【PON馬券塾】今日から使える「ワイド」活用術

皆さんこんにちは。馬券師PONです。
前回は「複勝」の極意をお伝えしましたが、今回からは具体的なメソッドを券種ごとにご紹介します。今回のターゲットは「ワイド」です。ぜひ最後までご覧ください。

<PON馬券塾バックナンバー>

万能な馬券、ワイド

ワイドとは、3着までに入る2頭の組合せを馬番号で的中させる投票法。
同着の場合を除き、基本的には当たりの組み合わせは3通り存在します。
ですが3通り存在する分、配当は馬連よりも低くなる傾向が強いです。

ワイドの史上最高配当は昨年の12月25日、有馬記念デーの中山7R、3歳1勝クラス。
1着にトロワシャルム(12番人気、単勝オッズ72.1倍)、2着にデリシュレーヌ(6番人気、単勝オッズ17.7倍)、3着にヴォーグマチネ(16番人気、単勝オッズ512.3倍)という大波乱で、
トロワシャルムとヴォーグマチネとのワイドはなんと1606.2倍もつきました。

ワイドは堅実に当てに行く馬券と見せかけ、こういった大きな配当も時として狙える、ある意味万能な馬券かもしれませんね。初心者にも扱いやすい券種だと思います。

私はワイドは基本1点で買うことがほとんどです。

ワイドは複数点買っても儲けられる馬券であり、「流し」や「BOX」などを使う方も一定いると思います。
実際ワイドには的中組み合わせが基本3通りあるので、流しなら2通り、BOXなら3通り全て当たることもあります。

しかし、配当が低いので、極端な穴狙いの時を除き複数点買うことを続けていると、余程の的中率でない限り、回収率100%超えはなかなか難しいと思います。

ただし

・軸馬が超大穴の場合
・大穴が複数頭いて、BOXを組みたい時

など、時と場合に応じてワイド多点買いはアリだと思います。



ワイドか、3連複か

では、ワイドとどう向き合えば良いのか。

結論から申し上げると、私はワイドはそこまで頻繁に買いません。

それは何故か、今からお話しします。

「ワイド1点」って、「3連複2頭軸全頭流し」と、やっていること同じなんですよね。

私はその軸となる2頭以外にも「軸ではないが、この馬が来る期待値は高そう」「この馬はどんな展開でも馬券内はなさそう」などと、予想の緩急をつけていることがほとんどです。

それに応じて、馬券の相手や購入金額にも緩急をつけることで、ドンピシャな場合により多くの払い戻しを狙うことが大前提です。

極論、紐の馬が1頭でも切れたら、「ワイド1点」よりも「3連複2頭軸流し」の方が期待値は高くなるんですよね。

ただし、3連複2頭軸で買うと、紐抜けのリスクが生じます。
また、ワイド1点なら最低100円で購入できますが、3連複だと最低でも紐の点数×100円の資金が必要です。
そういうことを踏まえると以下の様に整理することができます。

3連複2頭軸を買う場合

・軸となる2頭以外のいわゆる「紐」の選定がしっかりしている時
・それなりに資金を使える時

ワイドを買う場合

・軸となる2頭以外の予想に自信がない時
・あまり資金を使いたくない時

という使い分けができると思います。

私はしっかり予想するタイプなので3連複を使う割合が高いですが、2歳戦のように相手の選別が難しいレースに関しては、ピンと来た2頭のワイド1点を選ぶこともあります。

展開を考えろ!馬連とセットで買え!

ワイドを買う上で重要なのは、「展開予想」です。

強いと思った2頭を展開を無視して、闇雲に買うことはあまりお勧めしません。
自分がワイドを買う時は、まず本命馬を決めて、その本命馬が来るような展開(逃げ、追込など)の時に一緒に突っ込んできそうな馬を選び、その2頭のワイドを買います。
基本的に「人気馬-穴馬」の組み合わせの時が多いですが、「穴馬-穴馬」の組み合わせを買う時もあります。

またワイドを買う時、私はほぼ100%、添える程度に「馬連」を一緒に買います。

ワイド単品で大儲けすることは簡単ではないですが、馬連1点勝負するほど毎レースピタッと当てられるとも思えないので、馬連で大儲けを狙いつつも、ワイドでリスクヘッジもする手法を取っています。
配当にもよりますが大体「馬連:ワイド=1:3〜1:4」くらいの割合で買うようにします。

因みにこれは、先日述べた単勝を添える買い方と理屈は大体同じです。

「展開を考えろ!」「馬連とセットで買え!」という心得に関して、
これらが全て結集した実際に買った渾身の馬券で説明したいと思います。

2021年鳴尾記念。

私はどちらを本命にするか2頭で迷っておりました。

2走前から復活してきており、このメンバーなら元々持っているポテンシャルで押し切れてもおかしくないユニコーンライオン。
超絶中京巧者で、良馬場とはいえ少し雨が残っている馬場もマッチしそうだったショウナンバルディ。

この2頭を推していた理由として、「このレースで前に行くメンバーが手薄だった」ことが挙げられます。
なので、当初はこの2頭の単勝を買って、なんとかどちらか逃げ粘ってくれ…!と祈る予定でした。

しかし、ここで私は考えました。

「このレース、相当前が手薄だ…。これ、もしかしたらどっちも残る可能性あるんじゃ…?」

そこで急遽、単勝の額を減らし、その分馬連とワイドを追加購入することにしました。

僕の購入した馬券とそのコンセプトは以下の通りです。

単勝 3 ユニコーンライオン(8番人気20.6倍)
単勝 8 ショウナンバルディ(9番人気24.1倍)
→各500円、これだけでも十分プラス

ワイド 3-8(35.5-37.0倍)
→800円、大当たり

馬連 3-8(184.2倍)
→200円、jackpot

すると、結果はこうなりました。

2021鳴尾記念結果
的中馬券

思っていた通り先行手薄で、1000m通過が1.02.9というどスローで流れ、前にいたユニコーンライオンとショウナンバルディがそのまま粘りゴールイン。

展開読みが大成功し、見事単勝、ワイド、馬連の総取りに成功したのです。

勿論、馬連3-8に2000円を全ツッパしていた方がより多くの払い戻しを獲得していたことになるのですが、それは結果論です。
展開をよく考え、単勝、ワイド、馬連を上手く資金配分した結果、大勝ちとリスクヘッジのバランスを保ちながら馬券を購入できたところが今回のポイントです。



ワイドも、単勝と同様「レンジ」を明確にするべき

単勝の記事で、「このオッズなら単勝を買うというレンジを決めておくことが大切」というお話をしましたが、これに関してはワイドも同様です。

先述の通り、私はワイド単品で馬券を買うことはほとんどなく、主に馬連とセットで馬券を買うことが多いです。
なので、ワイド単品のみの的中でも十分利益になるオッズの時のみワイドを購入します。
それよりもオッズが辛い場合は、ワイドは捨て馬連など他の券種を検討します。

私はワイドを買うレンジとしては最低10倍です。
ですが、これも単勝と同様その人の馬券スタイルによってレンジが変わってくるので、経験を基に柔軟に決めていきましょう。

ワイドは初心者でも比較的当てやすい馬券である反面、非常に奥が深い馬券だと思っております。
ワイドと上手く付き合っていくことが、馬券力向上の1つの鍵だと思いますので、ワイドを効果的に活用できるよう、分別をしっかりとつけていきましょう。

このように、各馬券の券種について、どういう買い方をしていったら良いのか、次回以降も考察していきたいと思います。
次回は『枠連』です。お楽しみに!



<ライタープロフィール>

競馬予想系YouTube「PON HORSE CLUB」を運営。
江分輪太の弟子。馬券は穴から。
極度の現地観戦主義者で、1年間で競馬場に72回行ったことも。
ヤクルトスワローズ・川崎フロンターレ・大相撲・お笑い芸人・酒を愛する男。
一口馬主はキャロット・シルクに入会中。代表馬はシルブロン・アンクロワなど。

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