今回は生産牧場のゆーすけさんに、注目種牡馬について教えていただきましたので、対談の様子を記事にしていきたいと思います。
全体の種牡馬の中から気になる馬についてお話いただく今回の記事は第一弾、第二弾は実際に種付けを行う種牡馬(種付け候補の種牡馬)についてお伺いします。
ぜひ最後までご覧くださいね!
海外からの導入種牡馬
ジェイ:今回はホースガーデンしらおいの牧場主、ゆーすけさんにお越しいただきました。ゆーすけさんは競走馬の生産や引退馬のリトレーニングを行われています。登録者2640人(執筆時)YouTubeチャンネルもやられていて、以前はコラボ動画をUPさせていただいておりました。生産馬スーパーバンタム号が破竹の勢いで活躍されていて、少し雲の上の存在になってしまいましたね。今回は電話取材の様子を活字でお伝えしていこうと思います。ゆーすけさんどうぞよろしくお願いいたします。
ゆーすけ:お久しぶりです、よろしくお願いします。
まず、今年から導入された海外輸入種牡馬3頭から触れていきたいと思います。
今年新たに導入された種牡馬は、2021年欧州ファーストクロップリーディングサイアーに輝いたカラヴァッジオ(日本軽種馬協会)とトラヴァーズSなどを勝利したウィルテイクチャージ(ダーレー)、BCジュベナイルターフを勝利したストラクター(レックス)がいます。
この中では種付け料で見ても、カラヴァッジオが一番今年の新種牡馬では目玉にはなるのかなと思います。
この馬はすでに海外で種牡馬経験があり、欧州ではG1ホースも出していますからね。
ジェイ:すでに海外で実績を出してから日本に導入される、ニューイヤーズデイパターンの種牡馬ですよね?
ゆーすけ:そうです、あとは日本の芝適性がどうかという部分と、スキャットダディ産駒なので、ダートでも潰しが効くかなという感じはします。
あとは基本的にはスプリンターです。
現段階でも人気はあるらしいんですが、路線的には限られてくるのでクラシックタイプではないですよね。
そこらへんは、生産者としても好き嫌いがあるかなと思います。
ジェイ:以前お話しさせていただいた時にもゆーすけさんはダート適性のある種牡馬をつけて地方馬主さんに売れるようにしたいとおっしゃられていましたよね、日高系の小規模牧場においてその種牡馬の産駒がダートをこなせるかはかなり重要ですよね?
ゆーすけ:はい、おっしゃる通りダート適性がある馬が候補にはなってきますよね。
カラヴァッジオは日本軽種馬協会が導入した種牡馬です。
この協会は民間企業というよりは、公的な立ち位置(※公益社団法人)になります。
種付け料を見てもカラヴァッジオは、社台SSが入れたら500万円とかになると思うんですけど、今回300万というのは種付け料的にはお買い得感はあるかなと思いますね。
ヨーロッパにそのままいたら、300万円ではつけられなかったですよね。
タイプ的には、1発大物というよりはアベレージの高い種牡馬なのかなと思います。
ジェイ:それはどんな部分で感じるのでしょうか?
ゆーすけ:カラヴァッジオは母系が古くないんですよね。
例えばゴールドシップとか、母系がすごく古いですよね。
これは僕の考えですが、こういうタイプはアベレージタイプではないと思っています。
距離適性が短い馬はそもそもハズレが少なくてアベレージタイプが多いです。
短距離の馬はスピードもありますしね。
あとは日本の芝適性がどうか?という部分ですかね。
ジェイ:欧州と日本違いますもんね?最近の傾向を見ていると、例えばマインドユアビスケッツとかもそうですが、北米の種牡馬が活躍していて、ガリレオなど欧州系の種牡馬は若干苦戦気味な印象を受けますがそのあたりはどうでしょうか?
ゆーすけ:カラヴァッジオは欧州馬ですけど、生産は北米です。
血統を見ると父スキャットダディと母父ホーリーブルでバリバリの米国系血統ですよね。
スキャットダディ系でいうとミスターメロディがいますけどこれも生産牧場の間ですごく人気なんですよ。
今年も満口で受付終了しています。
芝でG1勝っているけどダートも走っていますし、日高で言うとアメリカっぽいガッチリした種馬は人気があります。
馬体がでかくなりますしマッチョだとセリで見栄えするので、血統的にはミスターメロディの分も流れてくると思います。
軽種馬協会の馬は基本的に種付けできるのですが、申し込み頭数が多くなりすぎると、繁殖の競争成績とか繁殖成績がいい馬を優先されることがあります。
そういう意味でも、日高で種付け料300万円は安くはないんですけど、繁殖の質もなかなかいいのが集まると思います。
ジェイ:ホースガーデンしらおいさんでは、カラヴァッジオの種付けは検討されたんですか?
ゆーすけ:300万円ということを考えるとちょっとうちの規模ではリスクが大きいかなと思います。繁殖の頭数もオーナーさんの預託馬も含めて5頭なので、、、。
あと外国でもう1頭あげたいのがウィルテイクチャージというダーレーの馬です。
南関東ダートが交流になるのがあるじゃないですか?それを見越しての導入かなという感じがするんです。
ジェイ:なるほど、確かに地方上位路線は整備されてハイレベルになっていきそうですよね?
ゆーすけ:そうですね、この馬は大物を出すかなと思います。
多分ダート1800mとか、適性的にはダート中距離限定になると思いますがお父さんアンブライドルズソングということで、日本でも血統が走っている馬も多いです。
ロードクロサイトとかもそうですよね。
ジェイ:コントレイルのお母さんですね?
ゆーすけ:そうです、コントレイルは母父アンブライドルズソングですよね。
あとラヴェリータというノースヒルズの牝馬で交流重賞勝ちまくった馬がいます。
あとノットゥルノの母父とかですね。
そう言う部分でダート中距離というのは間違いないかなと思います。
これに関してもアメリカで種牡馬をやっていたら、種付け料120万円ではつけられないんじゃないか?と言う感じですね。
お得感はすごくあると思います。
ジェイ:種付け料120万だと、小規模生産牧場でも現実的なお値段になってきた気もしますが、こちらはホースガーデンしらおいさんでは?
ゆーすけ:自己所有の繁殖牝馬が1頭しかいないので、そう言う部分で今年は他で決めてしまった部分があるので縁がなかったんですが、機会があればつけたい1頭ではあります。
預託の繁殖のオーナーさんには、この種牡馬を進言しようかなと思っています。
最終判断はオーナーさんになるんですけどね。
ジェイ:そのくらいいいと思っているということですね?
ゆーすけ:そうなりますね!
日本の注目種牡馬
ジェイ:なるほど、よくわかりました。ありがとうございます。続いて、日本の種牡馬だと気になる馬はいますか?
ゆーすけ:そうですね、サリオスとチュウワウィザードに注目していますね。
サリオスに関しては唯一社台SSの新種牡馬です。
ハーツクライの後継種牡馬ですが、2歳のマイルとか1800とか割と短めから走れるハーツクライ後継はかなり需要があると思います。
母サロミナはドイツオークス馬。
産駒が全部活躍していて、僕は第二のシーザリオはサロミナじゃないか?くらいのことを考えています。
ジェイ:なるほど、そこまでですか!母サロミナは有名なドイツSラインってやつですよね?やっぱり種牡馬のボトムラインは重要視されていますか?
ゆーすけ:一番下のラインは見ますね、血統表の。
ここが活躍馬をたくさん出している方がやっぱり期待はできますよね。
ジェイ:チュウワウィザードの方はどうですか?
ゆーすけ:ぶっちゃけ最初自分の繁殖に種付けしようと思ったんですけど、即満口だったので別の馬を種付けすることにしました。
最近は年々日高でもダート種牡馬の需要がすごく高くなってきています。
一昔前ならダートで日本でG1を勝ちまくっていても社台SS以外では、種付け料100万なんてありえなかったんですけど、今は120万でもみんな安いと言っているくらいですからね〜。
特に優駿SSなんて、ダート種牡馬しかいないんじゃないの?というくらいですよね。
今年もインティ、アルクトス、ケイティブレイブとか、ダート種牡馬ばかりですよね。
ジェイ:地方ダート路線の整備で、種牡馬や生産のトレンドが変わりつつあるのかもしれませんね?今回はホースガーデンしらおいのゆーすけさんにお話をお伺いしました。ありがとうございました。次回はゆーすけさんに、ご自身の牧場で種付けを行う種牡馬などについて伺っていきます。次回の記事もどうぞお楽しみに。
ゲストプロフィール:ゆーすけさん
競走馬の生産や引退馬のリトレーニングなどを行うホースガーデンしらおいの牧場主。
代表生産馬は石川ダービーや西日本ダービーを制すなど17戦11勝(執筆時)のスーパーバンタム。
生産牧場の日常等をYouTubeチャンネルにも掲載し発信している。
2 Responses
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エポカドーロ忘れてんぞ!コラ!