今回はシルクHC2023年募集の1次募集で満口にならず1.5次募集の対象となった10頭の評価を再度振り返りたいと思います。よろしくお願いします。
1.5次募集とは?
シルク2023年募集の1次募集で出資申込馬が全て落選してしまった会員(新規入会者含む)のみが参加できるのが1.5次募集です。
1.5次募集では1人あたり1頭1口までの申し込み制限が加わり、多くの人が当選しやすいような形が作られています。
例年、1次募集で満口にならない馬はいますが、今年の募集を見ていると1人10頭の制限が加えられたためか、満口にならなかった馬の残口がかなり多く残っている馬が増えたなという印象があります。
正確な比較をしておらず完全に印象論ではありますが、150口以上の残口がある馬が5頭も残っているのは、これまでにはなかったことではないかと思います。
1.5次募集馬評価
これまで募集馬検討記事で全頭診断をしてきましたが、いちいち探すのがめんどくさいと思うので1.5次募集馬の評価のみを再度こちらに引用する形で書いていこうと思います。
ちなみに私の出資馬セラドナイトは新馬勝ちをしてくれたシルク所属馬の3歳馬ですが、1次募集で満口にならなかった馬でした。
人気がなかった馬は、全然走らないということはありませんよ。
No6 ファイナルディシジョンの22
基本情報
一口:9万円
父:ロードカナロア
母父:Super Saver
馬体重:437㎏
体高:155.5㎝
胸囲:171.5cm
管囲:20.2cm
コメント
父ローカナ×母父Super Saverで中央出走した馬はいません。
ジェイは前述した通り、ロードカナロア産駒はSS系+Special牝系を中心に考えたいため検討候補には入ってきません。
立ち姿は馬体重の割に腹回りがすらっとしている気はしますが、均整が取れていてシルエットが綺麗ですね。
もう一回り筋肉量が増えてくると僕の好みの馬体になってくるのですが、芝馬だとしたらこのくらいでいいんですかね?
トモがバーンと大きい馬が好きなので、ここから育成が進む中でどれだけサイズアップしてくるか?というところですね。
歩様は、リズミカルで推進力がありそうです。可動域もいいですね。
飛節は少し緩さがあるので、これから育成が進み筋肉量が増えてきてどうか?というところでしょうか。
2歳の早めからというよりはじっくり育成して、という馬に見えます。
No7 チリーシルバーの22
基本情報
一口:5万円
父:オルフェーヴル
母父:Malibu Moon
馬体重:362㎏
体高:147.5㎝
胸囲:167.0cm
管囲:18.0cm
コメント
OCD手術歴ありです、OCDは個人的には必要以上に気にしすぎなくてもいいのではないかと考えています。若干マイナス程度です。
復権のオルフェーヴル産駒ですが、こちらはサイズに苦労しそうな印象ですね。
オルフェーヴル産駒は出走体重によってかなり成績が違う種牡馬です。450㎏を超えるか越えないかでかなり成績が変わります。
もちろん、大きい方がいいです。
この馬の場合既に胸囲はそこそこあるので、体高が伸びてこないとサイズアップは厳しいですね。
2代母と母からの産駒からも現状活躍馬は出ていませんし、他クラブであれば成長して馬体がサイズアップするまで様子見したい1頭です。
まぁ、今のシルクで様子見はできないんですけどね。
No10 アイムユアドリームの22
基本情報
一口:5万円
父:モーリス
母父:フジキセキ
馬体重:419㎏
体高:150.5㎝
胸囲:171.0cm
管囲:19.7cm
コメント
モーリス×母父フジキセキはサンプル12頭で勝ち上がり率42%とやや優秀です。
そもそもモーリス産駒は母系にSS系を入れることで勝ち上がり率が向上するのでその大きな流れの中でこの数字も出ているのかもしれません。
南半球でシャトルで産駒が活躍していることからもわかるように、タフネスやパワーを伝える種牡馬なので、日本のスピード適性を母系で高めてあげないと日本の芝には重くなってしまうのかもしれませんね。
モーリス産駒はコルト気味だと当初から言われていましたが、牝馬も勝ち上がり33.2%と踏ん張っています。
今年の2歳馬は特に初戦から動けているので、モーリスといえば晩成というイメージは変わりつつあるのかもしれません。
きょうだい馬を見ると初仔のユアヒストリーが中央で4勝しているもののこちらはダートなので本馬とは毛色が違いそうです。
3歳世代のマーゴットミトスは未出走とのことなので、体質面は少し心配ですね。
歩様動画を見ると可動域の動きは悪くないような気がするのですが、なんとなく踏み込みに力感を感じないかなという印象を受けました。
でもキビキビ動けてないこともないんですよね、なんと言ったらいいんでしょう、直感的なものなので言語化が難しいですがなんとなくバネ感を感じないような気がします。
歩きは柔らかいんですけどね、それを使いこなす筋力が足りないという感じでしょうか?
これはちょっと自分の中でも理解しきれていない部分で何度も動画を見返しましたが、理由はよくわかりませんでした。
縦から見ると若干間口が広めの作りですかね?外弧気味に前脚を出すので余計に少し気になりました。
大きく心配するレベルではないと思いますし好みの問題だと思います。
No32 トスアップの22
基本情報
一口:4万円
父:サトノアラジン
母父:ジャスタウェイ
馬体重:419㎏
体高:150.5㎝
胸囲:168.0cm
管囲:19.4cm
コメント
サトノアラジン産駒の牡馬は勝ち上がり率28%と水準以下です。牝馬勝ち上がり率が31%なので、現状フィリー寄りですね。本馬は牝馬に出ているのは加点要素だと思います。
南半球でサトノアラジン産駒は活躍していることから考えると、パワー系に出る傾向があり、牡馬だと日本の芝ではスピード不足になってしまうのかもしれませんね。
牝馬の方が芝でキレる馬が多いのかもしれません。
父アラジン×母父ジャスタウェイで出走した産駒はいませんが、母父サンデー系という括りで見るとなんと10頭出走で勝ち上がったのはわずか1頭。
母系全体で調べて見ても、サンデークロス持ちの産駒30頭の勝ち上がり率が16.7%と明らかに悪い数字です。クロス無しだと勝ち上がり率は32%と倍増します。
これを見るとサトノアラジン産駒はサンデークロスなしで検討したいです。
初子でサイズも大きくないですし、推奨はしにくいです。
No41 アグレアーブルの22
基本情報
一口:5.6万円
父:ビッグアーサー
母父:マンハッタンカフェ
馬体重:384㎏
体高:151.0㎝
胸囲:169.5cm
管囲:20.1cm
コメント
ビッグアーサー産駒の全体勝ち上がり率は21%で、牝馬勝ち上がり率は17.9%と低調です。
この数字であればよほど馬が良くなければ手は出ません。
基本的にはビッグアーサー産駒はスプリンターなので、馬体サイズがありパワフルであることがマストだと思っています。
その中でこの馬の現在の馬体重は380kg台。馬体を見ても少し筋肉量が不足しているように見えます。
出資するとしたら4月生まれと遅生まれなので今後の成長に期待する形になるでしょう。
歩様のストライドは狭目なのでやはり距離は短めでしょう。
リズム感は悪くないと思います。
No47 キューティゴールドの22
本情報
一口:10万円
父:ロードカナロア
母父:フレンチデピュティ
馬体重:425㎏
体高:155.0㎝
胸囲:177.0cm
管囲:19.3cm
コメント
ロードカナロア産駒の牝馬勝ち上がり率は40%です。
母高齢ですが、半兄はショウナンパンドラです。
ただその後の変遷を見ていると、打率が高いタイプというよりは1発HRタイプの母という感じがしますね。
他のきょうだい馬は概ね1〜2勝にとどまっています。
また、基本的にこれまでディープインパクトやディープ系種牡馬をつけられてきているので、キングマンボ系のロードカナロアをつけてどうか?というところはあります。
父ローカナ×母父フレンチデピュティは勝ち上がり率43%と平均的で、この組み合わせからはレッドルゼルが出ています。
歩様はすこし硬く感じますがキビキビしています。
短距離馬だと考えればこのくらいでもいいのかもしれません。
ストライドは悪くないですね。
ローカナ産駒は皆そうなのですが、この馬も飛節は緩めですね、ブレが目立ちます。
No49 イルーシヴグレイスの22
基本情報
一口:5.6万円
父:モーリス
母父:ディープインパクト
馬体重:373㎏
体高:151.0㎝
胸囲:171.0cm
管囲:19.0cm
コメント
OCD手術歴有りです。
父モーリス×母父ディープインパクトは勝ち上がり率47%とニックスに近い数字です。
ジェラルディーナやトゥーフェイス、ルークズネスト、ティヴィーナなどがこの組み合わせです。
配合的には面白いのですが、サイズが370kg台の牝馬は手を出しづらいですね。
3月生まれなので遅生まれということでもないですしね。
歩様を見ても非力さが目立ちます、右前が少し外に出て外向する形ですね。
他クラブであれば様子見して成長を見守りたいところですがシルクはそれが叶わないので難しいですね。
No66 ジャポニカーラの22
基本情報
一口:5万円
父:サトノダイヤモンド
母父:ジャングルポケット
馬体重:407㎏
体高:157.0㎝
胸囲:170.5cm
管囲:19.1cm
コメント
サトノダイヤモンド産駒の牝馬は勝ち上がり率16%とかなり危険な水準です。
社台グループの産駒数が一定いて、いい繁殖もつけられている中でこの数字なので、牝馬は今のスタッツではかなり厳しいのが現状です。
2代母以降の繁殖成績は現状特筆すべきものはないですね。3代母までさかのぼればブラックタイプ多数なのですが。
本馬はサイズも現状小さく、歩様も非力感を感じます。
母父の血統的にも、もう少しパワー感は欲しいところですけどね。
サトノダイヤモンド産駒の牝馬は特にストライドが広い馬が多い印象がありますが、この子はいい意味で若干硬さもあるのでそこはいいのかもしれません。
筋肉量が足りないのにストライドが広すぎると持て余してしまいますからね。
No71 モアザンセイクリッドの22
基本情報
一口:6万円
父:レイデオロ
母父:More Than Ready
馬体重:364㎏
体高:153.5㎝
胸囲:166.0cm
管囲:19.0cm
コメント
レイデオロ産駒でついに勝ち星が出て評価を見直し始める人が多いかもしれません。
個人的にはダート色が強い産駒が多いイメージがありダート戦線の結果を見ないと評価は難しいなと思っています。
気性が難しい産駒が多いところが共通項のようですから、おとなしくてダート向きのパワー系牡馬を狙いたいところです。
本馬は牝馬で360kg台のかなりの小型馬ですから、個人的にはレイデオロ産駒で狙いたいタイプではないですね。
歩様も力感に乏しい歩きでダイナミックさはないですね。
ストライドもやや狭めです。
遅生まれなので本来なら成長を様子見して待ちたいタイプです。
No77 パリスビキニの22
基本情報
一口:10万円
父:American Pharoah
母父:Bernardini
馬体重:483㎏
体高:156.0㎝
胸囲:177.5cm
管囲:21.0cm
コメント
両飛節OCD手術と右後膝OCD手術歴有りと3箇所のOCD手術歴があります。
1箇所であればさほど気にしませんが、流石に3箇所になると元々の骨の強さが気になってくるところです。
一口10万円の高額な馬で、ダート牝馬となるとなかなか難しいですね。
とはいえ、半姉が北米のG1馬なわけですし、ここまでCurlin、Into Mischiefなど北米の一線級の種牡馬をつけられていますから母の繁殖としての期待値の高さは間違いないでしょう。
アメリカンファラオ産駒はカフェファラオやダノンファラオ、リフレイムなどダートを中心に活躍しています。
本馬も母系を考えてもダートでの活躍を期待するのが血統的には定石といえるでしょう。
馬体を見ると、少しトモがきゅっと上がっているような体型に見えます。
トモ高なのでまだまだ成長するのかもしれませんね。
歩きはキビキビとしていますが、前が米国系特有の内に内に刺さるような形。
特に右前ですかね?脚元に負担が大きい形と言われるような出し方に見えます。
飛節の安定感はあるように見えましたが、前脚の出し方が個人的には好みではないですね。
1つ救いなのではおそらく芝を使われることはないと思うので、ダートであれば脚元への負担は幾分軽減されそうなことです。
とはいえ、手術歴も気になりますし高額なので積極的には推奨しづらいですね。
1.5次募集で検討するなら?
ジェイは1次募集で1頭当選したため、1.5次募集への参加権はないのですが、もしここから出資馬を選ぶとしたら、という視点で再度検討してみます。
1次募集の段階で高い評価をつけていた馬は正直いなかったので悩ましいところではありますが、これだけ残口が残っているのであれば母高齢で最近勝ち上がり馬が出ていないところが気になりますが、半姉がG1馬とスケールの大きいキューティゴールドの22。
またOCD手術歴は一切気にしないという方で、回収率より一発HRを狙いたいという考えであればダート牝馬で割高には感じるものの筋の通ったボトムラインが魅力のパリスビキニの22が良いかなと思います。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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