No.1調教助手に聞く!『活躍する馬』の特徴とは?

どうも、ジェイです。一口馬主をされている皆様は「活躍する馬」の特徴について仮説と検証を繰り返す日々なのではないでしょうか?私はそうです。(笑)

今回は元荒尾競馬厩務員で、現在はRSS所属でオーストラリアのバララット競馬場No.1トラックライダー(調教助手)の森信也さんにお話を伺いました。

アドマイヤデウス”や豪州のスーパースター”ネイチャーストリップ”の背中を知る森さんが語る「活躍馬の共通点」とは、一体なんなのでしょうか?



 No.1トラックライダー!!

ジェイ:所属するバララット競馬場で、とある賞を受賞されたと伺ったのですが?

森(敬称略):僕が所属しているバララット周辺地区の21−22シーズンの

『トラックライダー オブ ザ イヤー』

に選んで頂きました。
調教師や騎手への表彰は長年行われてきましたが、2018年にトラックライダーとステーブルハンド(厩務員)への表彰が新たに出来て今年で5回目の賞になります。

審査の基準は示されているわけではないのですが、各厩舎から1、2名が調教師推薦で出され、書類選考の後、最終候補者4、5名に絞られ投票で決められるようです。


5年前の第一回目の際にも最終候補まで選んでもらっていたのですが残念ながら選出されず、翌年に期待していたのですが、その年に足の骨を2箇所、手を1箇所骨折してしまい、1年近く乗ることが出来ず推薦もありませんでした。

昨シーズンからはほぼ元通りに乗れるようになってきて3年ぶりに調教師推薦をいただき、この度受賞する事ができました。

大変ありがたいと思っています。
また過去3年はコロナの影響で表彰パーティは開催されず、発表のみだったので久しぶりの表彰パーティの場での受賞は嬉しかったです。



 なぜ異国の地で調教助手に?

授賞式の様子

ジェイ:受賞誠におめでとうございます。ところで森さんはなぜ、豪州でトラックライダーをされているのでしょうか?


森:オーストラリアに初めて来たのは2006年ですが、ここに来るまでは荒尾競馬場(現在は廃業)で厩務員をしていました。

その当時から競馬場の存続が危ぶまれており周りの仲間たちは『廃止後にどうしようか?』という話で持ちきりでした。

そこに知り合いから「オーストラリアに行きたい子はいないか?」と連絡を受け、それなら自分が行ってみたいと返事をしたのがきっかけです。

オーストラリアを含めて海外に興味があったわけではなく、荒尾競馬に籍を置いたままお試しで3ヶ月だけの渡豪でしたが、オーストラリアの環境が気に入り、3ヶ月後、荒尾競馬を辞め本格的に渡豪しました。
オーストラリアに来て最初の8年は当時バララットで開業していた日本人調教師の元で働き、その後フリーランスのライダーとして他の調教師の馬を乗るようになりました。


オーストラリアでは(日本でもそうですが)とにかく乗り手の数が足りません。

乗れる人というのは重宝されるので馬を選ばなければ調教にはまず間違いなく乗せてもらえます。

一番多い時で10人以上の調教師の馬を調教していましたが、メインで乗っていた厩舎が解散になったのをきっかけに現在のヘンリー ドワイヤー厩舎に昨シーズン前から所属しています。
現在はヘンリー厩舎の調教が始まる前に1頭、ヘンリー厩舎で12〜13頭、その後場所を移動して育成牧場で約7頭、1日に20頭ほどの調教に乗っています。

朝4時半から移動時間を挟んで終わるのはだいたい午後3時ごろです。

 トラックライダー=調教助手?

調教中の森氏(真ん中)

ジェイ:そもそも『トラックライダー』という言葉。日本では聞き馴染みがありませんが、具体的にはどのようなお仕事なのでしょうか?


森:トラックライダーとは日本でいうところの調教助手です。

JRAの助手さんは馬乗り以外にも事務仕事をする事もあるようですが、こちらではそれはありません。自分の働く厩舎は基本的に分業なので、自分が厩舎作業や馬装手入れをする事はほぼなく、ひたすら馬の調教に跨っています。


競馬場の馬場開場の時間が決まっていて、それまでに予定されている調教を終わらせる必要があります。

どの厩舎もそうですがライダーの数が足りていないので乗って降りてまた乗ってを繰り返しますのでとにかく体力勝負です。

そこも大変ではありますが、それ以上にその慌ただしい中で馬の状態をしっかりと判断しないといけない事がとても大変です。



ライダー目線の「走る馬」の特徴は?

ジェイ:ズバリ、これまで乗ってきた馬の中でこれは有名だ!という馬は居ますか?

森:有名な馬といえばネイチャーストリップが一番でしょうね。この馬は1歳で入厩して来て初日に乗った時に凄い馬だとは思いましたし、調教師も『スーパースターになる』と言っていました。

今は厩舎が替わって乗る事はありませんが、彼の活躍は嬉しいですね。


また、オーストラリアの馬ではないですが、日本からオーストラリアに移籍したアドマイヤデウスの検疫で調教に乗る機会をもらえたのは大きな経験となりました。

残念ながらレース前に故障してしまい、オーストラリアで走る事はできませんでしたが、走れていれば良い結果を残すことができたと思います。


他にも最優秀障害馬に選ばれたブラックアンドベント、日本に繁殖として輸出されたモシーン、ルモスティ、モアザンセイクリッドなど良い馬に乗せてもらいました。

ジェイ:日本でもよく目にする名前がずらりですね。(笑)育成段階から、これは!と乗っていて思う馬の特徴ってあるんですか?

・踏み込みが良い

・前脚の出が良い

・背中が良い

という言葉はよく目にすると思いますが、そういう馬は乗っていて気持ち良いです。走る馬になることが多いと思います。

調教の話でいうと動きがスムーズで追い切り中に

「自分の感じている時計よりも時計が出てしまう馬」

こういう馬は走ります。
それに加えて個人的には育成が進むに従って変化のある馬が好きですね。


いろいろな変化があるのでどういう風にと細かく説明するのは難しいのですが、成長に伴う馬体の変化、初めての追い切り後や初めてのトライアル後など要所要所で動きの変化のある馬は走る傾向にあると思います。

ジェイ:なるほど、その走る馬の兆候は、セリや一口馬主の募集馬情報などである程度計ることはできると思われますか?

馬の動きのスムーズさ”は募集馬情報の動画で知ることができると思います。

しかし前述した”変化”を完全に計るのは難しいですね。

こればっかりはどう成長するかによります。
RSSでは馬体の成長込みで馬を選んでいまして、今のところどの馬も良い方向に向いてくれていると思います。

特にトーセンスターダム産駒のライズトゥスターダムはセリ時に時間はかかるけどよくなりそうと3人で話していた通り、時間はかかっていますが放牧から帰ってくる毎に身体も動きもしっかりしていますし今後どのように変わっていくか楽しみにしています。



今後の目標は?

ジェイ:最後に、トラックライダーやRSSメンバーとしての目標などがあれば教えてください?

森:目標となると大きいレースを勝つ事なのでしょうけど、まずは丁寧に馬の能力を競馬でしっかりと出せるように調教していくこと、それを続けていくことでレースの大小に関わらず結果を出していきたいと思っています。

次は調教師に何かしらのアワードを取ってもらい表彰式のステージ上に引き上げたいですね!


RSSでの目標は初めから変わっていませんが、共有馬主の方々にオーストラリア競馬を楽しんでもらえるように一つでも多く勝てる馬を選んでいく事ですね。

ジェイ:RSSでは、僕の共有馬ホーリーシールの20(父グラント)もマネジメントしていただいています。豪州初勝利を是非この馬に届けてもらいたいと思います。森さん今回はお忙しい中ありがとうございました。

森:こちらこそ、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。

RSS森信也さんプロフィール

元荒尾競馬場厩務員、現在はRSSメンバー兼豪州でトラックライダー。ネイチャーストリップやアドマイヤデウスに騎乗経験あり。TwitterIDは@shiny_7592 RSSのTwitterは@RisingSunSynd

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