今回はJJ Racing Clubで落札したタガロア産駒の牝馬について記事にしていきます、よろしくお願いします。
今回はJJ Racingに投稿した血統コラムの短縮簡易版になります
これで私(エムイシ)も馬主に!!!!
JJ Racing Club初の落札馬にして、検討会でトップクラスの評価であり、日本人にも馴染み深い血統という、サロン発足1頭目にしては十分すぎる馬ではないでしょうか?
オーストラリアで馬主になるなんて、先月まで全く想定していませんでしたが、めちゃくちゃいい馬が落札できたので、早速血統考察していきたいと思います。
lot1165について
基本情報
父 Tagaloa
母 Galivant
牝馬 9月30日産
落札価格 3.5豪万ドル(約340万円/消費税・保険料などは別)
父Tagaloa
父ロードカナロア
母父ハーツクライ
日本人に非常に馴染み深い血統構成です。
母はキャロットで募集された日本馬。
オーストラリアに輸出されたあと、シャトルでオーストラリアに来たロードカナロアと配合されたのがタガロアです。
父も母も日本馬なので、タガロアはオーストラリア産まれの純日本人ですね!(ちがう)
ロードカナロア×ハーツクライは非常に相性がよく、ケイデンスコールやトロワゼトワルがでています。
これはキングカメハメハのナスペリオン(ナスルーラ×ハイペリオン)とトニービンのナスペリオンが呼応し、質の高い末脚に繋がります。
タガロアは早期引退しましたが、この血統は本来成長力に富む血統。
前述のケイデンスコールやトロワゼトワルも2歳で勝ち上がり、古馬で重賞を制しています。
タガロアの配合には3つのポイントがあります。
キングカメハメハとトニービンのニックス
▶前述の通り
アーモンドアイと同じヌレイエフのクロス
▶ヌレイエフの母スペシャルによるナスペリオンが強く発現し、東京競馬場など長い直線で伸び続ける持続力の源になる
カナロアの柔らかさを阻害しない配合
▶カナロアはセクレタリアト=サイリーンシーの影響で緩慢になりすぎるので、ヌレイエフなどの締める血でバランスをとる
その全てがバランスよく配合できているのがタガロアと言えます。
母Galivant
JBISによるとアイルランド生産馬で、14戦2勝。
内5戦1勝がオーストラリアに移籍してからのものでした。
母母からはオーストラリアのシドニーカップ(G1 3200m)の勝馬も出ており、ブラックタイプも多数。
その活躍を見てかはわかりませんが、本馬の母も欧州でデビューしましたがオーストラリアに輸入されました。
父ガリレオは説明不要の超絶天元突破最強種牡馬。
日本では直子だと重すぎますが、2代前になるとモズアスコットやキングオブコージなど多様なパワー&スタミナ産駒を排出しています。。
母父ダルシャーンは2003年フランスリーディングサイヤーで、父系特有のスピード&パワーに母系のフランス的キレを足して瞬発力を持った馬。
母母父アイリッシュリヴァーはフランスの名マイラーで、父系ネヴァーベンドのスピードに母系のフランスを兼ね備えた名馬。
全体としてはガリレオの重厚さが強く見えるものの、牝系の柔軟性を持ったネヴァーベンド×フランスの血が中和しています。
総論としては、非常に重厚で瞬発力のある欧州クラシック血統。
Lot1165考察
父タガロア内でカナロアニックスのヌレイエフ5×5を持ちます。
そこに母父父サドラーズウェルズが配されることにより、ヌレイエフ≒サドラーズウェルズ 6・6×3となります。
また、牝系に2本あるネヴァーベンドは、ラトロワンヌの影響が強いパワー系機動力型のナスルーラ血統。
そこに柔軟性を刺激するプリンスキロとカウントフリートを迎えることにより、柔軟性と瞬発力に富んだミルリーフとリヴァーマンが輩出されました。
そしてlot1165の母母は、ミルリーフ≒リヴァーマン 3×3。この影響を強く受けた、キレと柔軟性を持ちます。
まとめ
タガロアは2歳から走ったものの、基本的には3歳で花開く血統。
距離はマイルが下限で、2000m辺りが守備範囲でしょう。
血統の輪郭はパンサラッサに*似ており、そのパンサラッサの持ち味は驚異的な持久力(バテなさ、粘り)。
広い東京やドバイ、サウジで結果を出したように、広いコースで最高速を維持し続ける能力がずば抜けていました。
また、ダートや坂をモノともしなかったようにサドラー≒ネヴァーベンド由来のパワーも光りました。
*(ロードカナロア・サドラーズウェルズ・シャーリーハイツ・サッチ=スペシャルが共通)
明確に違う点は父母父ハーツクライですが、ハーツクライもドバイで勝ち、超タフなKG6&QESで伝説の死闘を繰り広げたように、能力の方向性は同じ。
父タガロアも勝ったレースは早めに抜け出し、後ろから迫られても決して抜かせない粘りを見せました。
もちろんここまでうまく噛み合い切るとは思いませんが、血統から見れる最大値(ゲームで言うところの爆発力的な)は非常に高いのではないかと思います。
重厚すぎる可能性も
ただ、唯一懸念点を上げるとすると、ガリレオとキングカメハメハの血統の輪郭が近く、そこの特性がオンになると重厚すぎるようになります。
また、ミルリーフ≒リヴァーマンは、カナロアの柔軟性の源セクレタリアト=サイリーンシーとかなり近く、ここの特性がオンになると緩慢すぎるようになります。
どちらが出ても、日本で言えばキングオブコージのような2500mでようやく丁度いいという産駒になる可能性があります。
馬の特性上、どのように出るかは走ってみないとわからないので可能性は無限大とお茶を濁して記事を終わらせたいと思います。
本馬はJJ Racing Club内で先行募集を行ったのち、残口がある場合はJAPANOZで共有馬主を募集する可能性があります。
JAPANOZで募集する場合は、一般の方でも共有可能ですのでぜひホームページや中條調教師のX(旧Twitter)をチェックしてみてください。
M石土井
ゴルシ産駒研究者
一口馬主を京都サラブレッド、YGG、広尾、DMM、ノルマンディーなどで楽しんでいる、ゴルシ産駒研究者。noteにてゴルシ産駒にまつわる投稿を行っている。血統分析に重きを置くスタイルで、代表出資馬はドライスタウトやグランベルナデット。ゴールドシップ産駒ではオルノアやブルーローズシップなどに出資している。
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