【考察】今年もノルマンディーOCの2歳世代がまだ勝ち上がっていない件について byジェイ

ジェイ
ジェイ
どうも、ジェイです。
今回はノルマンディーOC2021年産、現2歳世代の勝ち上がり馬が出ていない件について記事にしていきます。
よろしくお願いします。

ノルマンディー2歳馬の勝ち上がり馬が0頭 

今年も、これの話題が徐々に上がり始める時期になってきました。

去年のこの時期も、ノルマンディー2歳馬(現3歳馬)が誰も勝ち上がっていないとSNSで騒がれていたと思います。

今年も現状、ノルマンディーの21産である2歳世代は1頭も勝ち上がっておらず。全頭未勝利(23年10月16日執筆時点)です。

この時期にまだ2歳馬が勝ち上がっていないクラブは決して少なくはありませんが、ノルマンディー2歳世代の所属馬は58頭います。

世代10頭〜20頭のクラブではなく58頭のクラブで2歳新馬戦が始まる6月〜10月までの4ヶ月強で1頭も勝ち上がっていないというのは褒められる数字ではないでしょう。

しかしそもそも、ノルマンディーOCの2歳馬58頭のうち執筆時点でデビュー済みの馬は6頭しかいません。

デビュー済みの馬が6頭しかいなければ、まだ勝ち上がっていないのも仕方ないかなと思えますよね。

育成進度とクラブ方針

未勝利戦のタイムリミットが決まっているため、ある程度仕上がっていれば早めにデビューさせて数を使わないと、中央で勝ち上がれるチャンスは少なくなってしまいます。

では、なぜノルマンディーの馬はデビューが遅いのか?

それはノルマンディーの育成進度が関わってきます。

これは母体となるノルマンディーファームの育成スタイルが、若馬の時に負荷をかけすぎないことで長く活躍できる丈夫な馬作りをしようというものだからです。

(このスタイルによって本当に他のクラブに比べて所属馬の怪我発生率が低いは…?ですが)

そのため、早くからガンガン乗り込んで2歳早期からガンガン走るスタイルではなく、全体的に育成の進むスピードがゆっくりなため、2歳の冬〜3歳春ごろにかけてのデビュー馬が多いのです。

当然未勝利戦終了までに勝ち上がれない馬は多くいるため、むしろ3歳未勝利が終わったあとの地方出戻り組が出揃って初めてノルマンの世代勝ち上がり判定ができる、くらいの心持ちがちょうど良いと思います。

ということは、2歳夏にデビューできる馬は九州産馬など一部の特殊事例を除けば非常に稀有だと言えますね。

今年の2歳は見込みアリ?

58頭中、6頭しかデビューできておらず全頭未勝利と聞くと、今年の2歳世代も成績が悪いのではないか?と不安になる会員さんもいらっしゃると思います。

しかし、私は今年の2歳世代は少なくとも今の3歳世代よりは現状希望があるのではないかと思います。

ここまで出走済みの6頭を振り返ってみましょう。

・リルフロスト(0-0-1-2-0-1)

・イリスアスール(0-0-2-0-0-0)

・ミシェット(0-1-0-0-0-0)

・ブリッツクリーク(0-0-0-2-0-0)

・レアグリフォン(0-0-0-2-0-0)

・ファルギュライト(0-0-0-0-0-2)

6頭中5頭は掲示板内に入っていて、馬券内に入っていて勝ち上がりが近そうに思える馬が3頭と実はなかなか着順がいいんですよね。

3歳世代の馬の去年同時期を振り返るともう少し着順は悪かったですし悲観する内容ではないと思います。

追い切りで鬼時計を出していたリルフロストに加え、イリスアスールも着差のない3着にきていましたし、ブリッツクリークも九州産馬のため適性外のレースに無理やり使っていただけなので、自分の適条件に変わればさらに前進が見込まれます。

参考までに去年は11月末時点で馬券内に入っていた馬は5頭となっていました。

去年11月末に2歳馬の戦績を振り返る記事を書いておりますので、よろしければそちらもご覧いただき比較していただければと思います。




他クラブの現状は? 

ここまで、ノルマンディーOCの現状についてみていきました。

「じゃあ、他クラブはどうなの?」というところがみなさん気になると思いますので、少し同時期の他クラブの2歳馬がどのくらい出走、勝ち上がっているかについて調べてみました。

ノルマンディーと同じ規模の400-500口クラブを中心に、世代の所属頭数が多いクラブから抽出してみます。(23年10月15日現在)

・キャロットクラブ 93頭中38頭デビュー済み12頭勝ち上がり
・シルクホースクラブ 88頭中40頭デビュー済み11頭勝ち上がり
・東京サラブレッドクラブ 51頭中11頭デビュー済み3頭勝ち上がり
・ラフィアンターフマンクラブ 45頭中24頭デビュー済み5頭勝ち上がり
・ウインレーシングクラブ 31頭中15頭デビュー済み1頭勝ち上がり
・ロードサラブレッドオーナーズ 34頭中13頭デビュー済み1頭勝ち上がり

いかがでしょう?

ノーザン系クラブがデビュー率や勝ち上がり率が抜けているのはさておき、他の日高系クラブと比べてもデビュー済み率はノルマンディーは非常に低いクラブであることがわかると思います。

勝ち上がり頭数に関してはウインやロードもほぼ変わりませんが、デビュー済み頭数の比率がノルマンディーとは大きく異なりますよね。

ノルマンディーOCに新規入会を検討されている方は、ノルマンディーは日高系の中でも特にデビューが遅いクラブであることを理解して入会するといいと思います。




デビューが遅いノルマンで狙うべき馬は?

ノルマンディーもこの状況を鑑みてか、今年の募集馬見学ツアーでも例年より1歳馬の育成は前倒しして早めにやっていますと発言されていました。

ただ、これはデアリングタクト世代あたりから毎年のように早めにしていっていますというコメントは出ているのでどこまで真に受けるか、また、出資会員が期待するほどの変化があるかというのはやや疑問です。

また、スタッフさんとの会話の中で、セリ馬は牧場で色々育成が進んでいてもまたノルマンディーにやってきたら基本的にはイチから作り直すんですという話をされていました。

一般的なデビューが早めのクラブではそこまでここはネックにならないのかもしれませんが、そもそも育成やデビューが遅いノルマンディーではこのタイムラグが致命的になることもあるのではないでしょうか?

実際、サマーセール組の成績がオカダスタッド産の馬に及ばないのはこのあたりにあるのかなと思っていたりしています。岡スタ組は、一貫した育成なのでその分進みが早いのかもしれませんね。

この現状を受けて、募集馬検討に活かすべきことは私は2つあると思っています。

1つは、早期デビューは基本的にできないことを織り込んだ馬を選ぶということです。

これは、同じフックでも考え方は2パターンあります。

1パターン目かつこれは私の持論です。

育成が遅いならせめて早熟気味な血統の馬や馬体の完成度が高く早めにデビューできそうな馬を狙うことで育成が遅いデメリットを打ち消そうと考えて出資馬を選んでいます。

デビュー時期の早さはその後の勝ち上がり率にかなり直結する数字なので、闇雲にデビューを早めればいいというわけではないと思いますが、ノルマンディーの中では早めに始動できそうな馬を選ぶのは私は大事だと思います。

一方、全く逆の2パターン目のアプローチとしてノルマンディーだからこそ晩成傾向の血統や馬体の馬を選ぶという考え方もあります。

これは、逆に早熟な馬を選んでも早期デビューできる可能性は低いのだから、育成スタイルにマッチする遅めの成長の馬に安く出資した方がいいんじゃないか?という考え方です。

これも一理あると思いますが、デビュー時期が遅くなることが多いので地方出戻りまでがセットになる可能性も十分高いです。

そこまで含めて考えられる馬、もう少し噛み砕けば地方ダート適性がありちゃんと中央に戻ってこられそうな馬を選ぶべきだと、もしこのスタイルで出資するなら私は思います。

もう1つ、中央勝ちだけがノルマンの目指すべきものではないということです。

地方で2勝ないし3勝して中央に戻ってこられれば中央1勝Cで出走することができます。

まずはそこを1つのゴールとするのであれば、地方行きは必ずしも悪いことではありません。

なので、ゴリゴリの芝血統でダートで潰しが効かない馬を選ぶよりは、リスクヘッジとして地方行きになった時に対応できるような馬を選ぶ方が良いのではないかと思います。

私はノルマンディー2世代目で出資したプロヴィデンシアというエピファネイア産駒で母父ディープインパクトというゴリゴリの芝馬の牝馬に出資したことがありました。

この馬は歩様がとてもよく見えた他、デアリングタクトを見出した牧雄さんがセリで惚れ込んだ1頭だったということでノルマンディーとしては高額馬だったものの出資しました。

結局体質が弱すぎて中央ではまともに使えず、地方でも気性面の問題もありましたが砂適性的にもかなり厳しいものがあり結局中央に戻ってくることなくファンド解散となってしまいました。

この経験から地方引っ張りが多いノルマンディーで芝馬に出資するリスクは痛感しましたね。

これが正解、という出資方法や戦略はありませんが、今後もこの傾向は続くと思いますのでそれを踏まえてみなさんなりの戦略を考えていただければと思います。

ノルマンディーは難しいからこそ楽しい、ドM向けクラブであることは間違いありません。

会費が安い+デアリングタクトという理由だけで初心者の方が飛びつくと、修羅の一口馬主ライフを送ることになりますのでご注意ください。


ジェイ

現役地方&海外馬主・競馬ライター

登録者4500人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。

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