【種牡馬分析】今日本で最もコスパがいい種牡馬!?種付け料400万円のシスキンが勝ち上がり率50%超えを叩き出した要因と好走配合を分析する byエムイシ

ジェイ氏から

「エフフォーリア良いっすよ!めっちゃ勝ってる!これは数字(閲覧数)が取れる!」

と言われてエフフォーリアの記事を書き終えた頃、追加で連絡が来た。

「シスキンも良いみたいなんで、ついでにやっときますか」

全血統派の皆さん、ついに非血統民にシスキンがピックアップされるようになりました。

感謝の代わりにこの言葉を送りましょう。

「おせえよ」


ようやく「俺達のシスキン」が日の目を浴びました。

では何故血統派たちがシスキンに鼻息荒くしていたのかを含めて解説をしていく。

シスキンという日本競馬の象徴


日本は ウインドインハーヘアの国 
だ。

それに意義を唱える人はいないだろう。

直系の広がりはさることながら、今の日本競馬はディープインパクトブラックタイドの兄弟が席巻している。
以前取り上げたレイデオロも復権気味だし(そもそもダービー馬なんだが)、やはりこの血は凄い。

何故シスキンの話なのにウインドインハーヘアの話をしたのか?

それは「シスキン = パーフェクト・ウインドインハーヘア」だからである(暴論)

血統分析

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まず一番わかりやすい部分で言えば、シスキンの母が強烈なSir Ivor ≒ Drone ≒ Secrettame(4・5×3・4)を持っている。

Sir Ivorは、ディープインパクトの母父母父で、しなやかさの源泉。

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特にイクイノックスはこのSir Ivor ≒ Droneを強化していると言えばその特性がわかりやすいか。

更に父側からもSir Ivorを強化するSir Ivor ≒ Incantation ≒ Cequilloを継いでおり、極めて優れたキレを生み出していた。

アイルランド2000ギニーを見ると、絶望的な「前が壁」から、無理やり進路をこじ開けた瞬間に爆発したキレ。

これこそがSir Ivorである。

https://youtube.com/watch?v=NIU985ZrR9A%3Frel%3D0


ただ、Sir Ivor的血統が濃いだけではこんなに興奮はしない。

シスキンには、イクイノックスに通じる「日本競馬の必需品」が揃っている。

日本競馬の必要な能力

日本競馬は、世界的に見ても特殊である。

・芝を頂点としたレース体形(欧州的)
・究極に軽くスピード勝負(米国的)
・整備された競馬場(米国的)
・レースは駆け引きのキレ勝負(欧州的)
・長距離が比較的権威を保っている(欧州的)

ざっと思いつくだけでもこんなものか。

これらは、輸入種牡馬を時代によって米国・欧州のトレンドを追い続けた日本競馬のあり方だ。

欧州的な競走体系をとりつつ、整備された競馬場を追求。
その結果、「走り自体は非常に軽い」「長距離の権威」「レースの駆け引き」があり、米欧両方のニュアンスが必要になっている。

その結果、日本競馬は「ディープインパクト(サンデーサイレンス×ウインドインハーヘア)」と言う軸を置きながら、キズナのような米国血統クロワデュノールのような欧州血統がトレンドによって揺れ動いている。

米国的な究極の軽さと、欧州的な強固な芯。
その両者を両立させなくてはならない。

話が遠回りしたが、何がいいたいかと言うと、逆説的に「シスキンはウインドインハーヘアになりうる」ということだ。

噛み砕いていこう。

シスキン ≒ ウインドインハーヘア

シスキンとウインドインハーヘアに共通する Sir Ivor については上記のとおりだ。

ここから、この「暴論」の核心を解き明かすために、まずは日本競馬の絶対精神であるウインドインハーヘアの血統構造を要素分解してみたい。

ウインドインハーヘアという繁殖牝馬の本質は、サンデーサイレンスと出会うことで名血を凝縮した「キレ(柔)」と「スタミナの芯(剛)」の共存にある。

ウインドインハーヘアの母父サーアイヴァーについては一通り説明したので、父リファールについて話そう。

日本競馬とリファールは切っても切れない関係にあり、ディープインパクトはもちろん、ハーツクライにもしっかりと血が流れている。

それらの血を引く馬で最上級の馬たちはリファールクロス率が非常に高い

ディープインパクト&ブラックタイド
・ジェンティルドンナ(4×4)
・キタサンブラック(4×4)
・イクイノックス(5・5×4) ほか
ハーツクライ
・ドウデュース(4×4)
・リスグラシュー(4×5・4) ほか

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イクイノックス リファールの5・5×4 

リファールは、ハイインロー(ハイペリオン×サンインロー)的な持続力や驚異的な先行力を強く伝える。

ハーツクライ自身が3歳は善戦マンだったのに、4歳秋に覚醒して先行抜け出し型になったり、イクイノックスやリスグラシューが古馬になって先行してとてつもないパフォーマンスを出したが、あれをイメージしてもらえたらわかりやすい。


そしてウインドインハーヘアに戻ると、この「リファールの持続力」「サーアイヴァーのキレ」が脈絡したことで、あの日本競馬を支配する極上の競走能力が誕生した。

しかし、しなやかすぎるキレの血は、それ単体では日本の高速馬場において上滑りし、ひ弱さや底力不足(大舞台でのジリ脚)に繋がりかねない。

それを裏からガッチリと支えているのが、ウインドインハーヘアの母バーグクレア(Burghclere)が内包する「欧州的な重厚な芯」である。

バーグクレアの配合は、父バステッド(Busted)×母ハイクレア(Highclere)
この配合は欧州の非常に重厚な、かつ底力に非常にあふれる構成。

超単純化してしまえば、先程あげた「ハイインロー(HyperionとLady Juror、あるいはFair Trialなどの組み合わせ)」の結晶なのだ。

ウインドインハーヘアの偉大さとは

「リファールの粘り+サーアイヴァーのキレ」

「バステッドやハイクレアの重厚なハイインローの芯」が底支えしている

という、完璧な剛柔のパッケージングにある。

シスキンとかいうなんか全部ちょうどいいやつ

「パーフェクト・ウインドインハーヘア」

話をシスキンに戻そう。
なぜシスキンが「パーフェクト・ウインドインハーヘア」なのか。

彼もまた、自身の体内でこの「キレ(柔)」と「欧州の芯(剛)」の二大構造を、高次元で再現しているからだ。

第一に、キレ(柔)のシンクロ。

シスキンは母系に「Sir Ivor ≒ Drone ≒ Secrettame」という、ナスキロの最高峰の血を驚異的な密度でクロスしている。

これは現代日本競馬の最強のトレンドである「Alzao ≒ ダンシングブレーヴ」と完全に同義だ。

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イクイノックス アルザオ≒ダンシングブレーヴ

イクイノックスが誇る究極のキレもこの脈絡の強化から説明できるが、シスキンはサンデーサイレンスを一滴も持たない身でありながら、この最高級のキレのツールを自前で用意している。

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シスキンの母 バードフローン
サーアイヴァー≒ドローン≒セクレタム
(更に父から Incantation ≒ Cequillo)

第二に、欧州の芯(剛)におけるハイインロー的合致

ウインドインハーヘアにおけるバステッドやハイクレアのような「ヨーロッパの重厚な芯」を、シスキンの血統表はこれでもかという多層構造で再現している。

この血統表の中のハイインローと言えばミキシドマリッジ(Mixed Marriage)だが、それだけではない。
父系、母系のあらゆる角度からハイインロー的活力と欧州の底力がこれでもかと波重しているのだ。

書き出すとキリがないが、ボトムラインを覗くと血統派が鼻血を出すような名血がこれでもかと詰まっている。
紹介済みのSir Ivorを除いてもこのような状況だ。

ダンジグ(Danzig): 日本の高速馬場に耐えうる強固なハイインロー的パワーの塊。
コートリーディー(Courtly Dee): ネヴァーベンドがもたらす強烈な手先パワーと、サンインローの強烈なスタミナ。
ホープ(Hope):ウインドインハーヘアにかなり近く、ダンシングブレーヴ≒アルザオ、バステッドなどが共通。Fair Trial経由のサンインローも豊富。
ザフォニック(Zafonic):その奥底に控える「Mixed Marriage」はヨーロッパ底力の粋(ハイインロー)。軽薄なスピードに陥りがちな米血にG1級の底力を与える劇薬だ。

そして、この壮大な欧州の芯を締めくくるのが、シスキンの母母母にあたるポテンシャルの塊、モンロー(Monroe)の存在だ。

モンロー(Monroe):この配合はベストインショウ(Best in Show)×サーアイヴァー(Sir Ivor)
ベストインショウは、超強烈な硬質パワー血統を誇り、世界でも指折りの超名牝。その娘セックスアピールからはトライマイベスト=エルグランセニョール兄弟が出ている。
更にその妹の系譜にアーモンドアイがいる超SSS級牝系

これだけの「Sir Ivorのキレ」「Danzigのパワー」「Mixed Marriageの底力」「Bustedの欧州スタミナ」、そして「Monroeの超牝力」というありとあらゆる活力をボトムラインに完璧に仕込んでいる。


日本競馬を塗り替えたウインドインハーヘアとかなり近いベースと構成を持ち、サンデーサイレンスを持たずとも最上級のキレを有しているのだ。

血統派が色めきだった理由が、そして私が「パーフェクト・ウインドインハーヘア」と大きくぶち上げた理由がわかるだろう。

エグいのはまだある。

異端の米国血統


シスキンがすごいのは、これだけの「欧州的なキレと芯(ウインドインハーヘア的剛柔)」をボトムラインに完璧に仕込みながら、父系(ファーストディフェンス)からは「アンブライドルズソング(Unbridled’s Song)の米国的な軽いスピード」がダイレクトに直結している点である。

直結のさせ方も秀逸。

何度も重ねて言うようになるが、この父ファーストディフェンスは、スピード&パワーの米国血統の中でもSir Ivor ≒ Incantation ≒ Cequilloのキレを増幅させやすい土台があった。


さらに、血統内にベストインショウ・ワイルドリスクなどを散りばめることで父と母の融和を進めている。

だからこそ、父は100%米国血統ながら、母の100%欧州的な要素を引き上げ、欧州マイルG1を勝つような馬を出せたのだ。

欧州的な重厚な土台(芯)があるからこそ、この直結されたアメリカのスピードと推進力が上滑りすることなく、日本の高速馬場を文字通りうなりを上げて突き抜けるための最大の武器へと昇華されている。

「サンデー薄め液」からの脱却、新たな絶対軸へ

これまで、サンデーサイレンス系(特にディープインパクト系を始めとするウインドインハーヘア系)が飽和しきった日本競馬において、輸入種牡馬の役割といえば、その濃度を下げるための「サンデー薄め液」、あるいはアウトブリード用の箸休め的な消極的選択をされることが多かった。

しかし、シスキンは違う

サンデーサイレンスを一切持たないまま、日本競馬の絶対軸である「ウインドインハーヘアの本質」を自らの体内で完璧に再現し、そこに直結で「米国のスピード」を叩き込んでいるからだ。


ここで言いたいことは
「ウインドインハーヘアこそ日本競馬のど真ん中」
であるということ。

そして
「シスキンはサンデーサイレンスもウインドインハーヘアも使わずとも、代替種牡馬になりうる」

そしてなにより、
「ディープインパクト用の繁殖」や、そもそも「母父ディープインパクト」に対応できる可能性があるということ。

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父シスキン×母父ディープインパクト
これほど血統的融和性が高いのに5代アウトブリード

もっと言えば、「サンデー薄め液をやりながら自身が ”種牡馬ディープインパクト” になれる」ポテンシャルを持っているということだ。

ここでさらにもう一押しすると、シスキンはマイラーだ。
「日本競馬的なサンデーサイレンス系」は軒並み中長距離型
母父中長距離サンデー系に融和しつつ、マイラーのスピードを足すことができるのだ。

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シスキンの獲得賞金順の母父一覧
中長距離のサンデーサイレンス系が並ぶ

まとめ

自身の確固たるスピードを確実に伝えながら、相手の持つ中長距離のスタミナやスケールを引き出す。

現在、日本の生産界には中距離の優良なサンデー系繁殖牝馬が溢れかえっている。そこにこのシスキンを配したとき、飽和したサンデーの血の緊張を極上の形で緩和し、ディープやキタサンブラックの血をさらなる高みへと牽引する。

シスキンは単なる新種牡馬ではない。ただの薄め液ではない。

溢れかえったサンデー牝馬たちと交わったとき、ディープやキタサンブラックの血を次代へと力強く牽引し、昇華させる、サンデーフリーの「新たな絶対軸」になりうる逸材なのである。

🐎馬券ポイント✅️
・Sir Ivor≒Droneのしなやかなキレと、Unbridled’s Songの米血スピードの融合。広いコースの直線スピード勝負で無類の強さを発揮する。
・母系にハーツクライやマンハッタンカフェ、キングカメハメハといった中長距離のスタミナ血統を持つ産駒は、芝マイル~中距離で光る。

🐎一口馬主ポイント✅️
・サンデーサイレンス×ウインドインハーヘアをなぞるように母父サンデー系、またはエルグランセニョール≒トライマイベストを刺激できる母父キングカメハメハ系、またはダンジグとリファールとサーアイヴァーを刺激できる母父ハービンジャーなどがオススメ。そう、日本芝中長距離血統なら何でも良い
・「母父シスキン(シスキン肌)」の時代を見据えた投資が極めて有効。サンデーを持たず、体内にウインドインハーヘア的構造とUnbridled’s Songのスピードを内包する牝馬は、「次の時代のサンデー系」を支える力も持っている。

えむいし

えむいし

ゴールドシップ産駒研究家を目指している研究生。 最近はオーストラリア競馬も研究中。

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