一口馬主クラブ、選ぶ時にどのクラブに入るかはかなり大きな決断だと思います。
その時に少しでも判断の一助になればと、各クラブについての解説と会員さんの声をご紹介する記事を投稿していきます。
今回は京都サラブレッドクラブの解説記事です。
なるべく多くのクラブについて書いていきたいと思っています。
アクセス数・SNSでの反響が大きければ執筆ペースが上がりますので、ぜひ皆様よろしくお願いいたします。
エムイシ
・月会費 500円~5500円
・保険料 3.05%
・営業者報酬 3%
・優勝商品売却代金分配 無
・装蹄補助費分配 有
・牝馬買取 5%(6歳3月末)
・口数 500口
・勝ち上がり率 22.7%(近5年・NWR時代を含む)
解説
前身となるのは、マイケル・タバート氏のニューワールドレーシング。
40口クラブで毎日更新をウリにし、入会金や月会費は無料と画期的なシステムを打ち出しましたが、資金繰りが悪化。
経営権が山上氏に移った際に社名変更し京都サラブレッドになりました。
その際に募集口数は500口に変更されたほか、安価な馬を仕入れてダートや短距離を狙う方針に転換されました。
経営権も移っていますし、以前のニューワールドレーシングはかなりインターネット上の悪評も目につきますが、こことは実質別のクラブと考えても差し支えないと思います。
勝ち上がり率は22.7%と水準以下で、ワラウカドと一口馬主クラブの勝ち上がり率では最下位争いをしている状況ですが、これは前身のニューワールドレーシング時代のものも含まれます。
京サラに切り替わった現4歳世代(19産)は勝ち上がり率33.3%。
現3歳世代(20産)は6月1日時点で勝ち上がり率20%と募集価格を鑑みれば健闘しているといえそうです。
とはいえ、しっかりと自分で馬を見極められる玄人向けクラブだと筆者は考えています。
3勝馬率は募集馬のうち1.5%となっていて、現役馬ではオープン馬のフルムのみとなっています。
バイヤー系のクラブで、主に日高生産の馬を募集していますが。
しかし、会員さんによると毎年全く違うラインナップが募集されるわけではなく、一定同じ母馬の産駒が募集されることもあり、半牧場系的な要素もあるそうです。
育成は加藤ステーブルやグランデファームが中心となっていますが、その他の育成となっている馬も一部いてバリエーションが豊かです。
募集馬の特徴としては、オルフェーヴルの兄弟馬であるリアンドファミユ産駒の募集馬がいることやレインボーライン産駒、パドトロワ産駒などマイナー種牡馬の募集馬に加え、マジェスティックウォリアーやエスポワールシチーなどダートで活躍が期待できるメジャーな種牡馬産駒もラインナップに加わっています。
募集馬の平均価格が4歳世代(19産)は706万円、3歳世代は921万円と非常に安価です。
そのため、勝ち上がれなくても抹消給付金と何度か着を拾えていれば募集額が回収できてしまうこともあるそうです。
しっかり着を拾える馬に出資できれば募集額の回収難易度は低いですし、勝ち上がって1勝Cで勝ち負けできればプラス収支も期待できます。
また、更新頻度が週1回と非常に高い点もこのクラブの特徴の1つです。
時には調教師や機種のコメントが連日更新されることもありますし、1歳馬でも毎週更新があるなど、独自の会員サービスを提供しています。
文字だけでなく動画や写真の更新も多いそうなので、クラブサービスを重視する人には最適ですね。
会員制度
現在、京都サラブレッドクラブでは5種類の会員制度があります。
この内、ゴールド会員は新規受付を終了しており、新規で加入しようという方は4種類の中から選択することになります。
・プラチナ会員
高い会費の代わりにポイント還元率が全クラブでもトップクラス。
・(ゴールド会員)
高い会費の代わりにポイント還元率が全クラブでもトップクラス。
・ベーシック会員
普通の会員システム。
・ベーシックフィリー会員
出資できる馬に制限はあるが、会費の安い会員システム。
・ベーシッククリアランス会員
出資できる馬に制限はあるが、会費の安い会員システム。
プラチナ会員
会費 5500円
ゴールド会員は新規受付を終了したため、現行制度では唯一のポイントがもらえる制度。
会費ポイント
毎月2500ポイント
毎月付与されるため、会費の実質負担額は3000円
(1ポイント=1円。1ポイント単位で使える)
大口ポイント
5口以上出資で、馬代金の10%ポイントバック
頭数制限や上限はないので、1頭に100口でも5頭1口ずつでも、出資金額の10%分のポイントが付与されます。
つまり実質いつでも1割引き。
残口ポイント
残口数が多い馬ほどポイント付与率が上がる。
最大20%ポイントバック。
大口ポイントと併用されるため、最大30%のポイントバックになります。
30%バックということは、300万の馬だと、実質210万円(1口4200円)になってしまいます。
無料特典
(現在のところ)毎年指定馬の1口無料。(新規プラチナは2口無料)
ここ数年はだいたい800万円(1口1.6万円)以下の馬が全馬対象になっています。
優先枠
募集時の申し込み多数で抽選となった際の優先枠。現在のところこれが発動されたことはない。
その他も出走時勝利時やイベントの際の優先枠などが設定されています。
上限人数
プラチナ会員は限定500人ですが、現在の会員数を考えてもしばらく枠に余裕がありそう。
ベーシック会員
会費 1650円(複数世代出資で2200円)
ポイントなしのシンプルプラン。
1世代のみなら1650円で、2世代以上出資したら自動的に2200円になる。
ポイントと優先枠以外はプラチナ会員と変わるところはなく、年5口以下の出資ならベーシック会員がおすすめです。
ベーシックフィリー会員
月額 1100円(複数世代出資で1650円)
多分、他のクラブでは類を見ない牝馬限定制度。
牝馬だけしか出資できない代わりに会費がノルマンディーと同じ1100円(2世代以上で1650円)。
牝馬というと一口馬主では避けられ気味ですが、京サラは牝馬に定評があります。
2019年産世代では8頭の牝馬がいましたが、獲得賞金TOP10のうち4頭が牝馬。
2020年産に至っては4頭しかいない牝馬のうち3頭が上位6頭に入っています。
特に19年産のデアノヴァは400万円で募集され3000万円以上稼ぐ大金星を挙げています。
フィリー会員が牡馬に出資した段階で自動的にベーシック会員(1100円→1650円)になる。
来年牡馬に出資すると1世代フィリー会員1100円→複数世代ベーシック会員2200円になるので、そこだけは注意。
ベーシッククリアランス会員
月額 550円(複数世代出資で1100円)
4月1日時点で半数以上売れ残っている馬のみ出資できる制度。
特に血統背景が弱い、小さい、育成の遅い馬は残っていることが多く、今年は8頭(*うち1頭ケガで募集中止)が対象となりました。
「もう一頭増やそうかな」と思ったとき
同程度の価格、同程度の血統背景、どちらも残口あり
であるなら、やはり育成の順調な方が売れる。
殆どの馬で残口あるなら、それが顕著に出るため、決して悪くなさそうな馬でも大量に残ってしまう事がある。
そう考えるとクリアランス会員はとても面白い制度だと思います。
特にこの馬たちは売れ残っていることに驚くほど…。
– ハリウッドブルース(ハニーパイ2021・父カリフォルニアクローム)1000万/2万
母はNAR最優秀2歳馬のハニーパイ。父はあのカリフォルニアクローム
– マジカルレイズ(ビーウィッチド2021・父マジェスティックウォリアー)900万/1.8万
母母ロフティーエイム(G3)。いとこで3/4同血にスマッシャー。
– コルヴィル(ティザチック2021・父Omaha Beach)800万/1.6万
3代母Jeanoからはフォークロア(コントレイルの母母)やエッセンシャルクオリティ(米GⅠ4勝)が出ており、母の全姉は米G2馬。父オマハビーチの持ち込み馬
– アドマーニ(アンドトゥモロー2021・父リヤンドファミユ)300万/6000円
父リヤンドファミユの300万。ネタ枠…ではなく、本当に良血。母母キストゥヘヴンで、叔父にタイムトゥヘヴン、いとこにヒュミドールなど。
こんな人にオススメ
安価な値段で入会ハードルは低いですが、しっかりと血統や馬体で馬選びのできる自信がある人に向いているクラブだと思います。
会員さんからも、安価な日高の馬で大手牧場の良血馬に勝てた時がたまらなくうれしいという声を聞きました。
現在中央で4勝しているフルム(牡4・父シニスターミニスター)は一口2万円、総額1000万円の馬です。勝つ喜びだけではなく、すでに中央でnetkeiba上でも獲得賞金6000万円越えとなっていますから、回収率も素晴らしいものがあるでしょう。
フルムほどの活躍ができなくても抹消給付金も考慮して、イニシャルコストを少なくローリスクで一口馬主を楽しみたい、という方には向いているクラブだと思います。
また、ダート馬や短距離馬が多く募集されるので、こういった適性の馬に出資をしたいという方のセカンドクラブとしても良いと思います。
出資方法によっては会費負担も安く済ませられるので、掛け持ち一口馬主にはありがたいですよね。
また、リアンドファミユ産駒を応援したい!という方にもオススメです。なかなか他クラブでこの産駒を見ることはありませんからね。
さらに、更新が充実しているところもポイントです。
特に1歳馬の時から頻繁に更新が行われるクラブは希少だと思いますから、写真や動画の更新を楽しみたい方にはうってつけのクラブと言えるでしょう。
会員の声
いいところ
・募集額が安い馬が多い
・マイナー血統馬に出資できる
・特定の種牡馬が募集される
・ダート馬や短距離馬中心のラインナップがいい
・出資口数や方法により会費が安くなる
・1勝するだけで元が取れることも
・欲しい馬に自由に出資が可能で抽選はない
・更新頻度が高く内容が充実している
・カタログコメントが面白い
注意点
・勝ち上がり率が高くない
・見切り(引退判断)が早い
・特定の騎手が騎乗することが多い
・オープンクラスの馬がなかなか出ない
・地方馬主資格がないため地方移籍ができない
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
One response
【クラブ徹底解説】京都サラブレッドクラブ編 – サラブレッド研究所 / Thoroughbred Lab.
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