた筆者は、今年22産(現1歳世代)に出資すると一口馬主5世代目に突入します。
いやー早いものですね、もう4年終わりましたか。
今回は5クラブに加入し5シーズン目を迎え赤字を垂れ流し続ける筆者が、一口馬主は儲かるのか?どのくらいの人がプラスになっていて、どうやったらプラス収支にできるのか、考察していこうと思います。
よろしくお願いいたします。
一口馬主は儲からない?
はい、いきなり夢のない話から行きましょう。
ズバリ、一口馬主はほとんど儲かりません。
そもそも馬主は9割が赤字という格言があります。
一口馬主でも、これは当てはまるのか?Twitterでアンケート調査を行ってみました。
295人の方にご回答をいただき、プラス収支と回答された方は11.5%。
ほぼ格言通りの結果となりました。ご協力いただきました皆様ありがとうございました。
投資としてはこの上なく難易度が高く、一口馬主は金融商品なので投資としての側面もありますが、筆者は投資としてより趣味という捉え方をした方が精神衛生上も良いと考えています。
一口馬主クラブの場合、馬代と維持費に加えてクラブ入会金や月々の会費もかかります。
クラブ会費等も含めてのプラス収支はとてもハードルが高いと言えるでしょう。
筆者は一口馬主や競馬の魅力をより多くの人、とりわけ初心者の方に伝えたいと活動しています。
しかし、一口馬主については経済的にある程度の余裕がないと楽しむことが難しい趣味であることも事実です。
この事実を隠して「アーモンドアイやクロノジェネシスに出資できていたらこんなに儲かったんだ!」という一口馬主の夢の側面のみを伝えていては不誠実だと思っています。
一口馬主は初期コストとしてクラブ入会金や出資する時の馬代、ランニングコストとしてクラブ会費と馬の維持費が持分に応じてかかります。
高額馬の場合は中央のオープンまでいかないと、とても回収ラインが見えてこないようなケースもあります。
筆者は出資時に一つの目安として、
・超高額馬⇨回収ではなく大活躍して欲しい
・高額馬⇨馬代は回収して欲しい
・安価な馬⇨維持費は相殺して欲しい
などと求める最低ラインを分けて出資しています。
もちろん、完全に回収できる馬に出資をできることが理想ではありますし、それを諦めているわけではありません。
しかし全額回収は非常に難易度が高いことが4年間で身にしみてわかりました。
上述の一つの目安は、筆者が一口馬主を続けて来た中で現実的に目指せると考えているラインです。
つまり出費を覚悟して出資検討をしているということになります。
実際、初年度に出資したロードギガースやソレンニータ、クイントンなどはほとんど賞金を稼げずにファンド解散となりました。
初めての方で出資を検討される場合には、
・維持費は相殺できるだろう
・高額期待馬だからうまくいかなくても馬代くらいは…
などと楽観的なシミュレーションをせず、3歳未勝利終了(引っ張りがあるクラブならそれ以降地方で引っ張られていいとこなしで引退)となり、出資額や維持費が全額返ってこなくても経済的に問題ないレベルにとどめて出資をするべきだと思います。
高額期待馬がうまくいかない例は、筆者のノルマンディーOCで出資したエピファネイア産駒の牝馬・プロヴィデンシアの記事を読むと良くわかると思います。
また、維持費は月額の支払額は小さいですが、出資馬が6歳以降、高齢になっても現役を続ける場合があり、そこまでで合算していくと初期の出資費用が霞むほどの高額さになっていきます。
月の支払額の小ささから”維持費はないものとする”と扱っていると、総額では大きな負担になるので注意が必要です。
・一口馬主でプラス収支は11.5%
・出資金や維持費が全く回収できないことをシミュレーションし出資を行うべき
儲かる人はどんな人?
一口馬主でプラス収支を出すのは非常に難しいというお話をしましたが、そんな中でもプラス収支を出している人は一定数存在します。
筆者が仲間から話を聞く中で、儲かっている人は大きく2タイプいると思っています。
・大活躍馬を引き当てた(特に40口)
・出資頭数が少ない中で、そこそこの活躍馬が出ている(または満遍なく活躍している)
この2タイプです。
先ほどのTwitterのリプ欄で追加アンケートを行ったところ結果はこのようになりました。
https://twitter.com/j_keibayoutube/status/1610541854415794177
6割の方は大活躍馬で一撃回収をしてプラス収支を達成していることがわかりますね。
特に大きく儲かっている人は、大活躍馬を40口で引き当てているタイプが多いです。
他の400口や500口クラブで赤字を出していても、1頭のG1馬で一撃回収するというタイプです。
実際にリプでも、レイパパレなどの活躍馬に出資できてプラス収支になったと言う声がありました。
逆に満遍なく回収型と回答いただいた方も4割いらっしゃいました。
お話を伺っていくと、少ない頭数に出資をしてその中でオープン馬が出ているとか、3頭しか出資していないけど全て活躍しているとか、少数精鋭の方が満遍なく回収型には多いことがわかりました。
それこそ、年間10頭以上出資しているというような人で「重賞馬はいないけどみんな満遍なくオープン馬になっていて全体収支がプラスです」という方を筆者はあまり見たことがありません。
勝ち上がり率がそもそも3割程度の競馬界において、それを毎年続けられたら一口馬主ではなくバイヤーに転身できるレベルかもしれませんね(笑)
出資頭数を増やしてプラス収支を目指すなら、ホームラン馬を引き当てるまでバッターボックスに立ち続けることと、ホームラン馬を見極めるための努力を続けることが必要でしょう。
逆に少ない軍資金(頭数)でもプラス収支を出すためには、必ずしもホームラン馬が必須というわけではなく、満遍なく活躍馬を見つけて、勝ち上がれないような馬を上手に避けるスキルと運が必要かもしれません。
”人事を尽くして天命を待つ”
どの路線でプラス収支を目指すとしても、結局大切なのは”人事を尽くして天命を待つ”ことだと思います。
速い時計を出していない募集時の段階で、血統と写真と動画だけで見極められることと、まだわからないことがあります。
そもそも実際にセリ会場に足を運んでいないとレポジトリを確認することができませんし、見学ツアーなどに参加しなければ実馬を見ることもできません。
限られた情報の中で募集馬を検討をするので、当然カバーできない要素は出てきます。
また、素質のいい馬や能力の高い馬であってもケガや体質の弱さ、気性などで能力を発揮できないパターンもあります。
その中で100発100中で活躍馬を引き当てることはほぼ不可能でしょう。
馬選びはそんなに簡単なことではないと思います。
筆者も今年で5世代目への出資となりますが現時点で中央で勝ち上がっているのは2頭(地方出戻りを含めれば3頭)だけ、中央で1つ勝つことがいかに難しいかを思い知らされています。
一口馬主を始めるまで、ここまで中央で勝ち上がることが難しいことだとは思っていませんでした。
一口馬主を始めてみれば、勝ち上がりがいかに難しいことかを感じていただけるかと思います。
しかし、活躍馬を引き当てる可能性を上げる、活躍できる要素をより多く持つ馬を選ぶ、逆にリスクがある馬を少しでも避ける。
これは可能だと筆者は考えています。
ですから”人事を尽くして天命を待つ”なのです。
結局わからない部分があるから、ケガなどの運要素もあるからと諦めてしまうのではなく、活躍馬に出資できる可能性を1%でもいいから高めていく作業、スクリーニングの精度をあげていく作業。
これが最も難しくて面白い一口馬主の醍醐味だと思います。
この延長線上に、プラス収支があるのではないでしょうか?
・競馬は運要素も大きいが、活躍馬を引き当てる確率を当てる努力を続けるべし
⇨血統分析、馬体分析、厩舎研究、クラブ相性等
終わりに
ちなみに筆者は、ざっくり計算をしたところ現時点で一口馬主、地方馬主、海外馬主あわせて200万円近く負けています。
…普通にやばくないですか?
でも毎年1回の支払いがそこまで多くなかったり、維持費は毎月なので感覚が麻痺してしまうのです、特にこの趣味は底抜けの金持ちが多いので、その人たちに影響されるとドツボにハマります。
一口馬主の仲間たちとの交流は楽しいですが、金銭感覚については唯我独尊がいいと思います(笑)
最後に、プラス収支にするには?という記事を書いている筆者がマイナス収支なのはなんとも…です。
筆者の未デビューの海外共有馬や療養中の地方共有馬など、1発のパンチがヘビーな馬たちは特に頑張ってもらってプラス収支になってドヤ顔をしたいところです。
2023年も元気に出資馬共有馬たちが頑張ってくれることを願います。
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