どうも、ジェイです。
今回は豪州馬主の筆者が2022年12月11日(日)に行われる香港ヴァーズの予想記事を書いていきます。
よろしくお願いいたします。
香港ヴァーズ概要
香港のシャティン競馬場で行われる芝2400mのレースです。
ハイペースで削りあうようなスタミナレースというよりは、最後の直線で差しが決まるような展開も多いのが特徴で、日本の競馬と近く日本馬が力を発揮しやすい舞台だと考察できます。
実際、日本馬は過去10年で3勝していて相性の悪いレースではありません。
2016年にはハイランドリールを下してサトノクラウンが勝利。
2019年にはグローリーヴェイズが優勝し2着もラッキーライラックでした。
そして昨年の2021年にはグローリーヴェイズが2度目の制覇を果たしました。
リピーターは多いレースで、前述のグローリーヴェイズやハイランドリールなど4頭が2度このレースを制覇しています。
調教国を見てみると、香港馬は過去10年で2勝と他レースと比べて苦戦気味。
地元馬より欧州遠征馬の活躍が目立つレースです。
香港カップデーに行われる他のレースよりも、欧州からの遠征馬の評価を高くする必要がありそうです。
過去3年のレース分析
1着 グローリーヴェイズ
2着 パイルドライヴァー
3着 エベイラ
このレース2勝目をあげたグローリーヴェイズは道中7番手と後方待機。
直線では大外に持ち出し、圧倒的人気にこたえて差し切り勝利しました。
2着だったパイルドライヴァーは道中前2頭から離れた3番手で追走。
直線では内ラチ沿いを使い内外離れた追い比べとなりましたが、グローリーヴェイズとは脚色が違いました。
3着だったエベイラは道中4番手、2着のパイルドライヴァーの後ろを追走していました。
最後の直線では外に持ち出し、抜け出しにかかるグローリーヴェイズに馬体を併せる形で伸びていき3着を確保しました。
グローリーヴェイズの能力と適性が抜けていた可能性はあるものの、やはり外差しが決まるレースだなという印象を受けます。
勝利したモーグルは道中5番手からじわじわとポジションを上げ、4角では外から押し上げていき3番手まで進出。
直線ではスタートからハナを主張し、直線でもラチ沿いを逃げていた2着馬エグザルタントに併せるように内に切り込んでいく進路を取り、抜け出しました。
2着のエグザルタントは前年3着に続き連続で馬券内を確保しました。
3着コロンバスカウンティは道中6番手に控えて直線では外を回す競馬。2着のエグザルタントよりラストの脚色は明らかに上回っていましたが届かず3着でした。
このレースは中団の馬、逃げ馬、後方待機の馬それぞれが馬券内に来ており、どの戦法でも馬券内に来られる実力勝負のレースだなという印象を受けます。
実際、このレースは人気馬決着であり、力がある馬が順当に勝ったレースだったと評価できると思います。
毎年頭数が少ないので、差し馬にとっては前が詰まる可能性が低く外を回してもロスが少ないことも要因としてあるかもしれません。
日本馬がワンツーフィニッシュしたレースです。
この年は出走頭数が多く14頭が出走していました。
勝利したグローリーヴェイズは道中7番手あたり、内目を追走。
3角あたりで1頭分外に持ち出し、最後の直線では前の馬をスルスルとかわしながら上がっていくモレイラ騎手の”神騎乗”に導かれて勝利しました。
さながら、2022年(今年)のケンタッキーダービーを制覇したリッチストライクといったところでしょうか?
それに応えて、最後しっかり伸びたグローリーヴェイズもあっぱれでした。
このレースはリアルタイムで観ていて、当時大変驚いたのを記憶しています。
2着のラッキーライラックは、後方からの競馬となりましたが、道中早めに外をまくり気味に押し上げていき、4角ではグローリーヴェイズの横に並ぶような形でした。
外を回していたものの前は開いていて、脚色はラッキーライラックのほうがいいかと思うほどでした。
3着を確保したエグザルタントはハナを切る競馬。ワンツーは差し馬でしたが、逃げ馬がしっかり馬券内に残せることが示されていると思います。
ジェイの注目馬
3 グローリーヴェイズ
2度このレースを制覇しているグローリーヴェイズを本命視します。
過去2度の勝利も今回の鞍上のモレイラ騎手。
手があっているように見えますし、引退レースなのでお釣りなしの究極仕上げを期待します。
特に、このレースを2度制覇した馬は4頭いますが、3度制覇した馬はいません。種牡馬入り後の価値を高めるという意味でも、ここは負けられないレースだと思います。
7歳となってからはドバイシーマ8着、札幌記念6着と少しこの馬からすると物足りない成績は続いていますが、着差はそれぞれ0.6秒差、0.4秒差と大きくは負けていません。
今年はまだ2走しかしておらず、使い減りもしていないでしょう。
香港ヴァーズだけでなく、去年4月のQE2世Cでも2着に入るなど、得意とするシャティン競馬場ですから、偉業達成への期待度は高いと考えます。
9 ウインマリリン
初めての海外遠征となるウインマリリン。
前走エリザベス女王杯は重馬場で2着、前々走洋芝で行われる札幌記念3着と、スタミナ・パワーを求められる競馬で結果を残しています。
一方、ウインマリリンは既報の通り右肘の持病と付き合いながら競馬を続ける調整の難しさがある馬です。
去年手術を行い、前走のエリザベス女王杯前にはかなり状態がいいと関係者が喜んでいたことは記憶に新しいです。
調整が難しい馬でこれだけの成績を残しているのはさすがの厩舎力、関係者の努力の賜物だと思います。
一方で、輸送や環境の変化などストレスが多くなる初めての海外遠征。
100%の力を発揮できるのか?
グローリーヴェイズより不安要素は大きいような気がします。
2019年のように日本馬のワンツーフィニッシュを見たい気持ちはありますけどね。
10 ストーンエイジ
名門Aオブライエン厩舎の3歳牡馬です。
これまでの戦績は 13(2-4-2-5)と、ものすごく目立つものではないかもしれません。
ただ、この馬はこれまで戦ってきたレースの相手関係がかなり厳しく、強い相手に掲示板内を複数回確保する走りを見せていて侮れない1頭です。
前走キーンランドの芝2400mで行われたBCターフは、3~4番手あたりの好位追走から粘りこみ、2着に入りました。
英チャンピオンSではベイブリッジ、アダイヤー、バーイードなどの猛者相手に果敢に逃げて0.5秒差の5着。
アイリッシュチャンピオンSも0.5秒差5着でしたが、出走馬はルクセンブルク、ヴァデニ、ミシュリフなどとこれまたハイレベルでした。
BCやアイリッシュチャンピオンSなど直接対決で何度も着差を離して今回出走するブルームに先着しています。
この2頭の力関係ははっきりしているのではないかと思います。
血統面を見ていくと、本馬は父ガリレオです。
香港ヴァーズを2度制覇したハイランドリールや2020年勝馬のモーグルは同じくガリレオ産駒。
日本ではガリレオ産駒は現状欧州での活躍ぶりと比較するとあまりハマっていませんが、香港の相性は日本より良さそうです。
筆者の海外馬1番手評価です。鞍上ムーア騎手も頼もしいですね。
この馬は前目、場合によってはハナを切る可能性もあると思います。
例年馬券内に残る先行馬がいますが、今年はこの馬がその枠ではないかと予想します。
2 バブルギフト
フランス調教馬の4歳牡馬です。これまでの戦績は 13(3-4-1-5)。
前走凱旋門賞は17着と大敗しましたが、このレースを度外視すると、かなり安定した成績を誇ります。
前々走フォワ賞は0.2秒差2着、その前のG1サンクルー大賞では3着も、勝ち馬は後の凱旋門賞馬アルピニスタで、着差は0.3秒でした。
このレースでは、内目最後方追走で、最後の直線では内をついて進路を探し、一度は1,2着馬に離されかけるももう一度グンと伸びて距離を詰め、2着馬に迫る3着で、簡単には脱落しない勝負根性は素晴らしいものがありました。
近走は重や稍重での出走が中心ですが、去年は良馬場のニエル賞での勝利があります。
良馬場が最適かは不明ですが、問題ないレベルにこなせると判断しました。
デビュー以来ほとんどのレースで2400mを使われており、この距離がベストだと陣営は踏んでいるのでしょう。
フランスの2400m戦線はハイレベルなため、初の香港遠征となりますが、いきなり勝ち負けの可能性もあると思います。
過去に今年も含め2度挑戦した凱旋門賞クラスの大レースには届かないものの、前哨戦レベルのレースだときっちり勝ち負けできる馬です。
過去のレースを見ても中団や後方に控えて差す競馬もできる馬なので、このレースには合いそうな気がします。
鞍上もルメール騎手、頼もしい名手です。鞍上人気によりオッズが下がってしまうと旨味はないかもしれませんが。
懸念点は、スピードが出る良馬場が最適なのか…?という点と、パリロンシャン競馬場など高低差がありスタミナがいる競馬場でこれまで走っていて、平坦トラックの香港のシャティン競馬場への適性がどこまであるかということでしょうか?
オッズ次第+稍重など条件がそろったときに狙いたい1頭だと思います。
4 メンドシーノ
ドイツ調教の4歳牡馬、メンドシーノです。 これまでの戦績は11(3-2-1-5)。
ドイツ調教馬といえば、凱旋門賞馬トルカータータッソのイメージが強いかと思います。
前々走G1バーデン大賞では、4頭立ての最後方を追走。
最後の直線は各馬一番外側を使って新潟1000直のような感じになり、最も外を走っていたメンドシーノが内側で馬体を併せたトルカータータッソをわずかにかわして勝利しました。
メンドシーノは今年の凱旋門賞にも挑戦しましたが、こちらは2.5秒差の12着に沈みました。
ただ、重厚なドイツ血統馬は基本的に馬場が重くなった時にこそパフォーマンスが向上すると筆者は考えています。
トルカータータッソが勝利した凱旋門賞も重馬場で、メンドシーノが勝利したバーデン大賞は稍重でした。
実際、この馬はこれまで良馬場での出走歴がなく、すべて稍重か重馬場で出走しています。
良馬場のスピード勝負になる展開だと、この馬には向かないのではないかと思います。
陣営もこの馬の適性は馬場が渋ったときにあると踏んでいると思うので、パンパンの良馬場なら軽視したいなと考えています。
ジェイの買い目
3 グローリーヴェイズ 単複
ワイド1点 3-10
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