今回はDMMバヌーシーで募集されるマリブピアの22について検討していきます。
出資は自己責任でお願いいたします、よろしくお願いします。
血統
↑セリカタログより引用
何より本馬の魅力は母系だと思います。
近親のダノンベルーガやボンドガールが前面に打ち出されていますが、海外競馬を少し知っている方であれば半姉がBCジュヴェナイルフィリーズターフで2着に入ったコーステッドであるところにまずは惹かれるのではないかと思います。
↓コーステッドの戦績:POGINFOより↓
2代母ブルームーンはフランス馬で、こちらもG3で2着に入っているブラックタイプ馬です。
母系の豪華さでいえば言うことないですね、この上ない馬だと思います。
ではなぜこの価格で落札・募集できるのか?
その答えは父ヴェコマ(Vekoma)にあるのだろうと思います。
ヴェコマG1を1勝した馬で、父キャンディライドは南米の大種牡馬。
ガンランナーなど後継種牡馬も出て活躍しています。
ただ種牡馬としての戦績はやや物足りないですし、2023年、2024年ともに種付け料は1.5万ドル(約220万円)と決して現状高い評価を受けているわけではなさそうです。
イメージを持つために日本の種付け料200万円の種牡馬を見てみると…
・ファインニードル
・アルアイン
・ゴールドシップ
・ダノンバラード
・ホットロードチャーリー
この辺りになってきます。
この種牡馬産駒が母系がいいとはいえ6000万円募集が妥当と言えるか?というのは回収を重視される方からすれば一つ目安になるのかなと思います。
ちなみに落札時は32万5000ドル(約4712万5000円)でしたが、輸送費などが上乗せされて6000万円募集になったのだと思います。
筆者は繁殖も見据えた導入であれば、大変いい買い物をされたと思いますが、出資者が関わるのは現役時代だけなので、そこはシビアに考えていきたいところです。
馬体歩様
血統でやや辛口な意見も言いましたが、馬体歩様はなかなかいいと思います。
栗毛なので筋肉の見栄えが良く見える部分はあると思いますがそれを差し引いても素晴らしい筋肉を持っていると思います。
463kgに胸囲183cmですからサイズもしっかりしていますし、シルエットも綺麗ないい馬ですよね。
歩かせてみると、柔らかさの感じや踏み込みは芝馬っぽいなと感じました。
血統的に見てもフランス血統が入っていますし、半姉コーステッドも芝を走っていたことからも、本馬も芝で行けるところで行くのかもしれませんね。
踏み込みの可動域が広く、深く強い歩きをできる牝馬なのでなかなかこれはよく見えます。
推進力やリズム感もいいですよね。
ナチュラルスピードもキビキビしていた速めです。
背中も適度に使えていて、縦から見た時の前脚もまっすぐ綺麗に伸びています。
飛節ブレもそこまで大きくありませんし、馬体歩様を見るとなかなか惹かれる馬だなと思いました。
今年のDMM1歳募集馬の中でもトップクラスに近い歩きをする馬だと思います。
ただ、アメリカはダートが本場で芝向きの馬の方が一枚レベルが下がる印象は否めません。
そのため、わざわざアメリカから導入してくる馬で、ゴリゴリのダート馬ではなく芝馬っぽい馬というのは果たして旨みがどこまであるのか?というところは冷静に考えるべきポイントだと思います。
厩舎
この馬は福永調教師セレクトの馬のようで、関西の新規開業厩舎=福永厩舎に入ることが予定されています。
福永厩舎にロマンを感じて出資される方はここの項目は読み飛ばしていただければと思います。
そうではなく、ニュートラルに考えている方にとっては(僕もこちら派です)正直この厩舎への初年度出資はなかなかギャンブル要素が高いのではないかと思います。
福永厩舎には超高額のセレクトセール落札馬をはじめとして数多くの良血馬がご祝儀的に集まっています。
騎手としての福永さんは大好きでしたし理論的な方なので、調教師としても成功されるのだろうと思います。
しかし、初年度でかつエース級の扱いをされない出資馬がこの厩舎に入った時に果たしてどうなるか?ここは見通せない部分があると思います。
厩舎としての成績が良かったとしても自分の馬の扱いにそれは必ずしも直結しません。
一流のホースマンであることと厩舎経営を行う経営者であり、馬の出し入れを管理する能力というのはまた別なのではないかと私は外様の人間ながら思うのです。
むしろ他の管理馬が優秀だとその分厩舎内序列争いは熾烈になります。
馬房数に対して管理馬が多くなる可能性は高そうなのでそのあたりの厩舎内競争リスクも考えると、数年様子を見てからでも出資は遅くないのではないかと思います。
総評
歩様を見た時とボトムラインを見た時は心が揺らぎましたが、個人的には牝馬限定戦の条件戦を使えない外国産馬の牝馬には余程のことがない限り行かないことにしているので、今回は見送ろうかと思います。
どちらかと言うとこの馬が繁殖入りした後、誕生したこの子の産駒に出資したいですね。
福永調教師も動画の中で競走馬としても楽しめる、と繁殖を見据えた購買であることを匂わせる発言もありました。
そのくらいボトムラインが魅力的なのは良くわかりますが、やはり繁殖念頭に購買されている馬かつ、外国産馬牝馬、キャロットのような母優先があるわけでもないと言うところを総合的に考えると、なかなか手を出すことは難しいです。
ただ、そんな現実的な考えではなくロマンで馬体のいい馬やコーステッドの近親を持ちたい、福永厩舎に出資したいと言う方にはいい馬だと思いますし、うまく噛み合えば活躍する未来も十分想像できる馬だと思います。
1/2000口募集なので、そういった採算度外視のロマン出資がしやすいところも、このクラブの魅力ですからね。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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