先日行われた香港国際競走2024を振り返る記事を書いていきたいと思います。よろしくお願いします。
挿入写真とサムネはDaesoo HAN氏提供です、ありがとうございます。
日本馬未勝利に終わった2024年
2024年も豪州、香港、欧州、中東、北米と様々なエリアで日本馬が海外レースに挑戦した。
しかし、年の瀬(とギリギリいえるか?)の香港国際競走を迎える12月時点で、日本馬の勝利は無し。
海外G1レースで日本馬が1頭も勝利できないのは2018年以来とのことだそうだ。
今回の香港国際競走でも、怪物ロマンチックウォリアーに敗れてしまったものの2着にリバティアイランド。3着にタスティエーラが入って意地を見せたし、香港カップや、強敵揃う香港スプリントで3着に割って入ったサトノレーヴなど、善戦はしている。
ただ、最後の最後まで勝利の女神は日本馬に微笑まなかったということだと思う。
着順を考えるとあと一歩のレースはこれまでも多く、決して日本馬のレベルが下がってきているとか、そういう理由ではないと思う。
それこそ、ドバイターフのナミュールはアタマ差の2着。流れと運というレベルの話かと思う。
香港国際競走2024レース結果
香港ヴァーズ
写真提供:Daesoo HAN氏
着順 | 馬名 | オッズ | 騎手 | タイム 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | ジアヴェロット | 17.0 | O.マーフィー | 2:27:53 |
2 | ドバイオナー | 10.6 | T.マーカンド | 2 1/2 |
3 | ステレンボッシュ | 2.2 | J.モレイラ | 3 1/2 |
4 | エンスード | 38.6 | J.マクドナルド | 3 3/4 |
5 | ルクセンブルク | 6.7 | R.ムーア | 4 |
香港スプリント
写真提供:Daesoo HAN氏
着順 | 馬名 | オッズ | 騎手 | タイム 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | カーインライジング | 1.1 | Z.パートン | 1:08:15 |
2 | ヘリオスエクスプレス | 32.0 | H.ボウマン | 1/2 |
3 | サトノレーヴ | 12.5 | J.モレイラ | 3/4 |
4 | カリフォルニアスパングル | 27.9 | B.アヴドゥラ | 2 |
5 | ハウディープイズユアラブ | 60.6 | J.マクドナルド | 3 3/4 |
香港マイル
写真提供:Daesoo HAN氏
着順 | 馬名 | オッズ | 騎手 | タイム 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | ヴォイッジバブル | 3.0 | J.マクドナルド | 1:33:34 |
2 | ソウルラッシュ | 4.0 | J.モレイラ | 1 1/4 |
3 | ビューティージョイ | 152.8 | B.アヴドゥラ | 1 3/4 |
4 | ビューティーエターナル | 31.4 | Z.パートン | 2 |
5 | ハッピートゥギャザー | 147.9 | A.バデル | 2 1/4 |
香港カップ
写真提供:Daesoo HAN氏
着順 | 馬名 | オッズ | 騎手 | タイム 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | ロマンチックウォリアー | 1.2 | J.マクドナルド | 2:00:51 |
2 | リバティアイランド | 4.7 | 川田将雅 | 1 1/2 |
3 | タスティエーラ | 8.2 | D.レーン | 2 3/4 |
4 | ザフォクシーズ | 140.7 | O.マーフィー | 4 3/4 |
5 | ストレートアロン | 126.2 | B.アヴドゥラ | 5 |
レース回顧
それにしても、Jマクドナルド騎手騎乗のロマンチックウォリアーのパフォーマンスは圧巻だった。
ゴール前には後ろを振り返りながら、後続の日本馬たちとの距離を確認する場面もあり、まさに”完勝”を体現するようなレース。
写真提供:Daesoo HAN氏
現地に臨場したカメラマンによると、地元の絶対王者でありながらレース前の調教時にはパドックから本馬場までのスクーリングを行っていたそうで、陣営の抜かりなさが伺える。
日本馬たちも現地で調教に励み、レース前には非常にシャティンの芝は軽かったようで池江調教師はメディアの取材に対し「過去10回の臨場の中で最も芝が軽い」と発言していたほどだった。
写真提供:Daesoo HAN氏
この発言を見て、私は当日スピード馬場で日本馬や時計を持っている馬が活躍するレースになるのではないか?と予想していた。
しかしレース当日のお昼ごろ、シャティン競馬場ではスプリンクラーを用いた散水が行われていた。
馬場が大きく変わるほどの散水ではない、という関係者談も聞かれるが、レース当日の時計は1か月前の現地前哨戦の同距離レースと比べても遅いレースばかりで、やや時計はかかり気味になっていたのかもしれない。
香港ヴァーズを制したジアヴェロットはイギリス調教馬で欧州でステイヤーとしての活躍が目立つ馬。スピードタイプの馬ではないと思い低評価としていた馬だ。
2着に入ったドバイオナーこそ、スピード馬場での活躍歴もあったが、それでもイギリス馬がワンツーフィニッシュという結果には少し驚いた。
シャティン競馬場は水はけがよく時計が早い傾向があるとはいえ、当日の馬場状態をしっかり見極め、どういうタイプの馬がその日来ているのか?先入観にとらわれすぎずに見ていく重要性を感じたレースだった。
手前味噌だが、当日同時視聴配信を行っていたが、人気サイドの決着が多かったとはいえ、日本馬の取捨や馬券的中は相次ぎ、本命馬も3/4で勝利と予想は好調だった。1レース目で誤算となった香港ヴァーズのみ外してしまったが、まずまず視聴者の皆さんに楽しんでいただけたのではないかと思う。
ちなみにのべ7万人の方に見ていただき大変ありがたかった、来年も海外レースは同時視聴配信を行う予定なのでチェックしてみて欲しい。
層の厚い香港勢
2年前くらいから記事や動画で言及しているが、香港勢のレベルは本当に上がっていると思う。
スプリント界の新たな怪物候補、カーインライジングも世界お披露目レースでしっかり勝利。派手な勝ち方ではなかったがハイレベルなレースを制したことは評価に値する。
これからの大レースでの活躍も楽しみで、今後も日本馬の挑戦を阻む壁として君臨することだろう。
一方、斜行により降着処分となってしまったが香港マイルで4位入線していたチェンチェングローリーもG1初出走で4位で入選。
単勝150倍台のビューティージョイも3着に入り穴をあけた他、香港カップでは単勝32倍のヘリオスエクスプレスが2着に入った。
ヘリオスエクスプレスも香港3歳3冠競走の2冠馬ながら国際G1出走は初。いきなり通用することを証明した。
このようにG1戦線でしばらく活躍していなかったベテラン馬や、経験の浅い若い馬が穴をあけることが多いのが香港国際競走の特徴だと私は思っている。
それだけ香港勢は層が厚いのだ。
特にマイル以下のレースにおいてはその傾向は顕著で、しばらくそれは変わらないだろう。
来年も人気薄の地元馬は要チェックだ。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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