【種牡馬分析】海外で活躍する日本血統!サクソンウォリアーの産駒傾向と種付け料を考える

ジェイ
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どうも、ジェイです。
今回は欧州で活躍するディープインパクトの後継種牡馬サクソンウォリアーについて記事にしていきます。
よろしくお願いします。

サクソンウォリアーとは?

サクソンウォリアーは2015年生まれの父ディープインパクト、母父ガリレオの種牡馬です。

Aオブライエン厩舎所属でした。

母は欧州2歳女王だったクールモア所有の繁殖牝馬メイビー。

メイビーは日本でディープインパクトと交配し、サクソンウォリアーはそのまま日本で誕生しました。

生後6か月ほどでアイルランドに送り返されたサクソンウォリアーは、2歳の8月末にデビュー戦を3馬身1/4差で完勝。

次戦のG2ベレスフォードSも快勝、続くG1レーシングポストトロフィーでも勝利しG1初制覇を飾りました。

3歳でサクソンウォリアーは英2000ギニーに直行、ここも勝利しデビューから無傷の4連勝、G1で2勝目を記録しました。

続く英ダービーでは人気を集めたものの、4着に完敗。巻き返しを期した愛ダービーでは英ダービー以上の人気を集めるも再び敗戦と調子を崩します。

その後は距離を10ハロンに短縮し、連闘で臨んだエクリプスSから英インターナショナルS、アイリッシュチャンピオンSと3連敗を喫し、その後屈腱炎による引退が発表されました。

引退に際してオブライエン師は、マイルがベストだった可能性に言及しています。

戦績を見るとディープインパクト産駒ではありますが中距離馬というよりはマイラーであった可能性がありそうです。

現在はクールモアスタッドで種牡馬入りしていて、アイルランドでの種付けに加えてシャトルで豪州でも種付けを行っています。

血統的には父ディープインパクトのスピードを継承しつつ、母方のガリレオ由来の欧州系のタフネスやパワーが遺伝すれば、欧州や豪州の芝で活躍する産駒が多く出るのではないかと思います。

欧州ではガリレオ系の馬は多く活躍していますし、豪州でも特にマイル以上の距離になるとサドラー系など欧州系の血統を持つ馬は多いです。

種付け料の推移

アイルランド

2019年 30,000ユーロ(約360万円)

2020年 27,500ユーロ(約330万円)

2021年 20,000ユーロ(約240万円)

2022年 20,000ユーロ(約240万円)

2023年 35,000ユーロ(約420万円)

※1ユーロ120円で一律計算(現在145円前後のため注意)

豪州

2019年 30,000豪ドル(約270万円)

2020年 17,600豪ドル(約160万円)

2021年 13,750豪ドル(約120万円)

2022年 19,250豪ドル(約170万円)

※1豪ドル90円で一律計算

種付け価格は北半球南半球ともに下落気味でしたが、2022年南半球~2023年北半球種付けから種付け料がアップ。

重賞馬3頭を含む産駒の活躍により評価が高まっているものと思われます。



活躍産駒

ヴィクトリアロード

馬齢:3歳

性別:牝

厩舎:Aオブライエン厩舎

血統

母:Tickled Pink

母父:Invincible Spirit(Danzig系)

戦績(執筆時点):8戦4勝

主な勝ち鞍:G1ブリーダーズカップジュベナイルフィリーズ、G3コンデ賞

一言コメント:芝マイルを中心に活躍、BCジュベナイルフィリーズに遠征し勝利した。デビューから4戦はスプリントレースを使い勝ち星がなかったが距離を伸ばしてから成績が改善。現在4連勝中。今後はフランスクラシック路線を目指すのではないかと報じられている。

ムーンレイ

馬齢:3歳

性別:牝

厩舎:N Clement厩舎

血統

母:Demeanour

母父:ジャイアンツコーズウェイ(Storm Cat系)

戦績(執筆時点):5戦2勝

主な勝ち鞍:G3ミエスク賞

一言コメント:アメリカ生産馬で現在はアメリカ調教馬。米血系との組み合わせでの活躍馬となっている。本来ディープ産駒とStorm Catは好相性、そこを素直に継承する形もGOODか?芝1200m~1400mで出走。

グリーンランド

馬齢:3歳

性別:牡馬

厩舎:Aオブライエン厩舎

血統

母:Aktoria

母父:Canford Cliffs(リファール系)

戦績(執筆時点):7戦2勝

主な勝ち鞍:G3グレフュール賞

一言コメント:フランスダービー前哨戦であるG3グレフュール賞を勝利、 芝マイル~中距離で良績。

ルミエールロック

馬齢:3歳

性別:牝馬

厩舎:Jオブライエン厩舎

血統

母:Last Gold

母父:Gold Away(ヌレイエフ系)

戦績(執筆時点):5戦1勝

主な勝ち鞍:G3スタフォーズタウンスタッドS

一言コメント:未勝利ながら挑んだG3で7頭立て6番人気の低評価を覆し勝利。勝利したのは芝マイルのレース。母Last GoldはAnabaaを通じてDanzigを持つ他、Blushing Groomのクロスが特徴。



活躍傾向

現時点で顕著な傾向は出ていませんが、仮説としては…

①    母系にDanzig持ち

②    母系にStorm Cat持ち

この2つが考えられるかと思います。

活躍馬は欧州に現時点で集中しており、豪州は執筆時点でデビュー頭数が少ないです。

そのため、今回は欧州の結果を中心に考察しています。

①Danzig

そもそも、Danzigとディープインパクトは相性がいいと私は考えています。

日本国内のデータを見ると、父ディープインパクト、母父Danzig系の馬はサンプル108頭で勝ち上がり率71%と非常に高い数字となっています。

また、サクソンウォリアーの場合母父は欧州系のガリレオです。

ガリレオ(サドラー系)とDanzigの配合は欧州や豪州では定番中の定番の好相性配合となっていますから、こちらの要素で考えても相性はいいのではないかと思います。

今回重賞未勝利のため取り上げていませんが、日本国内で活躍するアドマイヤイル(中央1勝、G3毎日杯出走)も母父Danzig系です。

②Storm Cat

これはまだサンプル不足感がありますが、ディープインパクトの後継種牡馬ですでに種牡馬自身がStorm Cat等米血を持っている場合は母系で米血をさらに刺激するタイプの馬はそうでない馬に比べて活躍率が高くなっている印象はありません。

一方、サクソンウォリアーのようにディープに欧州系の血統を合わせたタイプの後継種牡馬はディープインパクトとの黄金ニックス、母系にStorm Catをそのまま当てはめられる可能性がありそうです。

今後サンプルが増えてきて母系にStorm Catを持っている産駒の傾向がどうなっていくか要注目だと思います。

豪州で共有募集馬も

サクソンウォリアー産駒は、日本国内ではインゼルなど一部の一口馬主クラブで出資をすることが可能でした。今年も募集馬ラインナップに上がれば、出資が叶う可能性があります。

父ディープインパクトとはいえ母欧州系の種牡馬にはなるので、日本のスピード馬場に対応できるスピードがありそうか?産駒をしっかりと見ていただきたいと思います。

個人的には欧州系種牡馬は日本だとパワータイプに振れすぎてしまい、重すぎることもあるので注意が必要だと思います。

一方、今後活躍が広がることが予想されるオーストラリアで、共有馬主を先日まで募集していた厩舎があります。

私がリアルスティールの牝馬、トゥルーを共有している中條厩舎(JAPANOZ)です。

募集されていたのは21年10月生まれの1歳牝馬のカクテルアワーの21です。

母父はBMSランキング1位常連のリダウツチョイスです。

リダウツチョイスはDanzig系の大種牡馬。今回取り上げたサクソンウォリアー産駒の活躍傾向の仮設にもマッチします。

現時点でサンプルは少ないですが、重賞勝ち馬は牝馬が多いのでこの馬が牝馬であることも強調できるポイントの1つかなと思います。

きょうだい馬は2頭が出走し、コバヤシ産駒の半兄が1勝。

母系をたどると3代母から日本で活躍したグランプリボスが出ています。

2代母と母の繁殖能力はもう一歩という印象を受けますが、この馬の1/40口の値段はわずか330ドル(1ドル90円計算だと2.97万円)。

これは6月末までの預託料込みのお値段です。

とんでもないお安さですよね(笑)

お安さの理由はもう1つあって、サイズの小ささです。

この馬は馬体重が募集時400㎏と小柄で管囲が18.5cmしかありません。

だからこそ破格の値段で落札できたということですね。

私の共有馬トゥルーも募集時は400㎏前後の小柄な牝馬でしたが、現在デビュー前ではありますが、現在は450㎏を超えるほどの馬体に成長しました。

今回の募集馬も今後の育成の中で、馬体が増えてくるといいですね。

豪州共有馬主になるために、特別な資格取得や所得要件などはありません。

他の共有馬主募集馬もいますので、気になる方、問い合わせたい方は中條先生のTwitterJAPANOZHPからお問い合わせください。

豪州ではまだサクソンウォリアー産駒の活躍馬は執筆時点で出ていませんので、今後の活躍には僕も注目したいと思いますし、同じ厩舎の馬として今回の馬も応援していきたいと思います。


ジェイ

現役地方&海外馬主・競馬ライター

登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。

—最近の私–

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